こんにちは!
お元気ですか?
さて、クリスマスですね!
今年はいつもと違うかもしれませんが、”よい子”の皆さんにはプレゼントが届いたでしょうか??🎅🎁
試写会に当選してご招待いただいたので、アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』を観ました! 素晴らしい作品でした!
この作品、題名からもう好き。「君と羊と青」や「恋と選挙とチョコレート」とか「蒼の彼方のフォーリズム」とかみたいに、助詞(”と”, “の”)が名詞を繋いでいる題名が好きなんです(笑)
2020年12月7日鑑賞(試写会)
ジョゼと虎と魚たち
Josee, the Tiger and the Fish
5.0 / 5.0
- とても素晴らしい映画!
- 甘酸っぱくて色鮮やかキラキラしている純情なラブストーリーが愛おしく、登場人物たちの真っ直ぐに強い気持ちに感動して涙。
- 全部が美しくて大好き! 題名も、音楽も、アニメも、台詞も。そして何より、ジョゼの笑顔が最高に素敵で大好きだった!
趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ。
幼いころから車椅子の彼女は、ある日、危うく坂道で転げ落ちそうになったところを、大学生の恒夫に助けられる。
海洋生物学を専攻する恒夫は、[…]夢を追いかけながら、バイトに明け暮れる勤労学生。
そんな恒夫にジョゼとふたりで暮らす祖母・チヅは、あるバイトを持ち掛ける。
それはジョゼの注文を聞いて、彼女の相手をすること。
しかしひねくれていて口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たり、恒夫もジョゼに我慢することなく真っすぐにぶつかっていく。
そんな中で見え隠れするそれぞれの心の内と、縮まっていくふたりの心の距離。
その触れ合いの中で、ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ
恒夫と共に飛び出すことを決めるが……。
映画公式サイト
『ジョゼと虎と魚たち』本予告60秒
脚本:桑村さや香
制作:ボンズ
音楽:Evan Call
主題歌:Eve「蒼のワルツ」
キャスト:中川大志, 清原果耶, 松寺千恵美 and more.
上映時間:98分
日本公開:2020年12月12日
配給:松竹/KADOKAWA
2020年に公開されるアニメ映画の中でも特に期待していた作品。それを試写会で観させていただけるなんて嬉しすぎます!
とても素晴らしい、良い映画でした!
12月7日の試写会で観ましたが、むしろ冬が深まった公開日の12月25日とかに観たほうがより楽しめるし、寒さを温めてくれる作品な気がします!
全部が良かったから、何から書くべきか迷うなぁ……。
とても良いラブストーリーでした!
物語として素晴らしい出来だったと思います。
正直、「ちょっとさすがにやり過ぎかも…」と感じたりしました。けど、それを含めて良かったというか。というか、むしろ純情なラブストーリーはこれくらいひたむきに恋の物語に傾倒して、甘ったるく色鮮やかな感じにしいても良いかも♪っというくらい真っ直ぐな気持ちの強さに感動して泣きました!
なんだか、現代版の「おとぎ話」に登場するお姫様のお話を見ているようで、ワクワク&キュンキュンしました!
映画をつくる全部が好きだった!
題名が好き。音楽が好き。キャラデザが好き。アニメーションが好き。物語が好き。台詞が好き。関西弁が好き。ロケーションが好き。季節の変化が好き。劇中の小道具が好き。魚が好き。虎は…ちょっと怖い。笑えるひょうきんさが好き。真っ直ぐな感情が好き。お婆ちゃんも友達も好き。優しい管理人も好き。喜んだり怒ったり泣いたりするのも好き。
そして何より、ジョゼと彼女が笑った顔が好き!
観ていて、例外なくすべてが愛おしいというのがこの映画でした!
「夢」をみる姿勢とか、ジョゼが「障害者」であることとか、ともすると忌避してしまいそうな部分の描き方がとても良かったです。
変に気負うこともなく、しかしキチンと背筋を伸ばして描かれていました。恥ずべきこととしてではなく、胸を張っている姿がとても眩しく輝いていました!
