こんにちは!
お元気ですか?
8月15日に観た『Fate/sn HF3』の感想をようやく執筆しました! 3月公開予定から大幅に延期しての、待ちに待った夏封切り。第1章から一緒に観に行っている友達と最終章も観に行ってきました!(やっぱり春の桜の時期に観たい映画でしたね~)
この感想は、映画鑑賞翌日に下書きしたものなので、鮮度だけは十二分にあります!!(笑)
2020年8月15日鑑賞
劇場版
Fate/stay night [Heaven’s Feel]
III. spring song
4.6 / 5.0
冬木聖杯戦争の終幕。
圧倒的な破壊力を誇るバトル、積み重ねた物語の厚み、映像演出と劇伴、表情や台詞の描写……作品を構成する総てを総動員して英雄譚として綴られた過去から、人間の未来の物語へと昇華した傑作!
ただ、「間桐桜」は薄い存在で寂しかった。
魔術師(マスター)と英霊(サーヴァント)が万能の願望機「聖杯」をめぐって繰り広げる「聖杯戦争」。間桐桜は自らが犯した罪とともに、闇に溺れてしまう。彼女を守ると誓った衛宮士郎は遠坂凛と共闘し、聖杯戦争を終わらせるべく過酷な戦いに身を投じる。一方、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは闘争の真実を知る者としてその運命と向き合い、間桐臓硯は桜を利用して自らの悲願をかなえようとする。
映画.com
劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」Ⅲ.spring song 予告編
監督:須藤友徳
脚本:桧山彬
制作:ufotable
音楽:梶浦由記
日本公開:2020年3月15日(122分)
配給:アニプレックス
もの凄い映画だった……。
一体、何から、どこから書けば良いのか迷ってしまうのですが、とりあえず順番に書いていきたいと思います。
『Fate/stay night』の堂々たる完結。
『Fate/sn』という作品が迎える結末をようやく見届けられました。やっぱり、凄い。「冬木市の聖杯戦争」という他に類をみない出来事の顛末を知ることができたのは非常に大切なことでした。
また、これまで『Fate/sn』で紡いできた人間関係が全部積もり重なって映画で描かれた以上の重厚なストーリーを織り成しているところも、最終ルートの映像化だからこそだと思います。
【間桐桜の物語】は呆気なかった。
「期待に反して」という表現が近いと思います。
第1章で儚くも幸せな居場所を見つけた桜。それは第2章で夢が覚めるように消え去って、いよいよ迎えた第3章。
春の扉へ足を踏み出す桜のキービジュアルや、主題歌から、もっと桜に寄り添った物語かと思っていました。
他が真似できぬバトル。
目の前で繰り広げられる戦闘は、地を裂き天を衝くほどの圧倒的な破壊力と迫力を持っていて、絶対に他が追随できないアニメ表現の真骨頂に達していました。
キャラクターの存在が大きい気がします。
超人的な能力と魔術や宝具で戦うサーヴァントと、傷つく弱さのある人間のマスターという2種類が同在するからこそ、見た目にも内容的にも濃いバトルシーンが完成しているのだと思います!
『Fate/stay night』の「HF」が描くもの。
英霊の物語ではなく、人間の物語でした。
他の2つのルートが「セイバー」と「アーチャー」という英霊を主軸とした物語であったのに対して、『Heaven’s Feel』は魔術師の物語でした。
主人公として設定されたキャラにしても、彼らが語る言葉にしても、境遇や結末にしても、あくまで人間重視だった気がします。
もちろん映画を構成する色々も凄かったです。
アニメーションは一級品。
縦横無尽に飛び交う複雑な戦闘シーンを手描きで作り上げていると思うと気が遠くなりそうだし、キャラの表情とか、画面の構図とか、いちいち格好良くて美しい!
それに、キャラが発する台詞はどれも含みと余韻を持っていて驚いたし、梶浦由記さんの劇伴が主役級に鳴り響いていて最高でした───!!!
