2019年6月16日訪問
デヴィッド・リンチ
精神的辺境の帝国/昏い幻想
【一言】
映画監督にして《カルトの帝王》ことデヴィッド・リンチ。
彼の作品や写真の展示は、正直「分からない!」
理解不能…..というか理解すべきもの?(笑)
真っ黒な影や不気味な造形から漏れ出て漂う「雰囲気」が得も言われぬ感覚で、凄かった……。
【Twitter140文字感想】
【デヴィッド・リンチ 精神的辺境の帝国】
「カルトの帝王」
彼の手による写真,創作物,短編映像《理解不能》と《悪夢》の足し算。
白黒、もしくは濃色の作品から漂う陰気で異様な空気感こそ、D.リンチ!未公開短編『FIRE』
視聴は「焼け爛れた黒い小屋」内。
舞台から整える、空気まで演出する! pic.twitter.com/RZHea9Tz2U— ArA-1 (@1_ARA_1) 2019年6月16日
【デヴィッド・リンチ 昏の幻想】
「カルトの帝王」D.リンチが生まれ、
『イレイザー・ヘッド』の源泉たる、
フィラデルフィアをインスピレーションとした写真群。引き摺り込まれそうな深い黒。
白黒写真から漂う拭いきれない奇怪さは、リンチ作品が脳裏にこびりついているからなのかもしれない。 pic.twitter.com/Pb5xy0tpkg— ArA-1 (@1_ARA_1) 2019年6月16日
展覧会 & D.リンチ 紹介
本展は2つの展示会場で実施されました。
・「D.L. 精神的辺境の帝国」@ GYRE GALLERY
・「D.L. 昏い幻想」@スクールデレック芸術社会学研究所
2つの展示はキュレーターが同じ方なので連携していると思うのですが、どちらの公式HPにもそのことが書いていないんですよね……。
展覧会の概要
この展覧会は、デヴィッド・リンチ本人とキュレーターを務める飯田高誉によって何回も話し合いながら直接作品選定したものです。この作品の選定基準は、本展覧会タイトルとなっている「精神的辺境の帝国」というコンセプトに合わせたものです。すなわち、リンチの創作の原点を見据えた展覧会構成となります。つまり、リンチの初期の実験映画「イレーザーヘッド」と、その映画ロケを行った制作現場のフィラデルフィア工業地帯へのインスピレーションに捧げたものとなっています。選りすぐりのペインティング7点、ドローイング3点、工業地帯の写真22点、水彩画12点、そして未公開短編映画”FIRE”による展覧会構成となります。
GYRE
会場:GYRE GALLERY – GYRE 3F
会期:2019年4月19日~6月23日
料金:無料
キュレーション:飯田高誉
公式サイト:こちら
「デヴィッド・リンチ」について
映画監督であり、「カルトの帝王」と言われるリンチ。
低予算映画の代表作『イレイザーヘッド』(1976)で一躍有名となり、『エレファントマン』ではアカデミー作品賞等8部門にノミネートされました。『ワイルド・アット・ハート』(1990)ではカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞。近年では『ツイン・ピークス』の続編の監督を手掛け、さらにアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーから名誉賞が授与されました。
『イレイザーヘッド』予告
『エレファントマン』予告
『ワイルド・アット・ハート』予告
残念ながら、私の知識はこのくらい(笑) Wikipediaを見ると「ルーカスから『SW ジェダイの復讐』の監督オファー」があったらしですね。
伝記映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』が制作・公開されているので、興味がある方はぜひ!
『デヴィッド・リンチ:アートライフ』予告
展覧会の感想
感想を書くのが随分と遅れてしまいました。
映画監督にしてアーティストの「デヴィッド・リンチ」の展覧会です。
私自身はデヴィッド・リンチの何も理解していないですが、そもそもあまり作品を観ていないので…..。でも、実際に彼の作品が展示されるなら「観なければ!」と訪問しました。
彼の作品で観たのは『イレイザーヘッド』と『エレファントマン』の2作だけです。まぁ確かにどちらも「すごい作品だった」という記憶がこびりついています。
『イレイザーヘッド』の方は本当に空気感だけ味わっていた印象。なにせ物語が一切理解不能だったので(笑)
一方で『エレファントマン』は感動しました。やっぱり雰囲気はダークな感じですが、「奇形の少年の実話」というところが本当に心痛ましいと思いました。


さて、展覧会の感想です。
そうですね、まったく理解不能でした。ってかコレが分かる人がいたら教えて欲しいし解説して欲しいです(笑)
でも、それで良いんじゃないかな、と。たった2作しか鑑賞していませんが個人的に、リンチ作品は「雰囲気」を味わう作品ではないかな、と。(理解不能な映画だから感想丸投げした感www)ダークさとか怪しさ不気味さ、意味不明こそ味わいのような。
元々美術学校に通っていたので、「絵を描く」が先で、「映画」は後なんですよね。つまり、リンチの「源流」的な部分がこれら作品群なのだと思います。
ずいぶん昔には、映画をつくりたいと思ったのはどうしてか?と尋ねたこともあるのですが、絵に描いたイメージを動かしてみたかったから、といった答えが返ってきました。
GYRE
一方で、「写真作品」はコンセプトがはっきりしていると思います。
リンチ自身が
僕にとってフィラデルフィアは、ゾクっとするほどシュルレアリスティックで暗いインスピレーションの宝庫となった
美術手帖
と語っていたり、キュレーターの飯田さんが
今回出展された一連の写真作品は、『イレイザーヘッド』のロケ地となったフィラデルフィアの工業地帯を想起させる、リンチにとっての心象風景のようなものです。
GYRE
とおっしゃっているように、これもリンチの「原風景」や「源流」的なものなのでしょう。
そいうい意味では、写真作品は幼き頃に死体安置所の隣のアパートで暮らし、数々のインスピレーションを受けたリンチのアイデアの源を切り取ったような、リンチが惹かれる風景をそのまま私達も観られるという点で貴重なのかもしれません。
本展では未公開の短編が上映されました。
「FIRE」という短編で、やっぱりこれそ意味不明。なんだか、『魔法少女まどか☆マギカ』の異空間設計や魔女設定を手がけた「劇団イヌカレー」のような世界観でした。
あと、上映会場は、展示場内に設置された「燃え落ちた小屋」。
この大きな展示自体にも驚きですが、作品の題名とピッタリだし、リンチ作品を連想するような濃く深い黒色がまたなんとも……。
展示作品の紹介
展示作品の紹介です!
