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【アニメ】シュタインズ・ゲート───視聴感想のモノローグ

※ネタバレあり
※今回、『シュタゲ』の感想を書いたわけですが、長いものになっています。文字数はおよそ一万字程度です。複数枚の画像も含め、かなり長いブログになっています。パッと見は長く見えますが、画像や空白等も影響してますので、ぜひ目を通して頂きたいと思います。

アニメ『シュタインズ・ゲート』

 

『神をも冒涜する12番目の理論、それは、俺たちが手にした偶然の産物』

 

 

【一言】

科学的・非科学的・厨二病的なワードが大氾濫。
テーマの時空転移で伏線や驚展開を描き出し、人情に重点をおいて内容を濃く描く!
現実世界とのリンクによるリアリティが面白い!

 

 

 

目次

 


 

【STORY】

 「狂気のマッドサイエンティスト・鳳凰院凶真」を自称する厨二病の大学生、岡部倫太郎は幼馴染のまゆり、天才ハッカーのダルらと共に秋葉原に未来ガジェット研究所を立ち上げた。

 岡部はラジオ会館で開催された発表会で牧瀬紅莉栖と出逢い、その後彼女の死体を目撃する。死体発見をダルに知らせるためメールを送った岡部は、直後に奇妙な感覚に襲われる。混乱が覚めぬままにラジオ会館に戻った彼は驚くべき光景を目撃する───死んだはずの牧瀬紅莉栖が生きていたのだ。

 深まってゆくラボメンとの友情。
 少しずつズレていく 世界線。
 徐々に明らかになって行くSERNの陰謀。
 ラボメンの仲間達の秘めた思い。
 その思いを犠牲にして辿り着く先には何があるのか?
 そして、倫太郎自身も大切な人を失うことになる。
 大切な人を救うため、奔走するその中で岡部倫太郎はあることに気がつく。
 それは その大切な人を救うことは、別の大切な人を失うことでもあった。
 究極の二択を迫られる岡部倫太郎は果たしてどういう『選択』をするのか?

(知人作成・一部改変)

 アニメ公式PV

 


 

【作品データメモ】

監督:佐藤卓哉,他2人
製作:WHITE FOX
原作:5pb./Nitroplus『STEINS;GATE』
主題歌:いとうかなこ『Hacking to the Gate』
キャスト:宮野真守,今井麻美,花澤香菜 and more.
合計話数:全24話
放送年:2011年
制作:未来ガジェット研究所

 

 


 

【主なキャラクター】

岡部倫太郎(CV.宮野 真守)
[二つ名] :鳳凰院 凶真/狂気のマッドサイエンティスト
[あだ名」:オカリン
[ラボメン]:No.001
[その他備考]:本作の主人公。
        東京電機大学一回生。18歳。
        重度の厨二病患者。
        好きな飲み物、ドクトルペッパー。
[代表台詞]:「俺の目標はただ一つ、アストラルフィールドの狭間。唯一の世界線。シュタインズゲートへと到達することだ。」

椎名まゆり(CV.花澤香菜)
[あだ名]:まゆしぃ☆
[癖(?)]:星屑との握手
[ラボメン」:No.002
[その他備考]:本作のメインヒロイン その1
        岡部倫太郎の幼馴染。16歳
        趣味、コスプレの衣装作り
        天然おっとりマイペース
[代表台詞]:「トゥットゥルー♪ まゆしぃです。」

 

橋田 至(CV.関 智一)
[あだ名]:ダル/スーパーハカー
[ラボメン]:No.003
[その他備考]:本作のHENTAI担当。
        東京電機大学一回生、19歳
        趣味→美少女ゲーム(エロゲ)
        天才ハッカー&プログラマー
        変態。
[代表台詞]:「そこは、ハッカーだろ 常考。」

牧瀬紅莉栖(CV.今井麻美)
[あだ名]:助手/クリスティーナ/(他多数)
[ラボメン]:No.004
[その他備考]:本作のヒロイン その2
        典型的なツンデレ
        趣味→脳科学研究と実験。
        18歳でサイエンス誌に論文が載る天才。
        ヴィクトル・コンドリア大学の脳科学研究所の研究員。
[代表台詞]:「ティーナってつけるな!」