第1章サウンドトラック視聴動画
冬木聖杯戦争の顛末と完結
『Fate/stay night』の完結。
まずは、これを拝むことが出来て良かったです。
「異例」といわれた冬木の聖杯戦争について、その始まりから終わりまでを眺めることができたし、今までのルートの結末や暴走の理由についても、断片的にしか知らなかった情報がつなぎ合わされたことは、とても大きいです。
・聖杯戦争の目的
・御三家とゼルレッチ
・大聖杯の汚染
・「天の杯」とイリヤ
・オルタ、アベンジャー
・間桐臓硯と桜
・言峰綺礼と衛宮切嗣
︙
この辺の話は、単語や用語だけ知っていたり、他の『Fate』作品でなんとなく耳にしたことはあるけれど、実態(実体)がどういうものか理解できていないかったので、『Fate/stay night』という物語を通して知ることができたのはとても貴重な収穫でした。
劇場版「Fate/stay night」Heaven’s Feel
TYPE-MOON世界観が濃縮されていました。
型月の設定を色々と見ることができたのは、この映画の無視できない価値だと思います。
私も詳しくなくて、『空の境界』,『月姫』,『Fate』のアニメと一部原作を齧ったくらいです。なので、今回こうして『Fate』の終着点を目にできたのは至高の喜びです。
「聖杯戦争」という儀式そのものもですが、「魔術と魔法」とか「根源」とか。もしくは「正義と不義」とか「犠牲」とか。これがギュッと詰まって描かれていたのが『HF』でした。
個人的に、「魔法と魔術」を区別したところと、その目的に「根源」を設定したところが天才的に素晴らしい設定だと思っていので、その部分に少し近づけたのが嬉しかったです!
一方で、この部分の話のボリュームが多かった分、主役の人物たちに関する物語が乱反射してしまった感がありました。(また後述します)
間桐桜の物語として
「間桐桜の物語」という点では、呆気なかったというか、味気なかったと思ってしまいました。
これについては、私が「桜の物語」としてしか認識していなかった点にも問題があるのかもしれません。Twitterのフォロワーさんから「イリヤのルートも統合した」と教えてもらったり、そもそも副題が『Heaven’s Feel』ですからね。
でも、ここまで描写されてきた「間桐桜」というキャラは、セイバーとも遠坂凛とも違う、見たこと無いくらい凄いキャラだったので、第3章の失望感は大きかったです。
第1章の桜。
ようやく「ここに居たい」と思える場所を見つけた弱々しい少女。とても幸せだけど、どこか危なげで儚げで弱々しい感じがひしと伝わりました。
雪が降る中、サンダルを履いた素足を真っ赤にしながら佇み、士郎の帰りを待っていた彼女は本当に不憫で可愛かったです。
第2章の桜。
そんな幸せが「プツっ」と破裂する音が聞こえるような気がしたような。抱えていた闇が影になって溢れ出す姿と、訳が分からずも笑う彼女は、ただただ綺麗でした。
雨が降る中、士郎に抱きしめられたのが一瞬のようで、悪夢の濃さが尋常でなくて、「美しい」という言葉は彼女のためにあると本気で思いました。
1, 2章の「影」も凄かった。
現界しているのに、あんなにも浮世離れをしている存在は初めて目にしました。「ただそこに居る」だけで言葉にし難い怖さを放つものは他にないと思います。
熾烈な戦闘の中、周囲の音を一瞬で吸い取ってしまうかのような無音の演出は怖かったし、歪みや雑音とともに現れたり、振り返ったらそこに居るというのは、腹の底に響く怖さです。
見た目も素晴らしいの一言に付きます。「人ならざるモノ」であり「不吉なモノ」だと一瞬で分からせつつ、生物的な曲線が美しいあのデザインは完璧です。
正体不明だからこその怖さもあるし、誰も何も言わないのに「あれは桜だ」と分かってしまう怖さもあって、あれは本当に完璧でした。
そして、第3章の彼女。
ここまでの期待を背負わせてしまっていました。極限まで張り詰めた緊張の糸がプツリと切れた幕引きの第2章を経た桜が、どうなるのかとても楽しみにしていたのですが、ちょっと予想外。彼女の存在が大幅に霞んでしまいました。
言うならば、”壊れすぎてしまった”のかもしれません。
以降はネタバレになるので、ここではお預けということで……。
Aimer 『春はゆく』MUSIC VIDEO
アニメの極限に至るバトル表現
『Fate』のバトル。
素晴らしかったです。
「息をつく暇がない」とか「瞬きするのがもったいない」とは、まさにこのバトルシーンを評価する時に使うための言葉ですよ。
『Fate』というコンテンツ自体の持つ強さがあり、それをufotableのアニメーションが見事に映像化した、最高の傑作シーンだと思います!
まず、圧巻の迫力ですよ。
スクリーン越しに見ているのに、その熱風とか風圧が伝わってくるように感じるほど、迫力があって驚いたし、楽しかったです!
誰が戦ったのかは、ここではネタバレになるんですかね?
