・しっかりと伏線とヒントを張る所、 ・誰もが怪しく感じてくる見せ方、 ・列車という密室でのスリルあるアクション、 色々な“要素”の全てが上手く噛み合っていて素晴らしい! ただ、物語自体が「謎解き作品」とは違い、少し乱暴で乱雑だと感じたのが残念。
※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。
2018年4月16日鑑賞
トレイン・ミッション
(原題:The Commuter)
【評価:3.2/5.0】
【一言】
・しっかりと伏線とヒントを張る所、
・誰もが怪しく感じてくる見せ方、
・列車という密室でのスリルあるアクション、
色々な“要素”の全てが上手く噛み合っていて素晴らしい!
ただ、物語自体が「謎解き作品」とは違い、少し乱暴で乱雑だと感じたのが残念。
【 #トレインミッション 】
普段通り通勤電車に乗る主人公に、人探しの依頼が。成功報酬は10万ドル、失敗の代償は家族の命。
巧みに張られた伏線と、誰もが怪しくて感じる描き方がとても上手。
長身のL.ニーソンによる、狭い列車内でのアクションが迫力あり!
内容はミステリー要素が皆無で残念。 pic.twitter.com/tZCkQ9mxfH
— ArA-1 (@1_ARA_1) 2018年4月17日
ストーリー
保険販売員として家族と平凡な日常を送っていた元警官のマイケル。しかしある日乗った通勤電車で彼は謎の女に「プリン」と呼ばれる人物を探すよう脅される。
10万ドルと報酬と一緒に知らされたのは、家族の誘拐。プリンを探し出さなければ、愛する家族の命が危ない!
予告動画
感想
感想外観
詳細は覚えていないものの、同じリーアム・ニーソン主演&監督の『フライト・ゲーム』が面白かったので、本作も鑑賞。
やはり、劇場という場所で集中して観ると面白い!
「伏線」が非常に上手です。
『フライト・ゲーム』の事もあり、もう伏線が張られていること前提で映画を観ましたが、それでも気が付かない/驚く部分がしっかりあって本当に凄いとも思います。
最後まで展開&結末が分からないというのは、やはり集中して観る身としては嬉しいし、面白いです!
そして、意図的で悪意ある見せ方が最高ですね!
乗客の誰もが怪しく見える、誰がノーマルで、誰がアブノーマルなのか観ているだけでは全然分からない!
そして、アクションが凄かった……。
列車の中で起こる事件と、それに対するリーアム・ニーソンの激しいた戦いetc.が迫力とスリルあって楽しめました!
狭い列車内に対して、リーアム・ニーソンは背が高いですから、余計に動きが大きく見えて面白かったのかもしれません。
一方で、物語の内容については微妙でした。
サスペンス・ミステリーのように観客を巻き込んだ物語展開や話しの流れではなく、主人公が一方的に突き進むだけの話しなので、若干つまらなくも感じました。
華麗なる伏線
あまり「伏線」「伏線」と言ってると、まるで映画の中に伏線が張られているとネタバレしているみたいに聞こえちゃうので、静かにしておきますね。
まぁ、とにかく、伏線が上手!
伏線がある前提で、注意して映画を観ているにも関わらず、怪しい部分は見つけられず。
で、答え合わせ(?)の時になって「あ〜そういうことか!」と納得する、この感覚は気持ちいいですね!
そして、映画の結末が最後の最後まで分からないというのは、観客にとっては嬉しいです!
それを観に来ている訳で、その予想を超える感じだからまた嬉しい!
ただ、若干の文句もあったりするんですが(笑)
怪しさ醸す描き方
映画を構成する映像は、主人公の一人称視点と三人称視点の2つ。そして、これらに映る人物たちは誰しもが怪しく見えてくるから凄いんです。
強面のタトゥー男、ラブラブなカップル、年配の女性………さらには顔見知りの常連や、車掌さんまでもが怪しく見えてきます。
目線、行動、台詞とひとつひとつか悪意ある描かれ方(褒め言葉)で映されるから、観てる方は疑ってかかるしかない訳です。
乗客の行動や会話は至って日常的で普通のものなのですが、その描き方・映し方一つでこうも印象が変わるんだと驚きました。
アクションが凄い!
