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大学4年生、卒論の話。

 こんにちは。
 お元気ですか?

 もういくつ寝るとゴールデンウィーク!
 編集記者職として入社して、いまは研修中。
 研修の中で記事を書いて配信したり、メルマガのコラムを書いたりと、執筆業務に触れています。
 大学生の頃はブログ・課題レポート・論文など文章をたくさん書いていましたが、就職して研修期間中はしばらく「文章を書く」ことから遠ざかっていたので楽しいですね!

 ということで、今回はそんな「卒業論文」について4年生の頃を振り返ります。

卒業論文

卒業論文

 卒業論文の話です。
 卒論は所属ゼミでの指導教授の下で書きました。

  • 所属ゼミ:公共政策ゼミ
  • 文字数:約4.8万文字
  • 頁 数:45ページ(表紙等含まず)
  • 評 価:S

卒論題目

 論文題目は下記の通り。

文化財の保護行政から経済的活用への政策転換
──官邸主導の影響検証と転換過程の整理──


 なお、上記の論文題目は実際のものから少々変更しています。
 意味合いは大きくは変わっていないものの、本物の論文名を載せてしまうと、検索にヒットしてしまうので……。

卒論のあらすじ

 卒論は「文化財」について書きました。
 大雑把な概要は以下になります。

 日本の文化財は文化財保護法によって保護の対象となっており、修復などの「保存」と研究や教育に用いる「活用」という2つの軸の下、保護行政という形で文化財政策が行われてきた。
 しかし、第2次安倍政権下で観光資源にしたり経済的利益を求める「文化財で稼ぐ」という視点での「活用」へと政策転換がなされた。
 この政策転換は、第2次安倍政権で大きく指摘された安倍首相や菅官房長官らによる「官邸主導」による転換なのか、また文科省・文化庁から抵抗があったのではないか? という点について行政学・公共政策論的視座から客観的に検証したもの。

  上の説明はかなり端折ったし、実際にはもう少し専門的に論述していますが、ここでは簡単なあらすじ紹介程度に留めておきます。

「梗概」の公開

 梗概を公開します。

 「梗概」というのは、卒論の内容──目的や研究成果などを短く整理した「あらすじ」のようなものです。卒論提出時に添付するもので、教授陣が読んだり発表会の資料にしたり後輩が読んだり冊子にまとめて公表されたり。

 私の梗概内容は下記の通り。
  ・卒論の目次
  ・研究課題(問い・意義)
  ・研究方法
  ・研究成果
  ・努力した点

 当然、卒論本体の方が情報量も多いしきちんと説明をしていますが、おおまかな内容は梗概でも分かると思います。

 以下のボタンからPDFファイルが閲覧できます。

卒業論文の梗概

評価

 卒論提出後の口頭試問で、指導教授からいただいた評価です。

「徹底して調べて非常に精緻に良くできた論文」


 いや~これは嬉しかったですね!!!!

執筆した1年間

 どんな感じで執筆を進めたのか、タイムライン形式で残しておこうと思います。

2019年12月~(3年生)
卒論テーマの設定

 卒業論文で何のテーマについて書くのか、そのテーマ設定をします。
 自分の興味関心を考えて、過去の論文や文献など先行研究を調べながら、そのテーマが研究する価値のあるものか、意義のあるものか、丹念に検討します。
 1年間通して研究する基盤となる部分なので、ここは慎重に進めます。

2020年3月~(4年生)
研究計画の策定

 春休みから4年生の最初にかけて、決定した研究テーマを進めるための研究計画を策定します。
 テーマに関係する情報の収集、問い・仮説・研究意義の設定、研究手法の選定、先行研究の目処をつける……などなど。

2020年4月~
調査・研究・文献講読

 調査・研究・文献講読は卒論提出まで続きます。
 必要な文献を読んだり、図書館に足を運んだり、他大学から借りたり、インターネットで調べたり。政府や行政の資料を精査したり、審議会の議事録を読み込んだり。予算書のデータをExcelに移したり、ひたすら新聞記事に目を通したり。

