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【アニメ・博物館】『杉並アニメーションミュージアム』────今昔アニメの総合博物館!!

2017年8月31日

杉並アニメーションミュージアム

 

【一言】

アニメの総合ミュージアム。
100周年を記念した日本アニメの総歴史!
規模は小さいけど、大きな意義ある展示!
今昔アニメをきちんと合わせてた、どの世代でも楽しめそう!
「偏ってない」という印象!

 


 

 

【目次】

 

 


 

 


【概要】

 アニメを楽しみ、夢を与え、未来につながる杉並アニメーションミュージアム

 杉並アニメーションミュージアムは、世代を超えて、日本のアニメーション全体を体系づけて学び、体験し、理解しながら楽しんでいただく、日本で初めての施設です。「日本のアニメの歴史」から「これからのアニメ」までアニメ全般を総合的に紹介していきます。
 また、アニメの原理が体験できるギミックやアフレコ体験などアニメ制作の過程を直接体験していただける参加型や常に新しいアニメ情報を盛り込んだ「企画展」などさまざまな形でアニメを楽しんでいただける仕掛けにあふれています。

(杉並アニメーションミュージアム公式HPより)

 

 


 

 


【感想】

〈感想概要〉

 17年の8月下旬、「聖地巡礼88箇所」が選定されました。そのリストを眺めていたら、ここ『杉並アニメミュージアム』があったので、早速行った訳です。

 アニメの総合的なミュージアムと言うことで、大きな期待を抱いてはいたものの、運営は運営は日本動画協会とはいえ、杉並市の会館と言うことで過度な期待は抱かずに行きました。
 実際、2フロア分のそこまで大きくないミュージアムでした。

(表示に少々時間がかかる可能性あり)

 ただ、ガッカリしたかというと、そんなわけ無い!
 むしろ「へぇ〜凄いな!」と驚きました。

 日本で制作されたアニメの第一号作から2008年までの放送・公開作品の網羅リストが。壁一面を使っていて、びっしりと作品名が並んでいました。
 また、合せてその年代の特徴や、代表作品をピックアップしてたりと、「博物館」としての情報整理性が高いように感じました。
 (2008年以降は電子端末で検索&閲覧できました)

 それから、セル画アニメの制作工程を解説したブース。作業台のモデルを展示しながら、一つ一つ説明。
 逆に、3D作画のようなデジタル技術を使ったアニメ制作についても解説。

 その他、エヴァの等身大フィギュアとか、漫画家やクリエイターの沢山のサインなど。
 凄いと思ったのは、アニメ関連の雑誌やムック本、設定資料集などが大量に揃っている部分。売ってないような資料から最新アニメまで網羅的に揃っていて驚きました!

 企画展では『僕のヒーローアカデミア』が。
 自分は視聴してないので流しましたが、原画やキャラまとめなど。物販もしていましたね。

 なにより良かったのは、『これからの日本のアニメ』と題されて、日本動画協会によるパネル4枚にも及び現状・期待・未来・展望を語った文書。
 読んでいて、とても幸せな気持ちになりました。

 

 

 

 

 

〈ミュージアム〉

 杉並区立の会館の2階にあるので、いくら運営が日本動画協会だとしても「あまり期待できないなぁ〜」と思いながら行ったのですが………少なくとも、その期待以上でした!

 ちょっと駅から遠いので、少々歩くことになりますけど、行きづらい訳では無かったです。(バスも出ています。)
 この地図は公式サイトからです。2枚目のは、館長の直筆です!(画像をクリックで大きいサイズが見られます)

 最初で触れたので、「聖地巡礼88箇所」についても軽く触れておきます。
 出版社や日本動画協会、旅行会社などが立ち上げた「一般社団法人 アニメツーリズム協会」が全世界からの投票によって選出した、日本におけるアニメ聖地の一覧です。

 こちらから、選出された聖地88箇所のリストを確認することが出来ます。(公式HPはこちら

 それから、2017年は日本初のアニメーションが制作されてから100年を迎える年です。
 それを記念して、「アニメNEXT100」というサイトも公開されています。

 

 

 

 

 

 

