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【映画】『エイリアン2』────恐怖を火力で殲滅せよ!SFアクション。

※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。

2017年10月4日

エイリアン2

(原題:Aliens)

 

 

 

【評価:2.9/5.0】

 


【一言】

SFホラーはSFアクションへ。
軍隊の無能さなのか、エイリアンの強さなのか微妙な所…………。
繋がる物語、過ちの繰り返し、懐疑の払拭が良かった!


【目次】

 

 


 

 

ストーリー

 前作『エイリアン』で惑星から宇宙船内に入り込んだエイリアンとの死闘を演じ、勝利の末に脱出に成功したリプリー。
 無事に帰還するも、彼女の体験を信じる人は誰もいない。運の悪いことに、彼女らが立ち寄った惑星LV-426は開拓対象として入植者が移り住んでいるという。

 そんな中、惑星LV-426からの連絡が途絶え、リプリーは植民地海兵隊らとともに惑星へ向かうことを決意する。
 エイリアンを殲滅する為に………………

予告動画

 

 


 

 

作品データメモ

監督:ジェームズ・キャメロン
キャスト:シガニー・ウィーバー,マイケル。ビーン & more
上映時間:154分
日本公開:1986年8月30日
配給:20世紀フォックス

 

 


 

 

感想

感想外観

 

 前作『エイリアン』から繋がる物語。
 名作という評価もある今作ですが、個人的には微妙です。

アクション映画となっている部分が残念です。未知の強敵に対して「火力こそパワー」のノリで戦うから、エイリアンが強いのか、軍隊が無能なのかよく分からないです………。

 また、頭の悪さ(?)が印象的だったというか。知的エイリアンに対して人間も知恵で戦って欲しいです。主人公リプリーの知的作戦がもっと観たいです。
 1作目と違い、メインが「逃げる」から「戦う」変わった分、この部分がより濃くても良いのかなぁ〜と。

 人間描写と関連物語についてはとても良かったです!
 強い女性のリプリー、利益重視のウェイランド社、アンドロイド、少女など。
 これらの人物との関わる部分の物語が前作を踏襲しながら深められていたのが良かったです。

 映像については、もう少し上手く描いて欲しかったし、明度を高めても良かったです。特に「エイリアンのコロニー」が暗くて造形が見づらかったり、暗闇での射撃は発射光が明るすぎて目が痛かったり……。

 それから、「エイリアン」の魅力が激減してると思いました。
 これは完璧に個人的なイメージですが、エイリアンって群れて行動するイメージ無いんですよね。だから違和感を持ちました。
 それに、エイリアンって「強さ」よりも「恐怖」が魅力だと思います。それが逆転していて残念でしたね………。

 

 

 

 

 

エイリアンの魅力減

 SFホラーがSFアクション映画に変わりました。
 これによって一気に『エイリアンの魅力』が失われたような気がしました。
私が思う「エイリアンの魅力」って以下だと思います。
①どこにいるか分からない静かな恐怖
②忍び寄る1匹の怖さ
③グロテスクなビジュアル
④知的な行動
これらが全滅していました。

 まず①。
 確かに生体反応を用いた事で「いるはずなのに姿が見えない」という恐怖は演出できてていました。
 でも、ただ「いる」という事実だけで怯えたり銃を乱射したりと上手く活けしきれていなかったです。
 機械を頼る認識と、人の五感による認識の違いは恐怖度を大きく変えるとおもいました。

 次に②。
 軍隊が銃撃で大量駆除の無双(?)する為に用意されたとしか思えないエイリアンの大群。なんだか安っぽいホラー映画見たいで残念でした。

 そして③。
 後でも触れますが、映像が暗すぎてエイリアンの美しいビジュアルや、コロニーの全貌がイマイチ理解できなくて残念。

 最後に④。
 エイリアンの知的さがダウンしてました。「知的生物」から「残虐低知能生物」に描き替えられていて残念。

 

 

 

 

 

SFアクション映画へ

 前作のSFホラーから一転して、SFアクション映画になっていました。そこが一番残念だったかもしれないです。

アクション映画で、しかも兵隊さんが主な登場人物というだけで映画のレベルが一気に下がったように思いました。
 言葉遣いとか、単語とか、気性の荒い人たちが沢山で少し不快感が。

 もちろん、軍隊を描く上では必要なのかもしれませんが、SF映画や未知の生物探索といった内容には合わないなぁ〜と。

 それから、とにかくゴツい武器と火力でゴリ押ししようとする考え方が気に入りません。それに、結局役に立たないわけですし。

 

 

 

 

 

知能レベル低下

 上で挙げたように軍隊が主役になったら事で映画全体の知的レベルが低下したと感じました。
 あ、もちろん、籠城戦をする際はそれなりに考えてバリケード構築したりしてました。

 映画全体のテーマとして、1作目の「逃げる」から2作目は「戦う」に変わった事で、この知的レベルが下がったのかもしれません。

 生き延びる為にいかに隠れるかを思考に頼らずに、殲滅する事を武器に頼るようになったからだと思います。

 もっとリプリーの頭いい作戦を見たかったですし、知的エイリアンには人間も知性で対決して欲しかったです……。

 

 

 

 

 

人間描写と物語

 登場人物の心情や考え方、バックグラウンドなどの描写がしっかりとされていて、それが物語の内容に活きていて良かったです。
 1作目以上に登場人物それぞれの背景とかを描いており、感情移入を狙ったのだとと思います。

