こんにちは。
お元気ですか?
新型コロナウイルスの感染拡大防止の影響で、なかなか外出が難しくなっている今日この頃。でも、お家の中で出来る”楽しいこと”も沢山あるので、嬉しい限りです。
そんな中、私はゲーム『planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜』をプレイしました。とても素晴らしい作品だったので、感想を書いていきます!
数時間でサクッと終わるキネティックノベル(PCゲーム)なので、ぜひオススメです!
【Twitter140文字感想】
『planetarian〜ちいさなほしのゆめ〜』
keyのゲームをプレイしました!小説に近いキネティックノベル。
荒廃した世界でも、主人公とロボットの少女とが織りなす“普通の会話”が読んでてとても心温まる!美しい物語とイラスト。
BGMの「星めぐりの歌」。
プラネタリウムの場面に感動しました! pic.twitter.com/3XRaVAZcmp— ArA-1 (@1_ARA_1) April 11, 2020
【目次】
作品の紹介
2004年に発売されたkeyブランドのゲーム。
戦争によって荒廃した近未来の都市を舞台に、廃品回収業者の主人公が出会ったロボットの少女との物語です。
降り止まない雨──
30年前、突然の細菌攻撃により放棄された
『封印都市』
今はただ、自律型の戦闘機械が支配する
無人の廃墟
そこに彼はたどりついた
疲れ果て、身を潜めたビルの中に
その場所はあった
プラネタリウム
昔、満天の星々を眺め
人々が心を癒やした空間
そこで彼を一人の少女が迎える
少女の名は「ゆめみ」
30年の間、訪れる人を待っていた
プラネタリウム解説員
彼女は、壊れかけのロボットだった──
「ゆめみ」に乞われるまま
今は動かない投影機を動かすために
彼は時を忘れて修理を続ける
降り続く雨
静かに流れていく「ゆめみ」と彼の日々
遠い郷愁のような毎日が彼の心を揺り動かす
人工の星空に、彼は何を想うのか?
そして「ゆめみ」の運命は──?
公式サイト
ゲーム公式PV
製作:VisualArt’s / Key
シナリオ:涼元悠一
原画/デザイン:駒都えーじ
音楽:戸越まごめ
発売日:2004年
ジャンル:キネティックノベル
レーティング:全年齢対象
キャスト:すずきけいこ, 小野大輔 and more.
日本公開:2019年3月15日
公式サイト:こちら/p>
こんな方へおすすめ!
公式サイトに「こんな方へおすすめ!」が掲載されていました。
実際に私もプレイしてみて、確かにここに書かれている通りのオススメです!
・読書や映画観賞が趣味で、ゲームはあまりしたことがない。
・SFやファンタジーの世界観が好き。
・感動系アドベンチャーゲームをもっと手軽に楽しみたい。
・心に染みるような物語を体験したい。
キネティックノベル公式HP
体験版のダウンロード
体験版のダウンロードはこちらから。
無料でプレイできます!
私も体験版をプレイしましたが、作品の雰囲気と面白さを知るにはとても良いので、オススメです!
プレイした感想
『planetarian~ちいさなほしのゆめ~』をプレイしました。
「プラネタリアン」と読みます。とても素晴らしい作品で、ゲームをプレイ出来て本当に良かったと心の底から思います! 色々な人にオススメしたい!
確かに感動します。そこも推し。
でもそれ以上に、「音楽」と「操作感」が良かった!
物語の舞台は、未来の日本。
世界大戦によって荒廃し、人類は急減。化学兵器によって天候が狂い、雨が降り続いている世界。敵の攻撃を避けるために築かれた壁が街を覆う「封印都市」が舞台。
廃品回収業「屑屋」を営む主人公が、ガラクタ探しのために封印都市を訪れます。そこで、古いデパートの屋上にあるプラネタリウムで解説員を務めるロボット「ゆめみ」と出会うお話です。
この作品は2016年のWEB配信当時にアニメを見ていました。
そして、ゲームの体験版だけプレイしていました。
その時の感想に、こう書いてありました。
この作品はアニメを見ていたので、その物語の感動性は知っていました。でも、文章で読むと一言一言が頭の中に入ってきて、フルバージョンをプレイしたら本当に感動しそうだと思いました。
これが2017年の7月。
なので、全編プレイはなんと3年越しという!!!
PC版とスマホ版が販売されています。
私はスマホ版。「割引クーポンの使用期限が迫っていたから」という実に不純な動機ですが、こういうキッカケがないと手を出さないので。(400円なら普通に買えって話ですよね)
物語について
とても良い物語でした!
