【過去記事について】お知らせ&お願い

【劇場版OVA】『あさがおと加瀬さん。』───ふわっと柔らかく、いい香りの匂う青春作品!

劇場版OVA『あさがおと加瀬さん。』の感想&ネタバレ内容紹介です!
※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。

2018年6月11日鑑賞

あさがおと加瀬さん。

 

 

【評価:4.0/5.0】

 
【一言】

2人の女の子の恋を切り取った60分。
可愛くて、切なくて、恋しくて、悲しくて、愛おしい!
ふわっとして、温かく、いい匂いのする空気が劇場内に満ちる!
雨の日が、ほんの少し好きになる作品。


【Twitter140文字感想】

 

 

 

 

ストーリー

内気で大人しい山田結衣。
陸上部のエースで人気者の加瀬さん。

2人は女の子同士だけれど、この春から付き合い始めた。
そんな2人が過ごす中の、短い時間を切り取った60分の劇場版OVA。

予告動画

 

 

 


 

 

目次&メモを表示

 

【目次】

 

 


 

 

作品データメモ

監督:佐藤卓哉
制作:XEXCS
原作:高嶋ひとみ『あさがおと加瀬さん。』
主題歌:『明日への扉』山田結衣&加瀬友香(キャタクターカバーソング)
キャスト:高橋未奈美, 佐倉綾音 and more.
上映時間:58分
日本公開:2018年6月9日
配給:ポニーキャニオン
公式サイト

 

 

 


 

 

 

感想

 

感想外観

 

 60分の劇場版OVAという事で期待半分、不安半分といった所で劇場へ。
 観てみて、素晴らしい、本当に良い作品でした! 観てよかった!

6分間のアニメが公開されています! とっても良い雰囲気の映像で、作品の感じを掴むだけでも是非!!
アニメーションクリップ

 

 

 女子高生同士の恋が描かれた「百合」作品。
 2人の女の子がとっても可愛くて、全力で「恋」を応援したくなるような、そんな温かい作品です。
 ふわふわと小動物みたいな娘と、スポーティで格好良い娘。彼女たち、本当に愛おしい!

 

 

 映画から醸し出される「空気感」が大好きな作品でした!
 柔らかく心地良い雰囲気が伝わってきて、どこかいい香りすら漂ってくるような素敵な“空気”をひしと感じられて、嬉しかったです。

 2人から溢れる“幸せオーラ”が眩しいくらい。

 

 

 上映時間はたった60分。
 でも、その中に色々な感情を沢山詰め込んでいて、とても濃くて躍動的でした。

 可愛さに心奪われて、切なさに胸がギュッとなって、溢れる「大好き」な想い、上手く気持ちが伝わらないモヤモヤ感。

 なんか、「青春映画だなぁ〜」って。

 

 

 霞む水彩画のように淡い背景と、キラキラ輝く光の線、静かに奏でられる音楽。
 音楽、背景、アニメーション、会話や表情など、色々な要素全てが柔らかい光に包まれているよう。

 

 

 来場特典は、描き下ろしの短編漫画でした!

 

 

 

 

 

素晴らしい作品!

 

 60分のOVAという事で最初は「わざわざ映画館に行く価値あるかな?」と思っていた本作。
でも、実際に観てみて「映画館の方がいい!」と思いました。

 劇場という閉じられ、映画に集中できる空間で観られたから、上述のような「素敵な空気と匂い」を味わう事が出来たんだと思っています。

 

 

 2018年の5月に『百合展』という展示会に行ってきて、そこでこの作品も展示されていました。

 上映情報自体は知っていたものの、「出逢ったご縁」もあるので観に行きました!
ブログに投稿した感想はこちらです!

 

 

 

 

 

 

可愛い女の子!

 

 登場する2人の女の子。
 彼女たち、本当に可愛かった!

 

 

 ふわふわ・もふもふしている、小動物的な可愛さのある彼女、山田。
 部屋がめちゃくちゃ“女の子”で可愛い!
 頬を赤らめながら喜ぶ様子が本当に可愛い!

 

 クールでスポーティな彼女、加瀬さん。
 とにかく「好き」という気持ちが溢れ出ていて、本当に格好いい!
 大きな笑顔と、全身で照れる様子が可愛い!

 

 

 そんな彼女たち、ただ「可愛い」だけじゃないところが良いです。
 お互いに「全力」と「一生懸命」だから。

 まず、2人は「恋に全力」。好き同士の2人の間で、より近い距離に、恋人らしく、相手を大切にしようとする2人を見ていると、応援したくなりました。

 また、山田は園芸を一生懸命に、加瀬さんは陸上部を一生懸命にやっていて、そこもまた強いと感じました。

 

 

 公式サイトに「アルバム」が公開されていて、2人のラブラブな写真がたくさん載っています!!

http://asagao-anime.com/special/album/img/11.jpg

 

 

 

 

素敵な“空気”

 

 スクリーンから溢れる、アニメから溢れてくる、ふわっと柔らかくて、良い匂いのする“空気感”が本当に大好きな作品でした!

