※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。
2017年9月2日
劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い
【評価:2.0/5.0】
【一言】
士郎と美遊に焦点を絞った物語。
TVアニメの疑問が晴れた点は評価。
でも、なぜか釈然としないこの気持ち……。
イリヤが全然出なかった(泣)
目次
ストーリー
TVアニメ第4期『〜ドライ!!』の世界を描いた劇場版。衛宮士郎の最後の一言から繋がる物語。
「俺と美遊の……これまでの話を」
冬木市を襲った大災害から一人の少年を救った衛宮切嗣。
衛宮士郎として育てられた少年とともに切嗣が探し求めていたのは、人の願いを叶える神が宿った幼子、神稚児だった。
予告動画
作品データメモ
監督:大沼心
制作:SILVER LINK.
原作:ひろやまひろし
主題歌:ChouCho『kaleidoscope』,『薄紅の月』
キャスト:名塚佳織,杉山紀彰
上映時間:90分
日本公開:2017年8月26日
配給:角川ANIMATION
公式サイト
感想
感想外観
アニメ4期のラストに続くお話です。
アニメの最後で士郎が放った「俺と美遊の…これまでの話を」という台詞に続く物語でした。
(画像はアニメ4期12話より)
予想はしていましたが、期待していたものと違った感が大きいです。『プリズマ☆イリヤ』の劇場版という事で、「さぞかし可愛いイリヤが見られるなぁ〜♡」とワクワクしていたのですが、実際には、士郎と美遊のお話で残念でした。
この映画、予告から見事に期待を裏切ってくれした(笑)
だいたい、こんな感じで期待を寄せていましたね(笑)
①映画化発表時
イリヤが大画面で見れる⤴
『劇場版プリズマ☆イリヤ』だ!
↓
②第一弾予告編
あれ、美遊のお話か⤵
『劇場版キューティー♡ミユウ』かな!
↓
③第二弾予告編
結構シリアスなんだな⤵
『劇場版シリアス♢ミユウ』か………
↓
④第三弾予告編
………シロウのお話か。でも聖杯戦争だ⤴
『Fate/Episode of Shiro』かな。
↓
⑤映画鑑賞後
……あれ?なんか違うぞ……?
『劇場版ウルトラ☆シロウ』じゃん。
内容は悪くなかったです。
描いているのはアニメ4期から派生して展開した部分。アニメでは謎だったり、触れられていなかったり、曖昧な部分の多くが説明されていて良かったです。
内容は良かったのですが、その他の部分がイマイチかなぁ〜と。TV版としてなら十分なのかもしれませんが、劇場版となるならあと一歩欲しかった所です。
まず絵。
SILVER LINKのアニメは全然問題ないのですが、どうもキャラデザが気に入りません。う〜ん………なんというか、TVアニメでは気にならなかったけど、映画では気になったというか。
ってか、やっぱり聖杯戦争要素が増すと、ufotableの映像やキャラ絵と無意識的に比較してしまいます。
(桜はめちゃくちゃ可愛かった!/士郎は異様に格好良くなっていた)
それから声。
こちらも、TVアニメ版とは変わっていないと思いますが、映画館の音響で聴くとどうしても違和感を感じてしまいました……。
そもそも、「可愛らしいキャラデザ」と「Fateの声優陣」と「過去最高にシリアスな内容」がマッチしていなかった気がしました。
あとは構成ですかね〜。
一応、「描くべき部分を描き、省くべきは省く」という事に関してはしっかりと出来ていました。
ただ、逆にはっきりとメリハリをつけすぎていて、これまた違和感を感じましたね。
全体的には微妙な作品でした。
内容は良いのですが、映画を構成するその他の要素が見事にミスマッチをしていた印象です。
あとは、イリヤがあまり見られなかったのが残念すぎます!!!!
あれ、予想外。
最初に書いた通りです。
第一弾のキービジュアルが原因の一つですが、自分は思いっきりイリヤが主人公の映画だと思っていました。
映画館の大スクリーンで可愛いイリヤや美遊が見れると思っていたら、まさかの期待はずれです。
(このキービジュアルは詐欺だって!)
ロリ無し。
百合無し。
妹要素だけあった!
まさに『プリズマ☆イリヤ』の醍醐味の幾つかが無くなってしまっていて残念でした。
予告編を見て、ある程度のシリアスさは覚悟していましたが、プリヤの劇場版だからギャグとかエロ要素もちゃんとあると思っていたのですが、ほとんど皆無でした。
これはなかなかショックでしたねぇ〜。
せめて、こういうチケットとか買っておけばなぁ~(ってか、欲しかったなぁ)
内容はGOOD
物語の内容自体はとても良かったです。内容というよりは、描いた部分という方が正しいかもしれません。
ネタバレを避けつつ言えば、アニメ第4期『ドライ!!』から展開して派生した話です。
TVアニメでも急にシリアス系になりましたが、映画ではその変化について詳しく説明がされていて、個人的にはGOODです!
