こんにちは!
お元気ですか?
やること色々で更新が滞っております…🙏
それにしても、雨が止みませんね……。
こう雨が多いとただでさえ気分が落ち込むというのに、追い打ちをかけるのは、「一番元気なのが雑草」だということですよ。奴ら、容赦なく勢力を拡大をするから困るんですよ……。
さて、今回は「今だからこそ観たい災害・社会派アニメ」と題して簡単な作品紹介の記事を書いてみたいと思います!
ちなみに、前置きが長いので、適宜飛ばしてもらえると良いかと(笑)
【目次】
今、すごい時代に生きている
今、私たちはものすごい時代に生きています。
ここ数ヶ月だけでも、歴史の教科書を塗り替えるような出来事が毎日のように報道されているのを、誰もが目にしていると思います。
- 未曾有の感染災害。
- 超大国による新冷戦。
- 民衆蜂起と言論統制。
- 自国第一主義の台頭。
- 人種差別への抗議運動。
- 人類をも脅かす気候変動。
- 地球史上類を見ない大量絶滅。
2020年の幕開けと同時に全世界を覆った「SARS-CoV-2」による疫病「COVID-19」は瞬く間に地球規模で拡大し、各国経済に大きな打撃を与え、人々の生活を一変させています。日本では建国以来初となる「緊急事態宣言」が発令されました。
その感染症対策を阻んでいるのが、大国・米国と中国による新冷戦です。前々から貿易や安全保障分野などで対立し、覇権争いを繰り広げてきた両国。トランプ大統領が「武漢ウイルス」と揶揄すれば、中国外交官は「米国が持ち込んだ」と反論。米国がWHOから脱退を表明し、一方で中国はマスク外交でその影響力を広げているとされます。
その中国では2020年に「香港国家安全維持法」を制定・施行させ、香港返還時から維持してきた「一国二制度」を骨抜きにしました。民主派デモの参加者は次々に拘束され、反共産党的な出版物は回収される事態に陥っています。
時を同じくして、黒人差別に対する抗議デモ「BLM」が米国から全世界へ広がっています。白人警官が黒人容疑者を拘束する際に頸部を圧迫したことで、黒人が窒息死した事件を発端に、全米各地で運動が広がりました。欧米の一部では偉人や開拓者の像が破壊されたり、撤去される動きもあります。
日本に目を向けると、気候変動が原因とされる雨量増加によって豪雨被害が頻発しています。さらに連日の猛暑で熱中症による死者も年々増加。2020年に開催予定だった東京五輪では高温を理由にマラソン競技が札幌へ会場変更となりました。2019年に開催されたCOP25では「化石賞」という不名誉な称号を日本が受賞しています。
気候変動や環境破壊によって、過去に類を見ないスピードで生物の絶滅が続いているといわれます。その数は、1日に約100種が絶滅するという状況だそう。新型コロナによってゴミ問題が顕在化しているとも。日本では消費者の意識改革として、プラスチック・レジ袋の有料化が2020年7月から開始されました。
……長くなりました。
要は、何が言いたいのかといえば、「すごい時代に生きている」ということです。ここ数ヶ月の話だけでも、これだけ挙げられる状況は、すごいとしか言いようがありません。
不安定な情勢の今だからこそ、フィクションが持つ意味とか、物語にある価値とかを再認識したり、今までとは違う視点で観ることができると思うのです!
災害アニメ・社会派作品
日本沈没 2020
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それでも人は、前を向く
2020年7月よりNetflixで配信開始されたアニメ。
大地震により沈みゆく日本を描く作品。
【あらすじ】
東京オリンピックが閉幕した2020年、突如日本を襲った巨大地震によって沈みゆく日本列島と、その中で東京脱出から懸命に生き抜こうとする家族を中心に描いた作品。
いまから約半世紀前、1973年の小松左京による『日本沈没』をベースに、舞台を現代日本に設定したアニメーション作品です。
監督は、『四畳半神話大系』や『夜明け告げるルーのうた』などで独特の映像表現を湯浅政明。そしてグランドED曲には、バーチャルシンガー「花譜」が抜擢されました。
私はまだ未視聴なので、あまり書けません。
早々に見たいと思っています!