 

桐生 萌郁(CV.後藤沙由里)
[二つ名]:閃光の指圧師
[ラボメン]:No.005
[その他備考]:本作のヒロインで20歳。
        重度の携帯電話依存症
        無口無表情・スタイル抜群
        編集プロダクション「アーク・リライト」のバイト。

 

漆原 ルカ(CV.小林ゆう)
[あだ名]:ルカ子
[ラボメン]:No.006
[その他備考]:本作のヒロイン
        まゆりのクラスメイト。
        恥ずかしがり屋で体つきも細く 見た目は少女。
        岡部曰く、「女より女らしい美少女」
        柳林神社の息子で、巫女服で仕事をしている。
[関連台詞]:「───だが、男だ。」

 

フェイリス・ニャン ニャン(CV.桃井はるこ)
[真名]:秋葉  留美穂
[ラボメン]:No.007
[その他備考]:本作のヒロイン
        秋葉原の地主の娘。
        岡部に負けず劣らずの厨二病。
        メイド喫茶「メイクイーン+ニャン2」の人気No.1。
        常日頃から猫耳をつけ、語尾にニャンを付けて話す。

 

阿万音 鈴羽(CV.田村ゆかり)
[あだ名]:バイト戦士
[ラボメン]:No.008
[その他備考]:本作のヒロイン
        天真爛漫 元気っ娘。
        少々常識外れな面あり。
        なぜか牧瀬紅莉栖を嫌う。
        未来ガジェット研究所の階下のブラウン管工房のバイト。
[代表台詞]:「あたしはガキじゃない、一人前の戦士だよ。」

 

(知人作成・一部改変)

 

 


 

【感想】

 

〈感想外観〉

 面白かったです! 娯楽作品というよりは思考作品でした。科学的、非科学的、厨二病的なワードのオンパレードでたとえ理解出来ていなかったとしてもいい世界観の雰囲気を醸し出していました。

 物語の構成と展開が素晴らしいです! タイムリープという作品の主題をとても上手に利用して、至る所に伏線や小ネタ、展開のヒントや後々重要となる鍵を散りばめています。 回を進めるごとにそれらが影響し、明らかになっていくというのがとても上手でした!

 物語の内容も最高! とくに濃さが凄かったです。「科学的テーマ」に「感情描写」を組み合わせたときの化学反応が絶大でした。深まる友情、それを引き裂く時空移動…………もがき苦しむ岡部が印象的。

 キャラクターが魅力的すぎる! 特に女性陣(だが、男1人含む)! まず何よりも第一に皆んな(桐生萌郁を除く)が超絶可愛い♪ 緩々温厚なまゆしぃ、ツンデレの紅莉栖、激可愛い男子のルカ子、メイドのフェイリスに前向き元気な鈴羽。
 そして、彼女たちがそれぞれ悩みや重い過去を持っているというのが物語に重厚さを付け加えます。

 現実とのリンクが面白すぎる!! 実際にあった事件や都市伝説、学術的な仮説や理論の引用、秋葉原というカルチャーが集まる場所を舞台にしたりととにかくフィクションをリアルにする仕掛けがいっぱい。
 『事実』が多ければ、『嘘』の信頼性が増すのはずっと言われてきた通り。

 残念だったのは厨二病って設定と、もう少しタイムリープについて踏み込んで欲しかったなぁ〜という点。そしてもうちょっと単語類を難しくしても……。
 厨二病の単語や表現が多い分、本編の内容やタイムリープについての理論・単語に胡散臭さが加わってしまったように感じました。

 今回、アニメを見ましたが、さすがにこれだけでは理解なんて難しいです……。もう一回見直すくらいの勢いが必要ですがそれは現実的ではない。
 と言うことで、公式ガイドブックを購入しました───最高でした! 素晴らしかったです。キャラや登場単語の詳細解説、各話の読み解き説明、そして何度も移動し複雑化した世界線の解読図表まで付いて至れり尽くせりでした。

 

 

 

〈単語の氾濫とリアル性〉

 科学的な単語、オカルティックなワード、厨二病的な台詞、ネットのスラング、現実世界を示す固有名詞………etc.────『STEINS;GATE』という物語の枠組みを規定して、密度を増大させる“単語”が至る所に散りばめられていて楽しかったです!

