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【映画】『きっと、星のせいじゃない。』───残された時間を精一杯に

思い病を抱えるティーンの2人が、残された時間を精一杯「愛」を生き抜いていく様子が、本当に儚くて強くて美しかった。誰よりも「死」に向き合ってるから、「生」への強い気持ちと、それが入った言葉・台詞が詩的で綺麗だし、また残酷に思えた。決して暗くならず、自分達の今の状況下で一生懸命に、正しいと思う事をする姿に感動した。
※ネタバレなし。

※画像は予告映像のキャプチャです。

2018年1月25日

きっと、星のせいじゃない。
(原題:The Fault in Our Stars)

 

 

 

【評価:3.0/5.0】

 


【一言】

 思い病を抱えるティーンの2人が、残された時間を精一杯「愛」を生き抜いていく様子が、本当に儚くて強くて美しかった。

 誰よりも「死」に向き合ってるから、「生」への強い気持ちと、それが入った言葉・台詞が詩的で綺麗だし、また残酷に思えた。

 決して暗くならず、自分達の今の状況下で一生懸命に、正しいと思う事をする姿に感動した。


【目次】

 

 


 

 

ストーリー

 甲状腺ガンを患ったヘイゼルは親や医者の勧めから嫌々ながらもサポート・グループに通うことにする。そこで彼女は、骨肉腫で片足を切断したオーガスタスに出会う。

 すぐに距離を縮めていく2人。
 そんな中、彼女は自分が1番大好きな小説を彼に紹介する。するとオーガスタスは作者に会いに行こうと提案する。

予告動画

 

 


 

 

作品データメモ

監督:ジョシュ・ブーン
制作:テンプルヒル・エンターテインメント
原作:ジョン・グリーン『さよならを待つふたりのために』
キャスト:シャイリーン・ウッドリー, アンセル・エルゴート and more.
上映時間:126分
日本公開:2015年2月20日
配給:20世紀フォックス
公式サイト

 

 


 

 

感想

感想外観

 ともに重たい病気を抱えた2人が出会い、距離を縮めて、眠るように恋に落ちる。
 お互いの境遇を共有し、その辛さを知っているから、残された短い時間を「一生懸命」に、そして「精一杯」に過ごせたんだと感じました。

 決して暗い様子を見せずに、自分たちの事だけを真剣に、ワガママに考えて行動する姿は、観ていてとても力が入りました。

 また、2人がメールで、電話で、会話で交わす内容はそのどれもが真剣だし、一つ一つに愛情や心がこもっている印象を受けました。

 病という状況で、苦しみを味わい、死を身近に感じているからこそ、「生」への思いや考え方が強いと感じました。
 一言一句が響いてくるし、心に残りました。

 「励まし合う」とか「傷を舐め合う」とかではなく、寄り添って、お互いに想いやって、『今一番したい事をする』という2人の行動が本当に良かったです。
 悲観的になるのではなく、残された時間を大切にする様子を見ていると、心から感動しました。

 

 

 

 

 

残された時間を

 本作の主人公、ヒロインは両者とも重たい病気を抱えていて、命に関わるような、爆弾を抱えている。
 そんな状況で2人が出会い、少しずつ距離を縮めていって、眠るような・燃えるような恋をする。

 先が長くないことを分かっているから、2人が過ごす時間は本人たちにとってとても意味のある、充実した意味の深いものになったと思います。

 たくさん言葉を交わして、会って話して、一緒に出掛けて。
 残された短い時間の中で精一杯の人生を送っているように感じて、それが本当に印象的で感動しました。

 

 

 

 

 

自分のことを

 私個人のイメージ・考えとして、重病にかかったら家族や周囲の人たちに遠慮して、迷惑をかけないようにしてしまうと想います。

 でも、主人公たちは決してそんな事はなく。
 自分の事を真剣に考えて、やりたい事をハッキリ言って、ワガママな程に自分の事をやろうとしているように感じました。

 この踏ん切りというか、思い切りというか、勇気というか。
 自分がしたい事を口に出して、実行していく主人公たちがや舞に負けず、本当に力強いと感じました。

 

 

 

 

