※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。
2019年1月25日鑑賞
PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System
Case.1 罪と罰
【評価:4.4/5.0】
【一言】
【今の日本社会】を直接描く。
不都合な真実か、 正義を追求するか。
社会を斬るような哲学と台詞の応酬。
濃密な物語、格好良い登場人物。
鋭く泥臭いアクションも最高!
【Twitter140文字感想】
【PSYCHO-PASS SS Cace.1 罪と罰】
潜在犯更生施設《サンクチュアリ》。
“偽りの楽園”に隠れた社会の闇を照らす。正義か、必要悪か。
真っ白な雪で、真っ黒な真実を覆う。
現代日本を抉る社会的物語が重厚。❝最後は必ず正義が勝つ!❞
霜月監視官の正義観が素直。
台詞に痺れ、心を射抜かれる! pic.twitter.com/im4LZkHA9k— ArA-1 (@1_ARA_1) 2019年1月25日
感想
感想外観
何もかもが大好きなアニメ『PSYCHO-PASS』の劇場版短編3部の第1作目!
60分という短さが心配でしたが、期待通りの内容を濃縮してあり、見せ場ばかり!
……タイトルが長いな…。略称は『サイコパスSS』ですか、『PPSS』ですか(笑)
『PSYCHO-PASS サイコパス』Next Project 告知映像
社会を斬り、問題提起と糾弾をする物語!
『PSYCHO-PASS』という作品の本質であるでしょうが、本作でも抜群にキレキレの切れ味でした!
本作で描かれるテーマは《必要悪》の存在。
公安捜査官らの信条である「正義の追求」と、
“悪”を必要とする社会の不都合な真実。
特に本作は、【今の日本社会】を深く抉り取ります。
主人公、霜月監視官が超格好良い!
決め台詞最高だし、可愛さも垣間見える!
彼女が抱く正義の形がシンプルに描かれます。
すごく真っ直ぐな彼女だからこそ、その言動に対する共感とか応援の感情が湧き上がってきました。
TVアニメ版で描かれた“背景”と“立ち位置”を上手く物語に練り込んだ内容構成で感激!
一方で、宜野座執行官は相変わらずクールでイケメン!
TVアニメ版から何倍にもイケメンになった彼は、常に落ち着きクールでスマート。
でも、いざという時には誰よりも熱く男らしくなる「王道な刑事」のようで格好良い!
アクションも、誰より激しく!…痛々しく。
アクションは本当に凄かった!
洋画さながらの絶体絶命なスタントを幾重にも見せたり、観客が息飲むようなピンチを演出したり。泥臭い殴り合いもあったりと、見せ場盛り沢山!
そのアクションを描く映像は滑らかで丁寧で、迫力ある構図と痛みが伝わる音響、そして声の演技が本当に凄い!
その他、『PSYCHO-PASS』的要素は何もかも健在であり、レベルアップしています!
主人公ら登場人物が放つ「台詞」には並々ならぬパワーが籠もってるし、その格好良さはどんな名言にも負けない!
作品を劇的に盛り上げる音楽は当然のこと、特別編リミックスされた「凛として時雨」と「EGOIST」の主題歌も最高!