 『ジョン・タイター』『ラジオ会館』『タイムトラベル11理論』『秋葉原』『2000年問題・湾岸戦争』…………etc. などを混ぜ込む事の意義はやはり「物語にリアリティと深さを追加する」と言う事なのでしょう。

 また、現実世界の物事と酷似した単語『SERN≒CERN』『@ちゃんねる≒2ちゃんねる』『IBN5100≒IBM5100』…………etc. はフィクションとリアルの境界を曖昧にしている気がします。

 科学的用語等の羅列は面白いですね。『世界線』『アトラクタフィールド』『バタフライエフェクト』『ダイバージェンス』…………etc. これら現実の理論と架空の理論が多用されて混ざることでより物語の設定が現実と曖昧になって強固になるように思います。

 厨二病台詞は……正直聞いていて疲れます(笑)岡部の妄想から流れ出す単語の数々と面倒くさい作戦名やガジェット名は………なんの効果がある?(笑)そうですね、物語を面倒くさくする効果ですかね?(笑)

 とまぁ、数種類の方向性の違う単語が使用されることで物語は分厚くなります。そして何より、現実と事実を混ぜることでフィクションにリアリティが付加されていきます。
 現実味が高い基盤設定があるからこそ、自分を含めた視聴者は作品の世界に浸れるし、感情移入できるんだろうなぁ〜と思いました。

 そういえば、以前にラジオ会館に行ったときはアニメと違ったのですが、改装したのですね。

 

 

 

 

〈秀逸な展開構成〉

 タイムリープという主題を上手に活かしきった展開と物語構成だったと思います。ただのストリートだと何気なく見ていた内容が後々になって伏線として、もしくは展開を左右する鍵として描かれることの面白さと愉快さ、気持良さと“してやられた感”が最高です!

 特に、第1話と第23,24話の繋がりが素晴らしかったです。第1話の時点では物語の導入として、視聴者を引き込むという意味。『死んだはずの紅莉栖が生き返っていた』という衝撃的な内容を描くことでタイムリープの面白さを伝えるという役割………………………………のはずでした。………が、23,24話の展開はなんですか!? 同じ事件を全く違う側面から描き直されるという事の面白さはどの作品でも同じですね。映画のタランティーノ監督に似てる感じ。
 「最初のお前を騙せ。世界を騙せ。それが運命石の扉(シュタインズゲート)へと到達するための条件だ。では、健闘を祈る。───エル・プサイ・コングルゥ」

 あとは、世界線を移動する度に少しずつズレていく現実も良きです。実際に過去に行くのではなく『Dメールによる干渉』という形、もしくは『改変前の記憶を保っている』という部分が良。この時空移動方法&表現方法だから改変された現実が分かりやすくて良い。また、岡部倫太郎というリーディングシュタイナーの能力を持つ人物の視点から見ることで物語の時間軸(世界線)の外側、起きている事件を俯瞰できる第三者の立ち位置から出来事を追えるのがとても見やすいかなぁ〜って。

 

 

 

 

〈物語の濃さと感情爆発〉

 タイムリープ系作品ならではの悲しみや苦しみ、何をしても抗えないという絶望感がしっかりと描かれていて良かったです。物語の主人公も視聴者も残酷な結末を知っているからこそ「何もできない」という負の感情が溢れ出すんですよね。
 最近だと『Re:ゼロから始める異世界生活』や『僕だけがいない街』、『魔法少女まどか☆マギカ』がこれに当てはまりますかね。ヒロインの死を防ごうとするものの、基本的な運命はなかなか変えられない───世界線を移動しない限りは。