第1, 2章の中で好きな戦闘がいくつかあります。
どの戦闘も凄いんですけど、第1章序盤、路地裏での対ライダー戦。それから第1章終盤の柳洞寺。この2つは、ライダーの鎖が狭い空間の中で活きていて最高でした。
第3章のあのシーンは、それらよりもさらにパワーアップさせたようで最高でした!!!!
『Fate』コンテンツの設定の上手さですよね。
「サーヴァント」と「マスター」という設定が上手いと思いました。超人的な戦闘能力と耐久性や治癒力で神的な戦いを繰り広げる英霊たち。彼らの戦いは神話の如く激しくて壮大で美しくて本当に凄いです。他方で、人間のマスターは意思こそ強けれど、身体的・生物学的には弱いもの。
この2種類のキャラクターが、同じ戦場に存在するから、あの迫力あるバトルと、物語的な凄さが生じるのだと思います。それに、サーヴァントはクラス分けされて、それぞれが長所・短所を持っている設定も上手いですよね。
よく、異世界モノでは「パーティー」システムで剣士・僧侶・格闘家……のようにジャンル別のバランスをとったりしますが、それとは少し違う。あくまでも人間ですから。
それより、『ポケモン』に近いと思いました。戦うためのポケモンがいて、それを操るトレーナーがいる、という関係や、能力にあった戦術などを考えるところは、『Fate』と似ているかもしれません。
そして、ufotableのアニメーションが強い。
人間離れした技を繰り出すサーヴァントの戦いは、遠距離から攻撃を放ったと思った瞬間には近接攻撃にシフトしていて、間合いの移動が素早い上に、ひとつひとつの動きに無駄がなくて早いから、迫力が凄いんですよね。一瞬でも気を許すと、懐に入られてしまうような緊張感。
これを手描きで作り出すのって、本当に凄いですよね……。気が遠くなる作業ですよ。
で、背景がまた凄い。
普通、アニメは「人物などの動画+背景」で構成されると思います。
でも、バトルなど地面が割れたり、洞窟が崩落してきたりするような場合は当然手描きになるわけです。そうすると、背景は緻密なのに動画部分は簡略化されてしまうことが少なくないと感じます(『FGOバビロニア』とか)。
けど、ufotableの戦闘はCGを上手く使いながら、背景の緻密さのまま動画も描いているところだと思うんですよ。だから、キャラと背景が乖離しないから、同じ画面の中で違和感なく戦闘シーンを楽しめるのだと思います!
なんの話をしているのか分からなくなってきましたが、要するに、バトルが凄いんですよ。
人間重視の第3章と台詞の力
第3章『Heaven’s Feel』の主役は「人間」でした。
物語のどこを見ても、人間が中心の物語になっていて、そこが他2ルートとは違う物語になっていたように思います。
過去2ルートは「英霊」の物語でした。
エンディングの内容を見るのが一番分かりやすいのかもしれません。「Fate」ではセイバーが中心で、「UBW」ではアーチャーが中心だったと思います。
それに対して、「HF」は魔術師の物語で、家族の物語で、恋人の物語だったな、と思いました。
ここを深く書くとネタバレになるのでしょうか。
主人公たちにしても、サーヴァントの行動にしても、彼らが語る言葉にしても、その結末や境遇にしても、最終的な帰結にしても、「人間重視」という部分が強かったように思います。
加えて、台詞も凄かった。
他の作品には許されない言い方だった気がします。
「含み」と「余韻」が凄いんですね。
あまり上手い例が思いつかないのですが、「桜はもう…..」とか「姉さん──」とかみたいに、最後まで言わずに言葉を切る台詞が多かった気がします。
みなまで言わずとも、その内容が感じ取れるから凄いです。
実写ドラマとか映画の台詞回しに近いのでしょうか。こういうのは台詞の内容が少ない分、話者の表情とか仕草における演技力が必要なので、『Fate/sn HF』の映画は他のアニメ作品とは比べ物にならないくらいその表情の表現などが秀逸なのだと思います。
「ジョンを殺せ!」よりも「ジョンを──」と言う方が格好いいし、含みがあっていいですよね。私はこういうのが好きなので、今回の第3章ではそういう台詞が目立っていたように感じました。
登場人物が重ねた物語への終止符
『Fate』は群像劇ですよね。
なので、色々なキャラクターの物語が展開されることは至極当然だし、それが幾層にも重なるから重厚な作品になっているのだと思います。
例えば「正義」という概念1つをとっても、真っ直ぐな主人公だけでなく、歪んだ視点を通して語るからこそ、深みが増しているのだと思います。
それが一番良く分かるのが、この第3章だった気がします。(というか、第3章の内容自体がそんな感じですしね)
桜を含めて、登場人物の物語の濃さや深さという点では、やはり他の作品が追随できない素晴らしさでした。
この『HF』ルートで多くを語らずとも、これまでの物語の蓄積があるのでそこを補完できるんですよね。しかも、その意味が大きいというか。この辺は「最終ルート」である意味ですよね。
他の『Fateルート』と『UBWルート』で描かれた登場人物の姿や発言はもちろん真正面を描いたものでしたが、それらが『HFルート』ではバックグラウンドで動いていたというか、キャラの魅力や立ち位置をより濃くするよう作用していました。
それぞれの行動原理が分かったりとか、逆にこれまでの発言の真意を知ることができたりとか。これまでの物語がきちんと繋がって、それぞれの結末になっていた点が素晴らしかったです!