原作:小松左京『日本沈没』
監督:湯浅政明
脚本:吉田寿男
制作:サイエンスSARU
キャスト:上田麗奈, 村中知 and more.
配信開始:2020年7月9日(10話)
東京マグニチュード8.0
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家族に会いたい、と初めて思った
ノイタミナ枠で放送されたアニメ。
東京を襲った大地震を描く。
【あらすじ】
夏休みにお台場に出掛けた中学生の未来と小学生の弟・悠貴は、そこで東京を直撃したマグニチュード8.0の大地震に遭遇する。助けを借りながら、世田谷の自宅へ向けて歩き出す2人の姿を描く作品。
“Tokyo Magnitude 8.0” Trailer (English Subbed)
かなりリアルに作り込まれた作品です。
東京消防庁や陸上自衛隊、災害派遣医療チームなど専門家に取材してシミュレーションした災害状況を元に物語を構築しています。また、東京の風景をリアルに描いたり、アナウンサー役に滝川クリステルを起用したりと、細かいです。
物語としても素晴らしいです。
災害下での社会の様子や、姉弟の絆、人々の協力の心など、本当によくできています。私が見た時は、ラストで泣きました。
監督:橘正紀
脚本:高橋ナツコ
制作:bones × KINEMA CITRUS
キャスト:花村怜美, 小林由美子 and more.
放送:2009年7月~(全11話)
天気の子
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これは、僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語
2019年に公開の、新海誠監督によるアニメ映画。
異常気象により狂っていく天気を描く。
【あらすじ】
家出少年の帆高が、東京で出会ったのは、祈ることで天候を晴れにできる不思議な力を持つ少女・陽菜。次第に狂っていく天気を前に、2人の友情と恋模様を描いた作品。
大ヒットを記録したアニメ映画です!
新海誠監督の美麗な風景描写と物語はやっぱり凄くて、劇場で観る価値のある映画だと思います!
「天気」が主題の作品です。
劇中での雲の描写などは、気象学者・荒木健太郎が監修をし、出来る限り忠実に描かれているそう。
物語ではどんどん狂っていく天気と、異常気象の様子が描かれ、災害級の事態へと発展していきます。雨天が続く中で、陽菜が祈ると晴れ間が顔を出す描写はとても気持ち良いです。
この梅雨の季節にぜひ見て欲しい作品です! 雨が降っている時に観るほど、臨場感?が増しますから!
監督:新海誠
脚本:新海誠
制作:CoMix Wave Films
キャスト:醍醐虎汰朗, 森七菜 and more.
日本公開:2019年7月19日(114分)
シン・ゴジラ
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現実《ニッポン》対 虚構《ゴジラ》。
2016年に公開された怪獣映画。
正体不明の巨大生物による災害。
【あらすじ】
東京湾に出現した謎の巨大生物が東京に上陸し、街を破壊しながら移動。対応を迫られた日本政府は「巨大不明生物特設災害対策本部」(巨災対)を設置し、事態収拾に奔走する。
日本を代表する「ゴジラ」を、『新世紀エヴァンゲリオン』などを手掛けた庵野秀明が総監督・脚本として12年ぶりに映像化した作品。
首相官邸を筆頭に、日本政府内の政治家や官僚、専門家らの動きを中心に描いた内容が大きく取り上げられました。縦割り行政や閣僚会議、総理レクなどは現実でも近い様子だと思います。日本における危機管理体制や立川広域防災基地なども話題になりました。
政治家も色々発言しています。
自民党・石破茂氏(本人ブログ)や、当時民進党の枝野幸男氏(党広報)、そして安倍晋三首相(首相官邸)や菅義偉官房長官(産経)などなど。
最高に面白い映画だし、台詞が格好良いし、とてもオススメです! 日本人の気概に合っているし、色々とオタク心にも刺さる映画です!
総監督:庵野秀明
監督:樋口真嗣
脚本:庵野秀明
制作:東宝
キャスト:長谷川博己, 石原さとみ and more.
