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【映画】ブラッド・ダイヤモンド────血塗られた「紛争ダイヤ」の実態を伝えるフィクション・ドキュメンタリー

※ネタバレなし。

2017年7月27日

ブラッド・ダイヤモンド

(原題:Blood Diamond)

 

 

【評価:4.6/5.0】

 


【一言】

紛争ダイヤ」を巡るアフリカの実情をフィクションを交えて描いた衝撃的な作品。
内容も描写も衝撃的でありながら、ストーリー的にとても面白いのが非常に印象的で良かった。
“美しいダイヤモンド”が、恐怖と暴力にまみれた“不幸のダイヤモンド”なのだとしった驚き。

 

 

 


目次

 

 

 

 


 

 

 

ストーリー

 内戦が続くアフリカのシエラレオネ共和国で、反政府勢力の採掘場で強制労働させられていたソロモンは大粒のダイヤモンドを発見し、くすねようと地面に埋めて隠してしまう。その後、攻撃してきた政府軍により逮捕されて留置所へと送られてしまう。

 

 一方、白人傭兵のダニーはダイヤモンドの密輸中に政府軍に見つかり勾留されてしまう。彼は留置所の中でソロモンのダイヤを聞き、手に入れようとする。

 

 アフリカのシエラレオネ共和国での内戦(1991年 – 2002年)を舞台に、ソロモンが見つけた大粒のダイヤモンドを巡り、「紛争ダイヤ」を巡るサスペンス映画で、内戦の現状とダイヤ密輸の実態、社会への警鐘を描いた作品。

 

予告動画

 

 

 

 


 

 

 

作品データメモ

監督:エドワード・ズウィック
制作:Visual Studio
キャスト:レオナルド・ディカプリオ,ジャイモン・フンスー
上映時間:143分
日本公開:2007年4月7日
配給:ワーナー・ブラザース
公式サイト

 

 

 

 


 

 

紛争ダイヤとは?

 説明に関しては、本映画の内容、Wikipedia、及び後に紹介するNPO法人ダイヤモンド・フォー・ピースのサイトを参考にしています。

 

 『紛争ダイヤ』はブラッド・ダイヤモンドや血塗られたダイヤモンドとも呼ばれる物。アフリカ地域などを代表にする問題で、人道的な問題や国際平和の障害ともなっている問題です。

 アフリカに拠点を置く反政府勢力や武装勢力らが武器の購入などの活動資金を得るために、現地の人々を強制的に採掘に駆り出したり、労働力確保の為に子供や男性の誘拐などが発生し、人道的な観点から大きな問題になっています。
 また、武装勢力等が外貨獲得の手段とし、それにより武器の購入等をすることで、資金を絶ち弱体化を図ることが困難になっていることも問題です。

 

 

 問題視した国際社会は、1998年に国連で紛争ダイヤが戦争資金源になっているという指摘をし、2000年の「世界ダイヤモンド会議」ではダイヤの輸出輸入における認証システム作成を求める決議をします。その後、紛争ダイヤの取引を防止するための組織「ワールド・ダイヤモンド・カウンシル」が生産企業、生産国、国連を中心に発足し、紛争ダイヤの売買を阻止する制度「キンバリー・プロセス」が導入されました。

 

 

 

 NPO法人「ダイヤモンド・フォー・ピース(DFP)」

 すべてのダイヤモンドが人道・環境配慮の上、採掘・カット・製造されることが当たり前の社会を目指して活動している組織。

(上は公式サイトの一部のキャプチャ画像です。)

 今回、検索して初め知った組織なのですが、とても興味深かったです。アフリカの現地で活動している状況のレポートや、新聞等では目にしないニュース、貧困など紛争地域の情報が掲載してあリました。
 「詳しいけれど、分かりやすい」という印象のサイトで、リアルな情報を知るのに今後重宝させていただくかもしれません。

 

 以下、引用で紹介させていただきます。

 

【目指す社会(ビジョン)】
ダイヤモンドが人道・環境配慮の上、採掘・カット・製造されることが当たり前の社会

 

【活動分野】
啓発:現在のダイヤモンド取引における問題や課題の啓発
自立支援:アフリカをはじめとする途上国における、ダイヤモンド関連労働者の労働環境改善・社会的地位向上支援
緊急支援:上記の活動対象国において災害、疫病が発生した場合の緊急支援

 

【団体名について】
当団体名「ダイヤモンド・フォー・ピース (Diamonds for Peace)」は、直訳すると「平和のためのダイヤモンド」になります。
では、ピース(平和)とは何を意味するのでしょう?
単に戦争や内戦が起こっていない状態のことでしょうか?