特徴的で印象的な「悪」たる敵キャラの存在も上手く練られているし、世界観設定には一部の隙もない!凛として時雨 『abnormalize(short ver.)』
【今の日本社会】を抉り取る物語
本作が寓話的に描くのは【今の日本】。
あまりのダイレクトさに驚きを隠せませんでした。
東日本大震災と福島第一原発事故という天災と人災を経てきた日本だからこそ、その訴えが如実に伝わります、
これは、凄い。
それは、《必要悪》という形で描かれます。
正義と真実を追い求める捜査官たちが目の当たりにする、真実は「悪」でありながら、社会にとって必要な存在。
これを認めるか、排除するかは人それぞれ。
物語を観た上で、そして自身の経験と知識から、「悪なのか、必要悪なのか」を考えるでしょう。
『PSYCHO-PASS』で描かれてるのはある種、思考実験的な側面があるように思うので、問題提起した上で、考えるのは観客自信です。
正義と悪のギリギリを攻めるような物語は、TVアニメ版でも映画でも本当に切れ味鋭くて、色々な事を考えさせられます。
上手いと思うのは、特定しない点。
劇中にて、主要キャラ間でも意見対立を描くことで、観客に一方向の思考を植え付けないようになっています。
もちろん、『PSYCHO-PASS』という作品を象徴するような、哲学・倫理・心理・社会学等をはじめとする思考と思想面での内容も充実。
これまでも「ジレンマ」や「パノプティコン」「全能者のパラドクス」「悪魔の証明」……etc. と様々な施工実績的な概念を用いて来ましたが、これもまた、本作に期待してOKです!
………ネタバレ出来ないと、どうしても抽象的だったり、TVアニメ版も含めた感想になってしまいますね。
「PSYCHO-PASS サイコパス」プロジェクトPV
監視官「霜月美佳」と、物語
本作では主人公なだけあって、霜月監視官は超格好良いです!
本当に、見違えるように格好良くなったというか、とても活躍的に描かれていて、嬉しい限りです!
まず、彼女が信条とする「正義観」。
彼女の性格って真っ直ぐというか、素直というか、良い意味で杓子定規というか、体制派というか。
本作ではそんな彼女の「正義」が非常にシンプルな形で描き出されます。
特に、決め台詞や会話内容から直接的に、宣言的に語られる事が多かった気がします。
もちろん、彼女自身が「正義」背負っている立場であるという部分はあるでしょう。それ以上に、「シビュラ」という存在を容認した自分への台詞にも聞こえました。
なんか、めっちゃ可愛くなっていた!(笑)
個人的な印象ですけど、TVアニメ版で描かれた霜月監視官のキャラ像って、反抗的で冷たい雰囲気をばんばん放つタイプだと映りました。
でも、この『P-P SS』では「女の子らしさ」というか、所々のちょっとした所作や表情とかから“可愛さ”が溢れていました!
もう、ファンになっちゃいそう!!
そして、彼女が主役の物語なだけあります。
「常守朱」という、どこか正義を象徴するような存在とは半ば対照的な、半ば反発するような立ち位置にいる「霜月美佳」が主人公。
彼女の性格や特徴を存分に物語に活かしていたし、これまでに語られてきたバックグラウンドを内容構成に盛り込んでいました。
「彼女を主人公」に据え、「この物語」を描いた理由が分かるラストは、とても納得の満足感がありました。
執行官「宜野座伸元」と、刑事ドラマ
本作のもう一人の主人公、宜野座伸元。
まず驚いたのは、一回りも二回りも「イケメン」になっていたところ! 眼鏡外しただけでイケメンだった彼は、より一層シャープに顔立ちが整い、落ち着きと賢さが何倍にも付与され、「大人の男性」としての魅力がすごい!
そんな彼は、本作で「刑事ドラマ」を演出。
考えてみれば、狡噛慎也や征陸さんはもちろん、須郷さんとか現役の男性陣がほとんど出演しない本作で、唯一活躍するのが、この宜野座執行官。
そのためか、冷静沈着さをしっかり残しつつも、監視官の下で少し熱くなる場面があったりして、男らしかったです!
本作では、彼が「王道たる刑事ドラマ」要素を演出するキーパーソンです!
「男性が彼だけ」という点が原因なのか、アクションも担当する宜野座さん(笑)
かなり体を張ったスタントをしていて、軽い怪我では済まないような痛みが観客にまで伝わってきました……。
でも、スタイリッシュな立ち回りと、左腕の義手を上手く活用した戦いは迫力ありましたね!
アクションがめっちゃ詰まってる!
