※画像は予告映像のキャプチャです。
2019年7月19日鑑賞
天気の子
Weathering With You
【評価:4.7/5.0】
【一言】
とっても良い作品!
胸が透くように綺麗な風景映像と、
心に晴れ間が広がるような映画でした!
ただ、やりすぎ。
求めていた《リアル》を勘違い
《距離》も《キャラ像》も別物。
【Twitter140文字感想】
【 #天気の子 】
「ねぇ、今から晴れるよ!」
雨が降り、冷たく灰色な東京の街。
陽が注ぎ、温い空気と匂いが満ちる!鮮明な天気と気象の形。
街の表情が輝く瞬間の映像。
美しさに感動!でも、“距離”と“現実感”には違和感。
作品と融合するRADWIMPSの音楽。
その聴覚的美しさは鳥肌ものの興奮! pic.twitter.com/9LPwDIOHd4— ArA-1 (@1_ARA_1) 2019年7月19日
【目次】
STORY&STAFF
「あの光の中に、行ってみたかった」
高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。
しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、
怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。
彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。
そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。
ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らすその少女・陽菜。
彼女には、不思議な能力があった。
映画公式サイト
予告動画
監督:新海誠監督
脚本:新海誠監督
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
音楽:RADWIMPS
キャスト:醍醐虎汰朗, 森七菜 and more.
上映時間:114分
日本公開:2019年7月19日
配給:東宝
公式サイト
新海誠と『君の名は。』から
新海誠監督の作品はとにかく『綺麗』そして『美しい』。絵も、アニメーションも、そして物語も。もう、なにもかも!
美麗な映像と、繊細な物語、淡い内容が本当に素晴らしいです!
各作品まとめと感想は以下の記事で!!👇
2016年に公開された映画『君の名は。』。
その公開された後、次作について監督が以下のように語っている記事がありましたが、その答えが『天気の子』なんですね!
舞台は「現代の東京」「ややダークな大人な感じ」。内容は「高い場所にある明るいものをつかむような映画」
東スポWeb
「大人の言う『こんなはずじゃなかった』、『世界はちょっとずつ悪くなっていく』といった“憂鬱さ”を飛び越えていけるような、若い人の話になる」
シネマズPLUS
監督の作品が大好き!
簡単に全体の感想を書こうと思います!
なんと言っても、美しい映像・背景は監督作品を語る上では外せないです!
私も、その綺麗さの虜です。
物語を彩り飾る役目もあるのでしょうが、背景がリアルだから、その物語自体に現実感を感じてしまうように感じます。
特に『言の葉の庭』の雨の描写は素晴らしいの1言に尽きます。
そして、物語も本当に「美しい」です!
淡く・切なく・哀しい物語は、主人公たちの感情が伝わってくるようで、見ているとギュッと胸を締め付けれたり、切なすぎて息苦しくなるほど。
そして、その登場人物たちのモノローグで発せられる言葉がとても。
監督のテーマは『距離』。
心の距離、
時間的な距離、
物理的な距離、
社会的な距離、
想いの距離……..………。
この“距離”が監督の作品全てに込められています。物語の展開や登場人物たちの言動・心情等によって丁寧に描かれており、気がつくと「あぁ、距離の物語だ….」と分かります…………そんな気がします。
それから、主題歌、そして挿入歌が最高の素晴らしいです。
特に主題歌は、“主題歌”と呼ぶにふさわしい、作品の1番のベストタイミングで挿入されます。物語に感動していたところに、作品の雰囲気にあった曲が挿入され、感極まってしまいます。
監督自身、音楽を大切にされているそうです。
スパークル [original ver.]
映画の感想
感想の外観
新海監督の最新作『天気の子』鑑賞!
とっても大好きな監督で、楽しみにしていた本作は、やっぱりどの作品よりも鮮やかだし、綺麗で面白くて、良い作品でした!
新海監督の作品は、観終わってあとに世界や日常風景が輝いて見えるから好きです!
本当に、映像もアニメーションも綺麗!
「東京」が1番輝く光景を的確に切り取っていて、風景写真を一枚一枚見ているかのような美しさがスクリーンに広がります!
