※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。
2019年2月1日鑑賞
メリーポピンズ リターンズ
原題:Mary Poppins Returns
【評価:3.2/5.0】
【一言】
とてもハッピー色!
身体が軽くなるようなミュージカル!
ファンタジックな演出と、 とびきり綺麗なダンスが最高!
魅力溢れるポピンズの美しさが綺麗!
……夢が消えた物語の方は“逆”に残念。
【Twitter140文字感想】
【 #メリーポピンズリターンズ 】
大恐慌下のロンドン。
街に満ちる、曇天と不況の暗い空気。舞い降りたのは、メリー・ポピンズ!
彼女の輝く魔法と音楽でハッピー色に!チャーミングな笑顔と凛々しい気品を纏う彼女が魅力的!
夢と魔法を忘却、愛と絆は「金」へ。
物語は完璧に輝きを失ってた。 pic.twitter.com/CYp9jJPRTU— ArA-1 (@1_ARA_1) 2019年2月2日
感想
感想外観
老若問わず、女性が多かった印象。
前作の『メリー・ポピンズ』自体は友達にお勧めされて観たままに、魅了された作品でした!
舞台は大恐慌という暗い時代。
でも、メリー・ポピンズが連れてくる「ハッピー色」がとても鮮やかで印象的でした!
彼女の笑顔はとてもチャーミングだし、彼女の魔法は夢と見紛うほど綺麗!
ミュージカルに相応しい、“桜色”の作品でした!
主役はメリー・ポピンズ!
バンクス家へと帰ってきた彼女!
エミリー・ブラント演じるポピンズは、気品と輝きに溢れてて、凛とした顔と瞳が格好良くて、流れ出るオーラがキラキラ!
………う〜んでも、個人的にはジュリー・アンドリュースが演じた前作の方が好き。(どっちも魅力的だけど!)
魔法のような映像に裏打ちされたミュージカルは一級品! 観て&聴いていれば、自然と身体が軽くなるよう!
踊る舞台は何処も劇的!
霧煙るロンドンや、ファンタジックな世界。
鮮やかな色とりどりの衣装も素敵!
ダンスももちろん完璧!
バレエのような優雅さと、殺陣のような切れ味が抜群で最高!
「メリー・ポピンズ リターンズ」♪Can you imagine that?
《続編》としての物語は良く出来てました!
設定とかキャラとかを上手く使っていて文句なし!
でも、一言で言えば……「“逆”に残念」で「なんか面倒くさくなった」感じがします。
“映画味”が増加。
複雑になったし、登場人物も増えたし。もっと単純に、ポピンズの魔法を楽しめるような物語だとよかったです。
本作、子供たちが大活躍!
魔法を享受する側ではなく、自分たち自らで行動をしていく姿は「小さな大人」。………でも、嬉しいような、寂しいような。
本作ではその他の登場人物も!
懐かしの“彼ら彼女ら”に加え、新しく登場するキャラクターもやっぱり、魅力的!
不況を照らす魔法
映画の時代設定は大恐慌の英国。
ただでさえ、不況の波で誰もが暗い顔。
それに、工場からの排ガスと曇天が余計にドンヨリした空気をロンドンの街に落とします。
でも、それを吹き飛ばすのがメリー・ポピンズ!
本当に、魅力的な女性です!
ポピンズの笑顔は太陽のように眩しくて、一緒にいる人の心をたちまち軽くするようなチャーミングな素敵さに惚れ惚れします!
彼女の魔法は色鮮やかで、明るくて温かくて、画面が一気に華やかに!
重たい空気だったスクリーンに、たちまち花が咲いていくような溌剌としたエネルギーがあるし、それに見合うだけだけのカラフルさが凄いです!
夢と見紛うほど素敵な魔法。
“ハッピー”を連れてくる彼女の素晴らしさと言ったらもう、何にも形容し難い楽しさが!!
音楽に乗って歌い踊り、彼女なりの哲学を蒔きながら、魔法でそっと先導していく感じ、とっても良い!
不況な時だからこそ、ミュージカルの効果もまた何倍にも膨れ上がっているよう!
E.ブラントのメリー・ポピンズ
もちろん、一番の主役はメリー・ポピンズ。
今回、バンクス家へと帰ってきます!
あの、空から降りてくる感じっていうのはなかなか独特で、まさにトレードマークですよね!
