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【映画】『マイティ・ソー バトルロイヤル』───MARVELの名を冠した駄作。

※ネタバレなし。

※画像は予告映像のキャプチャです。

2017年11月21日

マイティ・ソー バトルロイヤル
(原題:Thor: Ragnarok)

 

 

 

【評価:2.5/5.0】

 


【一言】

この映画の存在意義を問いたい。
果たして、必要な映画だっただろうか。

内容は面白かったし、音楽も、映像も良かった。
でも、それ以上の“何か価値”があったでしょうか?


【目次】

 

 


 

 

ストーリー

 神の国アスガルドを治める最高神オーディンの息子、雷神ソーとロキはアスガルドに「死」をもたらす死の女神ヘラの存在を知らされる。

 アスガルドの民を守るため、ソーは女神ヘラに対抗すべく寄せ集めのチームを結成して対抗するのだった。

予告動画

 

 


 

 

作品データメモ

監督: タイカ・ワイティティ
制作:マーベルスタジオ
原作:スタン・リー
主題歌:Led Zeppelin『Immigrant Song』
キャスト: C.ヘムズワース,T.ヒドルストン and more.
上映時間:130分
日本公開:2017年11月3日
配給: ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公式サイト

 

ラグナロク講座


ムジョルニア解説動画(英語)

 

 

 


 

 

感想

感想外観

 MARVEL映画共通世界観「MCU」に組する今作『マイティ・ソー バトルロイヤル』。シリーズ物だから観に行ったものの、単体作品なら観にいか無くていい内容かなぁ〜と。

 映画を観ながら思ったのは、「果たしてこの映画は必要か?」という事でした。
 娯楽作品としてはそれなりの完成度ですが、それ以上の内容が無かったように感じました。MARVELシリーズとしての濃さが少なかった印象です。

 また、物語の必要性を考えると、映画の半分くらいはMCU全体で考えたときに「必要ないんじゃね?」と思わせる内容。もちろん、ソー映画として考えた時にも必要性を感じませんでした。

 ただし、今作の根底にある大きな流れとしてのストーリーはとても良かったです。北欧神話で終末を意味する「ラグナロク」がテーマで、その部分に関しては良い評価をしたいと思います。

 音楽が良かったですね〜。
 最近のアメコミ映画やアクション映画の流行何ですかね? ノリノリの陽気な音楽をBGMにして、見応えある映像を見せてくれました!
 あとは、ソー独特の“ノリ”も満載で笑いながら観られました!

 また、キャラクターも良かったです。従来通りのキャラ、新登場のキャラ両方共が良かったです。
 神話や宇宙なので、地球人とは違う雰囲気や外見なのが良かったのかも。もちろん、考え方とか行動も良かったです。
 そして、彼女が格好いい!!!!!

 

 

 

 

今作の存在意義はいかに!?

 MARVELシリーズだから観に行きましたが、観る前から期待はしていませんでした。しかし、予想通りとはいえ、この出来具合は残念に思いました。

 映画ってなにかしら中心となるメッセージがあったり、筋の通った物語があったりすると思うんですよ。例えそれがコメディでも、幼児向け娯楽映画だったとしても。
 でも、今作にはそれがほとんど無いんですよ。

 「この映画は果たして何を目的に作られたのか?」と考えたときに、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』への安価で薄い布石としか考えられないです。

 もちろん、それなら正当な目的になり得ると思うのですが、それすら弱いというか、薄いというか。

 ただ何も考えずに観ている分には面白かったですよ。ソーの陽気なノリとか、壮大な世界観とか。
 でも、せめて物語に統一感とストーリー性をもたせた上で、なにかしらのメッセージ(?)が欲しかったです。

 要するに、なんのための映画なのか全く分からなかったと言う事です。
 下手したら、上映前の『ブラックパンサー』の予告の方がワクワクしたかも(言い過ぎか……)
(参考)ブラック・パンサー予告

 

 

 

 

 

物語の必要性は!?