日本公開:2016年7月29日(119分)
日本沈没(1973年)
小松左京の原作の実写映画。
巨大地震や火山噴火により日本列島が沈みゆく様子を描く。
【あらすじ】
小笠原諸島の小島が突如消滅。深海探査船で海溝を調査した研究者が出した結論は、数ヶ月以内に日本列島が沈むという衝撃の事実。相次ぐ地震の中、政府は国民を海外へ避難させる計画を実行に映す。
災害パニック作品でありながら、政府内部の行動や研究者に焦点が当たっている点は『シン・ゴジラ』へと通じるところがあります。災害そのものも当然ながら、その過程部分を丁寧に描いていることがよりリアリティある内容になるのかもしれません。
また、『シン・ゴジラ』が平成の俳優オールスター映画でしたが、『日本沈没』は昭和の大スターが集結した映画です!
地震、津波、火山噴火、火災など度重なる災害の描写が本当に凄くて、これが50年近く前の映画だとは思えない特撮の映像に驚きです。
原作:小松左京『日本沈没』
監督: 森谷司郎
脚本:橋本忍
制作:東宝
キャスト:藤岡弘, 小林桂樹 and more.
日本公開:1973年12月29日(143分)
『Fate/sn』と『まどマギ』
「巨大災害の背後に何があるか?」
というのをファンタジーで説明できるので、オマケで掲載!
【あらすじ】
『Fate/stay night』
どんな願い事でも叶えることができる《聖杯》をめぐり、7人の魔術師がそれぞれ神話や歴史上の人物を使い魔として召喚して、最後のひとりになりまで戦う聖杯戦争。
『魔法少女まどか☆マギカ』
「どんな願い事でも1つだけ叶える代わりに、魔女と戦う」という契約で魔法少女になった少女たちが、人間に危害を加える魔女を倒すために戦う物語。
『Fate』と『まどマギ』と災害。
『Fate』では、魔術師の存在は秘密なため、巨大な魔力の暴走による街の破壊が「原因不明の災害」として詳細を隠したまま処理されます。
『まどマギ』では、一般人には魔女の存在を視認することができないため、魔法少女以外の人々には魔女の痕跡は台風や災害などとして認識されます。
この2作品はもちろん、フィクション!
でも、災害の裏でヒーローが頑張って活躍していると思うことができる、そんな夢があるのがフィクションの魅力ですね!(アニメの内容は夢もクソもありませんが……)
BNA ビー・エヌ・エー
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私は変わる、世界を変える
2020年4月放送のTVアニメ。
「災害」でなく「マイノリティと多様性」の話。
【あらすじ】
獣人が差別される社会で、人間からタヌキ獣人になった影森みちるは獣人特区「アニマシティ」で発生する事件を追いながら、人間に戻る方法を探していく。
TRIGGER制作の新作アニメ。
TRIGGERらしい勢いや格好良さ、アクションの凄さなどを楽しむだけでも十二分に面白いアニメです!(好きな作品なので入れました 笑)
作品は「マイノリティと多様性」を描きます。
獣人への偏見や貧困問題、血統主義者や排外主義者など差別的な悪党との対峙、人間と獣人との融和や対立……などなどが盛り込まれています。
今、世界中で反差別運動が巻き起こっている中で、リアルタイムでこの『BNA』というアニメを視聴できていたことは貴重なことだと思います。
監督:吉成曜
脚本:中島かずき
制作:TRIGGER
キャスト:諸星すみれ, 細谷佳正 and more.
放送:2020年4月~(全12話)
今、災害アニメを観ること
今見て何を思うか、考えるかは個人それぞれだし、どこに共感するか、共感しないかも千差万別だし、そもそも今見る必要だってないかもしれません。
でも、私は今見て欲しいです。
作品と視聴者とが「似た状況にある」というのは、フィクションとリアルの壁を超える一つの鍵になるのではないでしょうか。そして、何もなければ「ただのアニメ」だった作品が、現実と少なからずリンクすることで作品の深さが一気に広がると思います。
今までは気が付かなかった価値を見出したりとか、コレまでは考えてこなかった意味を探すことができるかもしれません。
そして「同じ世界に住んでいるな」と感じます。
紹介した作品『東京マグニチュード8.0』、『天気の子』、『シン・ゴジラ』、『日本沈没』は東京を中心に日本の風景が非常にリアルに描かれています。
巨大地震で倒壊する東京タワー。少女が晴れを祈った六本木ヒルズの屋上。ゴジラが上陸した下町。噴火した富士山。
これもまた「リアルとフィクションの関係性」の問題なのかもですね。『シン・ゴジラ』では「現実対虚構」を対立させていました。ただ、これは必ずしも対立する概念ではないようにも思います。
ここで、『日本沈没2020』の湯浅政明監督のコメントをご紹介しておきます!!