この密度・濃度は『Fate/sn』という作品だからこそだと思います。
これまで、3つのルートで描かれてきたキャラそれぞれの心情・信条や人間関係、行動原理や仲間、サーヴァントの扱いや、過去・未来の話などが緻密に描かれていて、その積み重ねが生きていたのが第3章でした。
そして、それぞれの「理想と罪と贖い」の物語を語ることで、壮大な聖杯戦争に幕を下ろした最終章でもあったと思います。
これまでは表向きは「大災害」として片付けられることで、聖杯戦争それ自体の意味とか功罪の部分はそこまで追求されなかった気がします。あくまでも魔術師個人の理想や目的がメインでした。
衛宮切嗣が魔術師殺しを後悔したり、士郎が「正義の味方になる」と誰かを守るために奔走したりしました。けど、誤解を恐れずに言えばそれは終盤に至るまでにフワッと終わった印象です。
しかし、このHF第3章ではそれぞれのキャラ───士郎、桜、凛、イリヤ、綺礼、臓硯、果てはライダーや真アサシンまで、それぞれの結末にしっかりと終止符を打ったと思います。
その、理想に対する回答や、抱えてきた思いの吐露、受け止めた罪の償い方に関しては必ずしも共感できないものもありますが、きちんとピリオドを打ったのは素晴らしいと思いました。
第3章、よく出来ていたと思います。
今までのルートにはない概念やキャラが登場しているのに、主人公たちの物語が観客にしっかりと流れ込んでくるのは、第3章の映画の作り方も上手いのでしょうし、そもそもこの『Fate』コンテンツが積み重ねてきた物語の量と質の功績だと思いました。
ただ一方で、最後の最後に何人ものストーリーを詰め込みすぎた感は否めないと思います。先にも書いたように、「間桐桜だけ」ではなくて、他にも沢山の物語が加わった結果、焦点がボケてしまったな~と感じました。
特に、後半から終盤にかけての流れでは、思わぬ展開でガッカリしてしまったというのが本音でしょうか。
以降、映画本編のネタバレあり
間桐桜を語る者
改めて「誰の物語か」を考えなければならないのかな、と。そもそも私はずっと「桜の物語」だと思っていたので、この第3章のラストはあまり好きではなかったかなーというのが最初の感想です。
「誰が語るか」の部分が引っ掛かるのだと思います。
「Fateルート」は士郎とセイバーの物語で、最初から最後までセイバーを中心に描かれて、彼女を看取ったのはベディヴィエールでした。
「UBWルート」は士郎とアーチャーと凛の物語。終盤で「アーチャー=士郎」と判明することで一環してアーチャーを描いていた物語だと知ります。
この2つは、程度の差こそあれ、主人公やメインの人物本人が行動したり、物語を回していると思います。
一方の「HFルート」。
主役は桜なのだと思います。でも、彼女が自分自身の意思で行動したり、語ったりしたことって少ないなーと気付きました。もちろん”操り人形”としての彼女が自発的に行動できないのは当然だし、それが重要だと思います。
ただ、最後くらいは彼女の口で語って欲しかった。
結局、『HF』の最後を締めたのは凛のモノローグで、桜はほぼ喋らなかったと思うので、それが心残りかなーと。
ただ、別の見方もできると思います。
「主人公が望んでいた存在が語る」という視点。
「Fate」ではセイバーが持つことのなかった信頼できる友・ベディヴィエールが彼女の最後を看取り、「UBW」では贋物として生きてきたアーチャーのオリジナル:衛宮士郎が主人公でした。
そう考えれば、「HF」では桜が最も欲していたもの=姉からの愛情という側面で物語が畳まれたのだと思うと、しっくり来るのかなーなんて。
正義と犠牲と罪と償い
・正義と不義
・救済と犠牲
・罪と罰
・償いと赦し
・幸福と不幸
・善と悪
・運命と宿命
︙
この対立概念が合っているかは分かりませんが、これまで冬木聖杯戦争で語られてきたこと、登場人物それぞれが背負ってきたものへの答えが提示されたようでとても良かったです。
衛宮士郎が切嗣から継いだ「正義」、間桐桜が受けてきた凄惨な凌辱、彼女が犯してきた殺人とその贖い。言峰綺礼による悪の祝福、イリヤの使命、臓硯の執念、ライダーの役割、凛の立場。
登場人物それぞれの行動や過去へに対して、一定の解が提示されたように思えて、素晴らしかったと思います。
衛宮士郎。
彼が分かりやすかった気がします。