アクションが詰まってる。
これは映画の特権かもしれませんね。
強大な敵を前に、ドミネーター1つで片付けたりせず、向かい来る敵との真剣勝負なバトルが観られるというのは、なかなかTV版全エピソードで実現するのは難しいしでしょう。
上述したように、宜野座執行官のアクションは他の誰よりも目を見張るものがあって、緊張と応援で手を拳にして展開を見守っていました!
圧倒的な敵を前に、持てる最大限の力で戦う彼の勇姿は期待に値するし、評価に値するアクションです!
アクションの凄さを演出するアニメ!
まずは映像、アニメーションですよ。
正直、どこがCGでどこか手描きなのか区別つかなかった(それほど凄い!)ですが、滑らか(描かれるバトルシーンの動きが細やか!
連続で繰り出し、また防御する格闘シーンとかは目にも止まらぬ速さでした!
それから描き出し方。
危機的に不利な状況をセッティングした上で、「痛み」を全面に押し出すように描かれるアクション。
だから観ていてハラハラするし、殴られたりする痛みには、思わず顔をしかめてしまいます。
あとは、「音」ですか。
殴る蹴るの打撲音等の効果音、場目をめっちゃ盛り上げるBGMの効果は絶大ですよ。
声優さん方の気合入った掛け声と、苦痛のうめき声が耳に刺さります……。
その他良かった点①:台詞・キャラ
もはやこの章に至っては、良かった点を列挙するだけという……(笑)
まぁ、ネタバレ書けないとこんなものですよ。
まず台詞。
『PSYCHO-PASS』の台詞は決め台詞もそうですが、通常の会話時ですらひたすらに格好良いんですよね!
TVアニメ版だとやっばり、意志の強い常守監視官の台詞がどうしても印象に残ってしまいます。
でも本作は、霜月監視官の独壇場! 「正義」を語る霜月監視官の決め台詞がとにかく格好良くて、心を撃ち抜かれます! めった痺れる!!!!
そして、キャラクター。
『PSYCHO-PASS』のキャラクターは正義にしても、悪にしても、なんだか凄く真っ直ぐですね。 自身の信条に対する確固たる自信が伺えるというか、それこそ社会を代表するような。
今回の悪役は、TVアニメ以上に“味”があって良かったですよ(笑)
オッドアイとか猫背とか身体的な特徴も、名前やバックグラウンドや思考回路とかの内面的な部分でも!
あと、何だかんだでやっぱり、「常守朱」という存在は大きいですね。私自身の推しキャラということもあるでしょうが、彼女の信念と正義観の強さは誰よりも強い!
その他良かった点②:設定・音楽
設定に関して、そもそも作品全体の世界観が好きです。まぁ、これはここでは割愛します。作品愛を語るとキリがないので(笑)
本作物語の設定という点で、まず根幹をなす「事件(?)」の設置が良かったですね。上述したように【今の日本社会】を直接的に描く主題設定がそもそも見事。
それを描くための事件設定がとても良かったです!
音楽。
アクション部分で少し触れましたが、音楽からも「格好良さ」が溢れ出てるんですよね。
特に本作では、主題歌が好き!
「凛として時雨」と「EGOIST」による作品を飾ってきた主題歌を本作用にリミックス・アレンジした楽曲を使用。より格好良く、よりエレクトリックに!