『日本沈没2020』には「失って初めてわかる、日々享受されているものの尊さ」というテーマが込められている。それは、(コロナ禍にある)現代社会のひとりひとりの胸の中にあり、誰もがこの作品の主人公になり得る。この「シズマヌキボウ」を通じて、今を生きる人々の悩みや葛藤、そして何より希望への歩みの力強さを感じてもらえれば嬉しい。
湯浅政明(プレスリリース)
このテーマは、必ずしも『日本沈没2020』だけではないはずです。
『東京マグニチュード8.0』、『天気の子』、『シン・ゴジラ』、『日本沈没』、『BNA』と、制作された年代はバラバラですが、そこで描かれたものは色褪せていないはずです!!!
『シン・ゴジラ』より
最後に、『シン・ゴジラ』から。
個人的にとても印象に残っている2人の人物の台詞を掲載して終わりにしたいと思います。
まずはじめに、この記事の最初に掲載した日比谷のゴジラ像の話から。その足元には、以下のようなプレートが設置されています。
そう、『シン・ゴジラ』の主人公・内閣官房副長官の矢口蘭堂さんの台詞です。巨災対の中核として対ゴジラ作戦を指揮した人物です。
この台詞、まさに今の世界にピッタリ。
元々、「ゴジラ」という存在は原爆や自然災害などを具現化したような存在として描かれてきました。「ゴジラ」の背景には様々な社会問題や環境問題が存在しています。
そして今、「新型コロナウイルス」という自然由来の脅威に人類が脅かされている中だからこそ、ゴジラの存在が意味を持つと思います。
そして、「ウィズ・コロナ」などとコロナとの共存を謳う言説が一般的になる中で、この矢口さんの台詞は大きな現実味を帯びて聞こえてきます!(映画の台詞が、こんなにも現実に刺さるとは!)
上記の台詞以外に、印象的なのものがあるので、そちらも掲載します。
まず矢口さんの台詞。
もう1人は、内閣総理大臣補佐官の国家安全保障担当、赤坂秀樹。現実主義者として政治的駆け引きの手腕を活かしました。
おまけ:MANGA都市TOKYO
2020年に開催されるサブカルの展覧会です。
とても楽しみにしているので、ここでもご紹介!
もう、何度も取り上げていますけどね…….(笑)
日本のマンガ・アニメ・ゲーム・特撮は、都市〈東京〉の特徴や変化を、鏡のように映し出してきました。本展は、こうした作品と東京の関係を、大きく3つのセクションに分け、多数の原画や映像と都市模型でたどります。[…]ようこそ、MANGA都市TOKYOへ。
展覧会チラシより
このブログ記事の中で、「リアルとフィクション」とか「同じ世界に生きている」というようなキーワードに触れました。
まさに、それ。マンガ・アニメ・ゲーム・特撮という日本のサブカルが、いかに都市と共に発達して描かれてきたのかを総覧する展覧会のはずです!
出品作品は、この記事でも触れた『シン・ゴジラ』をはじめとする「ゴジラ・シリーズ」や、庵野監督の『新世紀エヴァンゲリオン』。新海監督の『君の名は。』,『言の葉の庭』, 『秒速5センチメートル』。その他、『AKIRA』や『時をかける少女』などなど有名なタイトルが並びます!
この展覧会はめっちゃ凄いと思うので、ぜひ観に行ってみてください!
【展覧会の概要】
会場:国立新美術館
会期:2020年8月12日~11月3日
料金:大人1,600円
公式サイト:こちら