言葉に想いを

 本作は言葉の役割と、込められた意味・気持ちがとても濃いと感じました。

 まず、病という壁の中で残された時間が短い恋人同士が、電話やメール・会話で交わす言葉に込められた「気持ち」が普通の人・映画以上に深いと思いました。

 精一杯の恋をしているけれど、時間的な制約があるから、伝えたい事を沢山伝えたいのか。
 単純に、純粋に「伝えたい」という気持ちが溢れ出したのか。

 もう一つは、言葉の意味そのものが濃いと感じた点。まだ10代の学生でありながら、とても強い言葉を発しているように感じました。

 病気という状況で、「死」を身近に感じ、苦しみを味わって、自分の状態や将来をなんとなく察しているから、「生」の意味がとても濃いと感じました。

 彼ら彼女らの頭・心の中にある想いや考えがそのまま言葉として流れ出してきているようで、映画の字幕を観ていると、一言一句が頭の中に入ってきました。

 

 

 

 

 

大切な今を

 残された命が短いと予感している中で、2人はお互いに慰めあったり、傷を舐め合ったりと困難を支えるような言動はあまり取りません。

 その代わりに、自分の病状や辛いこと、したい事など色々なことを話し、聞いて共有していました。

 自分も、相手も辛いことか分かっているから、こうした距離感というか、互いの求めいてる事が自然と出来るのかなぁ〜と。

 そして、悲観的になるのことなく、むしろ明るく楽しいくらいに。
 残された時間を手に、「今、自分が一番したいことをする」という考えの基に行動しているような気がして、とても好きでした。

 

 

 


 

 

 

以降、映画本編のネタバレあり

 

 

 

 


 

 

 

ネタバレあらすじ&感想

 

序盤

 悲しい話の語り方は人それぞれ。
 甲状腺ガンになったヘイゼルは、うつ病と診断される。しかし、それは「ガンの副作用」ではなく、「死ぬことの副作用」。

 薬を飲み、慰謝に通って過ごす日々。何よりも嫌なのはサポーグループに行くこと。
 大人は、十代には仲間・友達が必要ながら作れといい、嫌々ながらも彼女は通う。

 そんな中、彼女はグループに通う骨肉腫のオーガスタスに気を惹かれる。彼は「忘却が怖い」と言い、ヘイゼルは「忘却は必然」と言う。

 2人は他愛のない話を語らい、映画を観に行くことに。彼の家に向かう車内で彼女は自身のガン経験を語る。
 そして、彼の部屋で口にしたのは『大いなる痛み』という彼女が大好きな本。

 

 

 

 

 

前半

 その日以来、ヘイゼルは変化を見せる。
 今で同じ本ばかり読んでいたのに、オーガスタスから紹介された本を読むようになり。そして、彼からの連絡を気にしてしまう日々に。

 一方で、彼の方も『大いなる痛み』を読んねでみた。
 そして、その最後にショックを受ける。唐突に文章が終わり、結末が分からないから。世界中の誰もが気になり、ヘイゼルは手紙を書いたけど返事はなし。
 作者はアムステルダムにいるらしい。

 結末がどうしても気になるオーガスタスは作者の秘書にメールを送り、作者ピーター・ヴァン・ホーテンに連絡を取る。
 そして、なんと返事が来た!

 寝る前に電話をする2人。
 会話を切る直後、「OK」を重ねる。「“OK”が僕達にとっての“ずっと”」だ。

 図々しくも作者ピーター・ヴァン・ホーテンにメールを出した彼女。するとなんと、返事が帰ってきた!
 そして、メールではなく、アムステルダムに立ち寄った際に直接会おうと書いてあった。

 オーガスタスは彼女をピクニックに誘う。
 そこで彼が話したのは、患者の願い事を1つだけ叶えてくれるチャリティー財団を使ってアムステルダムに行くということ。

 1ヶ月後、2人でアムステルダムに行くとこが決まった。

 

 

 

 

中盤

 ところがその後、ヘイゼルの様態が急変。肺に水が溜まって呼吸困難に。
 医者はアムステルダムへ行くことに厳しい反対を申す。

 なかなかオーガスタスと連絡も取りずらく、少し距離が離れてしまったかも。それでも、電話で話し出す彼女は、自身が胸に抱いている気持ちを語りだす。
 「何もかも嫌だ。」
 「あなたの事が好き」
 「私は爆弾で、いつ爆発して周りを傷つけるかわからない」

 ピーター氏の秘書からアムステルダムに来ることに関してのメールが届いた。
 中止になったはずだと母親に尋ねると、諸々のことを解決して行けることになったと返事が!
 そして、アムステルダムへと飛び立つ。

