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【映画】『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』感想&ネタバレあらすじ───男性至上主義のブタvsモジャ脚のフェミニスト

※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。

2018年7月06日鑑賞

バトル・オブ・ザ・セクシーズ
(原題:Battle of the Sexes

 

【評価:3.7/5.0】

 
【一言】

結論までがとても長く感じて、物語は好きだけど、内容が嫌いな作品。

結末が気になるテニス試合の緊張が最高!

エマ・ストーンが凄すぎる……。

 
【Twitter140文字感想】

 

 

 

ストーリー

1973年、全世界で9,000万人の目をくぎ付けにした決戦があった。女子テニスの世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングと、元男子チャンピオンのボビー・リッグスの戦いだ。

男女平等を求める運動が起こっていたが、あくまで“始まり”にすぎなかったこの時代、女子の優勝賞金が男子の1/8だという事実に抗議したビリー・ジーンは、仲間と共に“女子テニス協会”を立ち上げ、自分たちでスポンサーを探し出す。
そんなビリー・ジーンに、“男性優位主義の代表”として挑戦状を叩きつけたのが、ボビー・リッグスだ。一度は拒否したビリー・ジーンだが、彼女にはすべてをかけて戦わなければならない理由があった。遂に“バトル・オブ・ザ・セクシーズ=性差を超えた戦い”が幕を開ける──。

予告動画

 

 


 

 

目次&メモを表示

 

【目次】

 

 


 

 

作品データメモ

監督:ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス
制作:デシベル・フィルムズ
キャスト:エマ・ストーン, スティーヴ・カレル and more.
上映時間:122分
日本公開:2018年7月6日
配給:フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
公式サイト

 

 

 


 

 

 

感想

 

感想外観

 

 男性優越の社会に一石を投じるべく、行われた歴史的試合。前にTVで聞いた話で、今回は映画として観られると期待していました!

 物語として、主題としては非常に好きでした!
 男性優位なテニス協会から脱退し、女性達だけで活動し、最終的には「世紀の試合」に挑むという物語は、実話だからこそ強いと思いました。

 一方で、内容はかなり不満。
 テニス、そして女性たちの活動をメインに描くのかと思っていたら、主人公の女子テニス選手ビリー・ジーンの伝記的要素が強くて、期待外れ。

 しかも、“描かれた彼女の関係”が直接的に、物語に繋がってるとは思えなくて、「無駄な気が…」と考えてしまいました。

 主演はエマ・ストーン。
 宣伝で『ラ・ラ・ランド』と謳われてますが、全く別人の女性像で驚いたし、アップのシーンが多いのも印象的でした。

 そして、主役のエマ・ストーンと、対戦相手を演じたスティーヴ・カレルの2人、作品のモデルとなった2人の姿に瓜二つで驚きました!

 男女の平等を賭けた社会の“代理試合”とも言うべき「テニスの試合」は、とても面白かったです。
 なんとなく結果は察せたけど、それでも結末が気になりました!

 作品自体が期待してたのと違ったというか…。
 もっと「男女平等」とか「女性の権利拡大」を大きく訴える内容かと思ったら、ビリーの伝記と女子のお喋り、人間関係の話で、期待外れの残念でした。

 「映画をフェミニズム色に染めろ」とは言いませんが、もっとメッセージ性を強く打ち出しても良かったと思いました。

 

 

 

 

 

主題は好き!