 物語の必要性を考えると、「これは要らないだろ、何がしたいんだよ」と思ってしまう部分が。しかも、それが映画の5割程度を占めているから勿体ないです。

 そりゃ、観ているだけなら楽しいですよ。でも、お金を払って観るべき物語かと問われると、否定するでしょうね。
 あえてわざわざ描くべき物語なのかなぁ〜と思いました。これをこれまでのMARVELクオリティと比べると、ちょっと残念です。

 映画としてはとても迫力あるし、笑いどころが詰まった部分でしたが、物語的には要らないなと。
 ただし、問題なのは描き方なのかもしれません。もっと主軸のストーリーに絡めた展開とか構成であればここまで非難しなかったかもしれません。

 せめて、せめてアノ部分の物語に意味を持たせて挿入していれば、良かったのですがね〜。

 

 

 

 

主軸の物語は良き!!

 今作の根底を成す物語、つまり北欧神話での「終末の日」を意味するラグナロクのお話はとても良かったです。

 天上の王国アスガルドに訪れた、死の女神ヘラとの戦い。このテーマとそこまでの過程、それからラストが良かったです。

 ただ、上に書いたように不必要な部分を描いて時間を割いてしまっているので、このラグナロクについて描かれるのが少なくて残念でした。

 でも、戦った戦士たちはみんな格好良かったですし、忠誠と大義を胸に刻んだ戦いっぷりはとても勇敢でした!

 

 

 

 

音楽と“ノリ”

 もはや、最近の洋画、特にアメコミ映画やアクション映画では陽気で軽快なポップ音楽をBGMに、キレッキレのアクションを描くのが定番になりましたね。

 今回もその流れにノッていますよ!
 ただし、映像と音楽をシンクロさせる作り方ではなく、BGMとして映画を盛り上げてる感じです。

 まぁ、元々アメコミ映画って各ヒーローのテーマ曲とかがあるから、こういう傾向になりやすいんでしょうけどね。

 特に、予告動画やCMでも流れた「アァ〜〜〜ァア!!」というLed Zeppelinの『Immigrant Song』が印象的でした! 
ライブver.動画

 「ノリ」に絡めてもう一つ。
 マイティ・ソーの毒得な笑いを誘うノリが良かったです! ソーとロキのやり取りや皮肉、冗談などとにかく笑える場面が盛り沢山でした!
こういう何気ない会話が良い!

 

 

 

 

 

キャラクター良し!!

 キャラクターの良さに関しては、もはやMARVEL映画では当たり前になった気もしますがね(笑)
 というか、キャラが濃いから印象に残るのかもしれません(笑)

 ソーやロキはいつも通りの感じですね。
 あ、そうそう、ロキが黒スーツになる場面があるんですが、それがめちゃくちゃ格好いい!!!

 あとはハルク。
 彼については色々と混み合った事情と、抱える問題があるようで……。

 そして、今作のヒロインであるヴァルキリー。
 彼女、本当に格好いい!! やっぱりブラック・ウィドウもですが、戦う強い女性って素晴らしい!!!

 あとは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のコレクターの兄弟であるグランドマスターとか、色々ですね(笑)

 

 

 


 

 

 

以降、映画本編のネタバレあり

 

 

 

 


 

 

 

ネタバレあり感想

 

序盤

 牢獄に捕らえられたソーから始まる今作。
 ラグナロクの危険を取り除くためだと観客に向かって説明するのかと思ったら………ガイコツでしたか。

 スルトという全身が炎に包まれた巨人。アスガルドを滅ぼすという野望を抱く彼と話すソー、やっぱりチャラい!!
 かなり笑われせてもらったあとで、軽々と拘束鎖を斬るソー。

 そして、「アァ〜〜〜〜ッァア!!」とノリのいい音楽とともにソー無双!
 ザコ敵を次々に倒す姿、アクションが本当に格好良い!!!

 そして、スルトを倒して冠を奪い、ドラゴンとの対決を制して「虹の橋」へ。
 そして、タイトルバック。

 

 

 

 

 

前半

 アスガルドに戻ったソーが目にしたのは、巨大なロキ像と、ロキの最期を描いた演劇。
 すぐにソーはオーディンが偽物で、ロキが化けていると見抜き、ハンマーで脅してわけを聞く。

 父オーディンを探すため、ソー&ロキは地球へ。まさか、北欧神話の最高神を老人ホームへ入居させたのか………。
 にしても、スーツ姿のロキ格好いい!!