 物語に厚みと重みを持たせる為に感情のエネルギーを利用することは少なくない事ですが、『恋』とか『友情』よりも『死の絶望感』ほど大きなものはないなぁ〜と思いました。危機感,必死感,焦燥感のような切羽詰まった感情が一気に描かれるから、見ている視聴者も深く考える暇なく感情移入してしまうし、大きな同情を得ながら話を展開していく事ができますからね。

 そして、今作ではやはり『まゆりを死から救おうと藻掻く岡部』が印象的でしたし、見ていてとても辛く、面白かった(不謹慎?)です。
 面白かったというのは、様々な死に方をしたところ。どんな方法を使って逃げたとしても、死という運命からは逃れられないという理が無言のままに描かれていたように感じます。(1番好きなのは電車での轢殺ですね。衝撃が大きかったです)

 最初の1回目はSERNのラウンダー襲撃時の射殺。この時点で大きな衝撃が襲いました。第1話を例外とすれば人の死亡とは程遠い、大学生らのオカルト実験研究サークル的なアニメでしたから。この1回目で『人が死ぬアニメ』も大きく流れが変わり、岡部がタイムリープした事による“絶望スパイラル”に突入するのは当然の流れとは言え衝撃でしたねぇ〜。

 そしてそのスパイラル。タイムリープ前の世界線の記憶を保持するという能力を唯一1人持っているのが仇となり、『自分だけが真相を知っていて、誰にも信じてもらえない』というまさに生き地獄。一人で解決しよと何十回も繰り返す岡部の姿が痛々しすぎました。

 そして天使のように舞い降りるのな紅莉栖。到底信じがたいような自分が置かれている状況を理解してくれる相手がいる事の嬉しさ、救済感は計り知れません。

 ただ、個人的にはもっと岡部が狂ってしまう世界線が存在しても良かったかなぁと。タイムリープのしすぎで感覚が麻痺する描写はありましたが、基本的にはしっかりと意識を保っていました。もっとこう………絶望と狂気に支配されたような姿が一度でも映されると良かったのかなぁ〜と。

 

 綯ちゃんのこの表情が最高でした。

 

 

 

〈キャラクターが魅力的!〉

 まずは何よりも、男1人を含む女性陣が素晴らしい! 最高に可愛くて最高に面白くて最高にヒロインしてます!(P.S.どうしても桐生萌郁は好きになれない……)

(こんなのがありました)

 まずまゆしぃ☆。おっとり緩々温厚な性格が最高に可愛いです。研究にヒートするラボメンをそっと見守って忠告を促し、文句を言う姿の可愛さがもぅ〜〜! 抜けているように見えて物事の本質を見抜いているような言動がゾッとします。
 そして声がいい! 誰であろう、やはり花澤香菜さん。弱くて粘り着くような声が最高です。
 「まゆしぃはオカリンの人質なのです」って台詞が一番好きかもです。

 数いるヒロインの中でも自分の中でのNo.1はやはり牧瀬紅莉栖ですかね。ツンツンしてる時も、デレデレしてる時も可愛いなんて! ツンツンしてるからこそ、デレた時の照れ顔、泣き顔、頬を赤らめた表情、真剣な表情とかが一層可愛く見えるんですよね〜。

 22話のキスがもう最高に素敵で羨ましすぎ……。「大脳皮質への記憶定着」を名目にしてそっとキスする時のメインヒロイン感が半端ない!
 頭が良くて、自身の運命を理解し、受け入れているところがまた良いです。

 

 あとはルカ子についても触れておきます。いやぁ…もう…可愛すぎ! 岡部に対して一途で従順な所が、恋する乙女って感じの所が最高です。そりゃ、好意を寄せる人に「お前は男だ」とか局部を触られたりしたら嫌ですよ。
 デート回の面白さ、素晴らしさがたまらなかったです。ニヤニヤしながら見ていましたねぇ〜(笑)

