こんにちは!
お元気ですか?
アニメ映画『バブル』の試写会が当たったので、見てきました!
といっても、試写会は4月7日です。明日4月28日からNetflixで先行配信があり、5月13日に劇場公開となるので、公開前にと急いで簡単な感想記事をアップしました!!
2022年4月7日鑑賞 @試写会
劇場アニメ『バブル』
3.0 / 5.0
- 驚異的な最高のスタッフ陣が作ったアニメ映像表現の最高峰!
- 荒廃した東京の街をパルクールで駆けるアクションがヤバい!
- 劇伴が最高に格好いい上に、物語とのシンクロ率が高くて驚き。OPもEDも良かった!
- アニメ作品としての表現とかは最高だったけど、物語が薄めで最終的な着地点が意外性がなくてう~ん……
世界に降り注いだ泡〈バブル〉で、重力が壊れた東京。ライフラインが断たれた東京は若者たちの遊び場となり、パルクールのチームバトルの戦場となっていた。ある日、危険なプレイスタイルで注目を集めていたエースのヒビキは無軌道なプレイで重力が歪む海へ落下してしまった。そこに突如現れた、不思議な力を持つ少女ウタがヒビキの命を救った。そして、2人にだけ特別な音が聞こえた…。
Filmarks
映画『バブル』本予告
脚本:虚淵玄、大樹連司、佐藤直子
制作:WIT STUDIO
音楽:澤野弘之
主題歌:Eve「Bubble」
キャスト:志尊淳、りりあ。、梶裕貴、宮野真守 and more.
上映時間:100分
日本公開:2022年5月13日(配信:4月28日)
配給:ワーナー・ブラザース映画
めちゃくちゃ期待大の劇場アニメ!
この『バブル』は発表されたときから期待しかなかったです! だって、制作スタッフ陣がヒットメーカー&大好きな作品を作ってきた方々ばかりなので、そんな面子が集まった作品には期待しかないじゃないですか!!
- 監督:荒木哲郎
(進撃の巨人、ギルティクラウン、甲鉄城のカバネリ) - 脚本:虚淵玄
(魔法少女まどか☆マギカ、Fate/Zero、PSYCHO-PASS) - アニメ制作:WIT STUDIO
(進撃の巨人、甲鉄城のカバネリ、ヴィンランド・サガ) - 音楽:澤野弘之
(進撃の巨人、ギルティクラウン、プロメア) - 主題歌:Eve「Bubble」
(呪術廻戦OP、どろろED、ジョゼと虎と魚たち主題歌) - プロデューサー:川村元気
(君の名は。、天気の子、未来のミライ)
『進撃の巨人』を映像化した荒木哲郎とWIT STUDIOが描くパルクールは期待大だし、最高に格好いい澤野弘之の劇伴は絶対に似合うし、ここに虚淵玄の脚本が加わったらどうなるのか………予想だにできない作品が出来上がるのだろうと、めちゃくちゃ楽しみにしていました。
Netflixで配信があるとはいえ、これは劇場で見たかった。なので試写会の話を目にしたら即応募。そして運良く当選したので、一足お先に見てきました!!!
今回の試写会は、完成披露試写会。
作品完成後、オープンに公開するのは日本初のはず。素晴らしいですね!! 上映前に、監督やキャストが登壇する舞台挨拶も付いていて、本当にラッキーでした……!!!
アニメで描くパルクール最高すぎる!!
本作の主役はパルクールといってもいいくらい!
とにかく、めちゃくちゃパルクールしてました。
舞台は、異常現象よって重力場が不安定になり荒廃した東京。主人公たちは、崩れたビルや建物の残骸を使ってパルクールのレースをするという設定。スタート地点からゴールまで相手と競争しながら、最短距離で進もうと落下ぎりぎりを攻めて街を駆け抜けます。
ビルの屋上からスタートして、隣のビルに飛び移って配管を飛び越えて、ビルの壁面を滑り降りてジャンプ。重力が弱まって宙に浮く瓦礫を足場に進んで、飛んで跳ねて一回転して前へと進んでいく光景は圧巻! 鉄骨の隙間をくぐり抜けたり、東京タワーを登っていったり。
東京の街を大胆に活かしてアクションを繰り広げるのがカッコ良すぎです!!
このパルクールをアニメで描いているからスゴい!
キャラの身体の動かし方とかひねり具合とか、実写ではなくアニメで描いているって凄すぎる。身体をぐるぐる回したり、ペアでサポートしながら動きをリンクさせたり、めちゃくちゃ格好いい!
で、で、カメラワークが超ヤバい!
ビルの隙間や鉄骨を抜くような映像とか、360度ぐるっとキャラを動かす映像とか、とにかく引き込まれるというか疾走感と迫力とパルクールの凄さが何倍にも増して伝わってくるようで最高でした…!!!
このアニメーション映像は、小さい画面で見るのはもったいない。劇場の大画面だからこそ、躍動感が満ち溢れていたので、劇場アニメの良さを十二分に活かして発揮しているなと!!
映像と音楽が融合する素晴らしき劇伴!
このアニメ映画のスゴいポイントが、音楽!!
