※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。
2017年12月24日鑑賞
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
(原題:Rogue One: A Star Wars Story)
【評価:3.5/5.0】
【一言】
『スター・ウォーズ』の世界観や映画としての見せ場をしっかりと盛り込んだ作品。
ただ、スピンオフ作品への感想として禁句かもしれないが、「必要ない物語」だった。
新しい星や人物・設定が次々と出てきて、分かりづらい部分があったのが残念。
【目次】
ストーリー
銀河の覇権を握り始めた帝国と、抵抗を続ける反乱同盟。
そんな中、帝国が惑星ごと消し去ってしまうことの出来る強力な兵器を開発したという噂が漏れる。反乱軍はこの新兵器完成を阻止すべく、設計図の奪取を目論む。
この作戦に名乗りを挙げたのが、反乱軍の中でも“ならず者”といえるような兵たちだった。
銀河の運命が、彼らに託される。
予告動画
作品データメモ
監督: ギャレス・エドワーズ
制作:ルーカス・フィルム
原作:ジョージ・ルーカス
キャスト:フェリシティ・ジョーンズ and more.
上映時間:133分
日本公開:2016年12月16日
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ
公式サイト
感想
感想外観
スピンオフ作品として、前日譚を描いた作品として微妙だと感じました。
元の作品から時間経ってて役者などが変わってしまったりと要因は色々あるのでしょうが、「この物語は必要か?」と考えてしまいました。
「帝国新兵器破壊の為、命を懸けた名も無き戦士たち」というテーマは非常に面白いです。
星をも砕くデス・スターなる帝国軍最強の武器の設計図が流出したわけですからね。
バトルシーンも凄かったです。
これまでの『SW』とは違い、ならず者らによるゲリラ戦のような戦い方が展開されていました。
一方で、物語は面倒くさかったです。
たった2時間の映画でいくつもの惑星や、新しいキャラクター、設定を登場させるのは無理があると思います。
「フォースと共にあれ」の乱用や、明らかに超能力じみたシーン、大市場を狙った中国人俳優登用など観ていて気になる部分も多少なりありました。
………..あ、音楽が微妙だった……。
スピンオフ作品として
個人的にこの『ローグ・ワン』はスピンオフ作品や前日譚作品としてはイマイチな出来だと思いました。
物語の整合性とかと同時に、問いたいのは「この物語がはたして必要なのか?」という事です。
スピンオフ作品とか前日譚って、描かれるだけの価値がないと駄目だし、描かれた結果本編と繋がった時の整合性とか、感動や衝撃などの納得が必要だと思います。
私は映画や特にアニメで前日譚と呼べるような作品を沢山見てきて、それらは上記のような要素を備えていると感じました。(特に2017年は豊作だった…..)
では、『ローグ・ワン』がどうだったかというと、『SW』本編から完全に切り離された物語でした。
最終的には「設計図」というアイテムが物語を繋げているものの、別にそれはデス・スターのものである必要もないし、そもそも設計図である必要もないわけです。
そりゃ、描かれたように情報戦や犠牲があったでしょうが、「父と娘の物語」を織り交ぜながら描く必要があったのでしょうか?(ここまで劇的かな?)
また、物語の整合性というか、関連性が微妙と感じました。
作品に登場するキャラクターは新規の人物ばかりだし、2時間の短い間に幾つもの新たな惑星を登場させたり。
つまり、新しい物ばかりが出てきて、『SW』との関連性があまり感じられなかったんです。別に、他のSF作品と言っても良いほどに。
一方で、申し訳程度に、ご機嫌取りな感じでダース・ベイダーやR2-D2などのキャラを登場させるのもどうかと思うんですよねぇ〜。
そりゃ、『エピソード4』に繋がるので必要なのでしょうが…………。
ここまで書きましたが、フォローもしておきます。
まずは『SW』シリーズが製作されてから時間が経ってしまっている点。これによってキャストが老いたりしたことで同じキャラを出すのが難しくなったでしょう。
また、スピンオフという特性上、本編の流れを汲みながらも、あまり関わらないという構成が必要になりますからね。
主題は良き!