『ドライ!!』では特にあの世界観についての説明はありませんでしたから、不思議と疑問を抱えながらも無視してました。
本映画によってその部分がちゃんと理由付けされたのはスッキリしました。
(画像はアニメ4期1話より)
イマイチ:絵
まぁ、絵・キャラデザ等については仕方がない部分とあるとは思います。原作が漫画ですから、それに合わせた形とならば仕方ないですし。
でも、やっぱりキャラデザに不満が。
これまでの「可愛い魔法少女」を描くから今までのキャラデザ・絵質で問題ないのですが、今作のようにガッツリとシリアスな内容を描く際には、やはりあの絵だと雰囲気が劣るというか…………。
それから、やっぱりufotableと比べちゃいますね。TVアニメのようにギャグ調の強い作風なら良いのですが、映画のようにガチの聖杯戦争を描く場合、美しいufotableの映像と無意識的に比較してしまっています。
特に、バトルの際の火花とか比べ物にならないくらい美しいです。
(画像は『Fate/stay night [UBW]』1話より)
イマイチ:声
声はまぁ仕方ないと言えばそれまでなんですが………。違和感を隠せません。
理由はいくつかあるでしょうが、一番はまず「内容」と「絵」と「声」の不釣り合いではないでしょうか……?
何度も書いているように映画はシリアス系な内容な為、絵も必然的に綺麗だと嬉しいです。そしてそれは声でも同じで、声ももっとシリアスな雰囲気を出してほしかったなぁ〜と。
あとは音量と音質の問題でしょうか? 映画館なので音は大きいですからよりよく聞こえます。TVアニメとは違う状況で、違和感を感じたのかもしれません。
でも、声優さんたちは『ZERO』や『stay night/UBW』と変わらないでしょう。
だから、絵や内容で埋めてもらうしかないのですかね………?
声に関連して。
ChouChoさんの主題歌『kaleidoscope』。
ネットで知ったのですが、隠された(?)部分が素晴らしいです!!
主題歌のMVです。
映画の構成
内容を抜きにして、構成だけで考えると良かったと思います。物語的に必要な部分はちゃんと描かれており、直接的に物語の進行に関わらない部分は早送り程度で描いていました。
構成的にはスッキリした作りで良かったと思います。
ただし、自分の希望を加味するとこの評価が変わってくるんですよ。「早送り気味に描いた部分を持つと丁寧にしてほしかったなぁ〜」と。
具体的にシーンを書くとネタバレになりますが…….後半で早送り的に描かれた“あの”シーンです。
確かに物語の中ではさほど重要ではないですが、『Fate』というジャンルの中では一番の見どころだと思います。
その部分があまり細かく描かれなくて残念でした。
以降、映画本編のネタバレあり
ネタバレあり感想
感想
映画の内容的な感想の前に、プチ感想です。
今回の映画ってTVアニメ1~3期と並行世界ってことで良いんですよね?
感想を書いていて思ったんですが、題名の「kaleid liner」を少し考えたら、「kaleid」は万華鏡(Kaleidoscope)の一部単語で、「liner」は「接続」みたいなニュアンスでしょうから、並行世界の話を描くのも普通の流れだったのかもしれませんね。
そして、上で書いた主題歌について。
ネットで知った情報なのですが、映画の主題歌『kaleidoscope』の終りの部分、アニメ1期の主題歌『starlog』の始まりの部分になっているんです!
本映画はアニメ第1期の前日譚的な内容なわけで、映画本編のラストではアニメ1期のシーンが描かれていたわけで、それを踏まえると粋な演出ですよね!
映画主題歌『kaleidoscope』(1分15秒辺りからがラスト)
アニメ1期主題歌『starlog』
冒頭
まず最初に嬉しかったのは、衛宮切嗣が正義の味方になれた、もしくはなろうとしている世界線だと言うことが嬉しかったです!
『Fate/ZERO』で「僕はね……正義の味方になりたかったんだ」と士郎に語る場面がありました。そこを踏襲したんでしょうね。
(画像は『Fate/ZERO』25話より)
ただ、結局、第四次聖杯戦争では聖杯を頼って、今回は神稚児に頼ろうとしたわけですが。
あとは、クレーターの正体が分かりましたね。
(画像はアニメ4期2話より)
前半
で、まぁ、美遊を回収して衛宮邸で育てたわけですね。にしても、士郎の年齢って幾つですか? 料理が上手すぎません?(笑)
神稚児と関連の説明、及び計画等の説明。
なんだか、しばらくずっと説明的な台詞が続いてつまらなかったです。
情報を伝えるのはもちろん必要ですが、たった90分の映画にしては長いという印象でした。
桜さん登場!