 ここで書くとネタバレなので難しいですが………。
 1作目で強い女性として描かれたリプリーですが、今作でも同じように。兵士に喝を入れるシーンなど強かったです。
 それからウェイランド社。
 1作目でアンドロイドという工作員(?)を送り込んでいましたが、今作でも曲者です。
 利益を重視する姿勢、個人的には嫌いじゃないです。

 あとは、エイリアンから隠れて逃れた少女の話とかも良かったです。

 

 

 

 

映像について

 映像、もう少し丁寧に描いても良かったです。
 ただし、この点に関しては鑑賞環境が大きく関わるでしょうから、的外れな部分もあると思います。

 まず、全体的に暗すぎるなぁ〜と。
 もちろん、暗さは怖さを引き出すので当然なのでしょうが、逆に暗すぎてエイリアンの見た目とか、コロニーの全貌とかが理解できなかったのが残念です。
 あの気味悪い造形を楽しめないのが寂しがったです。

 それから、暗闇でいきなり銃を撃ち始めるから激しいフラッシュが辛かったです……。
 目が痛くなりました。全体的に明るくするか、銃の発射光を抑えるかして欲しかったです。

 

 

 


 

 

 

以降、映画本編のネタバレあり

 

 


 

 

 

ネタバレあり感想

冒頭

 まず、1作目『エイリアン』から繋がる物語だと分かって嬉しいですね。どれくらい時間が経ったのかと思ったら…………57年間。

 彼女の娘のエピソードが描かれたのがとても良かったです。浦島太郎的な、時間の流れの残酷さを感じます。

 安心していたら、リプリーのお腹が裂けてチェストバスターが顔を出す場面がめっちゃ怖いです。「マジかよ……腹の中にいたのか…」と思ったら夢オチなんですね(笑)

 そして、惑星LV-426が惑星開拓の対象になっていると知り、悩んだ末に海兵隊と一緒にエイリアン殲滅の為、惑星へ向かうことに。

 

 

 

 

前半

 海兵隊との船旅。
 時代が変わっても、軍隊って変わらないんですねぇ〜。話す内容とか下品な言葉とか、騒々しい会話とか。
 ビショップのナイフ曲芸がめちゃくちゃ怖かったです…………彼、アンドロイドなんですね!

 準備。
 掛け声とか、返事の仕方とかもろ軍隊ですね。ちゃんと外骨格スーツをつける辺りがSFっぽいです!
 雨降る暗闇、着陸して入植施設に向かいますが宇宙服は必要ないんですね。空気もテラフォーミングしたってことですね。

 施設内にて。
 まず、エイリアン生体反応機器に反応したのがモルモット………この当人たちは怖いでしょうね……。
 で、見つけたのはフェイスハガーの標本。摘出して、ホルマリン漬けにしたってことですね。気色悪い……。

 隠れていた少女。
 大人たちが全員餌食になる中、たった一人で生き残っていたんですね………凄いです。怯えるのも当然。
 ココアを差し出して話し合うリプリーが母親みたいで。

 エイリアンの巣窟へ。
 姿が見えないエイリアンとの戦いは海兵隊でも怖いものなのですね。
 恐怖と戦慄の撤退劇が映画としてとても良かったです。仲間が次々と倒される中、必死に逃げようとする兵士たちの真剣さが凄かったです。

 

 

 

 

中盤

 施設内での立て籠もり。
 セントリーガンの安心感ってかなりありますね。

 そしてエイリアンの襲撃!
 どんどんと無くなっていくセントリーガンの残弾量でエイリアンの大群を表現。
 脱出する為に自ら犠牲になるアンドロイド君……偉い!!

 医務室での死闘。
 寝ようとしたら、フェイスハガーの脱走に気が付き恐怖が。
 火災報知器を上手く利用するリプリー、頭いい!こういう知能戦が見たかったんですよ!
 犯人はバークでしたか……体内に隠して密輸入って考える事が最低過ぎます………。

 

 

 

 

後半

 生体反応を示すものの、姿は見えず………天井から襲ってくる大量のエイリアン。
恐怖すぎる………兵士が天井を開けて確認しますが、その勇気に敬服ですよ。

 通気口に逃れて脱出を目論みます。
 狭いから、銃が有利ですかね。撃てば当たりますから。

 少女が足を滑らせてドボン。
 後ろからそっと現れるエイリアンのステルス能力高すぎますって!

 

 

 

 

終盤

 少女を救うため、再び施設にリプリーが向かう!
 爆発までのタイムリミットって制限はやはり時間的にも精神的にも緊張を誘いますよね。

 そして現れたのはクイーン。
 デカイですね〜。とりあえず卵を火炎放射器で燃やして気分爽快♪ 怒ったクイーンはエレベーターを利用して追いかけてきます(笑)
 ちゃんと待っていてくれたアンドロイド、見直しましたよ。彼、良い奴じゃないですか!

 解決したと思ったら、結局、今回も脱出船についてきたんですね……。執念深すぎますって……。
 重機を使ってエイリアンと対決。今回も船外へ追い出すことに成功。ハッピーエンドです!!

 

 

 

 

 


 

 

 

 最後まで読んでくださり、
 本当にありがとうございました!!

 

 

 


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