物語のテーマは面白かったと思います。
『デス・スターの設計図奪取』という誰もが知っているであろう部分の、語られなかった物語。
スピンオフ単体映画としての良し悪しは別にして、上手い着目点だったと思います。
帝国最強の兵器の機密がいかにして漏洩したのかは、興味ありますからね。
しかもそれが反乱軍の大きな一歩に繋がっているわけですから。
それから、己の大義を信じて勇敢に立ち上がった、歴史に名の残ることのない兵士たちの活躍により、反乱軍の進撃の一手に繋がったと言うのも良い話です!
バトルシーン
バトルシーンは一風変わっていて面白かったです!
これまでの『SW』のように戦闘機に乗って疾走しながら敵を撃ち倒したり、フォースやライトセイバーを使った一騎討ちではなく。
ただの一兵士たちが銃を手に、走って、物陰に隠れて銃撃を繰り広げます。
市街地や遮蔽物などをうまく利用した、「ゲリラ戦」のような様子のバトルで新鮮でした。
正直、『スター・ウォーズ』の名の下でこのゲリラ戦が描かれたなら個人的に嫌いですが、スピンオフという形で「こういう戦いもある」というなら大賛成です。
スピンオフゆえの…
若干被る部分もありますが、スピンオフならではの駄目な部分がありました。
まずは物語の複雑化。
これまでの『SW』はシリーズ作品を通してゆっくり筋道立てて惑星やキャラなど世界観を説明してきました。
しかし、今作では2時間の中に次々と新しい要素を加えていき、頭が追いつかないというのが正直な感想です。
また、妙に映像が綺麗すぎるのも気になりましたね。1977年の第一作目『エピソード4』に繋がるわけですが、技術の進化によって映像が綺麗になってしまったのは、今回に限っては逆効果でした。
その他
悪かった点です……。
まず、多人口を抱える中国市場を見据えたかのようなキャスティングにが目につきました。
多少なら問題ないのですが、無駄に活躍したり、ちょこっとした役割でも中国系に与えられていたのが残念というか。
それから、物語がドラマチックになっていたのも残念でした。
ただ敵の設計図を入手するだけなのに、これまでの『SW』シリーズに存在する「親子の物語」をわざわざ取り入れる必要はないかと。
普通に、情報提供者とか離反者が物語を回すのでは駄目なのですか?
あとは、「フォースと共にあれ」がやけに乱用されてました………。
音楽!!!
音楽がとても良くなかったです!
いくら外伝的な話とはいえ、音楽は統一してほしかったです。微妙に似たような雰囲気のBGMは逆に気になるというか………(笑)
Scoring Highlights
以降、映画本編のネタバレあり
ネタバレあり感想
序盤
ルーカスフィルムのロゴは現れるけど、『SW』シリーズ特有のファンファーレと物語の背景説明はなし。
ジンの住む惑星に“ヤツ”がやってくる。
見た事のある戦闘機(?)でやって来たのは、帝国の奴ら。
畑を経営している男、元々は帝国の技術者だったのかな?
子供は洞窟に作られた隠れ穴でトルーパーたちをやり過ごす。
そしてその扉を開けたのはオジサン。
タイトルバック。
なんか、音楽が似てるけど違うし、短いしでパロディ映画みたい……。
前半
大人になったジン。
舞台は交易地の裏路地。
ここで帝国が「プラネット・キラー」なる兵器を作っている事が判明。
ジンは帝国に捕まった囚人だった。
しかし反乱軍により救出され、彼女が帝国兵器開発者の娘と知られる。
元老院で彼女の父親に帝国の兵器開発を証言するよう説得するため、ジンは反乱軍と同行する。
脱走パイロットはソウにデータ(?)を渡す事に成功するが、そのまま囚われる。
そして、人の心が読めるというグロテスクな触手もちの生き物の前に出される。
一方、デススターを建造する帝国司令部では、機密漏洩に腹を立て、即刻のテスト運用を期待する。
ジンらは惑星ジェダに到着し、父親を探す。
バザールで出逢った盲目の人物にネックレスを見抜かれ、「強い星にはカイバーがある」と助言をされる。
道を行軍していた帝国軍はゲリラ部隊に襲われ、町の中心部で銃撃戦が始まる。壊れた戦車から盗んだのはカイバー・クリスタル。
トルーパー達に捕まったジンらだったが、彼らを助けたのは盲目の中国風武術士。
彼、僅かな音だけを頼りに次々とトルーパーたちを倒していってすごい!