EGOIST 『Fallen short ver.』
以降、映画本編のネタバレあり
映画の感想
※ネタバレあり
ネタバレあり全編あらすじ
【前半】
舞台は2117年2月。
ある晩、暴走した車が警察の制止を振り切り公安局のビルへ激突。乗っていた女性は意識朦朧としながらも自首訴え、メモリーカードを渡すと失神、当直の霜月美佳監視官は「訳がわからない」と漏らす。
タイトルバック。
唐之杜志恩分析官によって、女性は夜坂泉という名であり、青森の潜在犯更生施設でカウンセラーとして勤務してた。また、メモリーカードは損傷が激しく中身は確認不能であった。
詳しい取り調べを進めようとした矢先、夜坂の身柄を青森への送還要請が届く。更生施設は経産省と厚生省が設けた特別行政区であり、全権限がそちらにあるという。
常守朱監視官は、今回の事件を霜月監視官に任せ、夜坂移送も彼女に頼むのだった。
その更生施設、特別行政区<サンクチュアリ>は、経産省と厚生省の手によるものであり、潜在犯らは隔離される事無く、独自の更生プログラムの下で、鉱山労働に従事しているという。
【中盤】
〈サンクチュアリ〉に到着した霜月・宜野座伸元・六合塚弥生執行官の3人は施設長の辻飼らに迎えられ夜坂を引き渡すが、違和感を感じた霜月は施設内の調査を要請する。しかし、辻飼は「更生プログラムに支障が」の一点張りで捜査拒否を続けるため、霜月は独自に調査を進めることにする。
そんな中、隔離されていたはずの夜坂が施設を脱走、それを幇助したとして六合塚が<サンクチュアリ>の保全官・松来ロジアンに拘束されてしまう。施設側の横暴に腹を立てた霜月は、夜坂を捉えて取引カードにすると同時に、施設の真実を彼女から聞き出そうと作戦を巡らす。
六合塚がハッキングで得た情報から、夜坂の居場所が近くの墓地と突き止めた霜月と宜野座は早速急行、礼拝堂内の小部屋に潜伏する夜坂を発見するが、彼女は子ども───久々利武弥をここで育てていたことが判明する。
しかしそこに、<サンクチュアリ>の管理職員・能登耕二が率いる捜索部隊が到着。そして有無を言わさず夜坂と武弥の身柄引き渡しを求め、攻撃を行った。
【後半】
能登らから逃げるべく二手に分かれ、霜月ら。武弥と逃げる宜野座は、追ってくる能登との一騎討ちの末に彼を倒す。そして武弥と身を潜め落ち着いた時、武弥の持つメモリーカードが解除───解除コードは彼の色相だった───され、中からビデオメッセージが投影された。
それは、夜坂による<サンクチュアリ>の犯罪告発であった。辻飼らは潜在犯に薬物と睡眠療法を用いて「集団思考」を生み出させることによって管理していた。そして「集団思考」の欠点は、集団を乱し害となるような存在を排除する方向に向かうというものだった。
<サンクチュアリ>の正体を知った霜月は、施設の地下で何が行われているのか、真実を確かめると決意し、単身で地下鉱へ向かう。そこで彼女が確認したのは、不適切に投棄された高度の放射性物質であった。
そして、辻飼自らが地下へと霜月を追ってきて、防護服のコントロール権を武器に彼女を降伏させると、地上へと連行していった。
一方、宜野座は施設のカウンセラー玄沢愛子を倒すと拘束されていた六合塚を救出。2人は断絶された通信を復旧すべく施設屋上で作業を進めるのだった。
そこに保全官の松来が強化スーツに身を包んで現れると、宜野座へと襲いかかった。死闘が繰り広げられた末、宜野座は間一髪のところで松来を倒すことに成功するのだった。
その頃、施設内では辻飼が潜在犯を集めて集団思考を利用し、霜月への反感を高めてることによって処刑しようとしていた。
そこで機転を効かせた霜月は、「貴方こそ集団を乱す者。危険な行為を潜在犯に行わせていた」と訴え、地下鉱での会話ムービーを投影。そして、ドミネーターで辻飼を排除した。
合流した霜月と宜野座らは、管理者が消えて暴徒化した潜在犯らから逃げ、常守が手配したヘリコプターに乗って施設から脱出するのだった。