 

 

 観ていて心地の良い、聴いていて気持ちの良い、温かさを感じるような、そんな空気?雰囲気?感覚?感情?に包まれるようで、とっても良かったです。

 特に、主人公の2人が喋ったり、笑ったり、一緒にいたり、手を繋いだり。
 そんな事をする彼女たちから沢山の「幸せオーラ」が溢れて来るように感じました。

 

 

 個人的に、『百合作品』の中で一番好きな部分がこの「空気」なんです。だから、本作でそれをいっぱいに観ることが出来、感じることが出来て嬉しかったです!

 

 

 

 

 

溢れる“感情”

 

60分の作品に溢れ、彩り、詰め込まれているのは主人公2人の様々な感情。

 抱きしめたくなるほどの可愛さ、
 胸が締め付けられるような切なさ、
 2人だけの時間が愛おしく、
 すれ違う“想い”が悲しくて。
 満ちてく「大好き」が恋しくて、
 気持ちが伝わらないモヤモヤ感が辛くて。

 2人の距離やお互いに「好き」という気持ち、女の子同士という周りとの違いや、初めて付き合う初々しさ。

 

 

 なんだか、「青春作品だな〜」というか。男女カップルでも、女子同士カップルでも同じなんだな〜と。

 

 

 

 

 

ちょっと特別な関係

 

 女の子同士という、ちよっと特別な関係。
 「普通の恋人」という言い方は好きではないですが、男女カップルとは違う関係を選んだ2人。

 

 

 どうしたらいいのか、周囲に打ち明けられず、隠すように付き合う2人。
 その悩みが、難しい関係に悩む2人の様子が、他の恋愛青春作品とは違い、少し重くて、でも中身が厚くなっていました。

 

 

 そして、2人は初めての恋。
 右も左も分からず、2人で一歩一歩前に進み、関係を深めていく様子もまた良かったです。

 焦りとか、不安とか、募る気持ち、どうすれば良いか分からない心配。
 そういう感情もまた、鮮やかに描かれていました。

 

 

 また、大人しい山田と、人気者の加瀬さんという2人のコントラストがとても大きかったです。
 人気者なだけに、2人になる時間が少なかったり。色々と、大変な壁が立ちはだかる2人でした。

 

 

 

 

 

作品を構成する良要素

 

 作品を成す要素1つひとつが素晴らしかったです。

 まず一番に印象的なのは「背景」。
 水彩画のように、輪郭がボヤケて風景が混じり合うような柔らかい感じの景色で、作品の雰囲気造りに大きな役割を果たしていました。

 

 

 そして音楽。
 しっとりとした、静かで落ち着いたBGMで、好きです。無理に音楽で盛り上げようとしない感じが良かったです。

 ちなみに、本作で音楽を手掛けたrionosさんは、2018年公開の『さよならの朝に約束の花をかざろう』で主題歌を歌った方。曲の雰囲気が似てて、好きです!

 

 

 また、「光」の描き方も印象的でした。
 太陽の光も朝日・夕日・雲の切れ間から……といろいろ。雨上がりの空の光、涙の光、海の光。
 キラッと輝く「光」が良かったです!

 

 

 

 

 

ネタバレあり感想

 

ネタバレを表示

 

 とにかく素晴らしい作品でした!
 2人の姿を見ていて、終始ニヤニヤしてしまう「幸せ」いっぱいの嬉しい作品!

 前半冒頭で加瀬さんが山田に電話するシーン。2人の慌てようが面白かったですが、それ以上に山田の部屋と洋服が可愛すぎないですか!? 加瀬さんの無機質?な部屋との対比もあって、余計にメルヘンな乙女らしい部屋に感じました!

 

 

 それから、加瀬さんが山田宅を訪れる部分。
 マップで確認してたり、ベッドに顔を埋めたりと加瀬さんから溢れる「好き」がすごすぎる…..。押し倒して本当にするんじゃないかってところまで進んで、見ている私もびっくりです。

 

 

 ラスト、山田が走って新幹線のホームに向かう場面。
 まさか新幹線に乗り込んでしまうとは…..。
 エンディングテーマで主題歌の『明日への扉』、キャラデュエットでしかもカバー曲という嬉しさ! 本当に、本編の内容をそのまま歌にしたかのようにピッタリな歌詞でした!
主題歌「明日への扉」試聴動画

 

 

 

 


 

 

 

以降、映画本編のネタバレあり

 

 

 

 


 

 

 

ネタバレあらすじ&感想

 

序盤

 

 OPクレジットから映画が幕開け。
 原作にあると思しき、告白から付き合うまでの流れをダイジェスト(?)で映し流すような始まり。

 

 

 女の子同士だけど、この春から付き合い始めた2人。
 高校のクラス替えに一喜一憂する生徒たちの中、山田は掲示板の同じクラスに加瀬さんの名前を見つけて喜ぶ。

 

 