原作と実写とアニメ映画。
やっぱり、比べちゃうのは仕方ない。どれも、それぞれの媒体の持ち味を最大限に活かした作品だと思います!
印象としては、原作の物語に近いのは実写映画だけど、雰囲気が似ているのはアニメ映画な気がします。
実写映画は多くを語らずエロティックで大人な感じ。アニメ映画は物語性を大切に構成した誰でも楽しめる明るい感じ。実写映画の言葉にしない関係性とか余白に対して、アニメ映画はどこかファンタジックな明るい感じがしました。
現代版《おとぎ話》のラブストーリー!
とても素敵にできたラブストーリーでした!
すごく現実的なんだけど、けどすごくファンタジックでもう大好き。いわゆる少女漫画チックなのとは違う、今の時代を舞台にした《おとぎ話》なんだと受け取りました。
物語として、とても魅力的だし、観る人を引き込む力を持っているし、感情を大きく動かすことができる、良い作品です!
とても好きなタイプの物語でした。
とはいえ、途中で「ちょっと詰め込みすぎ」というか「やり過ぎでは?」と思ったりもしました。90分にしては盛りだくさんな気がしたし、「その手を出すのはズルくない?」とか「あ~やっちゃうか…」と感じた部分が少しだけありました。
ただ、それを含めて良かったです。というか、それがあったから? まぁ、ここは主観だし、ファーストインプレッションが大きかったので……。
でも、最高に素敵なラブストーリー!
今年は恋愛アニメ映画を何本か観ましたが、その中でも断トツに気に入った作品、というか物語や雰囲気でした。というかここ最近のベストかも。
なんかもう、もの凄く真っ直ぐ。純粋でまじりけのない感じ。世の中の恋愛作品から雑味を取り除いて純情なところだけを抽出して配合したような、ある種の演劇を観ているような汚れのないラブストーリーで大好きでした!!
そして、めちゃくちゃ瑞々しいからもう…!!! いわば”王道”に近いのかもしれませんが、一般的なそれより何倍もきらきら眩しく輝いているように感じたし、とっても色鮮やかで素敵でした!
良いところも悪いところもあるけれど、純情なラブストーリーはこれくらいであってほしい! 甘酸っぱさ(というか甘ったるさ)とか透明感とか、歪みのない気持ちとか感情とか、とても良いなって!
なんかもう、現代版の《おとぎ話》です。
ジョゼが、誰もが憧れるおとぎ話のお姫様みたい。
足が不自由な彼女は、お祖母さんの「外は危険だから」という言いつけでずっと家の中に閉じこもった女性。外の世界を詳しく知らないし、他人との距離感も分からない彼女。そんな彼女が出会ったのが”管理人”で───。
実は、「おとぎ話」という見方は劇中でも少し触れられているので、私オリジナルの感想というわけではないです。それに詳しく書くとネタバレになるので、ここらへんで終わります。
けど、本当によく出来ていました。
『ジョゼと虎と魚たち』をおとぎ話の構図で観られるような物語の脚色や演出が本当に素晴らしいと思うし、現代の物語としても違和感なかったし、何よりワクワク&キュンキュンしたのが最高でした!
映画をつくる素敵なあれこれ!
最初に書いた通りですが、この映画は本当に全部が大好きでした。嘘でもお袈裟でもなく、全てが気に入った作品でした!
- 『ジョゼと虎と魚たち』の名前が好き。
- 物語と雰囲気、空気感が好き。
- 背景の劇伴や挿入歌が好き。
- 丁寧な所作やアニメーションが好き。
- 可愛らしいキャラデザが好き。
- 関西弁で喋る会話が好き。
- 真っ直ぐな感情と台詞が好き。
- 俳優さんや声優さんの演技が好き。
- 季節の移ろいが好き。
- 街とか海とかロケーションが好き。
- 木漏れ日とか曇り空とか演出が好き。
- どこを切り取っても美しい画面が好き。
- クスッと笑えるひょうきんさが好き。
- 泣いたり怒ったりしているのも好き。
- そして、ジョゼが大好き!
