※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。
2016年8月26日鑑賞
君の名は。
(英題:your name.)
【評価:4.8/5.0】
【一言】
美しき背景、壮大な物語、最高の音楽を体感すべし!
【Twitter感想】
『 #君の名は 』
新海監督らしい美しい背景と鮮やかなストーリーはもう安定。
CMとか見てて「もう一度観たい」と思わせるのはさすが。
ただ、主題歌4曲は使い過ぎ。(最後に一曲かかるのが良いんだよ!)
キャラデザも作風に合わないし、あのラストも無理やりパピエンは駄目だよ…。 pic.twitter.com/7Sy0tCOgax
— ArA-1 (@1_ARA_1) 2016年12月26日
ストーリー
新海誠監督7作目「君の名は。」
都会に住む高校生、瀧。
田舎に住む女子高生、三葉。
ふたりは、夢の中で入れ替わっていた――。
2人の入れ替わりがもたらす結末は?
予告動画
感想
感想外観
今作に限らず新海監督の作品は、先入観などを持たずに真っ白な状態で観ていただきたい。そして、一番最初に自分自身で色々と感じて貰いたいです。
だから、この感想についても読まない事を自分は勧めます。もちろん読んでいただけたら嬉しいですし、1つの指標にしてもらえたなら書いたかいがあります。
(ま、いつも通り自分の意見を書くので。)
………素晴らしかった…。本当に良かった。(終わった直後はこれしか出てこない。) 物語がデカくて、細かくて。壮大で丁寧で。綺麗で圧巻で…。ギュッと凝縮した作品。だからこそ終わったあとに軽く放心状態に。
セリフを散りばめて、言い換えてセリフの持つ力を最大限に活かしてました!
新海監督、やっぱり都会、東京、ビル群を描くのが上手いなぁ〜って。風景描写が神すぎます!
そして監督の過去作品を観ている人には分かるシーンや描写がいくつか!これは嬉しい!
RADWIMPSの主題歌4曲、最高!掛かるタイミング、歌詞、曲調。どれをとっても映画にピッタリ。頭から離れません!
RADWIMPS「スパークル」
声優さん、特に主人公の二人の演技に限ってはとても上手でした!なにせ入れ替わるわけですから…。
でも個人的には批判的。
ギャグや笑いをたくさん入れていたり、エンタメ要素を多くしたり、キャラクターを今風にしたり。万人向け、誰もが楽しめると思います!
でも個人的には批判的。
今回、2回目観ちゃいました!朝一で観て、小説を読んでから夜の最終回で2度目の鑑賞。観ればみるほど自分の中での解釈とかが変わってきます。
とりあえず、全員この映画を観ましょう。新海監督に圧倒されるでしょうし、きっとファンになるはずです!
新海監督の新作を待っていた!
新海監督の絵の美しさ、物語の切なさ、苦しい“距離”・・・。そういったものに魅了されて大ファンになった自分は、今日を迎えられて本当に嬉しい!
しかも全国上映。色々な人に観てもらい、ぜひ監督の虜になってほしい!絶対にファンになりますよ。
巷では「ポスト宮崎駿」とか、「次の細田守」、「庵野秀明の後継者」とかって言ってますけど、これは全部間違い。
確かに宮崎監督の引退でジブリは有名無実化したし、細田守監督は「サマーウォーズ」が頂点。庵野監督のエヴァは進まないし。
でもそれは間違い。絶対に宮崎、細田、庵野監督に新海監督を超えることは出来ないですよ。
新海監督が好きな方はもちろん、これが初めての人も絶対に観てほしい!ファンになりますよ!
観ようかどうか迷っているそこの君!迷う必要はない!今すぐ劇場へ急げ!
