※本ブログは「読み物」ではなく、「流し見」をおすすめします。
2017年9月10日
ベルギー奇想の系譜
ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで
【一言】
奇妙で異形、奇怪で不思議な姿形をした可愛らしい空想の世界観,キャラクターが最高に楽しかった!
「七つの大罪」や「七つの徳目」を主とするユーモア溢れる皮肉が面白い!
賑やかで愉快だけど不気味な絵画たちと、生み出した画家たちの美術展!
【目次】
【概要】
ベルギー美術。
そのミステリアスな魅力にせまります。現在のベルギーとその周辺地域では、中世末期に発達した写実的描写のもと、独自の幻想的な絵画が生まれました。ブリューゲルの奇妙な生物、アンソールの仮面や髑髏、マグリットの不思議な風景など、そこにはどこか共通する奇想・幻想の世界が広がっています。
本展は15、6世紀を代表するボスやブリューゲルの流れをくむ作品から、象徴主義、シュルレアリスムの作家を経て、現代のヤン・ファーブルにいたるまで、約130点の作品を通して、500年にわたる「奇想」の系譜の存在を探ります。
(公式サイトより)
美術展紹介動画
スポット
アーティスト/トマス・ルルイさんインタビュー
アーティスト・キュレーター/エリック・ワイスさんインタビュー
作品リストはこちら(PDF)です。
【全体感想】
今回観に行ったのは、ボスやブリューゲルといった奇妙で不思議な絵画を集めた美術展『ベルギー奇想の系譜』展。
行った理由の大きな1つが、以前の美術展『バベルの塔展』でボス作品が紹介されており、その楽しさの虜になったからです。
不思議なキャラクター、奇妙な生き物、おかしなクリーチャー………などと夢の中から抜け出したかのような存在が非常に可愛くて、おかしくて、怖くて魅力的です!!
以下の画像は、公式サイトの「奇妙なモンスター図鑑」です。
(公式サイトより)
今回の作品展で知ったのですが、絵画にも「引用」という行為(?)、分野(?)が存在するのですね。特に今回はヒエロニムス・ボスから始まる奇想の流れで、表現方法やキャラが後の作品によって引用されているのを見るのことができました。
引用ということですが、「受け継がれる」という意味なのかもしれません。
絵画作品ももちろんありますが、意外と木版印刷などの絵も多いです。印刷物なので、以前の『バベルの塔展』で観たのと同じ作品が数点ありました。
全体的な感想としてはこのくらいでしょうか?
一つ一つ作品をピックアップして感想を書いたほうが分かりやすいと思うので、以下からその形で感想を書いていきます。
(公式サイトより)
『バベルの塔展』の感想は以下からどうぞ。
【各作品感想】
※各作品の感想における番号は作品リストに対応しています。
作品リストはこちら(PDF)です。
感想に際しては、以下の形式で作品名等を記載しています。
(例)
0:作品名
:制作者
:制作年
:感想
今回の美術展のビジュアルツアーという動画が公開されています。
展覧会雰囲気が分かるので、ぜひ御覧ください!
プロローグ
129:フランダースの戦士(絶望の戦士)
:ヤン・ファーブル
:1996
:虫の死骸で作られた立体作品。外見がエジプトのアヌビス神を思わせる感じが好きです。音声ガイドでは虫の死骸について「戦いで消えた命の象徴」と解説が。仮にアヌビスだとしたら彼は冥府の神ですし…………。
1 15-17世紀のフランドル美術
「奇想」のルーツともいうべきボスのハイブリッドな悪魔たちは、ルーベンスの絵筆のもとで理想的な身体をまとい、激しい感情の表出としての「奇想」が生み出されていく。
(展示解説パネルより)
(公式サイトより)
1-1 ヒエロニムス・ボスの世界
1:トゥヌグダルスの幻視
:ヒエロニムス・ボス工房
:1490-1500年頃
:ただの奇妙な風景だと思っていたけど、解説で、左下の寝ている男性=騎士トゥヌグダルスの夢なのだと知りました。とにかく中央の目の異様さ(可愛い)と、鼻の長いキャラが可愛いです!……………夢オチ?
この絵には、「七つの大罪」のテーマが織り込まれています。(動画「ビジュアルツアー」より)
2:聖クリストフォロス
:ヒエロニムス・ボス派
:1508
:何気に左下中央の老いた怪物が好きです! 右側の人面サーカステントが奇怪すぎです!