“It’s Wonderful to See You” Clip | Mary Poppins Returns
今回ポピンズを演じるのはエミリー・ブラント。
前作とは違う印象でしたが、とても良かったです!
E.ブラント版は溢れ出るオーラの輝きが圧倒的だと感じました!
全体的に、気品と自信に満ちた凛々しさが彼女を取り巻いているように思えるし、凛とした立ち振る舞い、輝かしい髪の毛、厳しい視線、そして慈愛を浮かべる微笑み………etc.。
キャラクターとしての何もかもが完璧でした!
………う〜んでも、個人的にはジュリー・アンドリュースが演じた前作の方が好き。
J.アンドリュースの方が柔らかい印象で、優しい雰囲気を湛えていて、個人的には“しっくり”きました。
一方で、E.ブラントの方は「前作」よりも「原作」のポピンズをイメージしながら演技したそうなので、本来の姿の1つでもあるのでしょうね!
ちょっと、今回のポピンズ!
おかっぱショート(?)な髪型をする彼女。
めっちゃ可愛かった!!!
魔法のようなミュージカル
いやぁ、もう、本当に。
ミュージカル、凄かった!
まさに、「全編が絵画的」とも言えるほどに美しい映像と、作り込まれた舞台が素晴らしい!
A Cover Is Not the Book (From “Mary Poppins Returns”)
ミュージカル!
音楽とダンスのコンビネーションが完璧!
街のガス燈を守る点灯人のダンスやパフォーマンスが圧巻でしたが、それは本作でも! まさに職人技的なキレッキレな踊りが凄い!
それでなくとも、アニメーションやCG使ったキャラクターとの掛け合いや、登場人物たちそれぞれの歌と踊りが凄い!
でも逆に、使い過ぎというか、もっとシンプルでも良かったと思わなくもないような。
“Trip A Little Light Fantastic” Clip | Mary Poppins Returns
『メリー・ポピンズ』の歌ってシンプルだから好きです!
まさに、ワンセンテンス・ワンメッセージ!
1つ大切なモノがあって、歌の中身ってそれを形容する内容だったり、例え話とか、比喩とかだから、聴いていて楽しいです!
登場人物同士のやり取りというよりは、メッセージを投影するような感じなところが、好きです!
「メリー・ポピンズ リターンズ」♪幸せのありか(吹替)
聴いているだけでワクワクしてきて、映像も加わって観ていると楽しくなってくる、そんなミュージックシーンが最高でした!
前作のJ.アンドリュースは『サウンド・オブ・ミュージック』の主役でもありますが、やっぱり歌は彼女の方がうまい気がしました。
絵画的な映画の映像!
そして、映像は安定の凄さ!
ファンタジックな世界観が大好き!
ミュージカルを支えるのも映像!
前作ではイラストの中に入りましたが、本作でも水の中に潜ったり、絵の中に入ったりと見せ場がたくさん!
その舞台設定と映像の造りが本当に凄い! 今はCGで何でも作れますが、何というか、温かさが残っていたというか。
細かいところも凄いですよね。
例えば「洋服」。
絵の中に入り込んだポピンズ達の服が、リボンとかレースとかの部分が絵のような二次元感で構成されているようなところが、本当に細かくて好きです。
映画『メリー・ポピンズ リターンズ』実写とアニメーションの融合シーン
舞台のロンドンをとことん活かしているのもGOOD!
霧が立ち込める街や、入り組んだ路地を映画的に組み込んでいったり、ビッグベンやセントポール大聖堂のように名所を威風堂々と描き出すし!
ロンドンは有名な小説や映画の舞台ですから、一度は行ってみたいですよね〜!!!
《続編》たる物語は良いけど残念。
《続編》としては良かったです!
正直、「過去の名作の続編/リブート」ってなかなか失敗が多いので心配していましたが……その点は全く問題なし!!
物語は残念。
前作の方が好きでした。
「なんか面倒くさくなった」。
映画の物語自体が、“現代の映画”みたいに沢山詰め込んで、複雑に編み込むような展開になっていたのが、“逆に”残念でした。
前作のように、純粋な起承転結をなぞるように展開させて、ポピンズの魔法や楽しさを全面に押し出すようなものにすればよかったと思います。
物語がシンプルな方が、魔法が目立つと思います。
さらに言えば、「夢」も消えました。
時代は世界恐慌真っ只中の不況時代。
前作では「2ペンス」というお金を巡って子供たちと父親との“親子愛”が描かれましたが、本作ではそれもなく。
借金を背負うバンクス家の様子は見るに耐えないし、怒鳴り散らす姿はあまりに悲惨。 『メリー・ポピンズ』の世界観もまた、お金第一の資本主義へ飲み込まれたのですね。
子供活躍&キャラは魅力的!