 アムステルダムに到着。
 レストランでのディナー。着飾ったお互いに見惚れる2人。
 素敵なレストランの中で料理に舌鼓を打ち、お喋りを交わす。

 そしてオーガスタスは「君を愛している」と。
 「愛なんて虚ろなものでいつか忘れるけど、君を愛している」と。

 翌日、いよいよ『大いなる痛み』の作者ピーター・ヴァン・ホーテン氏に会いに行く。
 ……………実際に会ったホーテン氏は想像と少し違って。お酒に浸り、ファンから遠ざかるような人。
 病人を金食い虫の副産物呼ばわりするような人。

 2人は腹を立て、帰ってしまう。
 秘書の案内で「アンネの家」を訪れる。何段も続く階段や梯子を、ヘイゼルは登る。重い呼吸器を餅、爆弾を抱えた肺にを使って登る。

 屋根裏、最上階に達した。そこで2人は熱いキスをし、周りからも祝福を受ける。  眠るような恋をして、そこから少しずつ、一気に恋に落ちた。

 翌朝。
 オーガスタスはヘイゼルを連れ出して散歩に行く。ベンチに腰を下ろして彼が語ったのは、自身の体中に骨肉腫が転移していたということ。

 

 

 

 

 

後半

 アメリカに帰国。
 オーガスタスは自身の葬式の弔辞を頼む。

 ある晩、彼から電話が掛かってきた。
 「ガソリンスタンドにいる。何か変なんだ、助けてくれ」と。
 タバコを買いに来た彼は、感染症にかかっていた。駆けつけたヘイゼルに対し、救急車や親に電話しないようにと頼む。
 誰にも頼らず、一人で解決したかった彼は、自身のことがとことん嫌いになる。

 彼は化学療法を止め、車椅子の姿になって戻ってきた。
 ヘイゼルは忘却を恐れる彼に言う。
 「そんなに記憶に残りたい? 私にとって大切じゃ駄目なの?」

 母親に対して辛く当たってしまってヘイゼルに、母親は話す。
 「あなたが死んでも、私はあなたの母親よ。それが最高の幸せのだもの。あなたを失う事は地獄の苦しみだと思う。でも人は乗り越えて生きていける」

 そして社会福祉士の資格を勉強中だと告げる。自分の経験を活かして、他の家族の力になりたい。
 ヘイゼルは、「それって最高に嬉しい」と喜ぶ。

 オーガスタスはヘイゼルとアイザックを呼び出す。頼んでいた弔辞を持ってこさせ、彼は自身が聞ける生前葬儀を3人で行う事に。

 ヘイゼルの弔辞。

 どうも、ヘイゼル・グレース・ランカスターです。
 オーガスタスは悲恋の相手でした。

 わたし達は素晴らしい恋をしました。語りだしたとたん号泣してしまうでしょう。私達の恋物語は私達と共に死ぬ運命にあります。私が彼に弔辞を頼みたかった。他にいないので。

 与えられた以上のものを私は手に入れたい。もちろん、カガスにもっと生きていてほしい。でもね、大好きなガス、私はすごく感謝しているよ。小さな無限に。

 あなたは、“永遠”をくれた。限られた日々の中に。
 すごく愛している。

 

 

 

 

 

終盤

 そして、オーガスタスはICUで死んだ。
 彼女は泣き。
 何もかもに耐えられなくなって、1秒ごとに増していった。

 子供の頃、1から10で痛みを表わせと医者に言われた。ヘイゼルは「9」を示した。
 すると、看護婦は「強かったね、10の痛みを9としたんだから」と言われた。
 でも、本当は、10のイタミヲ残しておきたかったから。

 オーガスタスの葬式。
 彼女は用意してた弔辞ではなく、その場で適当に言葉を述べた。
 葬式は死者のためのものではなく、生者の為にあるものだから。

 葬式に、ピーター氏が出席していた。彼はヘイゼルに自身の娘の事、そして本の結末を話そうとするが、彼女はそれを固く拒んだ。
 彼が渡した手紙も丸めて投げ捨てる。

 でも、それはオーガスタスが書いたものだの知らされた。
 彼は、ヘイゼルの弔辞の下書きをピーター氏に送って添削を頼んでいた。そしてピーター氏はそれをそのまま彼女に渡したのだった。

 弔辞の最後は「OK? ヘイゼル・グレース?」で締められていた。
 彼女は、手紙を胸に抱き、「OK」と呟く。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 最後まで読んでくださり、
 本当にありがとうございました!!

 


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