雨が降り、雫な流れる。
天気も自然も人間も、動きが丁寧で滑らかなアニメーションには感動しました!
物語は、正直、どの作品よりも嫌い。
でも、振り返ると「良かったなぁ~」と!
物語が展開する「過程」とその「中身」は、これまでの《距離》を描いた作品とは違い、個人的には残念。
でも、そんな物語のラストを締めるお話は凄く好き。
新海監督は、“物語”の畳み方が本当に上手いと思います!
映画がとっても詩的。
風景は最も美しく見えるように描かれ、台詞は比喩を含んだモノローグが印象的で、本当に綺麗でした!
世界の秘密の物語。
「秘密」と「答え」は壮大で、でも道端に転がっていそうな、そんな身近さも感じるファンタジー映画でした!
でも、どこか履き違えている部分があるような。
《距離》を突き詰めた先にあるモノが、「コレ」で本当に良いのか、と疑問に思いました。
夏のボーイ・ミーツ・ガールで、天気と世界を占うセカイ系で、でも「ソレ」で良いのかなって。
あと、「リアル」の描き方を完全に間違えている。
フィクション作品として見たい「リアル」は、本作『天気の子』で描かれている光景でないことだけは、確かだと思います。
キャラクターデザインは大嫌い!
まず、キャラデザ。
田中将賀さんの作品は大好きだけど、新海作品には絶対に似合わない。美しい映像のなか、エロ萌えキャラの存在はただの不協和音でしかない!
それから、演技。
『君の名は。』の神木隆之介と上白石萌音がいかに上手かったのかを再認識させられました。醍醐虎汰朗も森七菜も、上手くないし違和感しかない。
RADWIMPSの音楽はもう天才!
「作品」と「音楽」の融合とはこういうものか、と耳触りが心地良い劇伴に、歌詞が流れ込んでくるような劇中主題歌が、本当にとっても良かったです!
終盤のアノ場面のアノ曲とか、映像も音楽も歌も台詞も最高でした!
風景と日常光景を“額”に収める!
もう、万人が既知の通り。
とにかく、風景や日常光景、生活や映画に描かれる全てのシーンが本当に美しくて、綺麗で、写真のようで、涙が出そうなほど感動しました!
スクリーンという「額」に東京の風景を動画で収めたよう!
「美しさ」を知っている、映像です。
灰色のビルが建ち並び、無感情な人々が往来する雑多な東京砂漠。
でも、そんな東京の風景を、光景を、生活を、どんな作品より美しく描き出すのが、新海監督の作品で、本作『天気の子』でもそれは素晴らしかったです!
どの場面を映せばいいか、街が1番輝くのは何時か、何を描けば綺麗に見えるか、そういう東京の魅力や美しさをギュッと凝縮したような作品です!
東京の街。
東京の電光掲示板や広告が並ぶ繁華街、新宿の高層ビル群、灰色の街にある皇居や新宿御苑の緑、東京タワー等のランドマーク、海、人、店、廃墟……本当に何もかもを美しく見せてしまう「フィルター」がかかっています!
そして、天気。
雲が流れ、雨が降り、晴れ間が顔を出し、雷鳴が鳴り響く。
せわしなく変わる天気の、これまた「1番美しい表情」を的確にキャッチして、アニメとして演出を加えて描く、その映像は圧巻です!
また、アニメーションがとても丁寧。
どこまでがCGで、どこまでが手描きなの?
傘をさす動作、料理をする手、走る姿。
人間の動作は一切の省略も遅滞もなく、ただただ感動的に滑らかで、これって本当に凄いな、って。
雨が降る夜、地面に落ちる雨粒、窓を伝う雫。
形がない自然気象にすら表現としての形を与え、丁寧に美しく描くから、見ていると写真を見ているように鮮明で綺麗に見えます!
「光」の描写も!
雲から零れる光と「天使の梯子」、ビニール傘を通した太陽、雲が引き晴れ間が広がる情景。
暖かさを感じそうな素晴らしい表現でした!
「雲」とか凄かった!
