※一部ネタバレあり
※画像は予告映像のキャプチャです。(一部アニメ2期のキャプチャ)
2017年9月30日
劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~
【評価:3.0/5.0】
【一言】
吹奏楽に青春を掛ける高校生を描いたTVアニメ2期の総集編にして完成版。
まとめ方が本当に素晴らしくて、1つの作品として完成していた!
なにより、映画館で聴く演奏の迫力と、臨場感、高揚感が最高!!
【目次】
ストーリー
吹奏楽部の奮闘を描くTVアニメ『響け!ユーフォニアム』の第2期を集編した劇場版。
駄目駄目だった北宇治高校の吹奏楽部は赴任してきた滝 昇の指導により、関西大会を勝ち抜くまでに成長し、全国大会への出場切符を手に入りた。
全国に向けて練習に気合が入る北宇治吹奏楽部。
そんな中、副部長でエース的な存在の田中あすか先輩が部活を退部するという話が噂
され……………
予告動画
作品データメモ
監督:石原立也
制作:京都アニメーション
原作:武田綾乃『響け!ユーフォニアム』
主題歌:TRUE『サウンドスケープ』
キャスト:黒沢ともよ,寿美菜子 & more
上映時間:
日本公開:2017年9月30日
配給:松竹
公式サイト
主題歌MV
感想
感想外観
TVアニメの総集編という事で、「ただのダイジェスト」になるか「映画として完成する」かどうかは難しいところです。
そして、今作は見事に上手な編集とまとめの仕方で、しっかりと1つの作品として完成していたと思います!
削るべきはカットし、描くべき物語にしっかりとフォーカスして、軸の通った物語に再構築されていました。
2人のキャラクターに焦点を絞り、感情や本音をまとめた構成で、スッキリ分かりやすく、またより深く観れました。
そして、音楽と演奏が最高に素晴らしかったです!!
私がわざわざ劇場版を観に行ったのは、これが目的です。映画館の大音量で聴くほど最高の演奏はありません!
金管楽器の高い音、打楽器の振動する音など楽器の個性がTVより綺麗に聴こえ、また合奏としてのクオリティも一気に高まるように感じました。
TVと違い、劇場版として映画館で聴くと、キャラクターの台詞がより意味深く、重く感じるような気もしました。
映像は、手掛ける京都アニメーションらしくキラキラ輝いていて、みずみずしく、本当に綺麗でした!
目のキラキラが素敵!
それから、斬新でビックリ仰天な演出があり、嬉しかったし、驚きました!!
これまでの映画の常識を覆す演出です(冗談抜きで)。
上手な総集編
この映画はTVアニメ2期の総集編という事で、1期の総集編から2作目です。1作目でも褒めたのですが、編集の仕方が素晴らしく上手です。
総集編として軸に据える部分をしっかりと定めている点が、その良さに繋がっているのだと思います。
そして、不要な部分については躊躇する事なく省いています。その潔さ(?)が1つの作品の映画として成功しているんだろうなぁ〜と。
私自身も見ていて「えぇ!そのエピソードを全部カットかよ!」とか「ここを省略したのか!」と驚きましたもん。
TVアニメでは丁寧にある程度時間をかけて描かれていた部分を省略していたんだから、驚きますよ(笑)
それから、躊躇しないのがポイントです。
それこそ、カットした部分は“無かった事”のようにスルーして、全体からも違和感を感じないようにしています。
本当に、上手にまとめたなぁ〜と。
(ここまで褒めるのは、アニメの総集編って失敗や駄作もかなり多いと感じているので。)
焦点を絞った物語
上で書いたように、焦点をしっかりきっちり絞っており、一本筋を通した作品として完成されていましたね〜。
TVアニメを見た方なら分かると思いますが、2期のメインの1つが「先輩の退部を巡る動揺と、主人公のエピソード」です。そして、映画ではそこに焦点が当てられています。
だから、良い作品だったんです。
TVアニメではもちろん、あすか先輩のエピソードがしっかりと描かれている訳ですが、その他の部分も挿入されたり、隔週放送だったりと途切れ途切れ感が否めませんでした。
でも、総集編として一気に描かれると、彼女たちの心情がどう変化していたのか極端にわかる気がします。
展開も内容も分かっているんですが、どこか新鮮感があったり、ハラハラドキドキしたり。
久美子やあすか先輩が自分の本音を伝える場面が綺麗に繋がっていたり。
なかなか上手に書けませんが、筋の通った物語は見ていてとても気持ちがいいのです!
これは上の章で書くのが正しいのかもしれませんが………。
総集編という事で、逆に場面の順番を入れ替えたりした部分もありました。2人にフォーカスしている分、その入れ替えがまた感動を誘う良い効果だったんですよ〜。
演奏シーンの素晴らしさ!
