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【映画】『スナッチ』───交錯して錯綜する悪者たちの群像劇!

※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。

2017年9月10日

スナッチ

(原題:Snatch)

 

 

【評価:3.0/5.0】

 


【一言】

2つのマクガフィン───「ダイヤ」と「ボクシング」。
何人もの濃い人物がそれぞれの目的で交錯し、錯綜する物語が面白い。
中盤にかけて膨らみ混ざった物語が、最後にまとまる展開がとても綺麗だった!

 


【目次】

 

 


 

 

ストーリー

 強盗が奪ったのは、86カラットの巨大なダイヤモンド。ロンドンで売りさばく予定だったが、ダイヤの噂を聞きつけた奴らが獲物を横取りしようと策を巡らせ始める。

 一方、小いさな裏ボクシングのマネージャーをしていたターキッシュは新しい車を購入するために相棒をジプシーの元へ向かわせるが、交渉は難航し……………..。
 

予告動画

 

 


 

 

作品データメモ

監督:ガイ・リッチー
制作:SKAフィルムズ
キャスト:ジェイソン・ステイサム,ブラット・ピット and more.
上映時間:104分
日本公開:2001年3月10日
配給:SPE

 

 


 

 

感想

 

感想外観

 オススメされて観た映画です。
 「話」,「展開」を楽しむ映画って印象でした。

 一番気に入った部分は、やはり物語の展開と構成。これが上手だと思いました。
 とにかく登場人物が多いのですが、「ダイヤモンド」、もしくは「ボクシング」というたった2つのシンプルな目標がある事で、整頓されていたように感じました。
 中盤にかけてめちゃくちゃに膨らんだ物語が、ラストでキュッと締められる終わり方が綺麗で好きでした!

 全体的な印象で、「タランティーノ映画に似ている」と感じました。
 何人ものキャラクターが一箇所に交錯したり、一人称での語りが混じったり、一方で暴力シーンは過激気味だったり。
 あとは、特に終盤にそんな事を思わせるシーンがありました。

 登場する何人もの人物たち。
 彼らが様々なジャンルの“悪人”なのが映画を渋く格好良く、面白くしていると思いましたね。
 やっぱり「年老いた裏社会ボス」は渋いし、「意気がった若造」は格好いいですし!

 監督はガイ・リッチー。
 カット割とか、シーンの切り替えとか、闘う場面の撮し方がやはり彼らしかったです。
 刺激があるというか、映像に動きが加わるから、見ていてとても面白いし、スタイリッシュです!

 

 

 

 

展開と構成

 本映画で一番面白かったのは、やっぱりこの部分ですかね。というか、自分好みでした。

 個性の強い登場人物が沢山出てきて。
 徐々に、彼らが1つの場所に集まって。
 同じ獲物を狙いながらも、それぞれの思惑が錯綜して。
 いくつもの事件や展開が同時進行的に発生して。

 まさに「群像劇」と呼ぶに相応しいような物語の展開が面白かったです!

 今回は、登場人物が多い上に、「ダイヤモンド」もしくは「ボクシング」という2つの“目標”があるから、余計に物語は混沌を極めます(笑)
 でも、逆に、具体的でハッキリとした目標があるから観ていて混乱する事はないです。
 物語の中心となる《マクガフィン》がある事で、軸がはっきりするんですよね。内容が難しくなってきても、辿るべきものがしっかりとあるって、良いです。

 あとは、終盤の展開の仕方と、終わり方がとても綺麗でした。
 最初は流れを追うのに精一杯でゴチャゴチャです(笑) で、ある程度整理がついてくる中盤。ここで沢山分岐したり繋がったりした物語が系統立ちました。

 そして終盤。ネタバレになるので書きませんが、広がった物語がキュッと締められて、サッと終わりへまとめられていくのが綺麗で良かったです!
 終わり方、好きな種類のエンディングでした!!

 

 

 

 

タランティーノ風?

 先に書いておきますが、自分はタランティーノ監督の映画をそこまで作品数観ていない上で書いています。

 タランティーノ監督の映画ってすごく面倒臭いんですよね(笑) 会話は長いし、無駄なこと多いし、妙に話は複雑になるし。
 でも、バイオレンス描写は手を抜かないし、終盤のまとめ方は天才的に面白いんです。

 今作も似たような雰囲気を感じました。
 悪役が1つの場所に集まったり、無駄な話をしたり。映画の構成的な部分では一人称語りによる説明的な部分が混ざったりと。
 また、暴力シーンはそれなりに過激気味だし、言葉で喋る分には容赦していなかったですし。

 あとは、やっぱり終盤の描き方が似ているように思いました。
 キュッとしてジャーンって感じが(笑)

 

 

 

 

癖ある登場人物

 まずは正直に言いますね。名前を覚えるの無理!! もちろん主役とか重要人物は覚えてますけど、それ以外は特徴とか役者とかで覚えてます(笑)

 主役のジェイソン・ステイサム
 若いですね〜。彼の場合は他の出演作とかでイメージが固まっているので、すんなりと観てました。今作は、大胆さが控えめ?

