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【映画】チャッピー

2015年5月30日
【評価:3.8/5.0】
    『…ボクを…なぜ怖がるの?』

 

目次

 

【STORY】

2016年、南アのヨハネスブルグ。
エンジニアのデオンは感情を持ち、思考する完全なAI(人口知能)ソフトウェアを開発し廃棄予定のロボットで実験をしようとしていた。
ところが、3人組のギャングに襲われたデオンは誘拐され彼らのアジトで仕方なく起動実験を行うことに。
実験は成功し赤ちゃん状態のAIロボット「チャッピー」が誕生した。
しかし、鋼鉄製のロボットであるチャッピーを犯罪に利用しようとする3人としっかりと育てようとするデオン。
チャッピーは善に転ぶのか、悪に転ぶのか。AIの可能性とは?
 
 
 

【感想】

 う〜ん…イメージと全く違う映画で、序盤の展開から違う映画を観に来たのかと思ってしまいました。(自分も悪いんですがね…)
 思っていたら感動系かと思ったら全然違いました。まぁ、この監督はこんな感じだと思いますが。
 それでもこの監督はAIの新しい姿を見せてくれるとともに、社会的な問題とも絡めた単純にSFと呼べない映画でした。
 プロローグと序盤はかなり良く、中盤はまあまあ。終盤は「ん?」、ラストは「えっ?」
 ただし、伏線がしっかりと回収されていたり、細かい所に気を配っていたりしたのでこんな終わり方でもモヤモヤの残る感じはあまり感じませんでした。
 
 
 映画に出てくるAIと言えば“人間への反乱を始める存在”として描かれるか、“人間との良好な関係を保つか、恋の対象という存在”として描かれるかのどちらかが基本だと思うのですが、今作は全く違いました。
 完璧なAIではなく、未完成の赤ちゃんAIとして描かれそれを使う人間によってAIが善とも悪とも変わるという事を訴えることでAIへの先入観のようなものが薄まりました。
 感情を持ち、学習し、自ら考えることをするからこそ開発段階でそれこそ赤ちゃんのような今の“人口知能”について深く考えなければならないのかもしれないと思いました。
 
 上ではAIについて書きましたが、チャッピーを見ていると他にも考えてしまいます。
 子供のチャッピーに悪事を教える大人、チャッピーに暴力をふるう大人。 
 まるで子供への虐待を見ているような不快感を感じました。ただ、南アフリカをはじめとするアフリカではこういう事が日常的に起こっているんでしょうね。
 猿の惑星でもそうでしたが、人間意外を擬人化するような形で傍観する立場になることでより冷静に考えることが出来ると思います。
 
 チャッピーの純粋さがどんどんと失われていき、黒に染まっていくのを見るのは本当に辛かったです。
 あのギャング達サイテー。大嫌いです!
 しかも、そのギャングの立ち位置がはっきりしなかったので余計にイライラしました。 100%悪と言うわけではなく、心の底に良心を隠している。なのに無駄に悪ぶって、彼を傷つけるんだから。 曖昧な役が1番イラッときます。
 
 
 でもからチャッピーは可愛いし、心の優しい純粋なロボットでした。
 赤ちゃんの時が可愛かったです。予告にもあるように牛乳を見て怖がったりするシーンは特に。

 一方でギャングなどに暴力を振るわれるときには「チャッピー、怖い」を繰り返し本当に可哀想で見ていて心が痛みました。………恐怖っていう感情が普通に理解できているんですからね。
 予告で出てきた「I want to life,and I don’t want to die.  I am Chappie.」=「僕は生きたい 死にたくない 僕はチャッピー」というセリフがどこで出てくるのか楽しみになっていたのですが…ダメでした。
 
 
 
 
 スラムドッグ$ミリオネアで主人公を演じたデーヴ・パテールがやっぱり良い演技をしてきました! こんな頭が良くなってAIを開発するなんて。
 ヒュー・ジャックマンが今までと違った役で怖かったです。こんな彼はもう見たくないです。
 これが実際のミュージシャンを起用したという事ですか…何でこんなことをしちゃったんでしょう?
 これでよりギャングがひどくなってしまっているではないですか。
 
 
 
 
 
HP:
 

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