2019年5月3日訪問
シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019
【一言】
「未来」を描くデザイナー・S.ミード。
車コンセプトから都市構想まで、
”人間”から”異種族”まで、
工業製品からSF映画まで、
精緻な生活背景の描写であらゆる「未来」をリアルに描く!
【Twitter140文字感想】
#シドミード展
PROGRESSIONS TYO 2019“未来”を手掛ける工業デザイナー。
太古の立体彫刻で描く、未来の歴史。
コンセプトアートが風景画に馴染む。
未来志向の移動機/建築物を、現実に留めるように描き込まれた人間や異種族の生活背景がとても綺麗!縦/横/球が創る機械的な被造物が格好良い! pic.twitter.com/06O0ijrZxX
— ArA-1 (@1_ARA_1) 2019年5月3日
展覧会の概要
“ビジュアル・フューチャリスト”として、数多くのクリエイターや作品に影響を与えて来た世界的インダストリアルデザイナー、シド・ミードの活動歴のなかから150点を展示する原画展、『シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019』。
日本での個展は34年ぶり3回目、今世紀では初開催となります。
2020年に向けて変容し続けている東京。世界でも類い稀な佇まいのこの都市において、映画『ブレードランナー』が描いた2019年である本年、さらに国内的には平成から新元号へと切り替わるまさに「時代の境い目」に開催となる本展は、テクノロジーがもたらすであろう明るく豊かな未来を創造してきたミード氏の未来ビジョンを振り返る機会であるとともに、東京の、ひいては世界の新しい未来を夢に描き、また、それをさまざまな形で実現していくヒントや希望を、観るものに与えてくれることでしょう。
展覧会公式サイト
会場:アーツ千代田3331
会期:2019年4月27日~6月2日
料金:2,000円
公式サイト:こちら
展覧会の全体感想
世界的な工業デザイナー「S.ミード氏」の展覧会!
ハリウッド映画のSF作品には『スター・ウォーズ』までその影響を強く受けたと言われる彼の作品を鑑賞することができるという、貴重な機会を手に出来たことがまず嬉しい!
「工業デザイナー」としての顔をしっかり見ることが出来ました!
「未来」を描くデザイナー。
描かれたデザインは、未来を現在でつなぎ留めるような、思議な力のあるデザインでした。
出展された作品のほぼ全てがフィフションだけれど、そこに「リアリティ」を生むべく織り交ぜ散りばめられた細かい要素のお陰であろうと思います。
空飛ぶ車の隣には日常生活を送るアメリカ人がいて、異星人の描かれた画面には人間臭い生活感が漂っていて、近未来型の乗り物にはフォードや三菱などのロゴが入っていて、それだけでリアリティが大きく加わると感じました。
まだ見ぬ未来の移動機械や建築物を創造する中でその背景となる人々の生活まで精緻に描写することこそ、「リアリティ」に必要なことなのだろうと思いました。
そして、ただただ格好良い!
ここは本当に重要です!
縦横無尽に走る用途不明な配管で覆われたプラントはそれだけで心躍し、歴史的建造物と融合したような近未来的建築物にはワクワクするし、宇宙戦艦ヤマトやガンダムの設計図、『ブレードランナー』や『エリジウム』の世界を構成するコンセプトを眼前にできる喜びは計り知れないです!
個人的に、最初は「SF系のコンセプト」を期待していたんですけど、実際に展示を観ていると「車(or乗り物)のデザイン」の方が面白かったです!
もちろん、発注者の意向等もあるのでしょうが、カー・デザインの方が生き生きとしているというか、非常に”文化的”に感じました。
SFデザインってどこか無機質というか、人間よりも構造物がメインだった気がします。一方でカー・デザインは「車を使う人間」まで丁寧に描かれていて、”現実感”というかを強く感じました。
そういう生活の一幕を切り取った風景の方が活気があって、細部まで描きこまれていて、観ていても楽しいです!
「未来」をテーマに据えるミード氏の作品を、『ブレードランナー』の舞台である2019年、そして改元による時代の切り替わりや、2020年東京五輪に向けて都市開発/工業発展が進む《今》観ることができたのは、社会背景と相まってとても充実したものになりました!
展示作品の紹介
展示されていた作品は基本的に撮影OKだったので、その写真を掲載します!
なかなか反射で上手く撮れなかったり、ブレていたりしますが、ご容赦ください!