パンフレットでも、気象研究者が気象描写についてコメントを寄稿していましたが、それくらい凄かった!
アニメと雲の描写に関しては、こちらがあります。
『凪のあすから』等で背景美術を手掛けられた東地和生さんのTwitterです。
リアルの雲を見て「その形はないわー」ってリテイク出す病気。 #peing #質問箱 https://t.co/foIoZTW8SQ
— 東地和生 KazukiHigashiji (@Higashiji) 2019年5月29日
「晴れるよ!」の瞬間!
東京を綺麗に描きだす本作。
なかでも、やっぱり「天気」はとっても良かったんです!
過去に類を見ないくらい素敵な光景で、久々に雨も晴れもいいな、と気分よくなりました!
どんより曇り、雨が続く東京。
冷たく重い空気が映画にも映画館にも満ちます。
そんな中、主人公・陽菜の言葉。
「ねぇ、今から晴れるよ!」
雲の中から一筋の光が差し、現れた天使の梯子。
だんだんと陽光が強くなり、青く灰色だった世界がオレンジ色に満ちていきます。暖かな空気となんだかいい匂いが漂ってくるよう。
気がついたら、表情が明るくなっている!
フワーッとサーッと音が聞こえそうなほどの天気の変わりようは、とっても心地の良いものでした!
これから始まる「天気の物語」がどんなものか、どんな景色を見せてくれるのか、ワクワクして映画を観始めました!
これを、これらのシーンを観られただけでも、大きな価値があったかな、と映画館でて、ふと空を眺めて想いました!
詩的な表現の物語と終盤
新海監督の作品は本当に詩的で素敵です!
それは、やっぱり世界の捉え方にあるのかな、と。
上の「映像」もそう。
短い120分の中で、とことん「東京の良い顔」を見つけて、アニメとして描き出すのって、これだけでもう《詩的》だと思うんです!
それから、台詞。
モノローグが多いのでそう感じるのかも。登場人物の心の声は、いつも比喩や鋭い予感と感覚に満ちていて、そんな彼らの胸中の言葉は、聞き心地のいい文句が何度も心に響きます!
思い返すと「いい映画だった」と!
これは、終盤の内容と収束の方向と幕引きが非常に上手かったからだと思います。
新海監督って、物語の「結末」がいいし、「畳み方」が見事な物語・脚本を描くな、と思います!
監督自身がインタビューで「賛否分かれるラスト」と発言していましたが、確かに賛否が分かれそう!
でも、私は賛成でした!
むしろ、良いラストだったと思います!
この部分はネタバレなので静かに!
でも、押し寄せる物語と感情と音楽と台詞と映像の波に押されて、感動的だったし、鳥肌が立ちました! なんか『秒速5センチメートル』や『言の葉の庭』に次ぐ名ラストだったと思います!
大衆エンタメと社会派との間
完全に大衆エンタメになりました。
いや、成り下がりました。
個人的には「楽しさ」は無くてもいいです。
『秒速』のようにずっと胸が傷んだり、『言の葉』のように少し幸せが灯ったり。『ほしのこえ』のように押しつぶされそうになったり。そんなある種の《重さ》とか《文学的》な硬さがとても好きでした。
だからこそ、「The 夏の家族映画」みたいに笑いと萌えと興奮だけが全面に押し出されるような、本作の内容は見ていてとても悲しくなりました。
これは、『君の名は。』が丁度いいラインだったし、いいバランスとテンポ感だったけど、本作はやりすぎ。
これまでの作品は叙情的というか、大人とジュヴナイルの過渡期にある主人公とか、どこか心の琴線に触れる、ある意味では「不安定」な登場人物たちでした。
けど、『君の名は。』から”アニメっぽい”高校生主人公に変わり、『天気の子』では完全に”安定”した主人公になってしまっていました。
まぁ、物語や天気が不安定なので、そこでバランスを取っているつもりなのかも知れませんが。
しかし一方で、「社会派」としての側面も。
近年拡大する異常気象や先行きの不透明な情勢を、ファンタジーという作品で描き出し、日本社会における様々な問題を散りばめている点は高く評価したいです!