︙
どこを思い出しても良いことしかないし、とても綺麗な光景ばかりが頭の中に蘇ってきます。本当にいい映画だったなぁ……。
これを1つ1つ全部書いていくのは大変なので、他で書くことを除いて、書きたいところというか、特に印象的だったところをいくつか書いていきます。
音楽がとても良くて好きでした。
映画の雰囲気に合っていたし、特段覚えているフレーズがあるわけでもないんですが、作品の空気づくりに大きな役割を果たしていたと思います。
まず、劇伴。
手掛けるのはEvan Call。
京アニの『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の劇伴を聞いた時にファンタジーやラブストーリー作品との相性の良さというか世界観や雰囲気の表現力に驚きましたが、本作『ジョゼ虎』でもまさしく! 素敵なBGMがとても良かったです!
主題歌と挿入歌はEve。
現実感の薄い透明感ある歌や、平坦なパートとサビの盛り上がりのギャップが素敵。ポップだけど跳ね過ぎず落ち着いているところが耳触り良かったです。
綺麗な高音の歌声や歌詞の言葉など、《海》が象徴的な映画にぴったりな雰囲気で印象的でした!
心海 – Eve MV
最近はネット発のアーティストがアニメ作品でも活躍されていて嬉しいです。本作や『呪術廻戦』のOP曲を歌うEve、『泣きたい私は猫をかぶる』の主題歌と挿入歌を手掛けたヨルシカ、『3月のライオン』や『僕のヒーローアカデミア』の米津玄師、『BEASTARS』のYOASOBI、『日本沈没2020』や『ブラッククローバー』の花譜……などなど。
アニメーションと画面が好きでした!
とても丁寧だし、どのカットを切り取っても、人が映っていてもいなくても、美しい光景で、背景も演出も構図も動作も全部が素晴らしかったです!
何が良かったんだろう?
まず、背景美術と色合いと光がとても良かったです。
登場人物たちの背景は無駄なものがすごく多いと感じました。雑多というか、情報量がとても多いです。散らかった部屋とか、街中の広告や人混みとか、他のアニメより密度が濃い気がしました。で、それがボヤけるんですよ! カメラのレンズをキャラクターに焦点を当てるから、背景がいい感じにボケる。なんかその感じが印象的で、好きでした。加えて、ボヤけて拡散した光の感じとか、室内と屋外の日光とか、季節や天候によって変わる視界の色味とか、そういう全体が素晴らしかったです!
舞台は大阪ですね。
しかも、構図がすごい。その構図の意味とか詳しいことは分からないですけど、どこを切り取ってもため息をつけるくらい綺麗なカットばかり。
それに加えて、歩いたり転んだり、車椅子を押したり踊ったりと、キャラクターの動作が一つひとつ丁寧で綺麗でした!
クレジットを見たら、コンセプトデザインを手掛けるのがloundrawさん。そりゃ、あれだけ透明感のある綺麗な映像がになるのも納得です!。
「あ~このシーン、っぽいな~」って思っていたら、以下の記事でイメージボードが公開されていました。まさにドンピシャでした!
「ジョゼ」がとても好き!
本作の主人公・ジョゼ。
彼女がとっても好きでした!
まず、名前が好き!
🐠ℂ𝕙𝕒𝕣𝕒𝕔𝕥𝕖𝕣:ジョゼ✨
— アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』12.25全国ロードショー (@joseetora_movie) November 11, 2020
愛読書にちなんで、自らを「ジョゼ」と名乗る。祖母とふたり暮らしで、車椅子で生活している。
ほとんど家の中で過ごしているため外の世界への憧れが強く、魚のように好きな場所へ泳いでゆく空想に浸っている。見た目と裏腹に口が悪い。
CV #清原果耶#ジョゼ虎 pic.twitter.com/iWhGGoi5oG
とにかく可愛らしいヒロイン!