なんかもう、劇伴とアニメ本編がシンクロしてて鳥肌もの……。
いつも格好いい澤野弘之さんの劇伴。
それはもちろん本作も健在! ただ『進撃の巨人』や『プロメア』のようにボーカル入りのイケイケな音楽というよりは、もう少し落ち着いた静かな感じでした。
パルクールというアクションをがっつり演じるアニメではあるものの、戦闘とかガジェットを活用するとかじゃないからか、そんな落ち着いた曲もまた似合っていて良きかな……。
驚いたのが、劇伴とアニメ本編のバランス。
これまでの澤野作品って、アニメ本編に負けないくらい音楽が主張することが多かった気がします。『キルラキル』しかり『アルドノア・ゼロ』しかり。ただ本作『バブル』は全くの別物。
なんというか、アニメの内容に音楽の方から寄り添っていっているというか。ネタバレになるので詳しくは避けるものの、キーになる音楽が決まっていて、それがアニメの本筋に関わるトリガーになっているというか。すごくシームレスにつながるんですよね。めちゃくちゃ良かったです。
あとは、これも毎回書いている気がしますけど、Eveさんの主題歌がとても良い! 聞けば聞くほど格好いいと思えてくるとても良い曲! 本編ではけっこうガッツリとオープニングで使われてたので印象も深いです。
物語に意外性もカタルシスも無くて、物足りない感が否めない……
本作は重力が壊れた東京が舞台。
この設定からしてもう面白そうなので期待大だったのですが、いざ見てみるとストーリーの物足りなさが否めない内容だったと思いました。でも、その理由は結構分かりやすいのかな、と。
映画を見て思ったのは「物語が深くない」ということ。
100分だとストーリーの深掘りも難しいとは思いつつも、もっと重厚感のある物語を味わいたかったというのが正直なところ。特に荒木哲郎×虚淵玄というビッグネームが並んでいるのでなおさらです。
その背景には、パルクール偏重があると思います。
パルクールのシーンはめちゃくちゃ格好良くて尺もしっかり取ってあって楽しめました。でも一方で、アクションシーンに時間を割いた分、物語の掘り下げが至らなかったのかな?というのは感じました。
関連して、キャラの掘り下げもイマイチに感じました。
主人公たちの関係性や成長の様子を描く要素が少なくて、なんか「運命」の一言で片付けられてしまうような感じで……。主人公2人がゆっくり歩み寄ったり、お互いの考えを伝えたりと、そういったコミュニケーションの時間をもっと取ってほしかったと思います。
キャラはバックグラウンドも含めて魅力的なのに、映画の中では人形っぽかったな~って……。
そして最も残念に感じたのは「意外性」の無さです。
虚淵玄さんの作品で何が魅力的かって、物語の決着部分に意外な展開を用意したり、それまで作り上げた物語のカタルシスにあると思います。この『バブル』ではそういう部分がほぼ皆無でした。フツーに物語が進んでいって、最後も「まぁそうなるやろな」という感じでエンド。う~ん…。
一番気になったのは、物語の構成が微妙だったのではという点。作品の核になる最も重要な部分を冒頭から明かしてしまっているので、終盤の驚きが無くなってしまい勿体なかったです。
確かに、冒頭でのインパクトはありました。ただ、そのインパクトを上回る衝撃が用意されているだろうと期待していた分、最後までそのインパクトを上塗りするものがなくてガッカリ度が大きかったのだと思います。
個人的な憶測ですが、川村元気さんの影響かな…と。
どうも私は川村元気さんと愛称が悪いようで。
『君の名は。』をヒットに導くなど川村元気さんは稀代のヒットメーカーです。ただ、万人受けするものや話題になるものにするために、物語を分かりやすくしたりとか、クリエイター本来の力を抑制するような企画になってしまうのではないかと心配しています。まぁ真相は分かりませんけどね。
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以降、映画本編のネタバレあり
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童話がモチーフの物語 “結末の逆転”はネタバレになる?
本作のモチーフは童話「人魚姫』です。
人間に憧れた人魚姫が、泡になってしまう切ないお話。
そんな物語を入れ替えて、泡が人間になるというトリッキーな内容はかなり好みでした! 泡が人間になる設定、それに伴って東京がまるで海の中になるように泡が浮かんで重力が弱まる世界観、「歌」がカギになる物語、などなど今回の作品の下地はめちゃくちゃ素晴らしくて素敵で天才的ですよね!!! 大好きです。
ただ、そのネタバレを最初からするのはどうかな、と。
本編開始前のアバンで、泡がウタの姿になってヒビキを救うシーンが断片的に描かれました。インパクト狙いなのかもですが、ここまで正体を見せずとも良かったのでは。本編でも同じシーンが描かれるのは前半で、結局は観客の誰もがウタの正体を知っているので、その後の展開も驚きがないというか。
例えば、ウタの正体は隠しつつも「手が泡になる」「タワーから聞こえる歌と同じ」といった要素を小出しにしていって、最後に「実は泡でした」「過去に合ってます」と明かすのでも良かったのではないかと思ってしまいます。
あとは「渦」がテーマでしたが、良くわからなかった……。
最初は大きな風呂敷を広げたなぁと楽しみにしていたものの、最後までその渦が生きてくることはほぼなかったですし、回収されていたとは思えないので、不要だったのではと感じてしまいます。
ということで映画『バブル』の感想でした!
アニメーションの表現やパルクールの映像はめちゃくちゃ格好良かったので、一見の価値ありです。映像に加えて劇伴もスゴいので、これは映画館向きの作品だなぁと思いました。
とはいえNetflixでも配信ありです。ぜひぜひ一度は見ていただけると良いと思います!!
最近はTVアニメもなかなか見れず、見れても録り溜めたエピソードをイッキ見する消化になりがち。なのでこうして映画館で、アニメ制作の粋を集めた作品を堪能できてとても良かったです!!
これからもアニメライフを楽しみたいですし、こうした『バブル』のような挑戦的な作品も期待してお待ちしております!!!
今回はこんなところで。
ではでは!!