「素晴らしかった」としか……
映画を観終わったあと、色々と感想や感情が浮かび上がって渦巻いたけど「はぁ〜」って深呼吸しか出ませんでした。とにかく“凄かった”の一言に尽きます。
内容がギュッと詰まっていて、音楽がドッときて、映像に釘付けになって……。映画が終わって軽く放心状態です(笑)
とにかくたくさん詰まっているんです。これでもかってくらいに。でもテンポ良く物語を進め、笑いを誘いながら盛り上げていき、大きな真実を描き出して、ラストはいい締め方をする。
映画の密度が濃いんです。アニメーションとは思えないほどたくさんの要素を練り込んでいます。
「細密美麗な背景画」、「日常の面白さ」、「壮大な物語」、「絡み合う紐」・・・。
これが2時間で一気に流れ込んでくるんです。終わったらそりゃ、放心状態になりますよ(笑)
湧く“感情”と起きない“感動”
今作、映画を観ていると様々な“感情”が生まれてきます。上に挙げたようにたくさんの要素を、シーンを含んでいるから。
でも同じ理由で“感動”は最後まで来ませんでした。ラストでウルッ……
多分、今回内容がとても詰まっていて劇中では物語を追う方に神経が傾いたのでしょう。だからそのシーンで溜まっていたモノが出てきたんでしょう。
例えば「楽しさ」。2人が入れ替わって描かれるコミカルな日常は純粋に面白くて楽しい! 共感できたり、羨ましがったり…。
もう一つ、「寒気」。あるシーンでゾワゾワってなりましたね〜
あとは形容できない“感情”。観ていて胸が暖かくなったり、締め付けられたり。「頑張れ!」って応援したり、軽い絶望を覚えたり。祈ったり、期待したり・・・。
でも“感動”はなかなか無かったです。いや、「感動するシーンはあってもそれどころじゃない」って書いた方が正しいです。物語を追うので精一杯だったりします。
だからラストのシーンは本当に良かった…。
台詞の力
今作では違和感を覚えるほどにセリフに重点が置かれていたように感じました。
これも感じて欲しいので詳しくは書きませんが……。
映画を看ていても感じましたし、小説を読んでいても強く感じました。多分、予告を見て思った方もいるのでは?「君の名前は?」ってフレーズが多いなぁ〜とか。
確かに「君の名前は」ってフレーズも多いですし、主人公2人が別々に同じことを言ったり、重ねたり、文字で書いたりって効果的に使っていると思いました!
監督の描く距離
新海監督は様々な“距離”をテーマに作品を制作していると以前インタビューに答えていました。
確かに、過去の作品では「時間的な距離」、「物理的な距離」「感情の距離」「意識の距離」「年齢の距離」「立場の距離)「気持ちの距離」・・・と様々な距離が描かれてきました。(これは自分が感じた“距離”です)
さて、今作ではどうでしょう?ぜひご自分で考えてみてください!
ちなみに自分は「上手く“結ん”だなぁ〜」と思いました。
風景が美麗
もはや背景、風景の美しさは新海監督の代名詞ですよね!
特に都会、東京、新宿、ビル群の描写が細かくて美しすぎた…!本当に都会を描くのが上手いし、綺麗ですよね。あとは雨とか、庭園、もちろん彗星の描写も!
描写ということでもう一つ。カメラワークが高度過ぎです!アニメーションだと人物や対象を中心に回り込むという動きを描くのは難しいそう。最近の3DCGアニメーションになってからよく見るようになりました。
今回はそれをやってのけていました!これには心の底から驚きました!そしてめちゃくちゃ綺麗なんです…
重なりますが、彗星がとにかく、めちゃくちゃ綺麗でした。特に予告にもある雲を突き抜けて落ちていくシーン!
RADWIMPS最高!
今回、映画の主題歌を4曲歌うRADWIMPS。いや、本当にどの曲も素晴らしかったです!観終わったあと頭から離れない!
どの曲も良い挿入のされ方をするし、映画にピッタリの音楽性だし。
「夢灯籠」、「前前前世]、「スパークル」、「なんでもないや」。どのタイミングで掛かるかはネタバレですね。実際に聞いたほうが何倍も興奮して感激するはずです
映画にあわせて間奏を長くしているのがとても良かったです!5,6分は優に超えるであろうシーンに対して1つの曲がずっと流れるのは良いものですよ。
RADWIMPS『前前前世』
監督ファンなら……
今作、新海監督の作品を昔のものから観ているファンなら嬉しい(?)シーンや描写が!
例えば「トンビの俯瞰」だと思います。新海監督の作品には必ずと言っていいほどトンビ(もしくは鳥)視点の風景俯瞰が描かれます。 これがめっちゃ綺麗なんですよ!
他にもあるんですが…。とりあえず「言の葉の庭]という新海監督の作品を観てから本作を観るといいかもしれませ〜ん!
演技とキャラ
声優さんの演技に関しては上手かったです!特に主人公の2人を演じた神木隆之介&上白石萌音さん。
男女入れ替わるという事ですけれども、それが綺麗に演じ分けられていて良かったです。あるシーンで突然両者が入れ替わるのですが、特にそこの変化は「おぉ!」って思いました!