3:聖クリストフオロス
:ヤン・マイデイン
:制作年不詳
:No.2に似ていますね。第一印象は「奇妙なディズニー」って感じですかね?(笑) 色鮮やかだし、綺麗だし。何より可愛くて、まるで『イッツ・ア・スモールワールド』?(笑)
4,5,7
「聖アントニヌスの誘惑」という主題が人気に。
彼は3-4世紀にエジプトの砂漠で隠遁生活した聖人です。
悪魔やモンスター、娼婦などが様々な手を使って誘惑する様がとにかく面白いです!
4:パノラマ風景の中の聖アントニヌスの誘惑
:ヤン・マイデイン
:制作年不詳
5:聖アントニヌスの誘惑
:ピーテル・ハイス(帰属)
:制作年不詳
7:聖アントニヌスの誘惑
:フランドルの逸名の画家
:16世紀
6:ソドムの火災、ロトとその娘たち
:ヘリ・メット・ド・ブレス
:制作年不詳
:この作品は似たような構図と主題と作品を『バベルの塔展』で見ました。正直、違いがわからなかったです。(見比べれば明らかに違ったんですがね。)この作品は大火と雲のコントラストが好きです。
8:幼子イエスを運ぶ聖クリストフォロス
:フランドルの逸名の画家
:1560-1570年頃
:船や人物など全体的に「魚」が大きなテーマになっていて面白いです。特に右の大きな魚が目を引きます。ちなみに、関係ないかもですがイエス・キリストを表す象徴の一つに魚のマークがあるんですよ。
魚 into魚 / 壺 into 魚
9:聖クリストフォロス(または聖アントニヌス)の誘惑
:ヒエロニムス・ボスの模倣者(原画)
:1561(初版)
:この作品は『バベルの塔展』で見ました。版画なので、同じ絵柄構図の作品が何点もあるんですよね。ただ、似た作品で細部は違うのかもしれませんが。
13:道化の家族と卵の踊り
:ヒエロニムス・ボスの模倣者(原画)
:1570年以降
:この作品、なんだか童話のワンシーンに出てきそうで好きです。皆んなが踊り狂っている中で、唯一“まとも”なのが孵化する前の卵っていうのが滑稽です(笑)
14:包囲された象
:アラールト・デュハメール(版画に基づく)
:1563年頃
:この作品も以前に見ました。象のデカさと力強さが見事に表されていてGOODです。映画『ロード・オブ・ザ・リング』に似た場面ありませんでした?
1-2 ピーテル・ブリューゲル(父)の世界
彼はボスの「異界」に日常をプラスした画家という解説がありました。
15:聖アントニヌスの誘惑
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1556
:再び、この主題です(笑) やっぱり真ん中の人面の“何か”が目立つし、気になります………。
16:忍耐
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1557
:左の不可思議なキャラは『樹木人間』といい、ボス作品に多く登場するキャラです。木の右下の小さな鳥さんが可愛いです!!
この鳥ちゃん、本当に可愛い!
17:大きな魚は小さな魚を食う
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1557
:遠くの町の姿に当時考案されたクレーンが描かれていると解説が。この題名はオランダで「弱肉強食」を表すことわざです!どこか皮肉チックな感じもします。
確かにクレーンが。
19:マレヘムの魔女
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1559年頃
:酒場なんですかね? 皆んな顔が歪んで目が狂ってます………..。 ちょっと雰囲気が「水木しげる」に似ているような??
完全にやばい顔(笑)
20:魔術師ヘルモゲネスの転落
:ピーテル・ブリューゲル(父)
:1565年
:突然大量の魔物がビックリ箱的に(笑) この流れ出してきた感じが個人的に好きです。
21〜27は「七つの大罪」シリーズです。
七つの大罪はそれぞれ一つ一つに象徴となる動物がいます。
作品展での解説であったので、書いておきます。
嫉妬:七面鳥
怠惰:ロバ
大食:ブタ
傲慢:クジャ
邪淫:雄ニワトリ
貪欲:ヒキガエル
激怒:クマ
21:激怒
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1558
:中心にいるデカイ奴ww テーマが激怒ということで、ナイフとか剣とか武器が多い気がします。
戦闘とかをする準備なんですかね?
22:怠惰
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1558
:左の“腕時計”が面白いです! 右下のベットの人とかまさに怠惰ですよ(笑) 「何にもしたくない感」が漂ってくるような………………あ、ちゃんとロバがいます!
腕時計。…………右奥の火山くんも気になりますけどね(笑)
23:傲慢
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1558
:鏡に映っている姿が美しくなっている場面なんかは傲慢そのものですね。クジャクちゃんも自慢の羽を大きく広げています!!