 

 実話を基にした本作。
 テニスというスポーツの賞金に男女で差がある事を発端に、男女の平等と女性の権利向上を目指して活動する女性たちのお話し。

 こうして、強い意志を持って活動する姿は格好良いと思うし、それが実話だから尚更に凄いと思います。

 当時の社会でこんな事をしたら、冷たい目で見られてもおかしくないと思いますし、協力してくれる人も難しいのではないかと思います。

 そんな中でも、半ば強行的に、仲間を集め、自分たちで出来ることをやっていき、大きな話題を呼びながら、「女性の立場」を叫ぶ姿は良いと思いました。

 

 

 

 

 

内容はイマイチ…

 

 内容は期待外れというか、残念でした……。
 上に書いたような主題に基づく活動が強く描かれるのかと思ったら、まったくそんな事はなくて……。

 描かれるのは、主人公であるビリー・ジーンの伝記というか、半生…のほんの一部を切り取った感じ。

 しかも「彼女の物語」についても、やたらと“人間関係”を描く割には、あまり掘り下げていないようにも感じました。

 そもそも、この“関係”が果たして本作のラストに描かれる「世紀の試合」に関係するかと言われると、正直微妙だと感じました。

 主題の外堀は色々と埋めるし、装飾もしっかりされてるけど、一番大事な主題部分が少し蔑ろにされているような気すらして、残念でした。

 

 

 

 

エマ・ストーンが凄い!

 

 主演のエマ・ストーンが凄かったです。

 まず、その外見が凄い!
 ノーメイク?にも思えるような、そばかすや肌の様子、眉毛の生え際まで“ありのまま”のような姿で驚きました。

 しかも、本作では彼女の顔のアップシーンが多くて、より一層にそこが目立ったし、凄いな〜と。

 ビリー・ジーンは化粧やお洒落にはあまり気を使わない女性らしく、エマ・ストーンもそれに準ずるように素朴な感じで、「本当にエマ?」と別人みたいでした!

 それから、エマ・ストーンと、もう一人男性主演のスティーヴ・カレルが、あまりにも実際の本人に似ていて驚きました!

 映画のラストに「これは実話である」といって何枚か写真が映されたのですが、本当にそっくりでした!

 

 

 

 

 

世紀の試合

 

 男性至上主義vsフェミニストという世紀の試合。
 何となく試合の結果は予想つく、というか私は知っていたんですが、それでも目が離せない試合でした!

 そもそも男性vs女性という事もあるし、お互いのプレイヤーが背負ってる物もあるし、プレイヤー自身の意思も決意も目的も違うし。

 「どっちが勝ってほしい」というよりは、とにかく勝負の行方が気になった感じです。
 とは言え、試合の内容は微妙だったような。テニスは全然分かりませんが、もっとラリーが続いたり、素早いやり取りあったりしても良いのかなぁ〜と。(まぁ実話に基づいた内容なので、実際の試合もこんな感じだったのかも)

 

 

 

 

 

主題を強く打ち出したら?

 

 上の方でも似たような事を書きましたが、もっとメッセージを強く打ち出しても良いと思いました。

 描かれているのが伝記であり、女子会であり、馬鹿な男のコメディでありと、訴えるべき内容が随分と薄まってしまっているように感じました。

 もっと「女性の権利を!」みたいに強く訴えても良いのかなぁ〜と。そっちのほうが、映画の軸もはっきりすると思うのですが。

 

 

 

 

 

ネタバレあり感想

 

ネタバレを表示

 

 やっぱり、マリリンとビリーが身体を重ねるシーンは印象的というか、驚きましたね……。

 結構情熱的に2人は関係を持つし、官能的で目を引きつけられました。

 個人的には、ボビーがふざけるシーンが好きでした。犬を連れてテニスしたり、ヤギや女装、フライパンを使ったりと、さんざん馬鹿にしてましたね。
 あと、あんだけサプリ飲んでいいんですか……?