【事件後】
事件を受け、<サンクチュアリ>は閉鎖に、全国の更生施設にも監査が入ることに。
一方、事件の背後にいる黒幕の存在に気がついた霜月は、経産省でエネルギー部門を手掛ける国会議員・烏間明を訪ねる。彼こそ、<サンクチュアリ>を創設させた立役者であった。
彼にドミネーターを向ける霜月────犯罪係数は「0」だった。彼もまた、公安局長の禾生壌宗と同様にシビュラシステムであった。
その後、薬物に冒された夜坂の経過を見舞った霜月ら。
そこで武弥から「どうして助けたの?」と問われる。
その問いに対し、霜月は「私たちが正義の味方だから」と答えるのだった。
エンディング。
今の日本を貫く物語
本作が描いた【今の日本社会】の問題点。
ちょっと、あまりにも直球過ぎて驚きました。
高濃度の放射性物質を処理するために駆り出された潜在犯。しかし彼らにその危険性が伝えられることはなく、ただ作業に従事する潜在犯たち。彼らに向かって管理者が放つのは「使えなくなっても、代わりはいくらでもいる」という一言。
まさに、福島第一原発事故の惨状を物語っているよう。
原発へ送り込まれた労働者らが、その危険性を説明されずに契約していたり、被爆してても隠蔽されたというような話は当時ニュースで聞きました。
そして、黒幕として登場するのは「烏間明」。
彼はエネルギー分野で大きな影響力を持つ政治家という顔で、シビュラシステムが活動する隠れ蓑でした。
現実世界でも、エネルギー分野の族議員や官僚らが原発推進を進め、基準値や規制に関して電力会社と合弁したという事実は有名です。彼らにとっては自身の地位と利益を守るための方法でしかなかったわけです。
さらに、烏間は「これは必要悪であり、誰かがやらなければならない」と言いました。「誰かがやらなければならない」というのは福島原発にしても、現実において同じこと。
しかし、フィクションである本作が上手いのはその責任の所在が曖昧に描かれているという点でしょう。
<サンクチュアリ>を主導した人物は判明している。しかし、彼は裁くことが不可能で責任を追求することは不可能である上に、「シビュラシステム」という民意の総体であるような存在の化身でもある。
責任転嫁や中身のない謝罪会見、現場と指揮系統との齟齬など、「責任」が曖昧になった2011.3.11当時の日本の状況を見ているかのように感じました。
本作で用いられる心理学概念
私は学者でも研究者でもないので、作中でキャラが説明していたことに補足する感じの、メモ程度の内容です。
本作に登場するのは「集団思考」という心理学用語。
【集団思考】
集団に見られる防衛的回避の一形式。集団メンバーが, 自分たちの無謬性と無敵という幻想を共有し、その幻想を維持できるよう合理化をはかる組織の意思決定に見られる特性。
これは図書館の心理学用語辞典から引っ張ってきたものです。他にもWikipedia等に詳しく書かれていて、刺激多い状況が集団思考へ陥る際のきっかけとして挙げられていて、
刺激の多い状況とは、リーダーの意見よりもよい解決策が望めないような、集団外部からの強い脅威などのこと
Wikipedia
というように解説。この点はまさに、最後に霜月監視官が辻飼と潜在犯たちに対して演説した内容の裏返しですよね。
それにしても、霜月監視官の演説は格好良かったです!
その点は、下で触れましょう。
可愛い霜月美佳、格好いい台詞!
まぁ、私も全部を完璧に覚えているわけではないので、名言や台詞として紹介しつつも、記憶に頼ったメモ程度です。
まず、冒頭から!
夜坂の乗る車が公安に突っ込み、夜坂は自首し、失神したシーンで放った「何なのよ、わけがわからない」という台詞。
劇中で何度か放たれる言葉ですが、最初は固い印象だったのが、段々と諦め(?)に近く柔らかい言い方になっていったと感じました。この台詞、彼女をそのまま表しているようで、好きです!