 突然ロキが地面に消えた!
 そして残されたメモの住所に向かったソーが出会ったのはドクター・ストレンジ。
 ストレンジの真面目なボケが最高に面白い!!

 つまり、映画『ドクター・ストレンジ』のラストで挿入されたシーンは、この場面だったということですか。
 で、オーディンの居場所がスウェーデン(正確な場所忘れた北欧のどこか)にいると聞き、移動。
 まさか、ロキが30分も落ち続けたとか(笑)

 スウェーデン(正確な場所忘れた北欧のどこか)にいる父オーディンと再会。そして、迫るラグナロクを引き起こそうとしている人物は死の女神ヘラであり、彼女はオーディン最初の子供であり、ソーの姉だと知らされる。

 オーディンが死に、ヘラ登場。煽って喧嘩をし、ソーのハンマーを手で受け止めた!! さらに、それをいとも簡単に破壊して閉まった!!

 ひとまずアスガルドに撤退!!
 しかし、追ってきたヘラとワープホールの中で揉み合いになり、ソーとロキの2人はホール外へと弾き出されてしまう。
 ………………ってか、ワープホールって物理的に割れるんですか(笑)

 アスガルド後へ降り立ったヘラ。
 ひとまず門番を皆殺しにし、残った一人を手下として橋を渡り、街を目指す。

 アスガルドを守る戦士たちによって行く手を阻まれたヘラは、堂々高らかに演説をするも、結局は戦士らを皆殺しに。
 このシーン凄かったですね、まさに死の女神!

 一方のソーはあたり一面廃棄物の惑星にジャンプしていた。そこで不思議な出で立ちの住民らに取り囲まれるも、現れた女性に救われる………………いや、やっぱり捕らえられる。

 首に電気ショック機器をつけられ、向かった先は惑星の街の中心部。不思議なアトラクションの先であったのは、この惑星最初の入植者グランドマスター。
 彼はこの惑星における祭典バトルロイヤルを主催する人物てもあると。

 場面は代わり、アスガルド。
 王の間にたどり着いたヘラはその内部を見て衝撃を受ける。天井の平和を描いたフレスコ画を崩すと、その下には血と戦いに満ちた征服の歴史が。

 

 

 

 

中盤

 グランドマスターの下でロキと再会したソー。しかし、ロキはこの惑星に流れ着いて早々にグランドマスターへ取り入ったようだった。

 そしていよいよバトルロイヤル。絶対王者を倒せば自由になると知ったソーはやる気まんまん!
 ソーの髪の毛を剃るのはカメオ出演のスタン・リー!「年で手が震える」そう(笑)
 そして、ソーを捕まえた女性はアスガルドの住人で、ヴァルキリーと呼ばれる女戦士だった事が判明。

 さあ、無敵の絶対王者の登場だ! 会場が熱気に包まれる中現れたのは………インクレディブル・ハルクだぁぁぁぁぁ!!!

 無敵のハルクvs雷神ソー。
 なんとか会話を試みるソーだが、ハルクは聞く耳を持たない。結局、お互いにいい戦いっぷりを見せることに。

 それにしても、ロキの反応がいちいち面白い(笑) ハルクがソーの足を持って地面に打ち付けるのは、『アベンジャーズ』でロキも体験したからこそ、兄上が同じ目にあって喜んでるんですね(笑)

 ハルクとソーは同じ待機室へ。
 2人は敵意を残しながらも、お互いに少しずつ歩み寄りを始める。話して分かったのは、ハルクがクインジェットに乗ってこの惑星に来たことだった。

 ソーはクインジェットで脱出し、アスガルドの危機を救う計画を立てる。
 まずはヴァルキリーとハルク、ソーの3人でチーム『リベンジャーズ』を結成しようとするが…………彼女に反対され、ハルクに拒否されて独り身に。

 「問題に立ち向かう道を選んだ。それがヒーローだ」と格好いい台詞を残して一人逃亡するソー。
 ソーを追ったハルクも合流し、クインジェットを動かそうとするが………………ブラックウィドウの映像を見たハルクがバナー博士に戻った!

