※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。
2018年1月10日鑑賞
キングスマン:ゴールデン・サークル
(原題:Kingsman: The Golden Circle)
【評価:4.5/5.0】
【一言】
キレッキレのアクションと、
スタイリッシュな映像と、
ノリノリの音楽と、
クールな殺戮が帰ってきた!
物語に重点を置いてもなお、溢れ出るワクワク感と、純粋に映像を楽しめるのが素晴らしい!
【目次】
ストーリー
表向きはロンドンの高級テーラー、しかし本当の姿は世界を守る敏腕スパイ組織「キングスマン」。
何者かによるミサイル攻撃によって多くのエージェントを失った「キングスマン」は、アメリカのスパイ組織「ステイツマン」の協力を仰ぐ。
調査をすすめる中で、事件の裏に「ゴールデン・サークル」なる正体不明の組織が隠れている事が判明し…………。
予告動画
作品データメモ
監督:マシュー・ヴォーン
原作:マーク・ミラー
キャスト:コリン・ファース, ジュリアン・ムーア and more.
上映時間:141分
日本公開:2018年1月5日
配給:20世紀フォックス
公式サイト
感想
感想外観
映画『キングスマン』が帰ってきました!
スパイ・アクション映画の最高峰とも呼べるような、バトルも映像も徹底的に磨かれた作品を、再び観ることが出来て嬉しいです!
まず賞賛すべきは、やはり「バトルシーン」でしょう! 《アクション》と《映像》という洗練された2つが組み合わさり、素晴らしいシーンになっていました!
無駄を省いた動きはスピーディーで格好良く、それを描き出す映像もまた“みせる”ことに注力していました。
その《アクション》。
今回も、圧倒的に驚異なシーンの連続で、そのどれもが本当に華麗でスタイリッシュなアクションでした!
銃・投げ縄・拳・その他秘密兵器……とどんな武器を使っていても、どんな状況下でもエンターテイメントとして見事なアクションでした!
そして《映像》。
観ていて飽きない映像というか、スクリーンに引き付けるような、一瞬も目を離せない映像でした。
物理法則を無視したようなカメラワークをしたり、スローモーションを用いたりと、とにかく「格好良く映し出そう」としているようで、良かったです。
そんな『キングスマン』を飾るのは、大音量で流れるクールでポップな音楽!
今回もそれは健在で、舞台のアメリカを意識したカントリーミュージックや、派手な音楽などがシーンを飾り、最高でした!
映画全般的に観て、「物語に重点を置いている」と感じました。 恋や尊敬……etc.と色々と混ざってたし、上映時間も長くなった事で沢山詰め込めたんだと思います。
で、そんな内容になってもなお、アクションとか展開とかが疎かにならず、磨きがかかってるのが凄いです!
あとは、やはり魅力的というか、狂気的というか………なキャラクター達ですね!
今回も頭がおかしいキャラや格好良いキャラが登場します!
バトルシーン
ここまで徹底的に「見せること」を念頭に置いて磨かれたバトルシーン映像はなかなか無いんじゃないでしょうか?
もちろん映画はどの作品も「見せること」を目的にしていますが、『キングスマン』はその中でも群を抜いていると思います。
「観客が見やすいか?」よりも「どうしたら格好良いか?」を意識して作っているように感じました。
映像として表現するときに、迫力とスピード感を出しながらも、格好良さを削ぐことなく素晴らしいシーンを作り上げています。
その構成要因の1つが、キャラクターの「省略化された動き」だと思います。「雑」ではなく「無駄を省く」です。
アメコミ作品にありがちですが、特技や能力を見せびらかす為に無駄な動きを取り入れるアクションって多くないですか?
敵を倒すのに一刻を争うのに、それって本末転倒じゃないですかね?
でも、『キングスマン』は敵を倒す為に動作を効率的に省略した結果、特技を使ったり、秘密兵器を有効に活用したりしている印象です。
だから、観ていて気持ちがいいし、無駄が無いから、映像もスッキリしてて、さらに格好良いんじゃないかなぁ〜と思いました。
アクション
今作もアクションは凄かったです。
「無駄を削いだアクション」だから観てて純粋に格好いいと思えるのだと感じました。
銃の撃ち方や拳の繰り出し方、投げ縄の操り形などに無駄が無いからとてもスタイリッシュに感じるし、シーンが途切れないから、より迫力とスピード感のあるアクションになっています。
様々な武器に加えて、あるものは何でも利用する臨機応変な対応で、身近な物が次々と武器に変わっていきます。
銃→拳→瓶→蹴り………と次々に攻撃が繰り出されるから、より一層スピーディーなアクションになっていると思います、
あとは、これまで通り、斬新な秘密兵器を使ったバトルでは、純粋にエンターテイメントととして面白かったです!