タイトル等だけのものは、写真撮影禁止か、上手く撮れていないかのどちらかです。
[0] OPENING
Title:TOKYO 2040
邦題:TOKYO 2040
制作:1991年
Title:TOKYO 2040 (Tracing)
邦題:TOKYO 2040(トレーシング)
制作:1991年
[1] PROGRESSION
膨大なアーカイブのなかから、60年にわたるキャリアの中から自薦したオリジナル作品50点、初期の水彩画から最新作までを一堂に展示する回顧展。2012年から全米各地を巡回中のパッケージ。ミード・デザインのヴィークル(自動車など)、建物、宇宙や、初期作品集「センチネル」や「オブラゴン」などのカバーアートを含む。アジア初公開
展覧会サイト
Title:CAR SKETCHING – 4 PANEL
邦題:カー・スケッチ 4パネル
制作:1957年
Title:FUTURE BUGATTI
邦題:フューチャー・ブガッティ
制作:1957年
Title:FUTURE IMPERIAL CAR
邦題:フューチャー・インペリアル・カー
制作:1957年
Title:FUTURE ROLLS ROYCE
邦題:フューチャー・ロールスロイス
制作:1967年
Title:CAR STYLING MAGAZINE
邦題:カースタイリング・マガジン
制作:1976年
Title:SILVER COACH
邦題:シルバー・コーチ
制作:1983年
Title:RAYS WHEELS: Sports Sedan
邦題:レイズ・ホイール:スポーツセダン
制作:1985年
Title:BIOSTAT ARRIVAL (SENTINEL Ⅱ COVER ART)
邦題:バイオスタット・アライバル:画集「センチネルⅡ」カバーアート
制作:1979年
Title:SENTINEL COVER ART
邦題:画集「センチネル」カバーアート
制作:1987年
Title:MOBILAGE ARRIVAL (OBLAGON COVER ART)
邦題:モビラージュ・アライバル:画集「オブラゴン」カバーアート
制作:1979年
Title:CYBERRACE ARRIVAL
邦題:サイバーレース・アライバル
制作:1992年
Title:PEBBLE BEACH TRIPTYCH
邦題:ペブルビーチ・トリプティック
制作:2000年
Title:HYPERVAN – CRIMSON PLAZA
邦題:ハイパーヴァン クリムゾン・プラザ
制作:2000年
Title:HYPERVAN – PROFILE
邦題:ハイパーヴァン プロファイル
制作:2005年
Title:HYPERVAN – REAR DOWN VIEW
邦題:ハイパーヴァン リア・ダウン・ビュー
制作:2008年
Title:MEGACOACH
邦題:メガコーチ
制作:2010年
Title:OCEAN LINER AT DOCK
邦題:オーシャン・ライナー・アット・ドック
制作:1957年
Title:KASOGGI YACHT
邦題:カソギ・ヨット
制作:1982年
Title:UNDERWATER CAMERA CONCEPT
邦題:アンダーウォーター・カメラ・コンセプト
制作:1989年
Title:DEFINITIV -DAY VIEW
邦題:デフィニィティブ号・デイビュー
制作:1993年
Title:DEFINITIV -NIGHT VIWE
邦題:デフィニィティブ号・ナイトビュー
制作:1993年
Title:RISING OF THE 200TH KENTUCKY DERBY
邦題:ライジング・オブ・ザ・200th・ケンタッキー・ダービー
制作:1975年
Title:PARTY 2000
邦題:パーティー2000
制作:1976年
Title:CITY ON THE MEGABEAM
邦題:シティ・オン・ザ・メガビーム
制作:1983年
Title:TAHITIAN FANTASY
邦題:タヒチアン・ファンタジー
制作:1989年
Title:GOLFCOURSE CLUBHOUSE PROPOSAL
邦題:ゴルフコース・クラブハウス・プロポーザル
制作:1989年
Title:BAR BASQUE FOOD PARC
邦題:バー・バスク フードパーク
制作:2008年
Title:BARRIER ATTACKCOLONY
邦題:バリア・アタック・コロニー
制作:1977年
Title:FOUR MAN CORVETTE LAUNCH
邦題:フォー・マン・コルベット・ローンチ
制作:1977年
Title:DISASTER AT SYNTRON
邦題:ディザスター・アット・シントロン
制作:1978年
Title:MOON 2000
邦題:ムーン2000
制作:1979年
Title:ENZMAN STARSHIP / DAEDALUS PROBE
邦題:エンズマン・スターシップ / ダイダロス・プローブ
制作:1979年
Title:SPACE WHEEL INTERIOR
邦題:スペース・ホイール・インテリア
制作:1979年