〈アニメ時系列リスト〉

 嫌でも目に入るのが、これまで日本で放送されてきたアニメをズラッと時系列順に並べた年表。
 とにかく細かくで、文字でびっしりと埋められていました(笑)
 もちろん、恐らく、多分この展示が一番のメインなんだと思います。

(表示に少々時間かかる可能性あり)

 近づいて見てみてると、一つ一つが作品名なのだということにとても驚きます。
 TV放送作品、アニメーション映画、OVA、最近ではネット配信作品までまとめてありました。

 ……………………“魅入ります”。

 とにかくアニメの作品名が並べられているわけですよ。これ、ワクワクしないわけには行かないじゃないですか!!
 「あ!この作品は○○だ!」とか、
 「これは△△だったなぁ〜」とか、
 「これってこんなに昔の作品!?」とか、
 「へぇ〜、□□と☆☆って同時期だったんだ」とか。

 とにかく、作品に対する想いというか、感想というかが湧き上がってきます。
 しかも、それが数百作品、もしかしたら千作品以上かもしれないわけで、そりゃ楽しいですよ!
 特に、自分が思い入れのある作品の部分については感情的(?)になりましたよ(笑)

 それから、その年代や後世に影響を与えた作品はピックアップして紹介されていました。
 『機動戦士ガンダム』や『AKIRA』、『宮崎駿アニメ』、『攻殻機動隊』や『新世紀エヴァンゲリオン』など。もちろん、挙げた以外にも初期の作品など紹介されていました。

 自分は、そこまで年齢が高いわけではないので、古いアニメなどはあまり詳しくないですが、それでも名前を聞いたことがある程度だった作品たちに、より興味が湧きましたね。

 あ、後は年表としてまとめられている2008年以降の作品は電子端末から検索できました。
 こちらは、放送開始日や劇場公開日など細かい情報まで。

 「あ゛〜〜〜……このデータベースが欲しい!!」
 そんな気持ちになったそこのあなた!
 こちらを紹介します!
 まずは、文化庁による「メディア芸術データベース」。(こちら
 アニメだけでなく、漫画やゲームの作品情報もまとまっています。

 『animedb』というアニメのデータベースです。
ExcelファイルはこちらからDL!
GitHub版です。こちらは最新版です。
 一般の有志の方が作成したアニメリストです。
 最初は1917年からのリストです!

 

 

 

 

 

 

〈セル画アニメ工程解説〉

 セル画アニメーションを制作する工程を解説した展示。セル画アニメだけと言うよりは、「アニメ制作」を全体的に解説した感じです。

 今までは各工程をなんとなく知っていた程度でしたけど、こうやって解説されると、これからアニメのエンディングに載せられる担当部とかを意識して見れそうです。

 まずは『企画作業』
 企画についてはまあ、あらかた想像していた通りですかね。すでにこの時点から、アニメ制作に時間が掛かることが伺えます………。

 そして『制作作業①』
 ここを読んで初めて知ったのは、「作画監督」という仕事は日本独自のものなのですね。よく耳にする言葉なので、意外でしたね。
 あとは、海外委託している事についても驚きました。少なからずしているとは思っていましたが、ほとんど日本国内制作だと思っていたので。

 関係ないですけど、中国のアニメーションスタジオの『絵梦』の作品が最近目立っているなぁ〜とふと思いました。

 最後に『制作作業②』
 アニメになっていく工程ですよね。
 個人的な意見ですけど、日本のアニメってこの部分が本当に綺麗なんじゃないかなぁ〜と思います。もちろん、「キャラがよく動く」っていうのも良さの一つでしょうけど、とにかく背景とか演出・特殊効果が綺麗って印象です。

 

 

 

 

 

〈デジタル技術〉

 「最近のアニメはデジタル制作が多い」というのはなんとなく知っていましたが、ここでの解説でメリットとかを知れたのがとても良かったです。

『液晶タブレット』
 書き直しや整理が紙に比べて簡単なんですね。あと、確かに納得したのが「1670万色を使える」ということ。デジタルだと色の幅が広いし、濃淡も統一出来るから確かに良いですね。
 ただ、よく中古屋などで売っている「セル原画」のようなものは市場に出回らなくなるんですかね。