2020年8月~
論文執筆の開始

 いよいよ執筆の開始です。
 執筆をしながら足りない部分の調査をし、調査で分かった内容を本文に追加し……ということをとにかく繰り返す形です。

2020年10月
ゼミ発表①(序章+第1章)

 夏休み明けの秋学期の最初に、ゼミ内で進捗報告。
 論文の序章と第1章部分を執筆し、ゼミメンバー同士で批評しあってクオリティを上げます。

2020年11月
ゼミ発表②(~第3章)

 第3章までの進捗報告です。
 ゼミメンバーに読んでもらい、批評を受けて執筆を続けます。

2020年12月
ゼミ発表③(~終章)

 最後の終章まで完成させて発表。
 ここで一度完成形を見せた後、批評やアドバイスなどを受けて、より良い論文にすべくブラッシュアップをしていきます。

2021年1月8日(金)
卒業論文の提出

 無事に卒論を提出しました。

2021年2月8日(月)
卒論発表・口頭試問

 卒論提出の後、教授陣らの口頭試問を受けて通ってはじめて認められるので、提出後もまだまだ気は抜けませんでした。

卒論執筆の感想

 ほぼまるまる1年をかけて論文を書きました。
 いや~楽しかったですね!

 だって「好きなことを1年間研究して書いて良いよ」なんて素晴らしい時間は、後にも先にも大学4年生のときだけだと思います。

 教授からも「皆んながヒイヒイ言いながら書いている中、ひとりだけ楽しんで書いていた」という旨の言葉をいただきました(笑)!
 そりゃそうですよ、「4万字程度」という規定の中で、書いていたら文字数をかなり超過して5.5万文字とかになってしまうくらいには楽しんで書いていました(笑)

 文章を書くことは大好きだし、調査することも大好きだし、調べた内容を整理するのも大好きだし、他人の論文を批評するのも大好きだし。嫌な要素が一つもない最高の1年間でした!




 テーマは「文化財」でした。
 もちろん、私が日頃から博物館や美術館に足を運ぶのが好きで、芸術作品を見るのが趣味で、本を読んだりブログを書いたりしていて…とテーマそのものが好きなものに由来します。

 私の所属は「公共政策ゼミ」
 国や自治体が行う施策はほぼ全て公共政策です。つまり、何かしら行政が絡んでいる”政策”であれば何を取り上げても良いんですね。好きなこと、興味があること、身近なこと…など自分が選んで取り上げられるのが良いです。
 ちなみに他のゼミ生は、鉄道好きの人がローカル線を、実家が農家の人が農業政策を、公務員志望の人が福祉政策を……などという感じで執筆していました。

「文化政策」に関連する文献(一部)





 私はかなりトントン拍子で進みました。
 上のタイムラインはゼミの指導教授が事前に計画したスケジュールにほぼ沿ったもので、それに合わせて進められて良かったです。

 そもそも、12月の時点で最終章まで書き上げていたのは私ひとりです。
 また当初決めたテーマをそのまま最後まで貫徹する人も数人で、他は途中で変更したり修正を加えたりしていました。
 なので、私は本当に上手く進められたなぁと振り返って思います。

 早く完成すると良いことがあります。
 12月のゼミ発表③までに完成をしておくと、ゼミメンバーの批評や教授の指摘を踏まえて、1月の提出日まで約1ヶ月の期間を使って修正・ブラッシュアップができるので、クオリティを上げることができます。
 逆に、1月提出日ギリギリで仕上げている人は、最終的なチェックが甘くなるし、年末年始の冬休みも頑張っていたし、悪いことだらけですね。




 ゼミの指導教授にアドバイスもお願いしました。
 しっかり書き進めれば、それだけ不明点などを聞くことができるので、やはりきちんと執筆を進めていくことは大切です。

 教授もかなり忙しい人ではあるのですが、とても丁寧に質問に答えてくださるので本当にありがたいです。

 そんな教授は、
 「例年、執筆が進んでいる人ほど質問や相談に来る。あまり進んでいない人ほど心配しているのになかなか相談にこない。困ったもの
 なんておっしゃっていました。