「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰?」
24:貪欲
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1558
:一番下にヒキガエルが構えてます。やっぱり、当時の人にしてみると「貪欲=宝石,金」というイメージがあったんですかね? まぁ、現代でもそうですけど(笑)
25:大食
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1558
:なんだか、大食という罪よりも「普通の飲み屋」ってイメージが(笑) でも当時は派手な飲み食いは罪だったんですかね……?
魚を食べているけど、腸が溢れ出していますよ。
26:嫉妬
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1558年頃
:題名は嫉妬ですがイマイチよく分からないです。中央奥の建物で執り行われている葬式が気になりますね……。七面鳥発見!!
一応、十字架があるから正当な葬式なんでしょうが………
27:邪淫
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1558年頃
:リア充な恋人ばっかりじゃないですかww 中心のとかディープキスですか…………べ、別に羨ましくなんて……
(なぜこの場面をアップした??)
28〜31は「七つの徳目」シリーズです。
展示は四点だけですが、その七つの徳目をご紹介。
信仰
希望
受徳
正義
賢明
剛毅
節制
28:希望
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1559-1560
:荒れた海、町は火事、牢獄の中、絶望に満ちた中から浮かび上がるのは希望の象徴の女神様!
29:正義
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1559-1560
:正義と題された絵が処刑を描いているって、なんだか違和感です。でも、キリスト教的にはこれが正義なんですかね………。
吊り首、火刑、磔刑、鞭打ち………
30:剛毅
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1559-1568
:剛毅とは強固な意志のこと。この絵には先に説明した七つの大罪の象徴となる動物たちを騎士が殺している絵です。 そして中心の擬人像は剛毅の象徴なのだそう。
貪欲の象徴ヒキガエルと、激怒の象徴クマを討伐しています。
31:節制
:ピーテル・ブリューゲル(父)(原画)
:1559-1560
:節制って「度を越さない」みたいな意味だと思うんですけど、この絵だとお勉強のこと? 中心の人、コペルニクスみたい!!
33:聖パウロを訪ねる聖アントニヌス
:ダッフィート・テニールス(子)
:制作年不詳
:落ち着いていて好きな絵です。やっぱり、老人の絵って雰囲気がとても良いです! 「骸骨」と「砂時計」というアイテムが老いとか時間とかを表すんでしょうね。聖人にまで蛇が誘惑しようと近づいていますよ……。
1-3 ペーテル・パウル・ルーベンスの世界
解説では、これまでの画家よりも、より濃い世界になったとありました。
34:救世主イエスのモノグラムが現れた煉獄
:ペーテル・パウル・ルーベンス(原画)
:1610-1640年頃
:イエスのモノグラムが非常にクール! 宗教画の色が濃い気がします。『IHS』とはイエス・キリストのギリシャ語「 Ίησοῦς Χριστός」をラテン文字転写した「Ihsouz Xristoz」の最初の三文字という説や、「Iesus Hominum Salvator = 人類の救い主イエス」の頭文字という説があります。
37:習作、皮を剥がれて筋肉構造が露わになった三人の男性裸像、一人は右腕を上げている
38:胴と頭の部分のある、左の腕と手を二方向から見た図
:ペーテル・パウル・ルーベンス(原画)
:1630年頃
:ルーベンスもダ・ヴィンチやミケランジェロのように彼も人体の筋肉構造などをデッサンしたんですね。やっぱり、解剖学的に正しい絵を描きたいんですねぇ。
39:ライオン狩り
:ペーテル・パウル・ルーベンス(原画)
:1625-1629年頃
:筋肉が凄いです………。本当に、筋肉の絡み合いですね。これが「筋肉美」というものなのですね。特に馬とライオンの筋肉がヤバいです。
壮絶な狩りの瞬間を切り取った臨場感ある絵!
40:カバとワニ狩り
:ペーテル・パウル・ルーベンス(原画)
:1644-1650年
:これ凄いです!! 動物の生き生きした姿というか、筋肉隆々の馬、ワニ、カバ、犬、そして人間が凄い!! お互いに命がけの狩りですね。
カバの口の怖さ……….
2 19世紀末から20世紀初頭のベルギー印象派、表現主義
工業化、都市化が進む中で、科学の世紀に背を向け、想像力と夢の世界に沈潜する美術家たちが現れる。
(展示解説パネルより)
(公式サイトより)
2-1 フェリシアン・ロップスの世界
41:舞踏会の死神
:フェリシアン・ロップス
:1865-1875年頃
:和服なのかと思ったら、カトリック司祭の服なんだそう。確かに十字架があります。このダークな雰囲気が少し気に入った作品です。
42:聖アントニヌスの誘惑
:フェリシアン・ロップス
:1878
:十字架のキリストを押しのけて裸婦ですか。太った娼婦や豚など確かに没落の象徴ばかりです。ガイコツのキューピッドがかなり好き!