Title:YESTERDAY’S TOMORROW
邦題:イエスタデイズ・トゥモロー
制作:1983年
Title:MOVIE HISTORY
邦題:ムービー・ヒストリー
制作:1983年
Title:RUNNING OF THE SIX DRGXX
邦題:ランニング・オブ・ザ・シックス・ドッグズ
制作:1983年
Title:VOYAGE TO THE CITY
邦題:ヴォヤージ・トゥ・ザ・シティ
制作:1985年
Title:SPACE CAMP DREAM
邦題:スペース・キャンプ・ドリーム
制作:1988年
Title:SUPERSHUTTLE
邦題:スーパーシャトル
制作:1980年
Title:ENTERRNIG STARGATE
邦題:エンタリング・スターゲイト 画集「クロノテコ」カバーアート
制作:1990年
Title:CAVALCADE TO THE CRIMSON CASTLE
邦題:カヴァルケード・トゥ・ザ・クリムゾン・キャッスル
制作:1996年
Title:VILLAGE MACHINE – FACTORY
邦題:ヴィレッジ・マシン・ファクトリー
制作:1993年
Title:VILLAGE MACHINE
邦題:ヴィレッジ・マシン
制作:2003年
Title:SENTURY COVER ART
邦題:画集「センチュリー」カバーアート
制作:2001年
Title:EYES ON DESIGN
邦題:アイズ・オン・デザイン
制作:2017年
Title:SHOULDER OF ORION
Preliminary
邦題:ショルダー・オブ・オリオン(プレリミナリー)
制作:2011年
Title:SHOULDER OF ORION
Line Drawing
邦題:ショルダー・オブ・オリオン(ラインドローイング)
制作:2011年
Title:SHOULDER OF ORION
Gouache
邦題:ショルダー・オブ・オリオン(グワッシュ)
制作:2011年
[2] Memory Of The Future: Matsui Collection
画集最新刊「シド・ミード ムービーアート」で翻訳監修を担当したシド・ミード研究家、コレクターである松井博司(まつい・ひろし)の秘蔵コレクションより、『Hot Wheels』のポスターデザインのほか、鉛筆による下絵、マーカーによるスケッチ、トレース画、完成画に至る制作過程を、原画で、世界初公開。
展覧会サイト
Title:CELANESE CELON
The Stone Age
邦題:ザ・ストーンエイジ
制作:1965年
Title:CELANESE CELON
The Bronze Age / The Iron Age
邦題:ザ・ブロンズエイジ / ザ・アイアンエイジ
制作:1965年
Title:SPACE COLONY UNDER CONSTRUCTION
Maker Drawing
邦題:スペースコロニー・アンダー・コンストラクション(マーカードローイング)
制作:1966年
Title:JUNGLE WALKER: 1
Pencil Sketch
邦題:ジャングル・ウォーカー(ペンシルスケッチ)
制作:1968年
Title:JUNGLE WALKER: 2
Maker Drawing
邦題:ジャングル・ウォーカー(マーカードローイング)
制作:1968年
Title:JUNGLE WALKER: 3
Traceing
邦題:ジャングル・ウォーカー(トレーシング)
制作:1975年
Title:JUNGLE WALKER: 4
Gouache
邦題:ジャングル・ウォーカー(グワッシュ)
制作:1975年
Title:United State Steel [INTERFACE] City On Wheel
邦題:シティ・オン・ホイールズ
制作:1969年
Title:United State Steel [INTERFACE] Getting About in 1990
邦題:ゲッティング・アバウト・イン・1990
制作:1969年
Title:Mattel HotWheels 35th Anniversary Poster< br /> Preliminary
邦題:ホットウィール 35周年記念ポスター(プレリミナリー)
制作:2003年
Title:Mattel HotWheels 35th Anniversary Poster
邦題:ホットウィール 35周年記念ポスター(ポスター)
制作:2003年
Title:Palet
邦題:ミード氏が制作に使用したパレット
[3] The Movie Art of Syd Mead
ミード氏が初めて映画に関わった『スタートレック』(79年)、SF映画の金字塔『ブレードランナー』(82年)および同シリーズ最新作『ブレードランナー2049』(2017年)、『エイリアン2』(86年)などの多数の大作ハリウッド映画からデザイン・スケッチやイラストレーションを展示。加えて未制作映画から未発表の初期デザイン、プロモーション用アートを、世界初公開。
展覧会サイト
ここでは写真撮影禁止だったので、目録からタイトルだけ掲載します!
