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【映画】ザ・マミー/呪われた砂漠の女王────古典ホラーの見事な現代版リブート。「ダーク・ユニバース」始動!!

※ネタバレなし。

2017年7月28日

ザ・マミー/呪われた砂漠の女王

(原題:The Mummy)

 

 

 

【評価:3.2/5.0】

 


【一言】

 リメイクという点では非常に上手く現代版へと描き変えており、評価出来る。
 内容的には物足りなさを感じるも、新たなる怪物の共通世界『ダーク・ユニバース』始動の息吹を感じられる部分には期待で胸高鳴った。 
 現代版怪物映画として新しさを加える一方で、根本的な部分を変えないのが嬉しかった。

 

 

 


 

目次

 

 

 

 


 

 

 

ストーリー

 アメリカ軍で偵察の任務を担当するニックは偶然にも隠されていた古代の墓を発見し、女性考古学者ジェニーと相棒の三人で遺跡の探索に行くよう命じられる。
 遺跡内で目にしたのは、金銀財宝や副食品が一切ない異様な墓だった。そして、ジェニーはこれが歴史から抹消された古代エジプトの「呪われた女王」の牢獄だと推測する。

 鎖で繋がれた石棺を引き上げ、より詳細な研究調査を行うために英国の機関へと輸送することになり────

 

予告動画

 

 

 

 


 

 

 

作品データメモ

監督:アレックス・カーツマン
製作:パーフェクト・ワールド・ピクチャーズ
原案:カール・フロイント『ミイラ再生』
キャスト:トム・クルーズ,ラッセル・クロウ and more.
上映時間:110分
日本公開:2017年7月28日
配給:東宝東和
公式サイト

 

 

 


 

 

 

ダーク・ユニバース

 

 映画会社ユニバーサル・スタジオが手掛けてきたホラー映画群ユニバーサル・モンスターズ/ユニバーサル・ホラー─────『ノートルダムのせむし男』『オペラの怪人』『魔人ドラキュラ』『フランケンシュタイン』『ミイラ再生』『透明人間』『狼男』『大アマゾンの半魚人』など。

 
 「ダーク・ユニバース」は、これら歴代のホラー映画を現代へと舞台を移した上で、共通の世界観を持たせてリブートするシリーズのこと。

 アメコミのMARVELが『アイアンマン』から始まる共通世界観の映画群「Marvel Cinematic Universe」や、DCコミックスの『マン・オブ・スティール』から始まる「DC Extended Universe」と似ているもの。

『ダーク・ユニバース』特別映像

 

 

 

 

 


 

 

 

 

感想

全体感想

『The Mummy』は「ハムナプトラ」3作を見ただけで、それ以前の作品は観ていません。

 トム・クルーズ主演と言う事で、「モンスター版ミッション・インポッシブル」になるのではと心配していましたが、そうではなかったので安心です(笑)
 現代版モンスター映画としてのリメイク、かつ『ダーク・ユニバース』の第一作目として悪くない出発だと思います。

 

 

 

 まずは全体として、古典的で歴史も知名度もあるモンスター・ホラー映画を見事に現代版へとリメイクしたという印象です。
 登場する武器や概念は進化を遂げていても、全体を俯瞰した際に根本的な部分が変わっていないという印象で、とても嬉しかったです。

 『ハムナプトラ』の2作分を観ていれば分かるオマージュ(?)、リメイク(?)シーンが数か所あり、ここも嬉しかった部分です。
 しかも、そこが完璧に現代版へと描き替えられていたのが個人的には高評価でした!

 

 

 

 物語の内容的にはイマイチですかね。一応、まとまってはいるものの、「なんで?」という疑問がチラホラと残ったり、若干ご都合主義的な部分を感じました。
 もちろん、蘇ったミイラ女王と闘うのですがそこに関しては問題ないんです。ただ、古代エジプト時代のパートなど特に過去の描写について物足りなかったです。
 あとは、大好きな「遺跡探検シーン」が少ないのが非常に残念!

 

 

 

 主人公のトム・クルーズ。『ミッション・インポッシブル』にならなかった部分については評価しますが、配役的には失敗だと思います。笑顔で誘惑するのではなく、もう少し老けて知的な雰囲気の役者が似合っていたかもしれません。

 

 

 

 映像については“可もなく不可もなく”というところ。CGやVFXが一般的になっている現代では、ミイラや呪いの描写に目新しいものは無いです。
 一部、かなり驚いた凄いシーンはありましたが、そこが映像の観点からは一番の見せ場だったように思います。

 

 

 

 映画会社Universalが動かし始めた、古典的モンスター映画のリメイクを行う共通映画世界観『ダーク・ユニバース』。今作はその記念すべき第一作目ですが、悪くないスタートでした。
 第一作目の今作からチラホラと世界観をまとめるキーが描かれており、期待出来そうです。
 ただ、アベンジャーズ等の『Marvel Cinematic Universe』と似た部分があり、少しガッカリです。