どこか、アメコミ作品やディズニー作品のような。
これまで、日本のアニメーションってその側面が弱いような気がしたので、『天気の子』を見て、凄いな、と思ったし、これまでの新海作品とは色を変えた映画だと肌で感じました。
《距離》と《リアル》の勘違い
物語全体は全作品の中で1番嫌いかも。
誤解しないで頂きたいのは、『天気の子』も十分に面白くて、でも他の作品の方が私は愛しているし十二分に面白かったんです。
まず、大切なものが抜けているような気がしました。
新海監督の作品の中心でいつも煌々と静かに光を放つ《距離》というテーマが本作には抜け落ちていたように感じました。
もちろん、新海監督の見解で監督が提示した物語ということは認めます。
しかし、一鑑賞客として、一ファンとしてはガッカリ。
《距離》の物語は骨抜きにされ、アニメ作品で許されざるべき《リアル》の侵食には嫌気がさしました。
「距離」の物語。
実際、どんな物語でも「距離」になります。
物理的な遠近の距離も、感情的な恋や失望の距離も、時間的な過去と未来の距離も、場合によっては人間的な性別や出身の距離も。
これまで、本当に色々な距離を描いた監督。
でも、その先にある本作『天気の子』の「距離」がこれでいいの?
ネタバレを避けつつ。
とある夏に起きたボーイ・ミーツ・ガール。
「世界の形を変えた」というある種セカイ系。
少年少女の感情や向かう先、後ろ姿。
こういうのも、確かに「距離」。
でも、これらが描き出した物語が「コレ」や「アレ」で本当に良かったのでしょうか? 突き詰めれば「距離」は「あの気持」になるし、「あの行動」にも繋がる。
でも、単なるアレやソレに帰着するというのは嫌です。
それに本作は、物語の方向が事前に定められていたような気がして、それがなおさら気に入りませんでした。
あと、「リアル」
これは、映像面での話。
確かに東京の風景は本当にリアルで綺麗。
でも、その「リアル」を構成する要素があまりにも強く主張しすぎていて、私は嫌いだったし、美しい映像を蹂躙され汚されているようで、胸が痛みました。
「アニメのリアル」ってそうじゃない。
実写のリアルと、観念的なリアルは別物で、アニメ作品に「現実が侵食」してくることは絶対に許されるべきではないと思います!
作品と融合する音楽力!
音楽は最高に良かったです!
『君の名は。』に引き続き、RADWIMPSに拍手!
「作品と融合する」とはこういうことか、と。
ただの雰囲気演出だけでなくて、物語の深部まで奏でて観客の心に届けるような、そんな音楽と作品のコラボが綺麗でした!
愛にできることはまだあるかい RADWIMPS MV
細いピアノの音には心が揺れたし、
耳触り良い歌声は心に染みたし、
気分の良いメロディに心が踊りました!
音楽を聴けば作品の情景が蘇るし、映像をみれば音楽が流れてくるような、相性が最高級の劇伴ばかりで、RADWIMPSは凄い!
そして、歌詞がまた……!!
映画の内容、物語、主人公の心情、映る風景に合致した歌詞、聞いていと頭に流れ込んできて、どうにか文字に変換しようとするかのよう。
画面に字幕のように歌詞を表示する演出を行ってもいいと、私は思います!
あと、映画と音楽の融合が凄い!
場面の切り替えとか、表現の変化とか、物語の転換とか、そういうスクリーン上でも出来事を、音楽が一緒になって演出しています。
タイミング抜群で、劇中挿入歌&主題歌の歌詞も完璧で、ゾワッと鳥肌が立つくらいに感動しました! 思わず「おぉ!」と声が漏れそうになりました!
キャラデザは不協和音でしかない
本当に、この2つは残念でした。
単純に私の好みだし、ただの懐古厨なだけですが、それでも、これだけは本当に譲れません……。
まずは、キャラデザ。
そろそろ、田中将賀さんは降りて頂けませんか?