瀧と三葉。2人を演じなくてはならないというのはかなり難しい事だと思います。しかも、異性の感情を込めるわけですから。
今作で好きなキャラクターは……。
まずヒロインの三葉ですかね。いやぁ可愛いですよ! あの髪飾り好きです!ルックスも最高!…胸も(小声)
妹の四葉の対応が好きですね〜。あれで小学生なのかと。そう、訛った口調がたまらなく可愛!
主人公の瀧に関しては…正直フツーでしたね。
そう、新海監督の過去作品と比べて登場する人物の数が違います。過去作品では基本は2人のみてそこにフォーカスするという形。しかし今回は何人も人物が出てきました。物語としては色がつきますよね。
“声”にがっかり……
自分は監督の作品の声がものすごく好きなんです!例えるのが難しいですが・・・薄くて淡いというのか、かすれているような。無感情のような冷たさの中にフワッと感情がいるような。時々柔らかい暖かさを出すような。
そんな“声”が大好きだったんですが、今回は少し微妙かなって。感情がこもりすぎているというか、熱すぎるというか…。
もちろん内容的にも感情を込めなければならないとは思いますし、コメディ要素になれば当然でしょう。でも声に感情が現れすぎると、仕草や風景で醸し出したかった感情が薄れてしまうと思うんです。。
小説「君の名は。」
「行間を読む」って言いますよね。まさしくそれです。今回は映画なので「カット間を読む」か、「シーン間を読む」ですね。
小説は映画の2時間では描かれなかった“シーンとシーン”を繋ぐ言葉、キャラのより深い感情、バックグラウンドなどが文字として表されています。
映画では無言のシーンでも心の中ではたくさんのことを考えている。それが文字として描かれているのが小説です。
だから小説を読んで観た2回目は感じ方が全然違うんです。「あ〜いま瀧は黙っているけど、心の中では◯◯って思っているんだよな」とか、「この子はこんな経緯で任された」とか。
それから今作にはスマホでのやり取りなどが多く出てくるのですが映画だと映るのは一瞬。でも小説だとSNSでのやり取りなどを文字としてあるのでゆっくり読めます!
一方で音楽がつかないというのは、やはり惜しいですね…。
ネタバレあり感想
感動、その他感情と感想
上で散々書いたように劇中で涙を流すってことは無かったんです。
でもラストのシーンで来ました。最後、2人が階段を登り顔を合わせ、声をかける。「君の名前は?」そしてタイトルが現れるラスト。
ここで溜まっていた(?)感動が一気に。
あとは三葉が瀧に会いに東京に来るところ。三葉が「迷惑かな?驚くかな?嫌がるかな?気まずいかな?……喜ぶかな?」って考えるシーンが本当に好きになりました!そして東京を歩き回って探して、最後に電車で会える。ここはホロッと…。
ラーメン屋で探していた街が糸守町だと分かって、そこが無いって分かったとき。そして犠牲者名簿で名前が出てきたとき。
この2つは特にゾクゾクって来ました。名簿を見ているときは「載っていないでくれぇ〜」って心の中で。
最後、2人が社会人になり、電車の窓越しに互いを認め、探し回るシーン。ここ本当に好き!そして最後ね。すっごくいい終わり方、最高のハッピーエンド!
カタワレ時、カルデラで
このシーンは名シーンだと思います!お互いに姿は見えないけどすれ違った感覚が分かる。見えないけどいるのが分かるってこの曖昧な確実さ。
で太陽が沈んで訪れるカタワレ時。2人がもとに戻ってからのあのやり取り。
名前を書こうと言って消えてしまう2人。覚えていようとして、忘れたくないのに思い出せない名前。
このシーンは最高でしたね…。
新海ファンなら!
※過去作品を観てない方は読まない事をおすすめします。
まず上でも書いた俯瞰シーン。トンビが飛んでいて、それを追うようにカメラが動き風景が映される描写。他の作品でも出てきましたよね!
これは新海監督の美しい風景を最大限に活かす描写だと思います!
そしてあの古典の先生。「あれ?万葉集だ。」「あれ?どこかで見たような…。」って皆さんも思いませんでした?しかも愛称は『ユキちゃん先生』…………もしかして、雪野先生?
エンドロールで演じている声優見ました?花澤香菜さんですって。監督なりの遊び心なんですかね? (パンフレットに軽く記述がありました。)
「秒速」のラストを彷彿とさせる雪の夜の歩道橋。今回は最後に出逢えるんですね!
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最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!