Title:STAR TREK: THE MOTION PICTURE
・ Enterprise & V’ger entity(エンタープライズ・ヴィジャー・エンティティー)
・ Spaceship Rockets(スペースシップ・ロケッツ)
・ V’ger Area Behind MAW(ヴィジャー・エリア・ビハインドMAW)
Title:TRON
・ Master Control Program(マスター・コントロール・プログラム)
Title:BLADE RUNNER
・ Spinner Down Shot(スピナー・ダウンショット)
・ Spinner Side Shot(スピナー・サイドショット)
・ Deckard’s Sedan(デッカーズ・セダン)
・ Sebastian’s Van On Street(セバスチャンズ・ヴァン・オン・ストリート)
・ Taxi On Street(タクシー・オン・ストリート)
・ Street Scene Taxi(ストリート・シーン・タクシー)
・ Downtown City Scape(ダウンタウン・シティ・スケープ)
・ Street Arcade 1st Version(ストリート・アーケード・ファースト・パージョン)
・ Deckard’s Bathroom(デッカーズ・バスルーム)
Title:MOBILE SUITS GUNDAM
・ Zak’s attack Gundam World(ザクズ・アタック・ガンダム・ワールド)
・ Gundams attack Zak’s World(ガンダム・アタック・ザクズ・ワールド)
Title:2010
・ Final Version of Leonov: Bridge(ファイナルバージョン・オブ・レオノフ・ブリッジ)
・ Leonov : Engine Bay(レオノフ・エンジンベイ)
Title:2010 E.E.G. Production Art
・ Leonov : FRONT(レオノフ・フロント)
・ Leonov: REAR(レオノフ・リア)
・ Leonov: DOCKING PORT(レオノフ・ドッキングポート)
・ Leonov: DOCKING PORT Adopter Fixture(レオノフ・ドッキングポート・アダプター)
・ Leonov : MAST(レオノフ・マスト)
・ Leonov : HEATSHIELD(レオノフ・ヒートシールド)
・ Leonov : Communication Bay(レオノフ・コミュニケーション・ベイ)
・ Leonov : Probe Manipulator(レオノフ・プローブ・マニュピュレーター)
・ Probe(プローブ)
・ One Man E.V.A. Pod(ワンマン EVAポッド)
・ Typical Flame(ティピカル・フレーム)
・ End Flame(エンド・フレーム)
Title:SHORT CIRCUT
・ Johnny Five Robot(ジョニー・ファイブ・ロボット)
Title:ALIENS
・ Line Space Ship (Nucleonic Drive)(スペースシップ(ニュークレオニック・ドライブ))
・ Sulaco Full Profile(スラコ・フル・プロファイル)
・ Sulaco Profile Angle(スラコ・プロファイル・アングル)
・ Sulaco Color(スラコ・カラー)
・ Sleep Chamber(スリープ・チェインバー
・ Drop Ship 3/4 view(ドロップシップ 3/4 ビュー)
・ Drop Ship Bay(ドロップシップ・ベイ)
Title:JOHNNY MENMONIC
・ Bridge(JM)
・ Dolphin : JONES (JM)
Title:STRANGE DAYS
・ Line Drawing: Head(スクワッド(ラインドローイング) )
Title:MISSION TO MARS
・ Accident(アクシデント)
Title:THE JETSTONE
・ Hamburger Stand(ジェットソンズ(未製作) )
Title:LUNAR SCOUT COMMANDOS
・ Control Center(ルナ・スカウト・コマンドーズ(未製作))
Title:MISSION: IMPOSSIBLE Ⅲ
・ Mask Maker 4sheets(マスク・メイカー(4シート)
Title:ELYSIUM
・ Off World Space Station Interior(オフワールド・スペース・ステーション・インテリア)
Title:BLADE RUNNER 2049
・ Grand Hotel(グランドホテル)
[4] TYO SPECIAL
数あるミード氏のデザイン活動のなかでも特に多い日本でのプロジェクトにフォーカス。アニメーションの二大キャラクターに挑んだ『YAMATO 2520』のCADによる設計図やイラストレーション、本年が20周年の『∀ガンダム』からはモビルスーツのデザインやポスターアートなどを展示するほか、HONDA、国際スポーツフェアなどの作品群を交えた、世界初公開を含む、多数の作品を展示。
展覧会サイト
Title:HONDA IN CHERRY BLOSSOM
HONDA Verno Calender 1982 : March & April
邦題:ホンダ・イン・チェリー・ブロッサム
制作:1981年
Title:RACE BALL
International Sports Fair 1983
邦題:レース・BALL
制作:1983年
Title:HYDROFOIL RACE
International Sports Fair 1983
邦題:ハイドロフォイル・レース
制作:1983年
Title:FUTURE MARINA VIEW
邦題:フューチャー・マリーナ・ビュー
制作:1986年
Title:KOBE SPACEPORT
邦題:神戸スペースポート
制作:1989年
Title:YAMATO2520
Title:TURN A GUNDAM
Title:WOW Future City 2042
邦題:WOW フューチャー・シティ・2042
制作:2011年
Title:Economy Size Maguro
邦題:エコノミーサイズ ・マグロ(らくがき)
制作:2011年
展示内容の紹介は以上です!
描かれた「未来」が、いつしか現実になると嬉しいです!
最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!