本当に、感動的です。
私はもちろん物語でも感動しますけど、アニメや映画などで台詞や音楽、映像の演出などその場の雰囲気で泣くことの方が多いと思います(多分)。
でも、この『planetarian』は「物語に感動させられた」という気持ちが大きいです。思えばありふれた内容かもしれないけど、とても純粋で小さくて綺麗でした。
ただ、あまり「感動」を連発すると、安っぽく感じるし、後でプレイする人の感動を削いでしまうので、あまり深堀りはしないように気をつけます。
解説員ロボット「ゆめみ」が、主人公にプラネタリウムを見せます。そのプラネタリウムの投影シーンが本当に綺麗で大好きです!
スマホの小さな画面の中ですが、目の前にプラネタリウムの一部が映し出されたようで、とても綺麗で素敵な体験でした。
もともと、私が「綺麗な星空を描いた作品が好き」という性格もあり(乙女か!!)、真っ暗な画面に映し出される星空の様子と、それにまつわる神話の解説がとても心地よくて好きでした。
「プラネタリウム」という題材は人工的なのに、とても綺麗で、本当に不思議なものです。
あと、会話の内容がとても良かったです。
前述の通り、物語の舞台は荒廃した封印都市。
当然、人っ子一人いない中で、屑屋の主人公とロボットのゆめみが出会い、警戒をしつつも、少しずつ打ち解けていく様子がとても良い!
こんな状況下でも、まるで何事もなかったかのように「普通のやり取り」をしているところにグッときました。
それに、少しだけ”ポンコツ”な性格のゆめみが、もう可愛いのなんの! プラネタリウム大好きで、人と触れ合うのが大好きな、とてもポジティブな彼女が最高に大好きです!!!!
ほんの少しSF色がついています。
そのバランスがまた良かったなぁと。
主に「ロボット」に関連する内容です。
もちろん、SFが苦手でも、ロボットに関する知識がなくても十二分に楽しめる作品だし、面白いし、物語にも没入できると思います! そこは安心して大丈夫です。
でも、SFの知識があると、ほんの少しだけ物語を深く味わえるというか、説明されていない部分まで読めるようになるのが嬉しいとろ。
主人公が「ロボットの少女」なので、彼女の感情?というか心の中を理解するに当たって、SF知識がいい方向に働いたのが嬉しかったです!
シナリオを手掛けられた涼元悠一さんが、インタビューで、
【Q.本作のテーマは?】
ロボットをテーマにした作品の多くは、『機械が人間の心を持って…』という感じで展開しますが、人間が人間であるから哀しいのと同様に、ロボットはロボットであるから哀しい…そんなところを表せたらと思っています。
キネティックノベル公式HP
とおっしゃられていました。これが、とても私の心に響きました! ゲームの内容的にもそうですが、そもそも「SF」とか「科学」とかを考える上でとても大切だなって思いました。
音楽について
音楽がとても良いんです。
わざわざ、節を1つ立てるほどに。
これはプレイして良かったです。
アニメ版の時も「良い!」と思いましたが、ゲーム版はその比ではない程に音楽が素晴らしかったです!
宮沢賢治の「星めぐりの歌」。
それが、メインBGMで使われている曲です。
宮沢賢治の短編童話『双子の星』に登場する歌。
私自身がこの曲が、歌詞もメロディも大好きということもありますが、とても綺麗で本当にいい曲ですよ!!
「星めぐりの歌」/ 坂本美雨 with CANTUS
坂本美雨さんの曲が本編に使用されているわけではないですが、公式MVだし、坂本龍一さんの娘さんということで。
歌詞はこんな形。
あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の つばさ
あおいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。オリオンは高く うたい
つゆとしもとを おとす、
アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。大ぐまのあしを きたに
五つのばした ところ。
小熊のひたいの うえは
そらのめぐりの めあて。
宮沢賢治『双子の星』(青空文庫)
本当に、とても良い!
ちなみに、この「星めぐりの歌」が登場する『双子の星』は青空文庫(こちら)で無料で読めます!
短編なのですぐに読めちゃいますよ。(縦書きverはこちら)
この「星めぐりの歌」がBGM。
とてもいい曲を選んだと思います。
作品にばっちり合っているし、優しい雰囲気も素晴らしいし、「星」というテーマにもピッタリだと思います! 静かな曲調でとても最高でした!
「音楽鑑賞」というオマケ?で、BGMを聴くことができるのがとっても嬉しかったです!!