『3D作画』
 これはCGアニメーションとかで使われるって事ですよね……? 『楽園追放』とか『亜人』とか。
 やはり平面作画に比べるとCG感というか、違和感が生じますけど、映像は滑らかで綺麗だし、迫力もあったかも。
 もう、車とか群衆はCGが多い気がします。

『楽園追放』PV

『亜人』PV

『モーションキャプチャー』
 人がセンサーを付けて動き、キャラに被せる方法。アニメだと『亜人』で使用して成功したって話を聞きました。
 この手法が有名なのって、洋画『猿の惑星(2011~)』とかじゃないですかね。

『猿の惑星 創世記』メイキング

『撮影・エフェクト』
 へぇ〜と驚いたのは「PC処理によって『空気感』や『質感』を表現できる」という部分。
 思い出してみると、この頃のアニメって空中に舞う埃とか、柔らかな日の光とかが凄く心地良いなぁ〜と感じました。雨とか霧とかもこの部類なのかもしれないですね。

 

 そして、こちらの動画はCGアニメーション『STAND BY ME ドラえもん』のメイキング動画です。

 

 

 

 

 

〈その他展示〉

 その他の展示ということで。

 まずは、入って目に入る柱にビッシリと書かれた漫画家やアニメーターの先生たちのサイン。
 お恥ずかしい話、自分はあまり漫画を読まないので原作の先生の名前を知らない事って結構あります。なので、見ても分からなかったり………。

 それからフィギュア。
 「ハクション大魔王」や「ブレイブストーリー」の面々、「エヴァンゲリオン」のキャラ三人など。
 基本的にどれも等身大に作られているらしいです。

 自分はやりませんでしたが、『鉄腕アトム』などに声を吹き込む「声優体験」や、パラパラ漫画を作る「アニメ制作体験」なども実施されていました。

 そして、驚いたのは『資料室』!
 アニメに関する資料がとにかく沢山収集されていて、興奮しました!
 公式サイトに目録一覧があります!(こちら

 DVDはジブリ作品を始めとして、有名映画は大体揃っている印象。TVアニメシリーズも揃っている作品ありました。

 アニメ雑誌は「アニメージュ」や「アニメディア」など代表的な数冊が。もちろん最新号です。

 漫画やライトノベルも作品こそ少ないものの、代表有名作は置いてある印象。

 凄かったのはアニメの「公式ガイドブック」や「ムック本」、「設定資料集」や「絵コンテ集」「画集」などがズラッと揃えられえいたこと。
 自分がこれらの本を大好きなので、興奮しましたね!(この種の本って、アニメの概要とか細かい部分が分かるから面白いんですよ!)

※以下の写真は私の本棚の一部です。
 資料室内は写真撮影禁止だったので、なんとなくのイメージに。

 

 

 

 

 

〈企画展示〉

 企画展示は、階段の踊り場が展示スペースでした。(と言っても、そこまで狭くはない)
 で、今回は『僕のヒーローアカデミア 特別課外授業 in 杉並〜』でした。

 残念ながら、自分はこのアニメを見ていないので、展示についてはサラァ〜っと流す程度で終わりました。

 内容としては、『友情』、『努力』、『勝利』などとジャンル分けをしてキャラクター紹介や、アニメ内容紹介をしたり。

 あとは、アニメ原画の展示や、台詞台本の展示など。

 物販があったり、等身大(?)のパネル展示があったりしましたね。 

 

 

 

 

 

〈これからの日本のアニメ〉

 最後。
 『これからの日本のアニメ』と題して、パネル4枚分に載せられた日本動画協会の言葉です。

 読んでいて、なんだかとても満たされた気持ちになったというか、幸せな気分になりました。

 序文の「“日本のアニメ”と聞いてどんな作品を思い浮かべますか?」という言葉。
 色々と作品を思い浮かべましたよ……………。

 「これまでどんな気持ちで作られてきたか」
 「いかに人々に愛されてきたか」
 「日本アニメだからこその素晴らしさ」
 「いかに人々を楽しませていくのか」
 「日本のアニメのこれから」
 ︙