もちろん、田中さんの作品は大好きです。
『あの花』とか可愛いし感動したし、新海監督の短編CM『クロスロード』でも中高生に向けたキャッチーで魅力的な登場人物を描いていました。
しかし、新海監督の映画とは相性が悪すぎです。
言葉には難しいですが、新海監督の「重さ」や「暗さ」や「大人」な雰囲気のある作品に対して、田中さんのキャラデザは「可愛い」くて「丸い」フォルムで「萌え」そのもの。
新海誠監督『クロスロード』(フル)
美しいリアルな背景と、深い物語は完璧なのに、キャラクターが「可愛すぎ」て逆に浮いているというか、違和感というか、不協和音というか、不要要素というか。
それに、『君の名は。』まだ良かったです。
でも、本作『天気の子』はなんですか?
ずっと腋をチラチラ見せて、ムチムチの生足をさらけ出して、童顔に屈託ない笑顔を浮かべて。そりゃエロいのは大歓迎。でも、新海作品にそれは不必要です。
声の演技も主役は残念
声の演技は本当に残念でした。
「物語を出力する」という1番大事な部分で、そこが耳障りなものであるというのは、非常に残念だし勿体無い!
正直、ここまでずっと新海作品は「主演の声と演技」が完璧だったので、すっかり安心しきっていましたが、これは……。
「上手い/下手」でなく、「違う」感じ。
────いや、下手なのか……?
聞いていて、特にモノローグとかで顕著だったのは台詞に対する感情の位置が少しズレているような気がしたこと。どこか、高め?
台詞はいつまでも聞いていたいんだけど、この声は聞きたくない、そんな印象さえ持ってしまいました。
というか、『君の名は。』が凄すぎた!
神木隆之介さんも上白石萌音さんも、とても上手かったんだと、改めて実感させられました。
あと、公開前から本田翼さんの演技を不安視する声がありましたよね。
どうでしょう?
確かに一辺倒だったし、若干の棒読み感もあったし、無駄に色気あったし───あれ、確かにミスマッチかも(笑)
「上手い」とか「下手」とかの判断は正直、難しいです。
でも、映画を観ていて何度も思ったのは、「もっと最適な声優がいる」とか「これはアノ人の声ならぴったりだ」とか。そういうこと。
つまり、主演の醍醐虎汰朗さんも、森七菜さんも、「違う」という結論ですね。
小説『天気の子』
新海監督自身が書かれた原作小説!
もちろん、発売日7月18日に購入しました!
ただ、映画を観終わってから読むので、まだ感想執筆時点では未読です! とにかく、「文字」としてどう表現され、描写されているのか、楽しみです!!
小説『 #天気の子 』を買いました!
新海監督自ら執筆の原作小説📘
もちろん、映画が先!🎥
観終わるまではお預けです…!😊明日の公開が待ち切れません! pic.twitter.com/oFyFBN3dux
— ArA-1 (@1_ARA_1) 2019年7月18日
夏の「カドフェス」真っただ中で、購入特典にクリアファイルとスッテカーを頂きました!
初版版は特典もあります!
まず、カバーを外した裏表紙に新海監督の直筆サイン&メッセージが印刷されています!
それから、「スペシャルメッセージ」として、KADOKAWAアプリからARで書籍表紙を読み取り、そこから動画を視聴します!
5分程度の動画で、内容は主役の2人が新海監督に質問形式で作品の深部を探っていくようなものでした。
主に、
・「映画」と「小説」の違いは?
→どちらも”文字”で始まるが、映画は映像に、小説は比喩表現へと繋いで高めていく。
・映画制作と同時並行での執筆、影響は?
→主演キャストのイメージが小説にも反映された。
というようなものでした。
以降、映画本編のネタバレあり
おまけ:コラボCM集
せっかくなので、コラボCM動画を集めてみました!
ソフトバンクコラボCM公開 白戸家のお父さん登場
カップヌードルCM「天気の子」大切なシーン 篇 30秒
シーフードヌードルCM 「天気の子」新・海・誠 篇 30秒
ミサワホーム|天気の子 コラボCM
天気の子タイアップCM!「アルバイトから、はじめよう」篇
サントリー 天然水 天気の子『手のひらを空に』晴れ篇
クーリッシュ 「天気の子篇」(15秒)
映画の感想
※ネタバレあり
リアル・距離・やりすぎ!