 プラピ演じる流浪民のミッキー
 彼も若いですね〜(笑) 単純に、格好良かったです。

 ボス的な存在の「死体は豚の餌オジサン」。
 彼は眼鏡が良かったです! 大きくて度が強いから、目が拡大されて狂気さアップの効果がありました。
 「豚の餌」っていう決め台詞とか、すぐに始末したりとか、『The 悪』って感じでした。

 「間抜け黒人強盗トリオ」。
 大好きです(笑) やっぱりこういう笑いを誘うキャラは必要ですよね。もちろん間抜けなんですけど、運が悪かったってのが大きくて可哀想です(笑)

 「拳銃デザート・イーグルさん」。
 まさにプロって感じですよね。
 冷酷そうだけど、仕事に忠実だし、最後の方は可愛かった(?)ですし(笑)

 登場人物の紹介はこんな感じ。

 

 

 

 

ガイ・リッチーの映像

 監督はガイ・リッチー。
 本作は監督の2作目ですが、彼らしい映像が何箇所もあって良かったです。

 直接映さずに監視カメラを通したり、上下左右に回転させたり。ズームイン・ズームアウトを人物の心情に合わせて効果的に使ったり。

 最近の作品に多用されているようなスローモーションはあまりありませんでした。
 映像に動きがあると、観ている方は楽しめるし、スタリッシュです!

 

 

 


 

 

 

以降、映画本編のネタバレあり

 

 


 

 

 

ネタバレあり感想

 普段は前半とか後半とかって物語の展開順にネタバレ感想書いていくのですが、今回はバラバラです。
 それに、あれよあれよと話が展開して、シーン覚える暇もない(笑)
 

 

感想①

 最初、ポンポンと全登場人物がテンポよく紹介されましたが、名前と顔が一致する間もなく終わりました(笑)
 映画を観終わってから見返しましたよ。

 物語の初めてステイサムが語るところから始まりますが、最後に見事に合わせましたね。
 本当に綺麗でした。ということで、ラストの部分から感想書きます。

 「ダイヤの話」と「ボクシング」が急接近して重なり合うシーンは本当に面白かったです!

 車のシーンです。
 牛乳を窓から捨てて。
 それがフロントガラスに掛かって衝突事故を起こしたのはNYマフィアのボス。
 そのスキに逃げ出したボリスが逃げだして。
 そのボリスはすぐに轢かれて………。
 事故で全部の線が合わさるって面白かったです!

 ちょっと飛んで黒人宝石店。
 ダイヤを渡す為に戻ってきたら犬が荒らしてる。
 ここで「拳銃デザート・イーグルさん」が犬を殺すのは残酷だと言うのが可愛かったです(笑)
 結局、犬がダイヤを食べちゃうんですけどね(笑)

 ラスト。
 キャンプ場にてステイサム。
 予想はしましたが、本当に犬が来て、それを持ち帰るとは(笑) お腹から音が出るのがシュール(笑)

 最後に判明するのは、彼らがダイヤを売りに来たのが宝石商。
 本当に、綺麗に締めたなぁ〜と思いました。

 

 

 

 

感想②

 ボクシングについて。
 
 やっぱり一撃必殺のミッキーが格好良かったです。ブラピが演じていたから?(笑)
 しかも、何も考えずにパンチを繰り出していたのかと思ったら、最後の最後で自分が賭け事にカツ用に策を巡らしていたんですから驚きました。

 ダイヤモンドについて。

 なんか、結局ダイヤを持った「フォー・フィンガー」さんはかなり早い段階で舞台から消えましたよね。

 何故か巻き込まれた黒人トリオ。
 本当に面白い! 押し入った賭け屋がもぬけの殻で、閉じ込められるとか。肥満黒人が車か出るのに苦労したりとか。
 レプリカの刻印がされた銃を使うっていう間抜けっぷりが気持ちいいです(笑)

 

 

 


 

 

 

 こんな感じですかね……。
 なんか、ネタバレ感想の方については、本当に物語が錯綜しながら展開していって、気がついたらエンディングだったので、いざ文字にしようとすると、こんな感じになっちゃうんですよね………。

 最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!

 

 


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