 ある日の夜。
 山田のSNSに加瀬さんから「電話してもいい?」というメッセージが。慌てふためきながらも通話を始める2人。

 喋る2人だけれども、何を話したらいいのか、付き合い恋人になったけど、何をしていいのか分からない山田に、加瀬さんは「山田がしたいように」と言う。

 

 

 

 

 

前半

 

 山田は、加瀬さんの為にお弁当を作ることに。昼休みに一緒に食べるつもりだったけれども、陸上部のエースの加瀬さんはお昼休みに部活の方へ。

 一緒に食べられなかった山田は、緑化委員として趣味の園芸を一人する。そんな山田の口からは、ため息が漏れる。

 

 

 翌日。
 朝、加瀬さんと会えた山田だったが、人気者の加瀬さんはすぐに他のグループに呼ばれて行ってしまう。
 昼休みも、加瀬さんは陸上部と一緒に学食に行ってしまった。

 寂しさを顔に出す山田を見て、友達の三河は2人が付き合っている事を見抜き、そして応援してくれた。

 

 

 昼休み後半、山田は加瀬さんに会うことが出来、2人は屋上へ。加瀬さんは山田の手作り弁当を食べ、山田をフェンス際へ連れて行く。

 そして彼女は、「屋上からいつも園芸いじりをする山田を見てきた。上を見上げないかといつも思ってた」と明かす。

 

 

 放課後、2人は一緒に帰る。
 しかし、加瀬さんは自転車、山田はバス。
 バス停で別れる2人の間には寂しげな空気が漂い、2人の視線が重なる。

 山田は来たバスをやり過ごし、加瀬さんと見つめ合う。そして、駆け出した加瀬さんは山田に抱き着くと、2人はキスをした。

 

 

 

 

 

中盤

 

 別の日。
 部活が早く終わる事になった加瀬さんは、山田の家に行くことに。山田は早くから浮かれ喜び、招く準備を万端にする。

 そしてやってきた加瀬さん。
 ベッドに潜って、お喋りして、ケーキを食べて。

 

 

 ベッドに座りながら2人で話す中、加瀬さんは「山田は、私とシテも良いと思ってる?」とそっと呟く。
 山田はキスの事だと思って頷くも、加瀬さんは彼女をベッドに押し倒す。
 そこに、母親からの電話が。
 2人は笑い、その日は別れる。

 

 

 沖縄への修学旅行。
 男子が騒がしい飛行機内に嫌気がさした山田を誘った加瀬さんは、通路の壁にある窓に連れて行く。
 雨が降ってても、雲の上はいつも晴れている。
 短い時間を、2人はそこで過ごす。

 

 

 沖縄到着後、ホテルの部屋は別々。
 夜、山田が大浴場へ向かい、脱衣所でジャージを脱ごうとした時、加瀬さんがやって来た。恥ずかしがって慌てる山田。

 気にしながらも、先に服を脱いで浴場へ向かう加瀬さんの裸を見た山田は、部屋の風呂に入ろうと決めた。

 

 

 その日の夜、加瀬さんから「明日の班行動の時に2人で抜け出そう」というメッセージが届くが、山田は返信せずに寝てしまう。

 

 

 翌日の班行動。
 結局、山田はメッセージを返すことなく、加瀬さんと微妙な空気になってしまう。
 その状態に不安を抱えた加瀬さんは、山田の手を強引に引き、ビーチに連れてきた。

 そして加瀬さんは、「私、ふられたの?」と聞く。心配になってしまった加瀬さんに対し、山田は涙を流しながら「驚いただけ」と伝える。

 誤解が解けた2人は、海辺で楽しい時間を過ごすのだった。

 

 

 

 

 

 

後半

 

 高校3年生、進路を決める時期。
 雨降る日、親と担任との三者面談を済ませた山田は受験する大学を県内の女子大に決めた。そして、そのまま緑化委員の活動をする。

 そこに、加瀬さんがやってきた。
 そこで彼女は東京の大学を受けると伝える。
 山田は、加瀬さんと離れる事が辛くて悩む。その気持ちは、加瀬さんも一緒だった。

 

 

 遂に、加瀬さんが東京の大学の試験を受ける日。
 いつも通り園芸をする山田の元に加瀬さんが訪れ、「出発する」と伝えに来た。
 「頑張って」と伝えて別れる2人。

 

 

 しかし「これじゃ駄目だ」と山田は、加瀬さんの乗る新幹線まで見送るため、ホームを目指して走り出す。
 そして出発ギリギリでホームに飛び込んだ山田は、加瀬さんの姿を見つけると飛びついた。
 そのまま社内の中へ倒れ込み、新幹線はホームを出発してしまう。

 

 

 エンディング。
 山田結衣と加瀬さんの歌う「明日への扉」

主題歌「明日への扉」試聴動画

 

 

 ED後の映像。
 新幹線の列車内。
 加瀬さんは山田に『あさがおの花言葉』を尋ねる。山田が「儚い恋」と答えると、加瀬さんはもう一つの意味を口にする。
 「固い絆」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 最後まで読んでくださり、
 本当にありがとうございました!!

 


コメントを残す