くせっ毛で温かいクリーム色でふわりとしたボブ?ミディアム?な髪型が小動物チックで可愛いし、洋服はシンプルだけど綺麗だし、あと薄紫色の瞳がとても美しい!
なんだか、あまりアニメでは見かけないタイプ?の女性だった気がします。とはいえ、年齢は二十歳以上だけど、見た目に関してはそれを忘れそうな幼さがあるところは日本のアニメだなぁと。
キャラデザがとても良い! 最初の第1段キービジュアルの絵がもの凄い好き。キャラデザを手掛けるのは絵本奈央さん。『荒ぶる季節の乙女どもよ』のコミカライズとかで見ていたから、なるほどと。
あと、ジョゼの関西弁が良い!
そもそもジョゼの声が好きだし、あの関西弁で絶妙なツッコミというかドギツい言葉を投げて管理人とやり取りする様子が良い! 見ていて微笑ましいし、映画観ながらクスッと笑えるから!
何よりも、ジョゼの笑顔が素敵だった!
目も頬も口も眉も、身体全体で笑っている姿がとにかく大好き!
彼女に限らず、登場人物たちは皆んな性格も感情も真っ直ぐで好印象でした。
どのキャラクターも相手の内面をきちんと見ているようで、なんだか嬉しかったです。(容姿とか人気とかになびかないところが特に。)
きちんと相手を見て、同時に自分のことも考えて、その上で相手を応援したり、背中を押したり、心配したり。本当に良かった! ああやって他人に寄り添える人って素敵だと思います。
夢を追うこと、障害のこと
登場人物が「夢に憧れる姿」と、登場人物の障害に関わるところの描き方が、私はとても良いと思いました。
踏み込みすぎることなく、しかし忌避せずに背筋を伸ばすように描かれていると感じて、それがまたこの作品の良さなのだろうな、と思います。
夢、あるいは憧れ。
自分には無理と諦めたり、熱心に追いかけていたり。密かに抱え隠していたり、他人のそれを応援していたり。
一歩間違えると”クサイ”とも受け取れてしまいそうな一途なところを、そんな穿った見方の片鱗も思わせないような物語の作り方とか、台詞の言い回しとかがとても良かったです。うん、素直に格好良かった! そして、精一杯応援したくなりました!
誰の夢が、とかどんな夢か、とかはネタバレになるので書きませんけど、それぞれが抱いているものが輝いていました!
障害のこと。
足が不自由で車椅子に乗るジョゼ。
障害のことを全面に押し出して訴えるわけでなく、けど障害に関わる気持ちとか考え方とか行動や動作がそっと描かれていて、しかもそれがとても丁寧だからなおさら胸に響きました。
(言い方が悪いですが、)障害を振りかざして感動を誘うストーリーをつくるのではなくて、障害が日常に溶け込んでいるというか、負の面だけを取り出しているのみでないというか。悲しみに沈むだけでないところが印象的でした。
ジョゼが車椅子に乗り移る時の動作とか、押す時の手の動きとか、あるいは管理人がジョゼと話す時に目線の高さを合わせたりとか。もしくは、電車に乗ったり遊びにでかけたりと、外向き志向だったり。
けど、そっと訴えたりも。例えば、車椅子に乗るジョゼの前で、ショートパンツの生足を晒したり。もちろん悪気はないけど、こういう小さなことがグサッときたり……。
強く強調することなく、けどジョゼやお祖母さんや管理人たちがどう考えているのか、何を思っているのか伝わるし、観客としても考えるところがあるし、ラブストーリーとしての物語も成り立っている。
もちろんこの作品が障害をテーマにしているわけでないという部分が理由として大きいのでしょうけど、加減とか表現が絶妙でした。
小説と実写とアニメ
原作小説と実写映画と劇場アニメ。
比べるものではないとは思うけど、やっぱりそれぞれの差異が垣間見える3つです。それぞれの媒体の良さや特徴が存分に出ていると思います。