写真撮影OKだったので私が撮影した写真を掲載します。普段は一言コメントを添えたりしていますが、今回は写真掲載だけで……(笑)
デヴィッド・リンチ 精神的辺境の帝国
Title:MAN LOKING AT DIFFEREBT THOUGHTS
制作年:2008-2009
Title:WHEN SOMEBODY LOVES YOU
制作年:2000
Title:BOB’S STRING THEORY
制作年:2000
Title:I BURN TREE
制作年:2008-2009
Title:untitled (Los Angeles 16:14)
制作年:1980
Title:untitled (Lodz 6856:19A)
制作年:2000
Title:untitled (Lodz 6884:20)
制作年:2000
Title:untitled (New York 0178:23)
制作年:2000
Title:untitled (Lodz 6855:36A)
制作年:2000
Title:GARDEN IN THE CITY OF INDUSTORY
制作年:1990
Title:SPUNTNIK OVER CITY FEATURING THE LETTER A
制作年:1968-89
Title:untitled (Los Angeles 16:4)
制作年:1980
Title:untitled (Lodz 68885:12)
制作年:2000
Title:タイトuntitled (Lodz 6867:3)ル
制作年:2000
Title:untitled (Lodz 6872:4)
制作年:2000
Title:untitled (Berlin 5362:(A)
制作年:1999
Title:untitled (Lodz 6853:35)
制作年:2000
Title:untitled (Berlin 5355:17)
制作年:1999
Title:untitled (England 3:6)
制作年:late 1980s – early 1990s
Title:untitled (Berlin 5361:7)
制作年:1999
Title:DEAD SQUIRREL
制作年:1988
Title:I SEE MY LOVE
制作年:2012
Title:MAN TIES SHOW
制作年:2009-2010
Title:FLOAT IN FULLNESS TO FULLNESS
制作年:2008-2009
Title:THAT IS MY FISH
制作年:2008-2009
Title:MAN REACHING (2)
制作年:2008-2009
Title:I WANT 2 UNDERSTAND
制作年:2008-2009
Title:UNTITLED 3 (FACE)
制作年:2008-2009
Title:MAN VISITOR
制作年:2008-2009
Title:HEAD AND BODY
制作年:2008-2009
Title:MY TREE
制作年:2008-2009
Title:HOT
制作年:1988-1990
Title:MY ARM WAS GRABBED HEAD
制作年:2010
Title:HEAD WITH BUG ON HEAD
制作年:2010
Title:SMOKER HEAD
制作年:2011
Title:DOG BITE (triptych)
制作年:2012
Title:Black Lodge 2019
Designed: Haruka Ohta
Title:“Pozar” (“Fire” in Polish)
制作年:2015
デヴィッド・リンチ 昏い幻想
こちらが、もうひとつの展示会場の方です。
本展では、リンチが映画『イレイザーヘッド』の舞台となったフィラデルフィア工業地帯にインスピレーションを得た写真作品を展示。あわせて、自身の経験や身近な事象からインスタレーション作品を制作するアーティストの伊藤久也が、リンチにオマージュを捧げた映像《Black Out》を上映する。
美術手帖
会場:スクールデレック芸術社会学研究所
会期:2019年5月10日~6月30日
料金:無料
キュレーション:飯田高誉
公式サイト:こちら
Title:untitled (England 15:31)
制作年:late 1980s – early 1990s
Title:untitled (New Jersey 13:7)
制作年:1986
Title:untitled (Lodz 6853:23)
制作年:2000
Title:untitled (Lodz 6857:17)
制作年:2000
Title:untitled (Berlin 5356:35)
制作年:1999
Title:untitled (New Jersey 8:23)
制作年:1986
Title:untitled (New Jersey)
制作年:1986
Title:untitled (Lodz 6853:16)
制作年:2000
Title:“BLACKOUT”
by Hisaya Ito
展示内容の紹介は以上です!
短編『FIRE』に子供連れのお父さんがいました。
そのでの会話が最高だったので、紹介します。
息子「これなーに?」
父親「なんだろうねぇ」
息子「鹿さんかな?」
父親「鹿さんかっもね」
息子「燃えちゃった」
父親「燃えちゃったね」
息子「よく分かんなかった」
父親「ねー、よく分かんないね、難しいね」
お父さん、多分、「分からない」はこの短編の感想としては正しいと思いますよ(笑) 私も含めて、観ている人のほとんどは絶対に分かっていないって(笑)
最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!