『天気の子』に感じた不満です。
この節の最初2項目はネタバレに深く触れていないので、興味ある方は、どうぞ!
基本的には、上の感想で伏せ字やアレやコレや言っていた部分の詳細ですね。
まず「リアル」の件。
アニメ作品に現実が侵食してくるのは絶対に駄目!
そう思ったのは、東京の景色でした。
実際に日本に存在する大手企業の本物の広告が都心の遠景にデカデカと堂々と描かれます。
マクドナルド、ヤフー、求人バニラ、レイク、ルミネ……等々、とにかく沢山の誰もが知っている大企業。
これは良くない。
なんか、ただの広告になったみたい。
JRやバス等の公共インフラ、自治体関係は本物そのままでいいけど、一般企業は名前変えるとか、似せるだけに留めるとかしないと、感覚的に嫌悪感?のようなものが湧いてきてしまいます。
そもそも、そういう「リアル」を求めているわけではないし、むしろ美麗な背景が汚されているようにも感じてしまいました。
それから「距離」。
色々な解釈はあると思いますが、本作では「恋」一択。
確かに「人との距離」だって突き詰めれば恋・愛・家族・死別…等々の人間関係に根源的には行き着くでしょう。でも、そこに何のひねりや重さを挿入せずに「ラブ・ファンタジー」の物語にした、という部分が不満です。
恋や愛なら新海作品で過去何度も描かれているし、むしろ全部の作品に共通しているテーマとも受け取れます。『言の葉の庭』のキャッチコピーは「”愛”よりも昔、”孤悲”のものがたり」ですし。
でもこれらの作品って、「恋+α」の内容で、むしろその「+α」が重要だったりしたと思うんです。
けど、本作『天気の子』ではその部分が薄かったというか、感じられなかったんですよね。
そして、登場人物はやりすぎ。
なんで『君の名は。』から立花瀧や宮水三葉が登場しているの?
そりゃ、特別ゲスト出演は嬉しいけど、さすがに主張しすぎ。
名札や表札や名前を堂々と描いて、「ここにいますよ!」とあからさまに際立たせているようで、本当に嫌でした。
瀧と三葉の物語は『君の名は。』のラストで終わりでよくて、2人のその後を描く必要も、家族構成を描く必要も一切ないと思います。そこで監督が「答え」を提示するのは間違っていると思いました。
でも、トンビ?雁?みたいないつもの鳥とか、子猫アメの登場は良かったです! 新海監督のアイコンが登場したり、遊び心は認めますが。
映画の終盤ラストと感想!
普段は時系列でネタバレ感想を書くのですが、本作は終盤&ラストの方から感想を書いていきます!
だって、終盤からラストへの流れが大好きで、終わり方もとっても良かったからです!
警察署から逃走した帆高が、消えた陽菜を探す。
神に祈りながら、廃墟ビル屋上の鳥居をくぐって───。
空に落ちる、空から落ちる!
真っ青な空の中で、RADWIMPSの「愛にできることはまだあるかい」と「グランドエスケープ」という名曲の2つが立て続けに流れ、視覚的にも聴覚的にも美しいシーンでした!
さらに、陽菜を見つけた帆高が「青空よりも陽菜がいい!」と叫んで、『千と千尋の神隠し』なみに空中でダンスを繰り広げるシーンは見事としか言いようがない、本当に素晴らしい場面でした!
その後。
帆高は逮捕され、高校卒業まで保護観察。
そして、あれの夏から雨が止むことはなく3年間。
東京は水の中に沈んでいった、夏。
東京に来た帆高が雨の中、歩く。
陽菜に会うため、探す。
そして、俯きながら坂を登る帆高。
周囲の空気が明るくなる。
顔を挙げた坂の上にいた、陽菜。
その瞬間、RADWIMPSの『大丈夫』の歌詞「世界が君の~」という言葉が耳に飛び込んできて、目の前がパッと開けたような感覚に!