原作が小説で、元の物語に近いのは実写映画だけど、関係性とか雰囲気が近のは劇場アニメの方だと思いました。
アニメは原作をベースに大きく異なった脚本になっていますが、関係性とか距離感とか雰囲気とかを崩さないように気を配っているのだと伝わります。
実写映画は、記憶にある印象がとても陰湿な感じなんですよね。
暗い場面が多いイメージなのか、エロティックなシーンが多くて大人向けな作品だという気がしているのか。人間関係も面倒くさくて、薄氷を踏むような微妙な感じだった気がします。なんか、邦画らしいなぁと。
一方で、アニメ映画は真逆かも。
基本的に明るいシーンが多くて会話も笑いが漏れるくらい楽しくて。物語としての分かりやすさを意識した、万人向けのつくりな気がします。
あとは、メディアの違いですよね。
やっぱり実写はリアルな感じだし、逆にアニメはどこかファンタジックな印象を受けます。また、実写はどうしても役者さんの印象が強くなってしまう分、アニメではキャラクター個人をきちんと見れた気がしました。
それから、前々から言っているように、アニメは人の動作や表情の変化、背景や陽光など一つひとつが全部人の手で描かれて構築されているから、シーンの説得力とか芸術性?がものすごい気がします。
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以降、映画本編のネタバレあり
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ジョゼと管理人が過ごす日々
ジョゼと恒夫が出会って、恒夫が管理人として家に向かうようになり、ジョゼを外に連れ出してあちこち行ったり見たり、一緒に過ごす時間が増えていく。そんな様子がとても愛おしかったです!
坂道での出逢い。
猛スピードで転がり宙に飛び出したジョゼを、受け止める恒夫。
もう、この出逢いが最強! アニメでしかできない印象的な描写ということもあるし、衝突寸前まで顔が近づいた2人をグルっと回り込むように映す演出も素晴らしかった!
そして、家へ。
管理人としての日々が始まるわけですが、ここが最高に面白かった!
「人が正座に何時間耐えられるか」とか「畳の目の数が気になって眠れな」とか理不尽な要求をするジョゼが面白いし、それに応じる管理人も凄いし、その成果を一瞥して無下にするジョゼがまた面白い! 文句を言ったりツッコミを入れたり、そういうやり取りが楽しくて笑えました!
「私を海へ連れて行け」
ジョゼの揺らがぬ切実なその願いに付き合う。
けど、「外は猛獣だらけ」という忠告が頭をよぎる。電車の切符を買えず、人に嫌味を吐かれたり、ぶつかられたり。そこで挫けそうになるジョゼの心を支える管理人も凄いし、行くと決意した姿は見ていてとても嬉しかったです。(電車の中ではしゃいでいるジョゼ、可愛かったなぁ~~!!!)
そして、海へ。
「海の味を確かめる」という、そんな純粋な約束をずっと胸の中で大切にしていて、しかも本で読んでも信じられないからと、「これが最後のチャンスかもしれない」と波打ち際まで懸命に這っていくジョゼの姿を見ると胸が張り裂けそう…..。
管理人が担ぎ上げて海へ。波を避けるようにバランスを取ろうとする様子が、夕暮れの海でダンスを踊っているようで、本当に印象的で大好きなシーンでした!
ジョゼと外にでる。
水族館に行って「海の中や~!!」と感動したり、図書館に行って「本の海!」と感激したり。映画を観たり、パフェに目を輝かせたり。それでも相変わらずの減らず口で「彼氏が5人いた」とか強がるところとか、もう全部が可愛すぎる!!!!!!!!!!!! 動物園で虎を見て「管理人となら見れると思った」とか!!!!!!!!