 

 

 

 

 

 

現代版への見事なリメイク

 もう何度も言っていますが、現代版へのリメイクがとても良く素晴らしかったです! 本当に上手に作ったなぁ〜と。

 リメイクだと、時代や設定は基本的にそのままというのが多い印象です。アメコミ映画などは随分と分かりやすい例かと。

 でも、今作は時代と舞台を綺麗に現代へと移していました。考えてみれば、『ハムナプトラ』もそうでしたが、人の心の中にある恐怖を呼び覚ますホラー映画はその時代を舞台にしないと意味がないのかもしれませんね。

 

 

 

 あまり書くと楽しみがなくなってしまうので、予告等で予想できる範囲でいくつか。
 例えば、武器として用いる銃はオートマチックの軍仕様的な銃だったり、発掘や解析に最新の機器を使用していたり。他にも、輸送を飛行機で行うため舞台を手軽に移すことが出来たり、爆発やビルの損壊などアクション性もアップしていました。

 

 

 

 そして、評価できる一番のポイントは「作品本来のテーマや雰囲気を崩していない」と言う点。……………まぁ、『ハムナプトラ』しか観てない自分が語れることではないのかもしれませんか(笑)
 大まかなストーリー展開を大きく改変することなく、舞台だけを現代に移し替えている点が本当に良かったです。

 

 

 

 この部分に付随して嬉しかったのは、オマージュと言うべきか、リメイクと言うべきか分かりませんが、『ハムナプトラ』を連想させる場面が数か所あり、そのシーンもきちんと現代版になっていたのが嬉しかったです!!
 特に印象深い“アノ”シーン!!

 

 

 

 

 

 

ちょっとイマイチ内容

 物語の内容部分に関しては、イマイチという評価。物語が少し壮大になった分、一つ一つのエピソードが薄くなって、結果的に全体も薄まっちゃったなぁ〜と。

 

 

 

 本作、軽度なグローバル映画なんですよ。舞台が変わるんです。ミイラを発見するのは砂漠だけど、解析の名目で先進国へ輸送されたり、英国に舞台を移したりと。そうやって舞台が変わるから、そこでエピソードもコロッと変わるような感じが。
 そこが非常に残念でした。今まで『ハムナプトラ』は同じ砂漠を舞台にしていたので一貫した展開が楽しめたのですが、舞台が変わる本作は一つ一つ区切れがあるような気がしました。

 

 

 

 あとは、古代エジプト時代のビジョンや再現映像のような過去シーンが微妙な気がしました。まぁ、考えてみれば『ハムナプトラ』もこの程度だった気がしますが、もう少し深く描かれても良いのかなぁ〜なんて思ったり。

 

 

 

 そして、一番残念なのは『遺跡探索』があまり描かれなかったこと。『ハムナプトラ』では遺跡を舞台にしたアドベンチャー的な要素がとても強くてわくわくしたのですが、今作ではあまり描かれなくて残念でした。

 

 

 

 

 

 

主演:トム・クルーズ

 はじめはめっちゃ心配でしたよ(笑)「ミッション・インポッシブル/ミイラ」みたいな感じの映画にならないかって(笑)
 でも、心配しすぎました。確かに一部分はMI的な要素ありましたが、全体的にはちゃんと「ザ・マミー」でした。

 

 

 目の寸前でナイフを止めたり、離陸する飛行機にしがみついたりするシーンはもちろんありませんでした(笑)

 一部分アクション(?)シーンがあったものの、スパイ映画とはどこか雰囲気が違いました。もしかしたら、似ないように工夫したのかもしれませんね。

 

 

 

 ただ、配役がトム・クルーズの必要は無かったです。むしろ、悪い効果を産んでいたような……。
 見た目が若すぎるし、あの“素敵な笑顔”がトレジャーハントには必要ないかなぁ〜と。あれは相手の女性を魅了するために使うものでは?(笑)

 もっと老けた感じの、砂埃にまみれていそうな、砂漠が似合いそうな俳優さんが良かったです。

 

 

 

 

 

 

 

映像はいたって普通

 映像は本当に普通でした。ミイラとか呪いとかのシーンは普通レベルで綺麗でした。最近はCGやVFXなどが一般的になっているからか、「おぉ、すげぇ」っていうシーンが少なかったです。

 

 例えば、『ハムナプトラ』ではスコーピオンキングが登場しました。当時、CGがまだ有名ではなかったので、かなりの話題になったそうです。
 『ハムナプトラ3』では中国皇帝の軍勢に驚かされたりしました。
 でも、今回はそういうシーンがありませんでした。