43:踊る死神
:フェリシアン・ロップス
:1860-1868年頃
:メキシコの『死者の祭り』みたいですね! 骸骨のくせしていいお尻しているじゃありませんか…..。
44:冷たい悪魔
:フェリシアン・ロップス
:1863-1866
:黒い影、大きな翼、女性の首筋に噛み付く様子……….ドラキュラですかね?
46:偶像
:フェリシアン・ロップス
:1882
:この作品は主題と題名が好きです! 題名通り、像に理想を見出して、抱きついていますよ。
48:毒麦の種を蒔くサタン
:フェリシアン・ロップス
:1882
:「飢饉」とかを表現しているんですかね? 足下の町上を歩きながら人間をばらまいている姿は死神…….サタンです。
49:生贄
:フェリシアン・ロップス
:1882
:今度はマヤ文明ですね(笑) この牛の頭の神様は女性から出てきたんですかね? それとも入ろうとしているんですかね?
51:娼婦政治家
:フェリシアン・ロップス(原画)
:1896
:政治家に対する皮肉ですね。豚と太った娼婦って、まさに堕落した政治家とかを揶揄しているんですかね? 解説にもありましたが、この題名がないと何の絵なのか見失いそうです。
2-2 ベルギー印象派
66:巫女(シビュラ)
:フェルナン・クノップフ
:1894
:第一印象として「巫女っぽい」と思いました。古代ギリシアの巫女がそのまま石膏像になったかのような絵が気に入りました。
73:赤死病の仮面
:ジャン・デルヴィル
:1890年年頃
:やっぱり!! 解説を見て想像していた通りでした。この絵は小説家エドガー・アラン・ポーの『赤死病の仮面』が主題だそうです。縦方向に統一された線と、黒色が格好いいし、小説にも合っている気がします。背景には小説に登場する大時計が!!
75:レテ河の水を飲むダンテ
:ジャン・デルヴィル
:1919
:遠くから見て、服装でそうだと思いましたが、やっぱりダンテでした! 全体的に淡くて美しいですし、零れ落ちる水の感じが良かったです。 解説では「『レテ河』は前世の憂いを流すというダンテの『神曲』からとった」そうです。
76:運河
:ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク
:1894
:横長の絵で、緑は「ビリジアン・グリーン」という種類だそう。確かに草原が綺麗で好きな色です! 水面の感じがとても良かったです。
78:フランドルの雪
:ヴァレリウス・ド・サードレール
:1928
:どこかで見たことある絵でした。音声ガイドでは夕日って説明がありましたが、朝日なんじゃないかなぁ〜思いました。希望に満ちた朝日。
2-3 ジェームズ・アンソールの世界
84:ソフィー・ヨテコと話すルソー夫妻
:ジェームズ・アンソール
:1892
:好き!! このシワの感じとか、色使いとか好みの作品でした。
86:オルガンに向かうアンソール
:ジェームズ・アンソール
:1933
:アンソール本人を描いた作品です。背景は『キリストのブリュッセル入城』という作品です。(今回の展示ではNo.92)カラフルで服装が良いですね。しかも、音声ガイドではオルガンの音楽を流してくれるという演出がGOODです!!
下の作品がNo.92『キリストのブリュッセル入城』です。
88:私、私の色と私の特徴
:ジェームズ・アンソール
:1939
:陽気そうなおじさんで、優しそう! 「私の色」をしめしているのか、パレットが良い感じに好きです。
89:天使と大天使を鞭打つ悪魔たち
:ジェームズ・アンソール
:1888
:落書きだろ、コレwww でもよく見ると、ボスやブリューゲルらのようなモチーフが描かれていることが分かります。
中心には樹木人間、下方には魚型の船が描かれています。
3 20世紀のシュルレアリスムから現代まで
現代に受け継がれた「奇想」の表現は、オブジェ、音、インスタレーションへと領域をさらに広げ、今もなお創造における豊かな源泉であり続けている。
(展示解説パネルより)
(公式サイトより)
3-1 デルヴォーとマグリット
96:女性と骸骨
:ポール・デルヴォー
:1949
:この女性の描き方はあまり好きではないです。濃すぎる気がしまして…..。
105:前兆
:ルネ・マグリット
:1938
:山の中央に浮かび上がっているのってワシですかね? なんの前兆なんでしょう? 雪崩とか?
107:観光案内人
:ルネ・マグリット
:1947
:はい、これ好きです。ものすごく好きです。CGみたいな感じが良いです! 大砲くんが持っているのが案内旗ではなく……..ビル?