チヅおばあちゃんが「まるで道頓堀のグリコみたい」と言う、「今にも走り出しそう」という言葉がまさに言い当て妙で気に入っています。
ジョゼと管理人の胸のうち
ジョゼと管理人、それぞれが「夢」を持っていたり、あるいは憧れを持っていたり。そこに自分の気持ちとか、他人の言葉とかが重なって、色々とゆっくり考えていく。
あるいは、相手に対する好きな気持ちとか。
管理人。
小さい頃に水槽で観た魚への興味から、研究を続け、メキシコへの留学を目指している青年の男の子。
そうやって夢を追いかけられるのって格好いいし、それをジョゼをはじめ他人に堂々と話すことができるところが、また格好いいな、と思います。
とても真面目な大学生で、個人的にも好印象でした。
ジョゼ。
自由に外を泳ぎ回ることに憧れているのか、部屋の中に飾られた竜宮城のような装飾と、綺麗な魚の絵。絵を描くことを夢といつから認識したのか分からないけど、同時に厳しい現実も見つめている青年の女の子。
ジョゼの部屋で絵を見た時にそのすごさに鳥肌がたちました。それ以上に、図書館で「人魚のお城ってどんなの?」という少女の質問に、ホワイトボードに絵を描いて答えた時のわぁぁぁ!!という高揚感?めいた嬉しさがすごかったです。
でも、チヅおばあちゃんが亡くなってしまう。
民生委員の「あんたがアーティストに? 夢を見ることは悪いことじゃないが、現実を見ろ」という言葉が胸に刺さります。ただ、悪者役を被っているけど、実際にはそれが当たり前の考え方なんだろうなぁとも思いました。
そこから、部屋を片付けて絵を捨てたと言い、事務の仕事を始めると決める。前へと歩みだしたけど、そこに「夢」が犠牲になってしまったのは悲しいです。しかもフィクションだからなおさら。
それから、恋心。
最後の最後まで、「好き」とか「嫌い」とかハッキリ明言しないところが個人的に好きでした。けど、司書の花菜さんが笑っていたように、ジョゼの言動に見え隠れしているところがまた可愛い!
戸惑っている。けど、二ノ宮舞さんとのやり取りの中できちんと自分の気持ちをハッキリ口に出したところ、「100個も言えないけど気持ちの大きさでは負けない」と言った台詞を聞いて、もう他人ながら感無量でした……。
舞さん。
いわゆる”負けヒロイン”ってやつですか。ダイビングショップで働いていたり、水着姿を見たりと、なんか海に近いところで、『凪のあすから』の美海を思い出してしまった……。
勇気を出してみる、後半。
管理人が事故にあったあたりから、終盤までのこと。色々と書きたいけど、章題にするとネタバレになるので、伏せました。
本当に、章題通り、めっちゃ泣きました…。「まさか泣かないだろう」と思っていたけど、結局は泣きました。久々に号泣。最近、涙腺が緩んでいて困るなぁ……。
「管理人、最後の仕事や」
どんより曇った冬の冷たい海。
帰ろうと道路を渡るジョゼの車椅子が引っ掛かってしまう。飛び出す管理人。迫る黒い乗用車。一瞬、うまく避けたかと思ったのもつかの間、管理人が轢かれて道路を転がっていく。
いや~厳しい……。
ジョゼの絶望した目が忘れられないし、嬉々と夢を語る管理人の姿を見ていただけにショックは大きいです。
けど同時に、「あ~こういう展開かぁ」とも思ってちょっとガッカリ。順風満帆なところに大事故が起きるってテンプレというか、安っぽくなってしまう気がして。王道すぎるというか。(ただ、この印象は後の展開で見事に転換したのですが)
そして、病院。
担当医から「治るかなんとも言えない」と告げられた後、さらにメキシコの大学が「3月に来れないなら違う学生を」と連絡したという。お前は鬼か!悪魔か! 「論文を読んで興味を持ったから、9月始業を待たずに卒業後すぐにメキシコに来い」と言っていた大学教授が、そんなに簡単に別の学生に切り替えるものなのかと、強い怒りを覚えました……。