 

 

 

 一箇所だけ、「ちょっと凄いかも」っていうシーンがありました。飛んでいて、飛んできて、飛び回って、飛び出すあのシーンです(笑)

 

 

 

 

 

 

 

ダーク・ユニバース

 『ダーク・ユニバース』、なかなか期待出来そうです!
 第一作目の今作からチラホラと関連キーワードやキャラクターが登場しています。

 

 アベンジャーズなど『Marvel Cinematic Universe』の1作目『アイアンマン』などと違って、今回は事前に一連の関連世界観が構築されると分かっていたので、「ここはアレかな?」とか「ここは次に関係ある!」って考えながら観れたのが良かったです。

 

 

 思い返してみると、『ドラキュラZERO』のラストは現代パートへと繋がるような不思議で謎の多い終わり方で気になっていました。
 もしかして、これも繋がるのかもしれません!!

 

 

 今後の展開に期待しながら、今回のネタバレなし感想は終わりにします。
 引き続き、以下ではネタバレありの感想を書いていきます(`・ω・´)ゞ

 

 

 

 

 

 


 

 

以降、映画本編のネタバレあり

 

 


 

 

 

 

 

 

 

ネタバレあり感想

ネタばれあり。
物語の展開を追いながら、書きたいことヲどんどん書いてきます!

 

始まりパート

 一番最初からもう興奮でした(笑)
 あの、ロゴが現れたシーンですよ!! 薄々予想はしていたものの、実際にあの演出で見せられると、もう感動級の興奮でした(笑)

 普通にUniversalのロゴか現れて、半周して影になった地球に現れたのは『DARK UNIVERSE』という文字!!

 

 

 

 物語の中で重要な古代の場面が映されました。
 まずテンプル騎士団。ここは別に大した印象は無いです(笑)すぐに現代パートへ移行して工事により発見されましたが、現場を奪った男たちが政府関係者なのか、考古学チームなのか気になったのですが、答え合わせは後半の方でした。

 

 

 そしてアマネットについても。優秀な女王候補がいかにして呪われる存在となったか。何より怖かったのは「生きたまま包帯で包まれて石棺に納められるシーン」です。身をよじる動きが怖かったです、
 確か、『ハムナプトラ』の1作目か2作目でも生きたまま虫と一緒に埋葬されてましたよね。

 

 

 

 

 

 

冒頭パート

 トム・クルーズの登場。やっぱりハンサムすぎたな〜と(笑)
 自身を「貴重な古代遺物の解放者」と読んでいましたが、悪くない言い回しです。

 

 そして、町における武装勢力との衝突。このシーンは普通にアクションでしたね(笑)でも、『ハムナプトラ』の1作目の最初も遺跡での敵との戦闘だったので、若干トム臭が加わってはいるけれど、OKでした。

 

 

 

 棚からぼた餅的な流れで遺跡発見! トントン拍子で遺跡探索へ。
 女性考古学者が独り言のようにつぶやきながら考察していましたが、最初は「墓」だと考えていたけれども、すぐに「牢獄」だと考察し直す流れがスムーズで良かったものの、若干の違和感が。そしたら、事前に呪われた女王の事を知っていたのですね。それなら納得です。
 それにしても、鍾乳洞から滴り落ちる水銀がとても綺麗でしたね。液体金属ならではの不思議な動きでした。これは新しい! 

 

 

 

 

 

前半パート

 石棺を回収して撤退。
 飛行機のシーンは全体的に怖くて驚きの連続でした!!
 まずはクモに刺された相棒の豹変。なんの躊躇いもなく上司を刺したことには驚きましたが、2回目の一撃のほうが衝撃でした。そして、トム・クルーズが銃で射殺。最後の3発目は予想外でピクッと反応してしまいました(笑)

 

 

 

 次はバードストライク。エンジンから煙が出ている時点で、大量の怪しげなカラスを思い出しましたが、案の定正解。正面から大量に突っ込んでくるカラスの大群がコックピットに突入してきた場面の迫力が凄かったです。

 

 

 

 飛行機の場面、極めつけは墜落する中で無重力状態になった機内でのシーン。ここは素直に凄かったです。飛び回ったりする場面が本当に綺麗でしたね〜。

 どうやら、メイキング動画を見ると、無重力状態を作りだす飛行機「ZERO-G」を使用して、ほんとうの無重力状態で撮影を行ったようです。そりゃ、あんなにすごいリアリティですよ(笑)

 

 

 遺体安置所にて。起き上がるだろうことは予想しましたが、驚きましたね。ちゃんとトム・クルーズが裸である事を使ったギャグも入れられていたて。
 ここから女王アマネットとのリンクによるビジョンが見え始めるわけですが、現実なのか空想なのか………。