映像
一瞬たりとも目が離せないような映像でした。
何度も上述したように、ただでさえ密度の濃い複雑な動きをするアクションシーンなのに、それを映す映像が踊りまくってるんですから(笑)
次々に畳み掛けるようにアクションを繰り出した様子を映したかと思えば、回るようなカメラワークをしたり。
視点の印象ですが、外からバトルを眺めるようなカットよりも、内側に入って揺れ乱れたり、キャラクター目線で映すようなシーンが多かったように感じました。
そっちの方が、迫力も出ますよね。
音楽/キャラクター
まずは音楽から。
1作目を観た方なら分かると思いますが、誰もが知ってる名曲をBGMに、派手で格好良いバトルを描くのが見所の1つである作品です。
今回も、もちろんそうでした! そして、今作の“そのBGM”は映画の雰囲気ともマッチしています!
あとは、舞台の一つがアメリカと言う事で、カントリーミュージックが耳に残っています。
キャラクター。
ぶっ飛んだ思考回路のサイコパチックな人物が敵として登場する『キングスマン』。今作でも同じです。
彼らは他のスパイ映画とかと違って、狂ってるけれども、徹底した計画と資金力で完璧な野望を実行しようとするから面白いし、敵として申し分ないんだと思います。
あと、“彼”の演技が凄かったです。切り替わりというか、まるで別人みたいでした!
ストーリー
映画自体は、「物語」に重点を置いている印象でした。それでも、アクションのクオリティが落ちないのが凄いです。
2作目という事もあるのか、勢いで最後まで突っ走るだけでなく、所々に物語に味を加えるようなエピソード(?)が挟まれていました。
まぁ、それでも、何も考えずに観てて楽しめるってところは最高ですね(笑)
ただ、消化不良というか、「結局何でなの?」と意味がわからなかった部分も結構あったのが少し残念です………。
まぁ、面白かったからいいですけど。
以降、映画本編のネタバレあり
ネタバレあり感想
序盤
「Take Me Home, Country Roads 」で開幕!
「キングスマン」のエディを訪ねたのは元候補生のチャーリー。旧友の再会かと思いきや、銃で脅す。
そして、圧巻の車内バトルがスタート!
次から次へと攻撃を繰り出し、交わして反撃して、ピンチとリードが入れ替わる激しいアクションが本当に凄い!
続いて場面はカーチェイスへ移行。
信号を操って逃亡劇を繰り広げるも、追う側はマシンガンで攻撃。
そして、エディは公園の池の中に退散。
そこは「キングスマン」の避難場所が隠されていた!
外せない友人の誕生日パーティーに行く為に、仕方なく下水道を通って帰宅。
…………外れたチャーリーの義手が動き出す。
前半
世界一の麻薬王であるポピーの語りからスタート。
彼女は麻薬を売って莫大な財産を築くも、公にできないからと、ジャングルの秘境に50年代アメリカ風の町を作り上げていた。
彼女が率いるのは、「ゴールデン・サークル」という麻薬組織。彼女への忠誠が絶対らしい。
そんな中、新入りのエンジェルが。彼の忠義心を試す為、人間をミンチ機にかけさせる!
マジで気持ち悪いし、グロテスクだけど、どこか清潔感あるのが凄い(笑)
そしてエンジェルは認められると、全身エステをしてくるように指示が。
歯を削り、指紋を消して、溶かした24金を使って組織のマークを刻み込む。
で、先ほどの人肉ミンチを使ったハンバーガーを嫌々ながらも食べて、エンジェル君は仲間入り!
一方、エディはガールフレンドの父親、国王との食事会に臨んでいる。
テーブルマナーは訓練通りだけど、次々に浴びせられる政治や金融の質問に答えられない…………いや、アイテム“眼鏡”を通して教えてもらってた!
しかし、悲劇が襲う。
各地に散らばる「キングスマン」エージェントの隠れ家がミサイル攻撃を受けた!
エディの家にいた愛犬JBや、アーサーなど犠牲は沢山。
(最後まで分からなかったんですが、何で「ゴールデン・サークル」は攻撃をしたんですかね………?)
生き残ったのはエディとマーリンの2人だけ。
こういう非常事態の時とための「最後の審判プロジェクト」を始動させ、酒蔵に隠した手掛かりを取りに行くも……………置いてあったのは1本の酒ボトルだけ。
亡き仲間を偲んで2人で酒を飲む。マーリンが泣き上戸だったとは(笑)
飲み干したボトルのラベルから出てきたのは、「キングスマン」のマークをあしらった「K」で始まるケンタッキー州の名前が。
中盤
ケンタッキー州に飛んだ2人は、酒の製造所である「ステイツマン」を訪れ、腕時計型ハッキング機で隠し扉を開けると、酒樽の並ぶ蔵に入る。
そこで現れたのは、カウボーイの格好をした男性。華麗な動きでエディとマーリンを捕らえる。
「英国人は南部人にマナーを教えたが、英国人はマナーを忘れた」
尋問を受ける2人。
ここまでの経緯を話すも信じえもらえず。しかし、彼らが見せられたのは、死んだはずのハリー!
なんと、ハリーが生きてた!!