スペイン語の教本を捨て、リハビリを諦めた管理人。今までが真っ直ぐひたむきに夢に向かって進んでいただけに、こんな姿は見たくないなぁ….と悲しみのドン底。
ジョゼにできること。
舞に発破をかけられた彼女が、自分の力で行動する。
何をするのかと思ったら。
押し入れにしまい込んだ画材道具を引っ張り出し、花菜さんに教えを請い、隼人に協力を依頼する。「あぁ、そうするのか」と薄々気がついていたものが形になり始める。もう、このあたりで瞳がウルウルな状態(笑)
図書館で読み聞かせをする。
ジョゼが自分で描き創り上げた紙芝居で、自分で作ったストーリーで、彼女自身が子どもたちの前で読み聞かせをはじめる。
「人魚姫」の物語。
人魚姫の憧れと願い事。外の世界へ踏み出したこと。恐ろしい虎から羽の生えた青年が守ってくれたこと。彼には光る海へ行くという夢があること。そんな彼が大怪我を負い、人魚が祈り、一命はとりとめたものの羽が無くなってしまったこと。それでも彼は、心の翼を羽ばたかせて、船に乗って進んだこと。夢を叶えたこと。
彼女の口から溢れるお話が、ジョゼと管理人の2人の関係と歩んできた日々をそのままで、さらにその先の未来を描いていて、感動。
こういうの大好き。マスクが濡れるくらい号泣。危うく、読み聞かせが終わったところで拍手しそうになったくらいです。
物語の終盤
12月24日が退院日。
「迎えに来てほしい」と言える距離がもう…..。それに対して「ウチは幸せ」と返す気持ちが痛いほど伝わってまた…..。
(映画の公開日が12月25日ですから、タイミングもぴったりだなぁなんて野暮なことを考えてました…)
退院日、病院のロビーにジョゼの姿はなく。
彼女の家に向かっても、寂しい室内だけ。
駅員さんが乗客の情報を教えてくれる優しい世界。動物園で車椅子の轍を見つけて、あとはそれを追いかける。クリスマスの街を駆けながらすれ違う2人。
「クリスマスの夜に好きな人を探して走る」って青春だなぁ…とキュンキュンしながら見てました(笑)
そして、坂の上から聞こえてくる叫び声!!
この出来すぎた既視感を待っていた!!!!
出会った時と同じように、暴走する車椅子から飛ばされたジョゼの身を、管理にが体を張って受け止める。そして───。
そして、「俺のために」と告白をして、キスをしたジョゼが吐いた「思ってたのと違う」という言葉。
あのシーン、あの時間の幸福度が最高潮で、観ていて心はポカポカ、幸せな気分で素晴らしかったです!!!
エピローグも好き。
留学した管理人が、春の桜並木に座るジョゼに会いに来る。
まずそもそも、スケッチするジョゼが車椅子じゃなくてベンチに移動しているところが好きだったし、季節が春になったところも好きだし、本当に良い映画だったなぁ……と。
エンドロールも、とても良かった! 声までは届かないけど、雰囲気とか、距離感とかがひしと伝わってきて素晴らしかったです! もちろん、そこでのEveの主題歌もあるわけで!!
ということで『ジョゼと虎と魚たち』の感想でした!
公開日がクリスマスということで、素敵なイラストがツイートされていたのでここにも載せさせていただきます。
今回は試写会にご招待いただきました。
その来場者特典として、特製ブックカバーをいただきました!! めっちゃ綺麗! これを貰ったので、本屋で原作小説を購入。アニメ版カバーも良きです。(小説は、実写映画を見た時に短編と知ったので図書館で借りたっきり。改めて読んだけど、良い物語です!)
あと、もう1つ来場者特典が。
エースコックさんから、カップラーメンを手土産にいただきました。「なぜ!?」と思ったら、劇中に一瞬だけ登場するんですね(笑)
読んでくださり、
ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!