 男子の方はちょこっとだけ。
 まず岡部。厨二病が重すぎる……(笑)だって大学生になってまで厨二病というのはさすがにヤバイ気が。自身の置かれている状況を楽観的に見すぎるところはあまり好きじゃないです。
 ダル。彼の変態面がとても好き。女子にバナナ発言を促すセクハラとか面白かったです。厨二岡部への冷静なツッコミも印象的ですが、1番は声。「ヲタクといえばこの声」みたいな先入観が溢れ出していて残念でした………声が少し気持ち悪……

 で、キャラクターの何が良かったかというと、それぞれが深い過去や想いを持っているということ。物語の性質上、現在にだけ焦点を当てれらればいいというものではなく、各キャラの秘められた過去や想いはそれを上手に描くいいツールだなと。
 特に紅莉栖の父親に関する過去、フェイリスのお父さんに関する過去が良かったです。

 

 

 

〈内容に対する感想〉

 まぁ、これまで色々と書いてきましたが、総評すればとても面白かったです! 見事に隠され張られた伏線が終盤に近づくにつれて収束していく点、魅力的なキャラクターが織りなす物語、タイムリープを上手に活用した物語構成………etc.

 1番面白いと思ったのはやはり上の方でも挙げた『1話・23,24話の繋がり』ですかね。物語全体を見てきたからこその喜びと驚きがありました。岡部が騙されたのはもちろん、自分も見事に騙されていましたよ。

  次に良かったのは18話ですね。ルリ子と岡部の『ラブラブ・デート大作戦』の回です。まず何が楽しいかって、ダルと紅莉栖の2人がデートプランを考えようとした所が面白いですよね。紅莉栖に関してはノリノリだし。
 そしてデートでは不慣れな岡部が楽しかったなぁ〜。1番は「こんなの自分らしくない!」と言って鳳凰院凶真としてデートをやり直したって事です。

 そして最高だったのは22話、紅莉栖の説得と告白、そしてキスシーン。紅莉栖の説得が熱意と大切なものを守るという力強く美しい説得でした。
 そして、岡部が告白し、紅莉栖がキスをする───見ているこっちが照れて羨ましくなるような熱く甘い回でした。

 あとは………そうですね、やはりまゆりを死という運命から救おうとする岡部の姿と絶望する姿が描かれる数話は良かったです。自己を失いかけた時に言葉をかけてくれる紅莉栖やまゆりの優しい暖かさがとても良かったです。

 タイムリープ関係では『FB』関連の話、特に20話は衝撃が大きかったです。まさかFBの正体があんなに優しそうだったMr.ブラウンだなんて………。しかも彼なりの過去があっての選択だというのがね……。

 特筆すべきはこの辺ですかね? 全部の話が繋がっているという事が、それも間接的ではなく直接的に繋がっていることが面白くさせるし、物語自体を深くもさせているのかなぁ〜と思いました。
 

 

 

〈残念設定〉

 まず1番最初に思ったことは「厨二病設定がウザすぎ」という点。内容がシリアスであるのに対して、主人公が根も葉もない妄想から生み出した言葉を使いまくるのはどうかと思いました。
 せっかく重厚で濃密な世界観と設定が築き上げられていたのに、厨二病が入ることでタイムリープ理論やその他事件等に胡散臭さ・チープさが加わってしまったのが非常にもったいないと思いました。

 それから、「もう少し単語を難しくしてもいいのかな〜」という点。ある程度難しい理論名や単語等は出てきたものの、それらは基本的に全て作品内でキャラ達の台詞によって説明されてしまいます。それがつまらないなぁ〜と思いました。

 もっと難しい単語を使用したり、解説説明をすこし端折ったりしてもいいんじゃないかと。たとえ視聴者が理解できなかったとしても、専門用語で圧倒するくらいの勢いと難しさがあったほうが世界観が確立できるのかなぁ〜と。

 視聴者がある程度のレベルまで理解できてしまうと「あ、こういう理論なのか。俺も理解できたしそこまで凄くないんじゃね?」という思いが少なからず湧いてくる気がします………(あれ、自分だけ?)