本作は子供が活躍!
でも、それを「良」とするか「悪」とするかは微妙なところ。
今回の子供たち3人──ジョン、アナベル、ジョージはまさに「小さな大人」。自分たちの意思で行動するし、父親を助けようと拙い知恵と力を振り絞って頑張ります。
その姿は応援に値するもの。
でも、「魔法に喜ぶ子供」じゃないのは少し寂しいし、家の懐事情をそこまで考えるというのは、ファンタジー映画としたはアウトな気もしました。
そして、魅力的な登場人物たち!
何よりも嬉しいのは、懐かしのキャラクターたち!
メリー・ポピンズはもちろんのこと、ジャックの陽気さや、隣の「提督」さんとか、懐かしい顔に出逢える嬉しさったら最高!
あと、ミュージカルシーンでも、前作に登場したようなペンギン達を始め、見た事あるような顔も。
こういう嬉しさは、やっぱり「続編」の良さですよね!
“Mr. Dawes Jr.” Clip | Mary Poppins Returns
一方で、新しいキャラクター。
これは少し、「う〜ん」な気も。
まず第一に、前作と同じくらいの“キャラ性”を持たせようとしたのか濃く描かれた結果、逆に目立ちすぎていたような。(主にトプシーね!)
第二に、「そのキャラ設定で良いのか?」ってキャラもいたり。果たして、この作品に必要なのかなぁ〜と思ったり。
以降、映画本編のネタバレあり
映画の感想
※ネタバレあり
ネタバレあり感想
一番最初に思ったのは…..「あの魔法の言葉がない!!」でした。
メリー・ポピンズと言えばの、あの言葉。
《Supercalifragilisticexpialidocious》
この呪文がいつ出てくるのか、ワクワクして待っていたのですが……まさかの登場せず! メロディ使った音楽はあったものの、100%登場すると思っていたので、結構ガッカリしたし、拍子抜けしたりもしました……。
「続編」としての性質はとてもよく残している映画の構成でよかったです!
始まり方とかもう、完璧です!
予告動画
ファンタジー&ミュージカル!①
ファンタジックな世界観で繰り広げられるミュージカル調のパートは最高です!
まずは最初。
「バスタブから飛び込む海」のシーン!
嫌がる子供たちを横目に、どんどん準備を進めるポピンズ。浴槽を泡で満たして、鞄のなかから次々に引っ張り出すアイテムに、子供たちの目も真ん丸に(笑)
そして、ポピンズの「さぁ、はじまりよ!」の台詞で魔法の冒険の始まり!
海の中で泳いで遊んだかと思えば、海上でバスタブに揺られたり。
終わり方も、 バスタブの栓を抜くという演出がとっても良かったです!
Mary Poppins Returns | Special Look
そして、ロイヤルドルトンの陶器での冒険!
割ってしまった後からの展開が本当に良かった! 御者が「困っている」とポピンズが良い、まさか絵の中の馬車が壊れているとは。
花に巻かれて入り込んだ陶器の中の世界。
背景に陶器の着色独特のヒビが入っていたり、歩く音がカーンと高い音だったり、身に着ける衣装がまさしく”絵”のようだったりと細かい部分が凄かったです!
“Royal Doulton Bowl” Clip | Mary Poppins Returns
陶器の中の冒険は続く!
このまま、「ロイヤルドルトン・ミュージックホール」へ!
動物たちに囲まれた音楽会!
ジャックが舞台で挨拶して、特別ゲストとしてポピンズを紹介し、彼女が照れながら、謙遜しながらも堂々と舞台に上がっていく様子がとっても印象的で好きでした!
そして、いざ歌唱!
ショートにしたポピンズが可愛すぎてメロメロに(笑)
ペンギンとの掛け合いや、ジャックとのデュエットも最高でした!!
大道具を駆使したり、例えばなしのような内容の曲だったりと、本当に良質なミュージックを見ているようでした!
このあと、器を出るじゃないですか。
夢かと思いきや─────器の絵にスカーフが残っているって演出がたまらなく好きです!