ゲームについて
私はノベルゲームって苦手です。(”嫌い”じゃなくて”苦手”)
小説とかと違って、スピードで縛られるし、選択肢を選ばせるタイプが多い。
基本的に私は「完成した物語を自分のペースで楽しむ」ことが好きなので、こういうゲームは苦手です。(横スクロール強制型のゲームも)
でも、この『planetarian』という作品は、その辺があまり気になりませんでした。
ちなみに、ノベルゲームの感想とか好き嫌いについては、こちらの記事で書いています。
『planetarian』の特徴。
「キネティックノベル」というジャンル。
これは、開発元のビジュアルアーツが制作するゲーム形態で、
一般的なアドベンチャーゲームに見られるストーリー上の選択肢を極力排しており、ゲームよりもむしろ対話式要素を盛り込んだ小説に近い。
Wikipedia
というものです。
そして、それを作品紹介ページで「こんな方へおすすめ!」という部分で
・読書や映画観賞が趣味で、ゲームはあまりしたことがない。
・感動系アドベンチャーゲームをもっと手軽に楽しみたい。
キネティックノベル公式HP
と説明されています。
つまり、キネティックノベルはまさに私のような(読書や映画が趣味)人向けのゲームな訳ですね!!!
とはいえ、やっぱり”速度”は難しいです。
今回の『planetarian』は、スマホ版ではフルボイスに近い形で、主人公の台詞に声優さんが声を当てています(今はPC版もなのかな?)。それはとても嬉しいこと。
ただ、どうしても私が目で文章を追うスピードと、台詞の速度が違うので難しいです。台詞を言っている途中でスキップするか、待つのかはシーン毎に悩む感じ。
「画面の下に表示される文章」は、映画の字幕で読み慣れていますのでね(笑)
色々と表示設定や送り速度設定はできるけど、それも限度があるし、そこを早くするのは勿体ないし…..とワガママな私です。
これは、完全に私の問題なので、諦めるしかないんでしょうね……。
それから「短さ」も丁度良かったかもです。
平均プレイ時間が「約5時間」だそうで、私もゆっくり進めてそのくらいでした。寝る前に1時間くらいやって、4日で終わりました。このくらいの長さが丁度いいですね。
プレイしていて疲れないし、集中力も途切れないですし。それに、ノベルゲームが苦手な私にとっては、優しいプレイ時間です(笑)
ネタバレあり感想
本当に、とても良かったです!
物語に感動したし、演出も素晴らしかったし、最高のゲームでした!
ネタバレありで、少しだけ感想を書きます。
念のため最初に断っておきますが、私は先にアニメを見てからこちらのゲームの方をプレイしました。
まずは、プラネタリウムのシーン。
とても良かったです!
今までの”騒がしいゆめみ”が、ガラリと雰囲気を変えて解説員の声色で語り始めます。日が西の空に沈み、一番星が昇ってきます。
そして、イエナさんの電力不足による停止と、ゆめみの声だけで行う解説。記念上映は「宇宙の歩み」を振り返る感動的なものでした。
屑屋の「お前の声だけでいい」という台詞にグッと胸を打たれました。
そして、特別上映の内容が、またとても綺麗で感動的。太古の昔から星空を眺めてきた人類が、戦争や社会問題を経た先にある「宇宙の時代」を、美しい地球の映像とともに映し出すプログラム。素晴らしかったです!
ゆめみの会話も好き。
限られた型にハマった機械らしい構文を多用しながらも、ところどころで、まるで「心がある」かのように錯覚する台詞を発する場面にドキッとしました。
「天国をふたつに分けないでください」
彼女の台詞の中でも特に印象深いものです。
ロボットが天国や神様のことを考えたり、祈ったりすることもなんだか不思議な話で。けど、彼女の姿を見ているとそれが自然で違和感が無いんです。
彼女の普段の会話も大好き。
「普通の会話」がとても愛おしいです!
屑屋が「黙れ」と言っても数秒しか静かにならなかったり、次々に新しい話題を振ってきたり。また、どんなことでも「実は私は~が好きなんです!」とポジティブに受け止めるところも大好きです!
そして、屑屋との会話。
最後のデパートからの遠出。
どちらも、アニメでは描かれていない会話がたくさん積み重ねられていて、デパートからの遠出でも色々なコトを話していて、2人の距離が近づいていく過程がとても丁寧に描かれていて印象的でした。
だからこそ、ラストの、彼女が被弾してからの会話がとても重たく、しかし大切なものに感じられました。
小説とアニメ
ゲーム『planetarian~ちいさなほしのゆめ~』は、スピンオフの小説と、本編のアニメ化がされています。どちらも、とても良い作品でした!