 『新世紀エヴァンゲリオン』とか『攻殻機動隊』のように曖昧な部分を残したり、単語で世界観を練り上げるくらいの強さが欲しかったし、期待していたので若干の肩透かし感が否めませんでした。

 それからタイムリープについて。今作では既存の11理論とは別の、新しい理論提唱を目指したようですがそれな逆効果となってしまったように思いました。『Dメールによる過去干渉』と『記憶を過去に送るタイムリープ』の方法が出てきましたが、やはりフィクション感が抜けきれないな………と。

 以前、小説家が集まるネット討議サイトで『どうすれば時間移動描写で読者を納得させられるか』という話題が上がっていました。結論は「数式で説明する」というものです。読者や作者が十分理解していないとしても、数式とそれらしい解説を出しておけば具体性と信憑性をもたせた読者を納得させられるだろうと。

 今作『STEINS;GATE』の場合は偶然の産物であるから仕方ないとはいえ、12番目の理論と銘打ったにしては電子レンジと携帯電話というチープな内容でがっかりでした。

 

 

 

〈公式ガイドブック&ビジュアル本〉

 公式ガイドブック『TV Anime STEINS;GATE OFFICIAL GUIDEBOOK 記憶補完のモノグラフ』の感想を少し。

 全体的な構成としては以下の通り。
  第1章:ストーリー解説(#1〜16)
  第2章:キャラ紹介&キャストインタビュー
  第3章:ストーリー解説(#17〜24)
  第4章:メインスタッフインタビュー

 そして、これらの章の半ば半ばに『用語説明』や『キャラ分析』などが載り、最後の方ではネタバレストーリーと絡めた『キャラクターの物語』がまとめられて紹介。そして目玉の1つが『世界線の変遷図表』です。岡部が繰り返したりDメールやタイムリープでの世界線の移動を世界線変動率と共にかなり分かりやすく年表グラフ化してあり、助かりました。

 アニメを見ただけでは理解が到底及ばない今作ですが、さすが公式ガイドブックと言うだけあって「この○○は第□話の△△の伏線」のように事細かに詳細解説をしてくれているので、小さな伏線に気がつくとともに、本当に大きな繋がりが作品の中に散りばめられていると知り驚きました。

 

 公式ビジュアルブック『STEINS;GATE 相思相愛のトゥルーメモリーズ』の感想も。

 こちらは版権イラストやアニメのキャプチャ画像を使ってヒロインにのみ焦点を当てた写真集的な一冊です。

 形式としてはキャプチャ画像や版権イラストを貼り付けていき、間にキャラ達が寄せ書きをするという形。読んでいるとダルは変態に徹していたり、紅莉栖はツッコミとテレを繰り返したりと面白いです。

 個人的には、牧瀬紅莉栖と椎名まゆりに大きくページを割いていたことが嬉しかったですね……………ってか、そんな事よりも一番疑問に思ったのは、「なんで男の漆原るかがビキニ着てるんだ⁉」という疑問というかツッコミですね(笑)


 

 以上、アニメ『STEINS;GATE』の感想でした。馬鹿みたいに長いブログを最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

 劇場版の感想はこちらになります。合わせて読んでくださると、とても嬉しいです。

 

 なかなかに主観的な感想になっていたと思います。劇場版の感想も書きましたので、そちらの方にも目を通して頂けるととても嬉しいです。

 重ね重ねになりますが、ありがとうございました。

 

 


 

 

こっそりと載せておきます…………………(『ノーゲーム・ノーライフ』より)


2 COMMENTS

ara-meosto

> 名無しのラボメン さん
コメントありがとうございます。
そうなんですよね、彼の格好良さも理解はできるし、厨二設定がないとそもそも物語自体も成立しないのでその重要性も理解しています。
”萌目線”というのもそうですが、そもそも私自身が「厨二病」に耐性がないもので…….

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名無しのラボメン

オカリンは厨二含めてかっけぇんだよ。萌目線で見てたらそうなるわな。

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