正義の味方になりたかった士郎。
切嗣の「誰かを助けるということは、誰かを助けないということ」という言葉を受けてもなお、自己犠牲によって全員を助けようとしてきた彼。目の前で誰かが傷つくのが許せなかった彼。(HF1章でバーサーカーの攻撃から身を挺してセイバーを守った士郎とかまさに)
それが、第2章では「桜だけの味方になる」と約束をし、HF第3章ではライダーの「味方の窮地を無視できるか」というような台詞を守った士郎。まさかセイバーを自身の手で殺めるとは思わず、一番驚いた部分かもしれないです。
言峰綺礼。
なんなら、”一番の悪人”の彼。
綺礼自身の口から、彼の正義観や幸福観について聞くことが出来たのがとても良かったです。『Fate/Zero』の方で知ってはいますが、やはり『HF』がオリジナルな言葉でしょうからね。
それに、綺礼の価値観を受ける相手が、正義を信じていた衛宮士郎だという構図がまた素晴らしいなぁと思いました。
重要なのは、彼が100%敗北したわけではないところかな、と。いわば「黒幕」として登場したわけで、「大聖杯の起動」という目的こそ達せなかったものの、物語の中では相当いい位置にいたのではないかと思います。
『Fate』は単なる勧善懲悪ではなくて、それぞれ人間のエゴがむき出しにされるところが魅力で、その中でも異彩を放つのは言峰綺礼というキャラクターなのだろうな、と。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。
小さいのに、背負うものが大きすぎる。
ただ「不思議な少女」とか「可愛い女の子」というだけではなくて、『Fate』という物語の舞台にきちんと立ち、自らが負う宿命を理解して行動したいたことが明示されると、これまでの行動も捉え方がまた変わってきます。
最後、彼女が去り際に見せたときの笑顔については、私はあまり良くわからなかったです。受け入れていたということなのですかね。
それから、士郎とイリヤが、まるで兄妹のような関係になれたのが嬉しかったです! 今までは敵同士で、『プリズマ☆』と『今日のご飯』というスピンオフでしか家族らしい様子はあまり見れませんでしたからね。
間桐桜。
彼女は、あまり分からなかったかも。
彼女の存在自体が、第3章では霞んでしまったように思います。最終決戦場ともとれる地下洞窟からは早々に退陣。これには驚きました。
今までずっと、士郎の行動理由は彼女にあったので、その存在が弱まってしまうのはどうなのかな、と思います。
最終的には助かって、これまでの罪を受け入れて強く生きようとする姿が描かれたラスト。ハッピーエンドで良いと思います。
ただ、心境の変化というか、あそこまで堕ちていた彼女がこうも綺麗に立ち直れるものなのかな、という疑問も。まぁそれが魔術師の心の強さなのかもしれませんけど。
1章と2章では心情が本当に丁寧で綺麗に描かれていただけに、第3章の最後は駆け足というか、飛ばした感が否めなかったのかなーなんて思いました。
バトルとサーヴァント
作品全体を通して、アニメ史に残るような名勝負が多かったです。
例えば、第2章のイリヤ城で争われたセイバーオルタ vs. バーサーカー戦は超絶だと思います。剣士と狂戦士という戦い方が全く違う2人の勝負はビジュアル的にも印象深いですし、何より「爆発」の描写が凄かったです。
バーサーカー戦は圧力で押す感じなので、見ていて派手だし迫力が出るんですよね。私も好きです。けど、一番ではないですかね。
『Heaven’s Feel』を通して、ライダー戦が素晴らしかったです。
とにかく綺麗で、あんなにも美しい戦闘は見たことがないです。
第1章、慎二が使役していた路地裏での対セイバー戦。同じく1章は柳洞寺での対アサシン戦。変わって第2章の図書室での戦い。そして、第3章の対セイバーオルタ戦。
「場所」と「音」が最高です。
まずロケーション。路地裏・柳洞寺・図書室・洞窟とどこも狭い空間が多いです。狭い空間で蛇のように軽やかに立ち回るライダーの強さが際立っていたし、手に持つダガーの鎖が映えていました。
しかも、劇場の音響で聞いていたこともあって、鎖の甲高いジャラジャラ音が本当に綺麗でした。
元々、他の2ルートでは見せ場らしい見せ場もないまま、聖杯戦争を退場していたライダーだけに、こんなにも活躍していると嬉しいです!