 どうやら、2年間まるまるハルクになっていたよう。

 ヴァルキリーの彼女は、以前ヘラと戦い唯一の生き残りだっったことが判明。

 バナーとソーの2人は街中を逃げ、途中でヴァルキリーも合流し、ロキの4人でグランドマスターの船を奪い逃亡を企てる。
 ロキの裏切りを見事に見抜いたソーは彼を残して船を奪う!

 そして空中戦。
 雷神と女戦士の見事な連携プレーで次々に敵を倒し、「悪魔の肛門」を通過してアスガルドへ。

 

 

 

 

 

後半

 アスガルドでは、避難していた山の砦から抜け出し、虹の橋へ向かう沢山の住民。
 その道を阻むのはヘラの手下の兵士と巨大な獣。

 時間を稼ぐために王座に座っだソーのもとへ現れたのはヘラ。彼女との戦いでソーは右目を失ってしまう。

 ハンマーヲ失ったソーが心に浮かべたのは父親の言葉。そしてヘラの台詞が響く。
 「お前は何の神だ?]

 ソーは自分が雷神であると自覚し、大きな雷を落とす!

 そして橋で行われる最終決戦。
 銃撃の効かない巨大な獣に対してバナーが挑む。「僕の姿を知ったら驚くよ」
 ハルクは獣と、ヴァルキリーは兵士と戦うも数が多い!

 そんな時、応援に駆けつけたのは、裏切ったと思っていたロキと、剣闘士の皆。加勢してくれ、アスガルドの民を宇宙船に乗せて逃がせ!

 さらに、裏切ったと思っていた門番。
 常に自分の利益だけを求めていた彼が、民を救う為にデスとロイヤーと名付けた銃2丁を手にし敵にたちむかう!
 本当に格好いい!!

 ソー、ヴァルキリーがヘラと戦う。、ヘラはアスガルドから力を得ているという事を利用する為、大胆な作戦に打って出る。

 それは、最初に倒した炎の巨人スルトを復活させ、アスガルドを滅ぼして力の源を断つというもの。
 その役はロキに任された!……………絶対に四次元キューブを盗んだだろww

 そして蘇ったスルトによりアスガルドは破壊されていく。これがラグナロク。
 ヘラは必死の抵抗をするも、惑星ごと死亡。

 宇宙船で宇宙空間に出たアスガルドの民と、ソー/ロキ/ヴァルキリー/ハルク/ヘイムダル/岩男の7人の守護騎士が見守る中、惑星が崩壊。
 しかし、アスガルドは場所ではなく民なんだ。

 向かう先は、地球へ。
 しかし、クレジット後に映った巨大な宇宙船は……………。

 ソーは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で帰ってくる。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 最後まで読んでくださり、
 本当にありがとうございました!!

 

 


6 COMMENTS

ara-meosto

>きむ さん
コメントありがとうございます。
このブログの存在意義を問うべきというご指摘、ありがとうございます。
その点については最初から一貫していますので、問題ないと考えています。

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ara-meosto

>ありゃりゃ さん
コメントありがとうございます。
気分を害したようなら申し訳ありません。しかし、私は個人的な感想として書いているので、今後ブログを見ていただかなくて結構ですよ。

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ara-meosto

>中島さん
返信が遅くなり申し訳ありません。
記事内に「安価な布石」と書いたように、繋がり自体はあったと思うものの、個人的に他のMCU作品より弱いと感じました。
おっしゃる通り『IW』を観ると確かに意味あるシーンはありましたが、それでも「ソーがあってIWがある」という関係性が薄いと私は感じています。
また、音楽もノリも戦闘も最高でした!……でも私が一番望んでいたのは「MCUとしての接続」なので、別にDVDでも良かったかなと思いました。
(長文になっていしまいすいません)

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中島

え?あほ?アベンジャーズにめっちゃ繋がってんじゃん。
ソーとドクターストレンジもここで初めて対面するし、
バトルロイヤルでムジョルニア壊れてなかったらアベンジャーズでのストームブレイカー作るシーンとか無いからね??
あのシーンはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとソーを繋ぐ大事なシーンじゃん。
っていうか音楽とノリとかめっちゃコメディ要素もあってくっそカッコイイ戦闘シーンとかあってそれだけで価値あるやん。

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