 しかし、提出間際になると皆んな書き上がり始めるので、次々に教授に添削や相談依頼をするわけです。教授は年末年始も大忙し。なので、私を含めて進度が早かった何人かには
「◯◯さんと△△さんはこれ以降は相談に来ちゃだめだからね!(笑)」
なんて冗談めかして言われたりも。




 とはいえ、私も人間なので、執筆には波がありました。

 就活の進展具合によっては卒論どころではない心境の時もありましたし、他に履修中の科目の期末課題や試験の準備をする時は優先度としては卒論は後回しでしたし。
 夏休み中に執筆を進めたと言っても、なかなか気が乗らないことも。文章を書くよりは内容を考えたり情報を集めるのをなんとな~くやっていたり。

 こういうのは書き出せばスイスイといくらでも進めるんですけど、その最初のエンジンを始動するまでが大変なんですよね……。




 成果物に対しては完璧主義?なので、卒論も頑張りました。
 やっぱり、どうせ書くならきちんとしたのを仕上げたいし、堂々と自信を持って提出・発表できるものを書きたいですものね。ということで卒論には心血を注ぎました。

 あと、友達に見せる約束をしたのも影響大でした。
 友達に「卒論が完成したら送るね~」と約束をしたんですね。さぁ大変。私にも見栄というものがあるので、友達に見せて「すごい」と言わせられるクオリティにしたいし、ガッカリされたくないので、一生懸命に品質向上を目指しました(笑)

卒論の執筆と調査研究

 どんな感じで卒論を書いていたのか、覚えている範囲で、記録が残っている範囲で、ちょこっと書き残しておきます。

 まず、卒論のバージョンはこんな感じ。
 発表や提出、指導教授との個別面談、大幅な改変や加筆ごとにファイルを作成する感じ。別途、章ごとに執筆しているWordからコピペして原稿を作る感じです。

図書館で文献調査

 大学図書館も数度は使いましたが、新型コロナの影響もあり、公共図書館などを多く利用しました。国立国会図書館や都立図書館の本館・多摩別館、各自治体図書館など。
 その他、私は文化財がテーマということもあり、美術館と博物館の資料室とかもお借りしました。美術館・博物館・郷土資料館とかの図書館は調査もですが、アイデアを出す機会でもありました。

都立図書館の入館証


 文献講読。
 論文に必要な情報を集めるために、色々と読みました。
 指導教授によると卒論では「文献や資料は300件をリストアップ、150件をざっと読む、50件を引用」くらいがちょうど良いと言っていました。

 ちなみに、私は約110件ほどを引用して執筆しました。
 紙の文献もあれば、ネット上で公開されている資料もあります。政府資料・文化庁の予算書・中央省庁の人事録・審議会の議事録・研究論文・寄稿文・新聞記事・関係者のインタビュー・サーベイ調査の結果……等々と多様な資料を活用しました。

卒論の文献調査





 私は、図書館・紙の本がとても好きです。
 確かにネット資料も楽だけど、図書館や紙の本は便利なんです。

 まず「背表紙や表紙が見える」ところ。
 本棚の間を歩くだけで背表紙が目に入り、そこから資料名・著者名・資料ジャンル…などがひと目で分かるんですよ。だから目で追いながら取捨選択が出来るわけです。
 ある程度専門的に勉強をしていれば有名な研究者名や著者名は頭に入るわけで、そうなると本棚の中から記号的に探せる便利さもあります・

 それから「似た内容の本が近くにある」ところ。
 日本の図書館の多くは日本十進分類法によって排架されているので、関連書籍を探しやすいんです。ネットのキーワード検索やジャンル指定と違って、想定していなかった資料や文献に出会えるし、タイトルを追っていくだけでもアイデアが浮かんできます。