私たちは、ピース(平和)とは、「人が人としての尊厳を保っている状態」のことだと考えています。つまり、物理的に戦争や内戦が起こっていない状態のことではなく、誇りを持てる仕事をし、家族を養い、子どもに教育を受けさせることができ、自らの自己実現を追求できる状態がピース(平和)であると考えています。

私たちが考えるピース(平和)を実現するためのダイヤモンド、という意味を込め、団体の名称を「ダイヤモンド・フォー・ピース (Diamonds for Peace)」としました。

 

 

Webサイト

紛争とダイヤモンド | ダイヤモンド・フォー・ピース(DFP)

 

 

 

 


 

 

 

感想

紛争ダイヤの実態

 「紛争ダイヤ」という物の存在については知っていながら、詳しくは知らなかった題。武装勢力の資金源になっている事は知っていたが、その採掘・密輸・流通までの流れを知る事が出来た作品。
 それでも、まだ氷山の一角程度の情報しか知らず、入り口に立った程度。これから知識を深めていきたいと心の底から思いました。

 

 

 

 そもそも、恥ずかしながら、紛争ダイヤを巡る国際的な条約があること自体知らなかった自分です。噂程度にしか聞いたことがない自分にとって、今作は本当に衝撃を与えられるに値する素晴らしい作品でした。

 

 

 

 ダイヤは武装勢力が周辺村落から強制連行してきた黒人を暴力と恐怖を用いて強制的に労働させて採掘したもの。
 賄賂と汚職を幾度も経ながら国を渡りながら密輸を繰り返され、先進国で正式なダイヤモンドと混ざる。
 暴力・恐怖・死……すべての不幸で塗られた宝石なのだと怖さまで覚えました。

 

 

 あとは、関係ないですけれども、「実態」と言うことで。
難民キャンプの実態に驚きました。広大に広がるキャンプと、入場待つ人の列。しかも、なかの担当職員の態度は良いとは言えないものでした。

 

 

 

 

 

武装勢力の実態

 武装勢力についても衝撃的でした。少年兵の育成、戦闘員の強制連行、洗脳教育、虐殺と殺戮。始めから終わりまで武装勢力の一連の流れが全て描かれており、自分自身の知見が大きく広がりました。

 

 

 

 何台ものトラックの荷台に乗り、ライフル銃を担いでやってくる武装勢力。村落に到着した次の瞬間には銃を乱射。逃げ惑う村人に向かって容赦なく鉛の雨を降らせる。
 その姿を見て驚くのは、大部分がまだ幼さの残る少年兵たち。笑顔を見せながら人を撃ち殺し、処刑し、労働力や戦闘力として強制連行を行う姿には恐怖しか湧きませんでした。

 

 

 

 連行され、最初は恐怖に慄く少年たち。そこに施されるのは、恐怖と暴力を用いながら忠誠心と兵士の心を育てる洗脳。
 反政府勢力として「国を良くする」という主義信条を教え込む事で残虐行為を正当化させ、薬物で虜にし、銃の快楽を教え込む。逆らえば見せしめに処刑。
 最後には、少年たちは自身が“力”を持っていると信じ込み、虐殺殺戮へと見を投じていく。

 武装勢力の内面を知れたこと以上に、少年兵の実情を知ってこれまた恐怖を覚えました。

 

 

 

 

 

怖さを覚える戦闘と虐殺描写

 戦闘描写がとても恐ろしかったです。第二次世界大戦のように国によって訓練された兵隊が戦うわけではなく、『反政府武装勢力vs政府軍』という構図です。なのでルールや規律などの類は存在せず、まさに狂気に支配された戦場です。
 村人を虐殺し、市街地に侵攻した反政府武装勢力は片っ端から市民を射殺し、政府勢力に容赦なく弾丸を撃ち込む。

 

 

 

 そして怖かったのはこちら。政府軍もルールなし。誰が敵なのか分からない状態で、バリケードの内側から敵・味方・国民関係なく銃を乱射。武装勢力が倒れる一方で、逃げ惑う市民にも銃弾が降り注いでいるのが本当に印象的でした。

 

 

 

 また、先にも書きましたが、少年兵が笑顔で人を殺している場面などは嫌悪感を抱きました。正常な感覚が失われている子供を見て、とても辛かったです。しかも、それが自分の生まれ故郷や、同じ部族など。その部分が本当に辛かったです。

 

 その他、描写という観点では、腕を切り落とされたり、見せしめに処刑したりするシーンが酷かったです。

 

 

 

 

 

面白いストーリー

 この言い方は映画の題材に対して不謹慎かもしれませんが、映画としてストーリーがとても面白かったです。上で触れた数々の問題を折り込みながらも、決して淡々としたドキュメンタリーになるのでは無く、物語に一喜一憂してハラハラしながら観てました。

 

 

 ストーリーは全てがフィクションでしょう。白人傭兵と黒人が弾幕の中を駆け抜ける場面などはその象徴かもしれません。
 でも、内容的に面白いというのはとても大切だと思いました。登場人物たちの行動や運命に集中して感情移入しながら観れるからこそ、より題材が伝わってくるのだと思いました。

 

 

 

 


 

 

 

 

 今回は、普段書いている映画本編の内容に触れる『ネタバレあり感想』は書いていません。
 理由は、ストーリーに焦点を当てて楽しむのが目的ではないという点と、ストーリーの内容に触れながら感想を書いても「あまり意味がないな~」と思ったからです。

 

 まぁ、両方とも言い訳でもあるんですけれども(笑) 確かにストーリーに一喜一憂する面白さはありましたが、それはあくまでも「紛争ダイヤ」の実態を伝えるためのフィクションというか・・・・・。
 あまり、書く意欲が起きなかったのが正直なところだったりするんですがね(笑) 戦闘描写とショッキングな実態でお腹一杯です。

 

 

 読んでくださった方、ありがとうございました。


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