めちゃくちゃ可愛くなってて笑いました(笑) ただ可愛くなったというか、幼さが加味された可愛さに。(原作ゲーム,ufotable版の桜が大人びてるだけ?)
ちょっと先走りますが、後の方で「今が一番幸せ」という台詞が最高でした。
お土産。
ネコアルクのパジャマ。
最初はパロディだと思って笑っていましたが、よくよく考えれば、アニメ第4期の最終話でイリヤが着ていたやつじゃないですか!!!
(画像はアニメ第4期12話より)
中盤
美遊とのお出かけ。実際は、真実を伝えに。
混乱しながらも、願望器の意味を知った美遊。「士郎さんと本当の兄妹になりたい」って台詞が良かったです。
で、美遊は誘拐されちゃいます。(幼女誘拐とかサイテー)
士郎が目を覚めると…………“見知らぬ天井”でした。
このシーンで士郎が「言峰綺礼」と「衛宮切嗣」を間違えましたね。これ、自分も『Fate/ZERO』の時に混乱しましたよ。素晴らしくユーモアの聞いたワンシーンでした(笑)
教会から帰った後の士郎、ヤバくないですか?
キャラデザというか、顔が変わりすぎてる……。親と子は似ると言いますが、目とかまさに切嗣じゃないですか(笑)
後半
それで、いよいよ盛り上がる後半。
「ワカメから始まる聖杯戦争」です。
まずは可愛い桜ちゃんから。
雪の降る夜に。桜と士郎の間では、「ご飯」がかなり大きなキーワードなんですかね?
自分の身を蹴ってまでサーヴァント・カードを渡そうとするのが、本当に凄い。
初めて知った事なんですが、妹を殺すのって射精より気持ちいいらしいです。
殺されてしまう桜ですが、アニメ第4期『ドライ!!』で登場した彼女は人形だったのかも知れないです。(友人の意見)
さぁお待ちかね、ワカメこと間桐慎二の襲来です。なんと言うか………世間で馬鹿にされている慎二を具現化したような姿・性格でしたね…(笑)
髪の毛はもちろんワカメ。その上語彙がゴミレベルww
登場早々で「僕こそが間桐家の正式な後継者 名前は間桐…マトウ………………………………………………なんだっけ?」って名前を忘れるとか…………。
英霊をインストールしたグロテスクな見た目と、狂気に満ちた叫び声で戦いが展開しました。
月明かり差し込む納屋で、かの有名な「セイバー召喚」を連想させる構図に思いました。
で、その後に英霊になった士郎の無双が描かれるわけですね。 戦う相手はこれまでの『Fateシリーズ』の登場人物が誰かしらの英霊をインストールした敵…………のはず。
この場面。もっとゆっくり、丁寧に描いてほしかったです。やっぱり英霊の戦いはメインイベントです。しかも、この映画で過去のキャラクターを敵として登場させているわけですから、もっと楽しみたかったです。
ラスト
最後はギルガメッシュを纏ったアンジェリカと対決。やはり、固有結界「無限の剣製」を使って倒すんですね。
(画像はアニメ第4期11話より)
なにより、士郎が願ったものが「美遊の幸せ」と言うことが最高に良かった!!
そして、ここがアニメ第4期『ドライ!!』の最後の方で士郎と美遊が会話した内容だったんですね。
全てが繋がって、気持ちよく感動できました。
で、美遊はイリヤ達の世界に送り込まれるわけですね。(それとも、聖杯が作った世界?)
アニメ『プリズマ☆イリヤ』の最初に繋がる演出はとても良かったです!………ただ、イリヤが喋るの少なすぎる……(笑)
最後に、ちょっと面白かった事を。
映画館で上映案内を呼びかける時、店員さんが「まもなくFateの上映始まります」と言っていて違和感を覚えました(笑)
自分的には、「『プリズマ☆イリヤ』の劇場版」という印象が強くて、Fate感はあまり持っていなかったので。
これで感想を終わります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
>P さん
記事を読んでくださり、またコメントをありがとうございます!
そうですね~。
その部分は知っていたものの、やはり『プリズマイリヤ』はギャグ調というか、可愛い系を期待していたので、そのギャップに驚いてしまった感じですかね。
記事読みました!
この作品はプリズマイリヤ版のfate/zeroと言った感じでしょうか。(と言ってもfate/stay nightとzeroは繋がりのないパラレル設定と聞きましたけど)
今度見かけたら見てみたいです!