一年前、協会での惨劇の後に頭部を撃ち抜かれて殺されたハリー。しかし、現場に急行した「ステイツマン」の2人の処置によって一命を取り留めていた。
が、これまでの記憶を失っており、自分は蝶を研究する鱗翅学者と思い込んでいた。
ハリーの記憶を蘇らせるため、ショック療法を試す事に。部屋に水を注入し、水攻めにするが、効果はなく…………。
「キングスマン」襲撃の裏に「ゴールデン・サークル」なる巨大麻薬組織が隠れている事を睨むエディらは、「ステイツマン」の協力を仰ぐ。
そして、優秀なエージェントであるウィスキーと共にチャーリーの恋人から情報を探ろうと、音楽フェスに潜り込む。
その方法は…………コンドーム型デバイスに仕込まれた追跡装置を、相手の粘膜を通して体内に入れるというもの。(下ネタかよ!)
何とか2人っきりになれたエディは彼女とセックスする雰囲気に持っていく。
しかし、ガールフレンドがいる身で罪悪感が咎め、電話をして許可を取ろうとする。偉いけど………。
罪悪感が消えないエディ。
唐突に、ハリーの記憶を取り戻す方法を思いつく。仔犬を連れて行き………。
ハリーが抱いた仔犬に向かって拳銃を突きつける。記憶がフラッシュバックし、ハリーは元通りに!
「ハリーは、ウジ虫だった僕を蝶にしてくれた」って台詞が良かったです! あと、ハリーの記憶喪失→スパイへの移り変わり演技が凄い!
後半
酒場で今後の作戦会議。
しかし、地元のチンピラが襲ってきて…………そして出ました、「マナーが人間をつくる」。
1作目を彷彿とさせるバトルの始まり………だったけど、ハリーの調子はいまひとつ。身体が回復しきってない模様。
一方、ウィスキーはムチを使って見事なバトルを見せる!
「ゴールデン・サークル」の狙いが判明。
わざわざ自身の商品に人工ウイルスを混入したのは、世界中の中毒者を人質にとり、交渉を進めるため。彼女の要求は、麻薬戦争を終え、全ての薬を合法化した上で、仲間の罪を白紙にする事。
この宣言の結果、世界中がパニックに陥り、病院はパンク。症状が悪化し、奇怪なダンスを踊る者まで。
大統領がどんな対応を取るのかと思ったら……………大統領も考え方がゴミでしたww
エディらは、解毒剤を手に入れる為、イタリアにあるスキー場に隠された「ゴールデン・サークル」の基地へ。
無事に解毒剤を奪還出来たものの、ゴンドラで雪山を下る途中でチャーリーの邪魔が! 高速で回転するゴンドラ内で死にそうになるも、ウィスキーの投げ縄で状況を脱する。
しかし、高速で雪山を滑り降りるゴンドラの前方には、老人ホームが! パラシュートを使って何とか停止。
ハリーと合流したあと、山小屋に隠れて追手と銃撃戦に。その際、奪取した解毒剤が割れてしまう!!
ウィスキーはカウボーイ風の華麗なガンアクションで敵を次々に倒していくが、ハリーの様子がおかしい……?
と思ったら、「ウィスキーは敵だ」とか言いながら躊躇なくウィスキーを撃ち殺した!! マジかよ!
エディは恋人までもが人工ウイルスに感染したことを知る。そして、世界と恋人を救い、殉職した仲間の敵を取るために、「ゴールデン・サークル」の基地へ乗り込む。
一方、回復したウィスキーは記憶も取り戻し、シルバーポニーで彼らを追いかける!(やっぱり彼は敵?)
終盤
カンボジアに到着したエディたち「キングスマン」。エディ、ハリー、マーリンの3人で戦いに挑む!
しかし、敵を目前にしてエディが地雷を踏んでしまう……。マーリンが自身を犠牲にして身代わりに。
『Take Me Home, Country Roads 』を高らかに歌いながら、敵を倒して、一緒に爆発する彼の姿、本当に格好良かったなぁ〜!!!
そしてエディとハリーは「ゴールデン・サークル」の基地に侵入。
エルトン・ジョン本人の『Saturday Night’s Alright for Fighting』をBGMに、華麗で過激な銃撃戦のバトルが幕を開ける!!
本当に格好いいし、派手で速くて最高! 最後、拍手したくなりました。
ハリーはロボット犬との戦いに勝ち、エディはチャーリーを倒す。
そして、ポピーから聞き出した解毒剤の配布コードを入力しようと……………ウィスキーが現れた!!
「ステイツマン」の組織が敵のではなく、ウィスキー個人が自身の判断で敵になったのか。
ラスト、「キングスマン」と「ステイツマン」それぞれのエージェントが対決! 投げ縄と、銃と、拳での激しいバトルが本当に凄い!!
最終的に、ウィスキーをミンチ機に放り込んで、解毒剤配布コードを入力。
世界中の患者に解毒剤が配られ、収容されていた人たちは皆んなそれぞれの家に帰っていき、大統領は弾劾された。
エディは遂に結婚。
誰かが言った。「これは終わりでも、終わりの始まりでもないが、始まりの終わりかもしれない」。
最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!