アクション、頑張っていました。
決して『ミッション・インポッシブル』のように規模は大きくないのですが、ひとつひとつにスリルと迫力が入っていて良かったです。
高速で移動する電車の中で繰り広げられる殴り合いとか、銃撃戦とか、その他………と色々あるアクションはどれも痛々しい?過激?迫力あって面白かったです。
電車の中は天井が低くて、対面式客席があってと狭いです。一方、主人公のリーアム・ニーソンは193cmと高身長。
だから、余計に動きが大きく見えたり、戦いが詰まってるように見える効果があったのだと思います。
内容はガッカリ
物語というか、内容はガッカリする所がありましたね。期待というか、考えてたもの少し違ったというか。
一番は、鑑賞者が入り込む余地が無いことですかね。主人公が言われるがままに犯人を探していくだけで、「推理」とか「予想」といったことがほとんど出来なかったのが残念でした。
あとは、これは個人的な事なんですけど、途中からなんとなく犯人(?)がうっすらと分かってしまって、少々つまらなく感じました。
ネタバレあり感想
以降、映画本編のネタバレあり
ネタバレあらすじ&感想
序盤
マイケルの平凡な毎日が描かれる冒頭。
しかしある日、10年間努めていた保険会社から解雇を言い渡されたマイケルは途方に暮れてしまう。
彼が頼ったのは、引退した警察官時代の相棒であるマーフィー。力になると告げられたが、結局マイケルは断る。
そしてマイケルはいつも通り、何時もの時間の電車、通勤電車に乗った。手荷物検査で混雑する中、なんとか乗車した彼だったが、携帯電話を摺られてしまう。
諦めて客席に座ったマイケルの前に座ってきたのは、ハイヒールを履いたブロンズ髪の女だった。
彼女は“仮定の質問”をする。「ある頼み事──あなたにしか出来ず、乗客の一人に影響を及ぼす──を受けるか」と。
不審に思ったマイケルに、女は報酬の10万ドルを提示した上で、その質問が事実であると告げ、彼に依頼する。
常連の乗る通勤列車の中で、普段と違う乗客を探し、彼の持つバックを奪うこと。ターゲットの人物は「プリン」と呼ばれており、終点のコールド・スプリングで下車するという。
本編映像
前半
本気にしていなかったマイケルだが、女のいうようにトイレを見てみると、そこには事前報酬として2万5千ドルの入った封筒がしっかり隠されていた。
依頼が本当だと確信した彼は、切符を千切る車掌の一人に人探しを手伝ってくれるよう頼み込むが、断られてしまう。
そこで常連で顔馴染みのハゲ頭なウォルトに事態こっそり伝え、警察に通報するよう促した。
そして知り合いに電話を借りると、警察のマーフィーに電話を入れた。彼は「プリン」という名を聞いて、先日起きた政府職員の自殺事件の目撃者がその名前だったと教えた。
その直後、ブロンズの女から電話が。促されるままに窓の外の交差点を見ていると、ウォルトがトラックに撥ねられる瞬間が見えた。
そして、「他言しない」という約束を破るなと警告された。
座席に置かれた切符で行き先が特定できると気が付いたマイケルは、終着点に行く客の中から怪しい人を3人に絞った。
不信物の存在を匂わせながら、マイケルは車掌にその3人の手荷物検査を要求。
しかし手荷物検査は空振り。
そんな時、マイケルは大きな黒いバックを持ち、首にタトゥーを入れた不審な男を見つけ、後を追う。
すると男がマイケルに気がついて、狭い社内で殴り合いになってしまう。マイケルは男のカバンにGPSを取り付け、依頼は完了したかに思われた。
しかし、その男は別人だった。ブロンズの女からの電話でマイケルはタトゥーの男の死体を発見する。彼はFBI捜査官だった。