 ラスト、ファッションデザイナーの男性が「自由に恋愛出来るようになる時代が来る」みたいな事を言っていましたが、彼も同性愛者って事ですよね、驚きです。

 

 

 

 


 

 

 

以降、映画本編のネタバレあり

 

 

 

 


 

 

 

ネタバレあらすじ&感想

 

序盤

 

 タイトルバックからスタート。
 全米で10万ドルを越す女子賞金王に輝いたテニス選手ビリー・ジーン。

 彼女は次の全米オープン戦の賞金が男10万ドルで女子の8倍もあるという事に腹を立て、試合をボイコットする事を決める。
 同日日程で女子だけのトーナメントを開催すると宣言してしまう。

 一方、元全米王者のボビー・リッグスは引退して結婚生活を送っていたが、ギャンブルへの依存から抜け出せずにいた。

 

 

 

 

 

前半

 

 ボビーは女子テニス協会を立ち上げ、その会見に臨む。
 会見前、女子選手達は美容院で髪を整えてもらいに行き、ビリーはそこで美容師のマリリンと出逢う。

 記者会見前、ビリーを訪ねたのは全米テニス協会のジャック・クレーマーであった。彼は全米テニス協会からビリーたちを除名処分とすると告げた。
 そして1ドルという契約金で発足した女子テニス協会だった。

 女子テニス協会のスポンサーにはタバコ会社がついてくれ、優勝賞金に7,000ドル出資。さらにトーナメントにマーガレット・コートが出場してくれることに。
 テニスウェアにはデザイナーの意見により、これまでの真っ白な服から、“カラー”が取り入れられた。

 

 

 

 

 

中盤

 

 そしてトーナメントが開かれ、選手達はチケット配りから会場整備まで全て自分たちで行う。ラジオ出演などで知名度も向上していき、お客さんもそこそこ来場してくれた。

 そんなトーナメントに1試合を観戦しに来たのは、ビリーが誘っていたマリリンだった。

 試合後、マリリンとビリーは2人でクラブへ。
 帰り、自身の部屋に誘ったビリー。そして部屋で2人はキスをし、身体を重ねる。

 その時、ボビーから電話が掛かってきた。
 「男性至上主義vsフェミニスト」と銘打った試合をしようという提案をしてきたが、ビリーは断る。

 翌日、遅刻してしまったビリー。
 一緒にいたマリリンを見て、女子テニス選手らは専属の美容師が就いたと大喜び。結局、マリリンはツアーに付いてくる事になった。

 一方、ボビーは、ビリーに断られた事で相手を変える。それは、特別参加しているコートであり、彼女が次の試合でビリーに勝つと見込んで勝負を提案。
 コートは、承諾した。

 決勝戦の前、ビリーとマリリンが泊まるホテルに、ビリーの夫ラリーが現れる。
 ラリーに、2人の関係が知られてしまったビリーは、邪険な雰囲気になってさまう。

 そして女子テニス協会初のトーナメント決勝戦、ビリーとコートは2人闘うが、ビリーはなかなか集中出来ずに負けてしまう。

 

 そして、ボビーとコートの試合。
 多くの観客が見守る中、コートは重圧に耐えきれず、ボビーが圧勝してしまう。

 ボビーの勝利により、「男性至上主義」の勢いが増すのを見たビリーは、彼と戦うことを決意する。

 

 

 

 

 

 

後半

 

 ビリーとボビーの対決前、2人は記者会見に臨む。

 ボビーは圧倒的な余裕でメディアへの出演をしたり遊びまくる中、ビリーは重圧からかインフルエンザにかかってしまう。

 いよいよ試合。
 試合直前、待合室に現れたのはマリリンだった。「会いたかった」と言いながら、髪を整えて、ビリーを送り出す彼女だった。

 試合会場はお祭り騒ぎ。
 ビリーはブタを、ボビーはキャンデーをそれぞれ送り、2人は試合を開始する。
 第一セット、第二セット、第三セット全てをビリーが取り、ビリーの勝利に終わった。

 1人準備室で嬉しさのあまり涙を流すビリー。一方、ボビーもまた1人で敗北に打ちひしがれていたが、そこに離婚した妻がやってきた。

 気持ちを取り直したビリーは、熱気に沸く会場へと戻っていった。

 実話のその後、そして写真。
 エンドロール。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 最後まで読んでくださり、
 本当にありがとうございました!!

 


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