 もう、感極まって感動しました。

 最後、それぞれのパネル文章を引用して終わりにしたいと思います。
 この文章は、一般社団法人 日本動画協会によるものです。

 ※引用文ですが、一部区切り線や改行段数などを筆者が改変しています。

 

はじめに───────
 “日本のアニメ”と聞いてどんな作品を思い浮かべますか?
国産初のTVアニメ「鉄腕アトム」が放送されてから半世紀以上。
その間、たくさんのアニメ作品が作られてきました。

 生まれた年代、見ることの出来た作品にもよりますが、日本のほとんどの子どもたちや大人がアニメと共に育ってきましたから、思い浮かぶ作品もみんな違うのではないでしょうか?

 そして今、日本のアニメーションが世界中で受け入れられています。その理由はなんでしょうか? 半世紀以上もの長い間、アニメが文化として育まれてきまのはなぜでしょうか? その魅力と、未来に向けての展望を紹介します。

日本のアニメの多様性───────
 日本のアニメは非常に多様です。これは日本独特の多様なマンガ文化がベースになっていることが大きな理由と考えられます。世界でも、少年、少女、青年向けなどとマンガがジャンル分けされているのは日本しかありません。そして、それを読む青年や大人に向けて様々なアニメが作られたり、それらのマンガ自体がアニメ化されています。世界的には「アニメは子どものもの」として作られますが、海外で日本のアニメが好まれるのは、マンガ文化で培った大人も魅了するストーリーの深さがあるのでしょう。

 また、マンガ元にした絵柄、特にキャラクターも多様です。キャラクターデザインは作品世界を豊かにするために大きくデフォルメされています。目の大きさ、等身、髪の色、などなど。作品によって全くといって同じものはありません。しかも、一つの作品の中にキャラクターのバリエーションが豊富にあるというのも世界でも類をみない、日本アニメだけの特徴です。

 日本のアニメはリミテッドアニメという手法で作られています。実写映画の3分の1という少ないコマ(絵)で、いきいきと描写しています。テレビアニメがはじまった当初はコストダウンのために使われており、省力化したコマの数でも表現できるこの手法のおかけで多くのアニメが作られるようになりました。そして多くの作品を手がけるうちに、表現、演出で自然な動きにみえる様に技巧が重ねられ、非常に自然な動きのアニメとして見られるようになったのです。

 CG(コンピューターグラフィックス)の使い方についても日本は特別です。海外のアニメと違って、動きのため、正確さのためだけにCGが使われるのではありません。迫力がでるようにわざとデフォルメさせたり、手描きアニメ風に修正したりします。

 日本のアニメは視聴者が見たいものを見せる、そのためにあらゆる努力がはらわれてるのです。マンガと共に、キャラ、省力化での表現方法、CGの使い方など、日本のアニメは独自の制作の工夫によって半世紀に渡って視聴者が興味を持つコンテンツ、そして文化として成長してきました。ここから生まれる多様さこそ、日本のアニメが世界でも有数の作品数を生み出し、社会現象となるブームを数多く巻き起こした一因だと考えます。

日本のアニメは長生き?───────
 キャラクターに関連して、日本のアニメの特徴として、何十年も番組放映が続く、長寿アニメというものがあります。

 「サザエさん」「ドラえもん」「それいけ!アンパンマン」。数十年に渡って放映が続くと同時に、人気も落ちていません。これは、日本のアニメ制作者が作品を大事に育て、飽きられてしまわないように新展開を入れるなど作品性の向上に対する配慮や努力を欠かさないからです。だからこそ、世代を超えて、多くの家族が同じアニメを見て育ち、話題を共有する。そんな事も可能になるのです。

アニメキャラクターの活躍───────
 アニメはご存知の通り、テレビだけでなく映画館やDVDでも観られます。そして商品としては子供のオモチャから現在は大人も楽しめるフィギュア、プラモデル、遊技機やオンラインゲームまで活躍の場がすごく広がりました。