危機は重なる。彼との殴り合いを見た乗客の誰かが警察に通報。マイケルは電車の床下になんとか隠れてやり過ごす。
本編映像
中盤
床下に隠れたマイケルだったが、その間に列車は出発。蓋が開かずに閉じ込められた彼は、仕方なく線路へ降りる決断をする。
高速で走り出す列車の下に降りると、車輪の空きを見て転がり、再び列車に乗車する事に成功した。
最終的に、5人怪しい乗客に目星をつけたマイケルは、一人ずつに話を聞きに行く。
まずギターを持った黒人。問題ないように見えたが、右利きのはずの黒人が取り出したのは左利きようのギター。
その違和感に気が付いたマイケルだったが、黒人は銃を取り出して発砲。激しい戦いの末、なんとか黒人に勝ったマイケルは銃を盗んで、死体を隠した。
そして判明したのは、プリンが先日の政府職員自殺事件の目撃者で、事件の真相は他殺だという。
事件の真相が暴かれることを恐れた犯人が、プリンを狙っているのだった。
考えを巡らせるマイケルは1つの事を思い出す。
それは、株式取引会社の男の隣にもう一人誰か──女の子──が座っていたが、席を移動した事を思い出すのだった。
女の子の手に持つ本の著者から彼女がプリンだと導いたマイケル。そして、彼女の口から語られたのは、犯人が殺害の前に「崇高な精神」という言葉を使ったこと、そして警察官だったという事だった。
後半
しかしその瞬間、電車の一部が爆発し、運転手が死亡。ブレーキが効かず暴走する列車の先には急なカーブがあり、脱線は必然だった。
車掌とマイケルは乗客を最後尾の列車に移動させ、連結を解除することで事態を収めようとする。
命懸けの作業を経て、無事に列車の切り離しに成功し、乗客の命に別状は無かったものの、列車は大きく脱線して停止した。
本編映像
脱線の衝撃が冷めぬ中、外には警察が続々と集まってきた。外部にはマイケルが犯人のトレイン・ジャック事件として情報が伝わり、SWATなどの襲撃部隊も待機していた。
犯人がマイケルだという事で、マーフィーは自ら交渉役を買って出た。列車に近づき、マイケルと話して人質の何人かを解放させることに成功。
そしてマーフィーは列車内に入ると、マイケルを救いたいと投降するよう説得する。
そんな時、彼の口から「崇高な精神」という言葉が漏れた。その瞬間、乗客の全員は凍りつく。
マーフィーが政府職員殺害事件の犯人だと分かったマイケルは彼を捕えようと殴り掛かる。それに応えるように応戦するマーフィー。
そしてマーフィーは銃を乗客に向け、プリンが誰なのか問う。すると乗客はお互いにかばい合い、プリンの正体は分からず。
スキをついたマイケルは、再びマーフィーに突撃。乗客の助けもあり優勢になりかけていた。
しかし、外で待機していた狙撃手に攻撃命令が下り、敵味方識別装置を頼りに射手は引き金を引く。
弾丸は身体を撃ち抜いた。しかしそれはマイケルではなく、マーフィーだった。格闘中にマーフィーの敵味方識別装置を奪っていたのだ。
終盤
こうして事件は終結し、マイケルは乗客の証言もあり犯人扱いは免れた。そしてプリンも無事に安全なFBI捜査官に引き渡され、解決。
マイケルの功績を認め、警官時代にお世話になった警部から復帰を望む誘いを受ける。
そして時間が経った別の日、マイケルは同じ通勤列車に乗っていた。
そして一人の女性、あのブロンズ髪の女を見つけると警察バッチを見せて彼女を逮捕した。
エンドロール。
最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!