そして、ラストバトル。
セイバーオルタとライダーが共に押しつ押されつつの戦闘を繰り広げて、互いに宝具を打ち合うシーンはめちゃくちゃ格好良かったです!
セイバーオルタのビーム描写と、一気に間を詰めるライダーの戦いと、カメラがズームアップしたりクローズアップしたりと、本当に凄かったです……。あれは劇場で観て良かったです!!
感想の投稿が遅くなってしまいました。
ただ、書いたのは鑑賞した次の日なので、きちんとした内容になっていると思います。
パンフレットと来場者特典。
友達と行ったら、運良く来場者特典は2種類別々のイラストを貰えたので、こうして合わせて完成版を拝むことができました!
それから、TYPE-MOON展を観た際に購入した『Fate/snビジュアルストーリー』という書籍。
原作ゲームのイラストを元に、大雑把なストーリーを載せてくれたものです。今までは「Fate」,「UBW」ルートだけで読むのを我慢していましたが、これでようやく全編読むことができます!
これを見ると、原作ゲームの絵を忠実に再現した構図や内容になっているのだと、改めて感心します。
読んでくださり、
ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!
そしてブログ新設おめでとうございます!どうかこれからも楽しみながら記録を残し続けてください笑!
pさん
それから、ブログ新設へのお祝いもありがとうございます! まだまだ未完成ですけどね…。今まで旧ブログに寄せてくださったコメントについても、今後こちらに引き継ぐ予定でいます! これからもよろしくお願いします!(TwitterのDMは無視しちゃってください!!)
記事読みました!
チケットをもう一枚程購入していたのでまた、見に行こうかなと思っています笑
「Fate/stay night」という作品を最後までアニメ化してくださったアニメスタッフの方々、そしてFateを生み出してくれた奈須きのこさんを始めとするTYPE-MOONのスタッフの方々には大きな感謝を…!(更に欲を言えばhollow ataraxiaのアニメ化も…!)
後、今作のラストで「空の境界」のあの人が出てきたときは驚きました。丁度今年TYPE−MOON作品の「魔法使いの夜」をプレイしてみたので余計嬉しかったです!
魔法使いの夜も(三部構成のうち既に完成していた第一部をゲーム化したもので伏線などはいくつか残りますが)空の境界のような怪しくも美しい伝奇要素がありつつくすりとくる日常なども描かれていて大変面白かったです。(全ての話を読んだあとに出る特別編を除き)ルート分岐や選択肢が一切出てこない、約18時間で読み終わるノベルゲーとなっているので、Araさんも楽しめる作品だと思います。
pさん、こんにちは!
さっそくコメントありがとうございます!
既に2回目を見据えているとはさすがです…!! 私も、初見ではただただ圧倒されただけなので、今度観たら細部まで丁寧に目を配りたいです。
そうですね、DEEN版の『Fate』に始まり、ufotableの『UBW』を経ての今作です。たぶん、アニメになっていなければ私が『Fate/stay night』という作品に出会うこともなかったので、スタッフの方々には感謝ですし、やはり作品を送り出して下さった奈須さんや武内さんら型月の方々にもお礼を言わねばなりません!
ですよね~、最後に”あの人”が登場するとは。pさんがその驚きということは、原作ゲームには未登場なんですね。世界観が繋がって嬉しかったです! 『魔法使いの夜』は気になっていたのですが未プレイです。supercellのエンディング曲は聴いています(笑) でも、18時間ほどで終わる上に、ルート分岐がないというのは有り難いです! そう薦められるとすごく気になります!