 人気アニメキャラクターの活躍はこれら商品だけにとどまりません。CMや広告に起用されたり、キャンペーンのモデルになったり、その人気を活かした多様なビジネスになっています。昨今ではアニメが地域活性化にも、一役かっています。ファンがアニメの舞台となった場所へ訪れることが増えており、“聖地巡礼”と呼ばれるそれらは新しいアニメの楽しみ方として定着しつつあります。自治体や商店街、旅行会社などを巻き込んで、ツアーやスタンプラリー、アニメ声優をゲストに迎えたイベントなども行われています。作品を通じて、まだ知らない土地の風景や風習、そこにある日本の文化を知る。アニメが町おこしの中心となり、観光大使の役割も果たしています。

テクノロジーとアニメ───────
 日本のTVアニメは、デジタル技術を世界に先駆けて導入してきました。CGアニメでなくても、みなさんが見ているアニメはコンピューターの力を借りて制作されているのです。日本は世界でも最高の画質、つまり画素数の多いデジタル放送やBlu-rayでアニメを見て楽しむ環境があります。

 日本のアニメのファンは、アニメが高度に描かれれば描かれるほど、もっと細部を見たい、動きが美しいことにこだわる、という鑑賞の仕方を身につけてきたのです。しかし、日本のアニメの絵は人の手で描くことが基本で、画面が緻密になればなるほど、描く人の負担も増え、作成されるデータ容量も大きくなるため、制作費もかってしまうのです。

 近未来のテクノロジーの進化はアニメにどんな影響を与えていくでしょう。アニメのクリエイターたちが、そんな近未来に向かってどのように表現領域を広げていくのか? どんな新しいアニメが観られるのか? テクノロジーの進歩と新しいアニメ表現を見比べてみるのも、21世紀アニメの楽しみ方だと思います。

 

デジタル時代のアニメ視聴スタイル───────
 これまでアニメはテレビや映画館で楽しむものでした。しかし現在ではパソコンやスマートフォン、タブレット等、IT機器でもインターネットを通じてアニメが配信されています。テレビを観ながらTwitterなどのソーシャルネットワークサービスを通じて感想を交換して楽しんだり、時間と場所の関係のないインターネット配信でアニメを楽しんだり、と視聴スタイルも大きく変わってきました。小さな画面でも、近い将来には身につけるメガネのような機械で、あらゆる時あらゆる場所でアニメが楽しめるようになるでしょう。テレビは30分、映画は2時間以内で観るもの、という時間の制限も変わってくるかもしれません。もっと短い時間でも、もっと長い時間でも。未来のアニメは、IT機器がどのように生活を変えるかに応じて、時間も質もそしてアニメとの接し方も変わってくるでしょう。

日本のアニメのこれから───────
 俳句や浮世絵、そしてマンガなどは、あえて詳細に記さないことで、解釈する人が身近に感じられたり、ときに壮大にも考えられる、そんな「余白を残した」表現手法です。日本には、このように想像力を刺激する表現を受け止められる文化がありますが、日本のアニメにも同じようなことが言えます。

 日本のアニメは、限られた時間と予算の中で独自の技法を生み出し、技術を積み重ねてきました。その中で、強調や省略された絵、謎や含みを持たせたキャラクター、現実にはありえないのにリアリティを感じる設定なの数多く作れるようになりました。そしてこれらの表現が伝わるのは、作り手の力だけではなけ、観ているみなさんが想像力で「余白」を補っているからなのです。そしてその観る力で、日本のアニメはもっと多様に楽しむことができます。

 物語だけでなく、キャラクターのビジュアルや性格、メカの派手なアクション、緻密で美麗な背景画、キャラクターに命を吹き込む声優の演技、作品を彩る主題歌や音楽を作るアーティストなど、アニメには楽しむ要素がたくさんあります。それらを観るみなさんが発見し、楽しめるかどうかがこれからの日本のアニメを左右します。みなさんが発見する楽しみ方が増えれば増えるほど、日本のアニメは期待に応えてもっともつと豊かに面白くなっていくのです。

2015年 一般社団法人 日本動画協会

 

 

 


 

  

 こうして、全体を俯瞰するような形で、今までのアニメを振り返ると、「時代の流れ」とか、「制作者の努力」とか、「観る人それぞれの想い」とか……….色々なものが込められているんだと、改めて思いました。 

 最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!


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