そして時間は飛んで、六合塚執行官が捕まった展開。
頭に血が登った霜月監視官が「全員にドミネーターを向けて片っ端から犯罪係数を測る」という趣旨の台詞を言った時。
それ以前にも、湧いた怒りをなんとか沈めていましたが、ここで爆発。しかも、その爆発で考えた計画が意外と合理的だから、さすが秀才の彼女!
物語も後半、<サンクチュアリ>の地下に隠された秘密を暴きに出る時の一言、「最後は必ず正義が勝つ!」。
これもまた、彼女らしい! 正義への強い信仰心が伺えるし、それを疑わずに、この台詞を素で言えるから凄いし格好いい!
一方で、常守監視官は「人が正義を守る」という考え方なので、ここでも真逆ですよね。
そして遂に、霜月vs辻飼 という決戦。
集団思考を煽り霜月を排除しようとする辻飼に対して、冷静に状況を分析して「貴方たち集団の不利益を与えるリスクは、管理者が部外者である」という点を指摘し、「自身が必要不可欠であるかのように振る舞っているだけ」を糾弾。
これが滅茶苦茶に格好いい!
相手の盲点を突くというか、冷静に思考して状況を解決へ導くこの感じ、なんだかヒロインっぽい! 彼女の秀才さがにじみ出ます!!
しかも、この後の「審判を下すのは、全てシビュラシステム」という台詞に痺れる! 正義や真実とシビュラとの間で板挟みになりながら、どちらも信奉する彼女そのもの。
ラスト、夜坂の見舞い後の会話のシーン。
武弥「どうして助けたの?」
霜月「私たちが正義の味方だから」
────クゥゥゥ~~~痺れるゥゥゥゥ!!
もう、最高に超絶に格好良すぎて、魅了されます! これでエンディングとか、最高かよ!
作品の中で印象的だった場面
初っ端から「場面」ではないですが…..。
OPとEDが神!
OPは、凛として時雨の「abnormalize」
EDは、EGOISTの「Fallen」
元々、作品の世界観に合っていたし、楽曲自体が「神」ですけど、アレンジver.も近未来感が半端なくて格好いい! OPは映像がまたお洒落で好きでした!
アニメのシーンでは、公安局内での会話とか、音声通信での会話とかが好きなんですよ。なので、六合塚執行官が捕まった後でハッキング&会話とかをしている展開は大好きです!
あとは、やっぱり霜月監視官の可愛い姿とか、常守朱監視官の存在感に目がいってしまいました。
ただ、何点か違和感を抱いた部分はありました。
例えば、宜野座と松来の戦いでは、明らかに宜野座さんは全身骨折とか臓器損傷レベルの大怪我をしていますよね? あれは、いくらアニメのアクションとしてもやり過ぎでは?
あと、地下で辻飼が潜在犯の防護服をオープンした後の描写。高濃度の放射能を浴びた時の“死に方”ってあんなに分かりやすいものなのでしょうか?
【関連記事】
『サイコパスSS』三作の総まとめ感想はこちら ↓
「Case.2 First Guardian」の感想はこちら↓
「Case.3 恩讐の彼方に__」の感想はこちら↓
昨年の「ノイタミナ発表会」から待ちに待った本作の公開! 本当に、素晴らしい傑作でした!
ノイタミナ発表会。
PSYCHO-PASS PROJECT
2019年1月から順次公開の3作の劇場中編作品。
『PSYCHO-PASS SS─Sinners of the System』
Case.1:罪と罰
Case.2:First Guardian
Case.3:恩讐の彼方に___#ノイタミナ #ノイタミナ発表会 #noitamina #PSYCHOPASS #サイコパス #pp_anime pic.twitter.com/PqiUN8tEIV— ArA-1 (@1_ARA_1) 2018年3月8日
パンフレットはもちろん購入。
TVアニメの内容振り返り、作品内時系列、人物相関図、美術ボード…etc. ととにかく充実した内容でした!
来場者特典は、設定資料カード。
主に、キャラクターに関する設定資料ですね。
最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!