109:大家族
:ルネ・マグリット
:1963
:この絵は美術の教科書で見ました。教科書やネットで観ると空の大きさと鳥に目を奪われますが、実物を観ると、下の海の波がとても綺麗なんです。
114:オールメイヤーの阿房宮
:ルネ・マグリット
:1968
:ラピュタ……ですか?(笑)
117:見つからないもの
:マルセル・マリエン
:1945
:ミニオン用ですかね(笑)
120:プレッツェル
:ウィム・デルヴォワ
:2006
:確かにプレッツェルみたいです! でもよく見るとキリストの磔刑図を繋げた形。自分は「いばらの冠」にも見えるなぁ〜と思いましたが、音声ガイドでは「メビウスの環」、解説では「DNA」とあり、永遠に続くキリストの普遍性を表しているとありました。
122,123:スコッチ・ギャビンネット
:パナマレンコ
:2003-2004
:空想の乗り物を制作しました。展示されていたのはこの模型と設計図、動画作品でした。個人的な印象は「大雑把なSF」です(笑)
124:狂った森、No.1
:ティエリー・ド・コルディ
:2010
:グリム童話の舞台みたいです。森なのか、霧なのか……。右上に本物の草木を使っています!
125:2007-2014年、冬の日の古木
:パトリック・ファン・カーケンブルフ
:2007-2014
:リアルです。嫌いじゃないですよ。細い枝の描写とかがとても本物らしいです。
126:磔刑図
:リュック・タイマンス
:1999
:雪の日ですかね? 遠くにボーっと浮かんでいる十字架。題名のインパクトとは対照的に、淡くて好きです!
127:Automat(3)
:ミヒャエル・ボレマンス
:音声ガイドは「儀式的」と表現していましたが、自分は表情を見せずに毅然と佇む強さを表しているように感じました。
3-2 ヤン・ファーブルと現代のベルギー美術
131:第14章
:ヤン・ファーブル
:2010
:ヤベぇ………めっちゃクール!! 欲しいです!
133:無限
:トマス・ルルイ
:2006
:ゴーストライダーですかね(笑)
134:生き残るには脳が足らない
:トマス・ルルイ
:2009
:「進撃の巨人」の奇行種じゃないですか(笑) 不気味だけど可愛い、小さなサイズの置物が欲しいです! 立体作品なので、一周ぐるりと回りながら鑑賞すると本当に面白いです!!
116:猫へのインタビュー
:マルセル・ブローターロス
:1970
:※この作品は3章1部の作品なのですが、都合により一番最後に紹介します。
本当に可愛いんですよ………。会場では以下の動画の音声が流され、会話を翻訳した文章が展示してありました。(このブログでは最初以外は原文です)
※以下の灰色で囲まれた部分も含めて作品です。
インタビュー音声動画
これはデュッセルドルフ、
ブルク広場12番地の
近代美術館
鷲の部にて
行われた
インタビューです
1970年
マルセル・ブローターロス:これは果たして出来のいい絵といえるでしょうか?つい最近起こりつつある例のコンセプチュアル・アートから一種の言わば新しいタイプの具象へ、といった変化に対してあなたが求めているものに相応しい作品と言えるでしょうか?
猫:ニャオゥ
MB: Do you think so?(そうお思いですか?)
Cat: Miiaaw..mm..miauw..miauw.
MB: And yet this colour is very clearly redolent of the painting that was being done in the period of abstract art, isn’t it?
Cat: Miaaw..miaaw..miiaw..miaw.
MB: Are you sure it’s not a new form of academicism?
Cat: Miauw.
MB: Yes, but if it’s a daring innovation it’s still a contestable one.
Cat: Miaw.
MB: It’s still…
Cat: Miaw.
MB: Er…It’s still a matter of markets…
Cat: Miaauw.
MB: What will the people who bought the previous things do?
Cat: Miauw.
MB: Will they sell them?
Cat: Miiauw..mia.
MB: Or will they continue? What do you think?…Because, at the moment, a lot of artists are wondering about that.
Cat: Miaauw..mm..mii..miauw..
maaw..miaauw..
miaw..mm..
Miauw..miauw..
MiAUW!
MB: In that case close the Museums!
Cat: MIAUW!
***
MB: This is a pipe.
Cat: Miaouw.
MB: This is not a pipe.
Cat: Miaouw…
「美術展のビジュアルツアー」の動画をもう一度掲載しておきます。
それから、こちらも再掲になりますが、『バベルの塔展』の感想です。
長々と、最後までご覧下さりありがとうございました!!!!