これはネタバレです。
TVアニメでは描かれなかった全国試合の演奏が描かれています。それも、『三日月の舞』がフルバージョンで。
TVアニメ当時は、演奏見れると思った瞬間にCMが入って、唐突に結果発表まで場面が飛んでいたので、超ショックだったんですよ……(笑)
(TV版はこのアイキャッチでCMへ………..)
今回、劇場でこの集大成とも呼べるべき演奏シーンを見る事が出来た。これだけでもお金を払った価値あります!
そして、案の定、素晴らしかったです!!!
音楽はちゃんとした設備で聴けばより一層輝くんです!
TVのスピーカーと違い、とにかく迫力と臨場感、音の新鮮さが比べ物にならないほど格段に良かったです。
特に、金管楽器の高く響く音が! トランペットのソロパートや駆け合うパートなどが本当に綺麗! もちろん、打楽器の響く低音や木琴の弾む音など一つ一つ良かったし、合奏も綺麗でした!
それから、描き方が良いです!
演奏中、各楽器や音のパートが目立つ局面でその奏者らをアップで描き、指の動きや息を吸う口の動き、譜面を見る息の動きなどを丁寧に描きます。
だから、今どの楽器が演奏しているのか素人の自分でも分かります。
あとはやっぱり、演奏を魅力的に描いている部分が最高ですね。
金管楽器はキラキラと照明を反射して。額からは汗が流れて。視線の先の譜面には沢山の書き込み。真剣な眼差しは輝いているし、細かな指の動きから真剣さが伝わってきます。
本当に、最高の演奏シーンですよ。
以下の映像は映画のものではなく、TV版のあるシーンです。
台詞の変化
台詞の変化と言うよりは、台詞から感じるニュアンスの変化といったほうが正しいです。
TVアニメ版と違い、台詞に込められた想い(?)がより深く感られるような気がしました。
まず理由の1つ目は、やっぱり映画館という特別な状況で観ているからでしょう。
邦画洋画の区別なく、映画ってドラマ等よりも映像と共に台詞も大切になると個人的に考えています。
だから、今作も台詞に注目して観れたのかなぁ〜と。
2つ目は、物語の内容を知っているという点がありますね。展開も内容も結末も知っているから、キャラの台詞が今後どういうふうに作用するのか分かり、必然的に心情の方に神経を傾けられたのかもしれません。
また、大幅にカットしたからこそ良くなったという部分もありました。
TVアニメ版を見ている自分は、なんとなく言った台詞を覚えている訳ですが、カットされてた事で「このシーンの裏では○○な会話をしていたなぁ〜」と思い出す楽しさ?懐かしさ?がありました。
それから、サブタイトルの「届けたいメロディ」の意味がよりハッキリわかった気がしました。
仰天な演出
これには本当に驚きました!
映画の常識から大きく離れた、驚愕の演出です。
それは……………『写真撮影してネット投稿OK』というもの。
映画上映開始後のミニコーナー的な『フォトセッション』というパートで「今から撮影機器を用いて撮影し、SNSやブログに投稿してください!」と説明があり、写真撮影開始。
上映前に「盗撮は犯罪です」という警告文句も表示されるため、驚きが凄かったです。
ネット社会で上手な手法を考えましたねぇ〜。
あ、来場者特典はイラスト色紙でした!
それから、事前に発表されていた新作映画についての新情報も!
以下の動画は映画公開前にアップされたもので、画像はキャプチャです。(要するにネタバレではないです。)
以降、映画本編のネタバレあり
ネタバレあり感想
正直、一度見た事ある作品なのと、総集編という立場上、他の映画のように細かいネタバレ感想は書きません。
観ていて、何点か思った部分を書いて終わりたいと思います。
まずは新作映画の情報から!
映画が終了したあとに予告編(?)が流れて、映画のタイトルが発表されました!
(しー @sie_yrpg より)
『リズと青い鳥』特報
一番「おぉ!」と思ったのは駅前コンサートの場面です。見事な場面展開と、暗い雰囲気の払拭の効果があり驚きました。
あすか先輩の噂で暗い雰囲気の部活だったのが、一瞬にしてあの軽快なサンバ調の音楽が一気に明るくしてくれました!
TVアニメの時はここまで気が付きませんでした。
驚いたのは、鎧塚みぞれ先輩のエピソードを全部カットしたという部分。気がついたら文化祭で普通に鎧塚先輩が参加していて、大胆だなぁ〜と。
何度見ても良いなぁ〜と思ったのは、秀一君が久美子のお姉さんに「見てあげてください」と言う場面。
個人的に好きなシーンです!
そして、最後にあすか先輩の曲がの題名が判明する場面。
あそこで感じる感動と高揚感は本物です!!!
最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!
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