 

 

 

 

 

 

 

中盤パート

 墜落現場を捜索していた捜索隊の場面がめちゃくちゃ怖かったです(笑)石棺を見つけた隊員が周囲を探し始めるわけですが、心の中で「やめて〜〜。危ないって!!」と叫んでいましたよ(笑)
 自分が急に現れたアマネットに驚いている間に、案の定、見事に生気を吸い取られる2人。動きが完全にゾンビじゃないですかww

 

 

 

 トム・クルーズと女性考古学者も導かれるように墜落現場近くの修道院へ。院内で襲われるわけですが、意外としっかり抵抗していますよね。…………ただ、あそこの石像の中にナイフが隠してあるのはやり過ぎかなぁ〜と。後の方で「ナイフの隠し場所を知っていたからあの場所に墜落させた」と言っていましたか、ご都合主義過ぎます。

 

 

 

 で、危ないところを助けてくれたのは『プロディジウム』という組織。ロンドン自然史博物館の地下に隠れ家がある対モンスターの組織のようです。(ちなみに、博物館の地下ってかなりの好立地。色々な情報が入手可能です。)

 この組織を出したのは絶対に『ダーク・ユニバース』の世界観を統一する為でしょうね。この組織を中心に情報収集や怪物捜索などを絵描き、一貫した世界観にするつもりでしょう。
 アベンジャーズ等の『Marvel Cinematic Universe』における「SHIELD」のようなものですよね。

 

 

 本部に案内されるまでに通った道に、吸血鬼の頭蓋骨があったり、半魚人の手らしきものがあったりと、今後の展開を予見させるものばかり。
 そして、統率するのはジキル博士。もう心の中で「きたぁぁぁぁぁ!!!」ですよ。完全に『ダーク・ユニバース』の世界観であることが証明されたかのような、嬉しい場面でした。

 

 

 

 

 

後半パート

 人工的な装置で簡易拘束されていたアマネット。クモを操って脱出を試みますが、本部はそれどころじゃない(笑)
 ハイド氏が表に出てきてしまった上に、隔離された部屋でハイド氏と二人っきりのトム・クルーズ。戦いますね。まだ人間の人格?性格?が残っていて、話が少し通じる分、やりやすかったのかもしれません。
 『MCU』では「アベンジャーズ」でのハルクがこの場面に相当しますね。ってか、似すぎ(笑)

 

 

 そして遂に逃げ出したアマネット。ここからが名場面!!!
 「エジプトの砂よ!」と彼女が呼びかけると、ガラスが割れて砂と化します。なるほど、砂がない人口の街で砂を出現させる上手い手法です。
 今作一番のリメイクポイントへ。それは逃げるトム・クルーズを追うようにして巨大化した砂嵐がアマネットの顔に変化し、飲み込もうとする場面。トム・クルーズはロンドンの狭い路地を右へ左へと逃げ回ります。このシーン、『ハムナプトラ2』で描かれた渓谷で水から逃れるシーンとそっくり! 自然の崖ではなく、人口のビルになっている所が本当に良いです!!

 

 

 で、流れ的に発見されたテンプル騎士団の墓地へ向かうことになります。
 この時、ロンドンの地下墓地からミイラや遺体がどんどん現れます。市街地のカタコンベを利用した綺麗な演出でした。下水道でゾンビが現れる場面は、どこか『ホーンテッドマンション』に似てましたね(笑)

 

 

 

 

 

終盤パート

 テンプル騎士団墓地で、遂にアマネットと対決。トム・クルーズが殴られ壁に叩きつけられますが、なんだか嘘っぽい感じがして少し幻滅。

 

 

 

 自分自身を刺すだろうと予想してましたが、予想的中! まぁ、彼女を葬り去り、女性考古学者を救って自身も死なないのはこの方法だけですし。
 普通なら不老不死の現人神になるわけなので、結構迷うと思うのですが、躊躇無かったですね。

 

 

 この場面前後で、テンプル騎士団の死体がアマネットにひざまずいているシーンがありましたが、それまで高貴な騎士が呪われた女王に対してという、対象的な場面で印象的でした。

 

 

 

 

 

 

ラストパート

 そうですね、無事ハッピーエンドで良かったんじゃないですか。
 死神になったトム・クルーズも、後悔した様子なく冒険に出ようとしていましたし、アマネットも封印されましたし。

 

 

残念なのは、今後の展望が示されなかったこと。MARVELの『MCU』とかなら次作の情報がチラッと映し出されるのに、今作は無し。結構期待していたので、悲しかったです。

 

 

 それでも、今後の『ダーク・ユニバース』はなかなか期待できそうな内容なので、楽しみです!!!

 

 

 

 


 

 

 

  最後まで読んで下さった方、ありがとうございました!!

 


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