2人で手を合わせ、「僕たちは大丈夫!」と。
このシーンは本当に凄くて、鳥肌がバッとたち、感動で嗚咽を漏らしそうになりました。
このラストのシーンはとにかく本当に良かったです!
個人的には『秒速5センチメートル』や『言の葉の庭』に次ぐ、音楽と物語と主人公の恋愛と台詞が重なった、感動的なものでした!
物語のはじまり、感想と内容
ラストを書いたので、対照的に最初について。
開始早々、「コミックス・ウェーブ・フィルム」のロゴが雨降る背景とともに描き出されて、その始まる匂いに心が踊りました!
そして、映画の始まり。
CMや予告編で使われているモノローグから始まるというのは、なんだか『君の名は。』にも似ているな、と思いました。
「これは、僕と彼女だけが知っている 世界の秘密についての物語」
始まりから心を掴むのって大切で、上手く成功していたなって!
これから始まる「天気の物語」がどんなものか、どんな景色を見せてくれるのか、ワクワクして映画を観始めました!
ついでに、物語の内容について。
ずっと雨が降る中で、陽菜の明るい立ち振舞いや雰囲気がとても嬉しく、観ていて好きになってしまいました!(笑)
大人っぽいところとか、料理が上手なところとか、「晴れ女」を自覚して祈るところとか、お礼や感謝の言葉、笑顔を見て喜んでいるところとか、大好きです!
だからこそ、彼女が「15歳」と知った時には、目の前が真っ暗になりそうなほど、愕然とました。生きるためとはいえ、悲しいです。
世界の秘密の物語
「世界の秘密」が何を指しているのか。
映画を観る前はファンタジー方面で色々と考えましたが、いざ観終わってみると、「秘密」の答えなんて、至って簡単なものなのだ、と感じました。
「天気なんて狂ったままでいい」
という帆高の台詞がエンドロール中でずっと響きました。
天気なんて操れない。
誰もが知っていて、当たり前のこと。
なんだか、「世界の秘密」も道端に転がっていそうな、そんな気にさせる壮大で身近な物語でした!
「世界」の秘密、というより姿。
社会派的な問題や課題を埋め込んだアニメーション。
パンフレットの中で新海監督自身が「不透明な現代の情勢/状況」に対する危機感を持っているという話をされていました。
その部分は、映画を見ていても如実に感じました。
まず、「天気」
異常気象が叫ばれる近年の中で、ゲリラ豪雨や雹等の描写、河川の氾濫や浸水等の描写など、身近になってしまった気象問題がフィクションの形で描かれていました。
それから、「貧困」
パンフの中で監督が「食事」面でジャンクフード等が多くて、そこから貧困を演出した、という話がありました。
もちろん、「生活の為にバイトをしている」状況もそうですし、切り詰めて生活していたり。須賀さんとか、登場する大人も高収入ではなく、画面にも廃ビルが入る映像だったりと、全体的に「貧しい」という印象を抱きました。
日本の構造的な問題を、アニメ映画で描くということは、ディズニー作品やアメコミ映画のような洋画には多くても、日本の作品には少ないと感じていたので、結構衝撃的というか、印象的でした。
でも、新海監督の作風だからこそ、描けたものかもしれませんね。
それに、暗く重いテーマでも、明るく美しい映像と物語が心を癒やしてくれるようでした。
好きだったシーン&場面
何点か、好きだったシーンを挙げます!
まぁ、個人的なイメージですけどね。
まず、陽菜が手のひらを太陽に透かすシーン。
ずっと雨だったのが、太陽が出て、いかにも暑い夏の日差しが眩しそうにしている彼女の表情がなんだかとっても愛おしい!
童謡の通り、「手のひらを太陽に透かしてみれば真っ赤に流れる僕の血潮」が綺麗でした!
それから「お天気ビジネス」も!
Webサイトを作って、てるてる坊主を用意するところから面白い!
でそれ以上に、沢山の人々が色々なお願いや依頼をして、それがどんどん大きな輪になって、祈願が渦になって、ネットで、神社で、会話で、大きくなっていくのが嬉しかったです!