小説『planetarian』
ノベル版は、PC版の特典として付けられた短編4作が文庫として刊行されたものです。内容は、ゲーム本編のノベライズではなく、スピンオフ的な短編です。
ゲームがとても良かったので、購入してしまいました!
短編4作。
・雪圏球(スノーグローブ)
・エルサレム
・星の人
・チルシスとアマント
どの物語も、とても良かったです。
副題に「星空、言葉、神様、ロボット 四つの主題による小作品集」とつけられていました。
とても良い物語4編でした!
ゲーム本編を軸にした物語は、大きな流れと時間の中でそれぞれがゆっくり繋がっていて、素晴らしかったです。
中でも『星の人』は格段に大切な物語でした!
ただ、私個人的には、やっぱりゲーム本編の物語の方が好きだな、と。作品の世界観の大きな部分とか、ロボットの位置づけとか、SFらしい設定を活かした物語とか、そういう部分はとても魅力的でした。
それに、単純に「SF小説」として読むのにうってつけのとても良い物語でした!
ちなみに、私は2020年の3月末に購入しました。書店に在庫が無く、出版取次から取り寄せてもらいました。でも、奥付を見ると2016年発行の「初版第2刷」。
よっぽど発行部数が少ないのでしょうか。……でも2020年までに初版第2刷で止まっているわけもないでしょうし、取次の在庫がコレだったのでしょうね。
アニメ『planetarian』
アニメは何作品か製作されています。
まず、ゲーム本編をそのまま映像化した『ちいさなほしのゆめ』。そして小説の一編『星の人』が劇場公開されました。さらに、2019年に『雪園球』のアニメ化プロジェクトが発表されました。
WEb配信『~ちいさなほしのゆめ~』
物語はゲーム本編と同じです。
アニメの尺的な観点と、そもそも最初のゲームがDL販売されたという経緯から、アニメはWEB配信の形式がとられました。
やっぱり、アニメは凄いです。
音がついて、キャラに声が付いて。何より、キャラクターが動いて、表情豊かに笑ったりして、とても良かったです。
とにかくプラネタリウムのシーンが凄かったです! もう感動。これは、アニメじゃないと出来ない表現だなぁ~と鳥肌が立ちました。
配信・劇場アニメ「planetarian」予告編
監督:津田尚克
脚本:ヤスカワショウゴ
制作:david production
音楽:折戸伸治
キャスト:すずきけいこ, 小野大輔 and more.
主題歌:佐咲紗花「Twinkle Starlight」
配信:全5話(2017年)
公式サイト
※公式サイトは絶対に音楽をONにして閲覧しましょう!!!<
こちらのニコニコで第1話が無料視聴できます!
ぜひ、ご覧ください!
劇場アニメ『~星の人~』
『ちいさなほしのゆめ』が全5話配信終了後、劇場公開された『星の人』は、題名にある通り小説の1編をアニメ化したものです。
『ちいさな~』の総集編を挿みつつ、小説の内容を映像化されたもの。私がこの映画を観たのは、原作ゲームも小説も読む前でした。なので、初めて触れた物語になったわけですが、もう感動的!
物語も台詞も、とても良いです。
特に、赤髪のレビが終盤で放った言葉にやられました。子供っていいなぁって。
『劇場版 planetarian 星の人』予告編
監督:津田尚克
制作:david production
主題歌:Lia「星の舟」
上映時間:117分
劇場公開:2017年
公式サイト
OVA『planetarian~雪圏球~』
2019年11月29日に15周年を迎える『planetarian』を記念して、アニメ化プロジェクトが始動し、クラウドファンディングが開始されました。
2020年1月24日に終了し、目標金額の259%となる77,986,867円が集まりました。OVA制作に加えて、キネティックノベル版も製作されることになりました!
小説の方のお話も素晴らしかったので、とても楽しみです!!
祝・15周年「planetarian雪圏球(スノーグローブ)OVA化プロジェクト」PV
おわりに
『planetarian』の感想でした。
何度も言いますが、とても綺麗な物語。
サクッとプレイ出来たし、ノベルゲームが苦手でも簡単に進めることができるゲームで、とてもお気に入りになりました!
事態が状況なだけに、お外に遊びに行けませんけど、お家の中で出来ることもありますね。こうして星空を堪能するのもとても良いことです。
良い時間を過ごすことができたお休みでした。