 そして「内容を簡単に知ることができる」ところ。
 書籍──中でも学術文献やジャーナリスティックな文献は、「目次」に目を通せばおおよその内容は分かるし、「序章と終章」まで眺めればかなり細部まで書いてある内容を判断できます。しかもサ~ッとページをめくれば図版や図表まで読めますし。これは論文を執筆する上で効率化できますよ。

 あとは「席に積んで読める」ところ。
 私は、使えそうな文献を片っ端から机の上に積んで、ザーッと流し読みをして精査していく読み方をします。ところどころ栞を挟みながら、読んでメモして脇に置いて…を繰り返す感じ。これができるのも図書館の利点です。





 そんな感じなので、たくさんの文献を借りていました。
 大学図書館からもだし、自宅周辺の公立図書館からも。

 本によっては1年間ほど私が独占していたものも。

 公立図書館の本は延滞はしていません。
 貸し出しをし、返却期限日までに延長申請をし、あるいは一度返却してすぐに借り直す、もしくは自分で予約を入れる…..などなど正規の手続きで1年間ほど借りていたものもあります。

 大学図書館は延滞ですね。
 延滞した場合、「延滞した日数分だけ借りられなくなる」というシステムなので(10日間延滞したら、再び借りれるようになるのは11日後から)、延滞はダメです。ただ、計画的犯行はOKです。例えば夏休み期間はどうせ大学に行かないので1ヶ月くらい延滞しても問題ない…とか(笑)
 しかも4年生で、卒論書き上げたら卒業ですから、1年分の延滞を溜めてもペナルティーなんて痛くも痒くもないんですよね(笑)

インターネットで情報調査

 もちろん、インターネットも超活用しました。
 特に2020年は新型コロナウイルスの影響で、図書館が予約制での運営だったり、遠隔授業で大学に行く機会が減ったりしたので、ネットは重要でした。

 私は他の学生よりはネットを使いこなしていたと思うし、図書館司書の資格課程を履修しいていたおかげでデータベース類を使いこなせましたし、助かりました。あと、ブログ関係でWEBサイトの作り方とかを学んでいたのも強みになりました。

  • 論文データベースの利用
  • Googleサービスや検索演算子の活用
  • 様々なWEBサービスやブラウザ機能の活用
  • Chromeの拡張機能の活用
  • 政府・行政系の公開データの利用
  • スマホとPCの連携
  • OCR機能やGoogleレンズなどの利用

 などなど。
 このあたりの内容はなかなか書くのが難しいですね。

 このへんの内容については、後輩のために色々な知識やノウハウを整理した資料を作成して配布しました。なかなか好評で、ゼミの指導教授からも「来年度以降早速配布させてもらう」とおっしゃっていただけまして、嬉しいです!
 もし中身に興味ある方がいたら連絡をください。お役に立てるのは嬉しいので、状況によってはお送りできるかもしれません。

新型コロナウイルスの影響

 新型コロナウイルスの影響。
 ちょこっと触れたりもしましたね。

 この点については、別のブログ記事で詳しく書こうと思っているので、今回は特に記述はしないことにします。


おわりに

 今回は卒業論文について書きました。
 改めて振り返ってもよく書けていると思うし、この卒論執筆に費やした1年間というのはとても貴重な時間だし、大切な経験だったと思います。

 正直、卒論を書き上げられるか不安であったりもしました。けど、いざ書き始めれば本当に楽しいものです!



 そして、お忙しいなか添削や助言などご指導くださったゼミの教授、資料収集などに協力してくださった司書さん、楽しく一緒に執筆を進めたゼミ生の皆んな、本当にどうもありがとうございました!!

 相変わらず、私は今でも文章を書いて公開する仕事を頑張っております!(笑)



 ブログについて、大学関係の記事はこちら!
 今回の卒論の他にも何件か書いているので、ぜひ!
 書き残したことを思い出したりしたら、その都度記事を更新していくと思うので、何か質問とかあればぜひどうぞ。

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読んでくださり、
ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!

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