しかし、惑星ジェダに住む賊らに捕まってしまったジンたち。
彼女が連れて行かれた砦で、探していた人物に出会える。
腑抜けだったけど、銀河に帝国の旗がはためくのを阻止したいという。
ソウへのメッセージ。
それはデス・スターを建設する科学者からの警鐘と忠告。彼は帝国に嘘をついてシステムの奥深くに弱点を隠した。
しかし、帝国はデス・スターの試験運用に選んだのはジンらがいる惑星ジェダだった。
地表がめくれるように迫りながら崩壊していく惑星。その中を飛行機で逃げるジンたち。砂嵐とのチェイス!
中盤
ハイパージャンプ。
ここで兵器の名前が「デス・スター」であると判明。
システムに隠した弱点を語る証拠がなく、なかなか信じてももらえない。
到着した帝国領のカイバー製錬所を兼ねた惑星。
そこでジンの父親を発見するが、帝国兵により処刑される寸前。
そんな時、反乱軍の爆撃機の接近が知らされるが延期する事が出来ず、爆撃開始。激しい戦いを繰り広げながら、間一髪で星を脱出。
残念ながら、ジンの父親は救えなかった。
ダース・ベイダー卿登場。
報告して、喉を締め上げて終わり。
反乱軍の基地。
勢力を強める帝国に対し、抵抗か降伏か意見が割れる同盟。デス・スターという大量破壊兵器を持つ事実。でもその弱点の情報を信じようとしない人々。
一方、反乱軍のためと汚れ仕事をしてきた男たちは、自身が信じてきた大義のためにジンの話を信じ、立ち上がる!
「ローグ・ワン」と名付けて、発進!
後半
デス・スターの設計図があるシタデル・タワーへ乗り込む反乱軍の外れ者たち。
上手く帝国トルーパーらを騙し、倒して内部に入り込むジンら。
爆発をしてその混乱に乗じてより深い部分へ!
基地での戦闘を察知した反乱軍が艦隊を出撃させた。帝国は基地に通じるゲートを封鎖し、反乱軍は戦闘機ですり抜け、また戦う!
惑星の浜辺では反乱軍と帝国軍の激しい戦闘が繰り広げられる!
しかし、ゲートが封じられたことでデス・スターの設計図データを送信できない。なんとか通信タワーと繋げなくては!
デス・スターのデータを探すが、数が多すぎる…………「スターダスト」がそれ。だってそれはジンの事だから
K2が倒され、データ保管庫をロック。
ジンらは文字通り記録保管棚にしがみつき、ロッククライミングのように登り、無事にデータを確保。
相変わらずらずビーチでは激しい戦闘。あと一歩のところで通信ができるところまで回復した。
そして最後のワンステップを行ったのは盲目の中国人風キャラ。「フォースは我と共に」を唱えながら銃弾の嵐を歩き抜ける!
帝国軍の戦艦を破壊する方法が面白い!
力づくで片方の戦艦を押し、もう一方の戦艦にぶつける。シールドなど関係なく、2つの巨大な戦艦は沈む。
そしゲートが開いたことで、「スターダスト」のデータを送信する事が出来た!
これでデス・スターの情報と弱点は銀河中に知れ渡った!
しかし、帝国はデス・スターを起動して基地を惑星もろとも破壊。
ローグ・ワンのメンバーたちはここで皆んな死んでしまう。任務を終えて。
ダース・ベイダー直々に反乱軍の残りを倒そうとするが、デス・スターのデータはしっかりと受け渡され、レイア姫のもとに届けられ、「希望」として繋がる。
エンディングの始めはオリジナル映画と一緒!
最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!