それに、晴れた時の人々が笑顔で「晴れた!」と嬉しそうなのが、また観ていてよかったです!
あと、台詞がとっても好きです!
屋上に登った陽菜の
「ねぇ、今から晴れるよ!」
お天気ビジネス最中の
「街が華やかな服に着替えるよう」
とか。
この部分は、小説版を読むと、もっと素敵な言葉に出会えそうです!
あとは、最初に書いた、ラストシーンに向かう内容です。
映画鑑賞前はどんより曇り空でした。
でも、観終わって映画館から出ると晴れ間!
こんなに嬉しい《演出》ってありますか!!!!
なんだか、普段以上に世界が輝いているように感じて、本当に嬉しかったです!
最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!
> @zakkykikuri ヤマザキ さん
コメントありがとうございます。
返信が遅れてしまった点、そしてスマホからなので上手く文章が書けていない点、お許しください。
『君の名は。』に対するアンチテーゼという点に関しては大いにに共感します。でも私はそれ以上に、前作を越えた前前作『言の葉の庭』以前の〝新海誠〟らしいものに帰ったんだな、と感じました。
究極的には「世界と物語の結末」が、そしてその過程の中にある「恋/愛」の感情の揺らめきが〝新海らしく〟戻ったな、と。
いわゆる「セカイ系」に分類される『ほしのこえ』や『雲のむこう〜』に似た雰囲気を感じました。
また、「東京の描写」に関しても、確かに『君の名は。』とは対照的で、やはり『秒速〜』や『言の葉〜』に寄った印象を抱かせるものだったと思います。
(あまり過去の作品を挙げて比較するのは褒められたことではないのかもしれませんが)
ただ一方で、(仕方ないとはいえ)大衆向けを徹底したであろう点や、最後の結末/決断を観客に肯定させるための段取り、準備や説明に関しては、「これでいいのかな?」とも感じました。
監督自身が「賛否分かれるラスト」と言いつつも、それ以外の選択肢を登場人物にも観客にも与えていないのではないかな、と。
そういう意味では、『君の名は。』を完全に否定するような作品とも違う気がしました。
それでも、現代日本における社会的背景や情勢の全てが作品のバックグラウンドになっているように思えて、強く感動しました! ヤマザキさんがおっしゃるように梅雨の話もそうですし、「社会問題」といわれるものもそうですし。
「京アニ」の痛ましい事件も触れないわけにはいかず、心なら抜けるわけもありません。新海監督が前々から京アニ作品好きだったり、Twitterでコメントを発表していたり。実は、観に行った映画館で京アニのミニ原画展「私たちはいま!」を開催しており、心が揺さぶられました。(あえてブログでは触れませんでしたが。)
初日初見の印象としては
東京をどういう街なのだとして描き出しているのか、
性と恋愛の距離感をどう写し出したか、
二人の行く末と世界の行く末をどう結末させるか
などの点において前作「君の名は。」の徹底的な自己再帰的アンチテーゼとしてこの作品が作り出されているのだなというものでした。
数か月前、僕はシリーズ作品の自己アンチテーゼとして完膚なきまでに失敗した作品をとあるアニメ作品で見ていて、作品の自己アンチテーゼなど到底できないのではないかと固定観念を形成しつつあったところに、
今回のような作品としてしっかり成立して(いて、かつ少なくとも僕個人にたいしては出来として成功して)いる、前作に対する反旗を翻す作品を鑑賞できたことが感慨深いものでした。
また、今年の夏シーズンは偶然にも今も続くほど梅雨が例年に比べてかなり長引いており、そして映画公開一日前にアニメーションスタジオの京都アニメーションが爆破による攻撃を受ける凄惨な事件があって、それを受けてそれでもアニメを見ようと心に決めて最初に鑑賞した作品がこの作品だったので、作品中から感じられた力強い生への讃美歌的なメッセージを受けて理由がよくわからずとも自分の感情が爆発してしまい、終盤から映画の終わりまで終始号泣を禁じ得ませんでした。