“A Cover Is Not The Book” Clip | Mary Poppins Returns
ファンタジー&ミュージカル!!②
ところが、オオカミ達のせいで器にはヒビが。
修理のために訪ねたのが、ポピンズの従妹「トプシー」。
正直、彼女のキャラ設定が濃すぎて世界観に馴染んでいないと思いましたが、ミュージカルはやっぱりいいですね!
【見方を変える】
このテーマで歌ううちに、トプシーの気持ちの変わっていくというのは、分かりやすいくらい素直だけど、それがいいなぁ~と!
そしてやって来ました、街頭点灯人たちのダンス!
めっちゃ好きなんですよ!
あの「影」を上手く使った映像とか、キレッキレに息の合ったダンスとか、「男らしさ」があふれた力強さが本当に好きです!
Trip a Little Light Fantastic (From “Mary Poppins Returns”)
……う~んでも、選べと言われたら前作の屋根で踊る彼らのほうが好きかな~。
ラストは、風船!
果たしてあそこまで一般人に魔法をさらしていいのか微妙ですが、登場したみんなが風船を手に空へ浮かんでいくシーンは良かったです!
最後に残った風船が赤色で、それをメリー・ポピンズに差し出すというのがめっちゃいい!!
“Nowhere To Go But Up” Clip | Mary Poppins Returns
懐かしの設定とキャラクター達
最初から。
テーマ曲的な音楽での幕開けは、それだけで嬉しいもの!
個人的には、雲の上で化粧直しするメリー・ポピンズとかのシーンを挿入すべきだと思いはしましたがね。
それに、「傘で空から降りてきて」欲しかった!
呼ばれるように凧で降りてきたのもいいけど、やっぱりイメージを大切に「傘」を使って欲しかった!
新しい点灯人のジャックもその陽気さと気前の良さが最高だし、隣の提督はさらにお年を召しても現役で時報を撃っているし、ケイティ・ナナ働いているし、終盤には銀行のドース会長が登場するし!
こういうところを楽しめるのが嬉しいです!
最近のディズニー映画の続編って、『スターウォーズ』とかが顕著ですが過剰なファンサービスが多くて心配していましたが、サラッと物語に登場していて嬉しかったです!
気にかかる部分が多かった物語
まず一番に残念だったのは、「マイケルが魔法の日々を忘れた」こと。
絶対に忘れて欲しくない思い出だし、たとえ記憶が薄れたとしても、「父との思い出でもある凧」を捨てるなんて行為は、たとえ物語であっても描いてほしくなかったです。
「夢」を忘れたマイケルの姿は、見たくなかったですね……。
そして、「勧善懲悪」の物語になっていたこと。
悪者が登場して、それを善人が倒すかのような構成ってヒーロー映画とかなら良いですが、果たして『メリー・ポピンズ』の物語に必要なのかな?と。
百歩譲って利益主義の銀行悪党を許したとしましょう。前作でも会長がバンクス氏をクビにしていましたし。
でも、そんな会長でも最後には笑いながら死ぬという、ハッピー(?)な退場をしていて、大団円のような物語に収まっていました。
しかし、本作は徹底的に悪役で、何というか、胸糞悪かったです。
それに「金」が絡んでくるのも嫌ですね。
前作では小さな「2ペンス」だったからこそ親子の絆を繋ぐアイテムとして作用するのに素晴らしい役割を果たしていましたが、今回は「証券」。
必死になって金を工面しようと焦るマイケルの姿は見るに堪えなかったし、それを息子たちに怒鳴るとか論外。しかも、証券が見つかったら手のひら返しでジョージを褒めるし。
前作では「親子の愛と時間」を守ろうとメリー・ポピンズが見守っていたわけですが、今回は極論言えば「金を取り戻して(家を守る)」という部分がメインに。
思い出の「2ペンス」もその跡形も無いように登場するし、これって結局「投資成功したから銀行に預けて成功」って結論に繋がりかねないような。
前作でマイケルとジェーンは「父の為に」と2ペンスと差し出して、その価値は計り知れないものであったと思うのに、本作では「ただの元金」になっていたのが泣けてきました。
ちょっと心配していたのが、『プーと大人になった僕』と被らないかどうかという部分。
若干かぶっていたような気もしましたが、別々のストーリーと展開、そしてメッセージ性で区別できていたと思います。
とてもよくできた作品だったと思いますよ!
最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!