展示「1964年東京オリンピックと都市の交通 ─ 今にいきるオリンピック・レガシー」:五輪が牽引した東京の開発の記録。

 こんにちは!
 お元気ですか?

 いつも「時間がない」と言っているのに、年末になると余計に時間がなくなるのはなんでなのでしょうか…….。12月最終週は1日にもう12時間くらい足して欲しいです….。

 というわけで、今回は「1964年東京オリンピックと都市の交通」の簡単なメモというか、そんな感じの記事です。都市とインフラと五輪に関する展示ということで、これも書き残しておかなくては。

「1964年東京オリンピックと都市の交通」展の写真

2020年9月16日鑑賞

1964年東京オリンピックと都市の交通
-今にいきるオリンピック・レガシー-

「1964年東京オリンピックと都市の交通」展の写真

展覧会と記事の概要

一言コメント
  • 1964年の東京オリンピック。開催までの歴史と、東京の交通インフラを大改造した当時を資料から振り返る展覧会。
  • 企業や行政資料など貴重な展示品が面白く、今と昔を比べることで、当時がいかに凄かったか、どう現在に繋がっているかを感じられる展覧会。

展覧会のあらまし

半世紀余り前の1964年東京オリンピックはさまざまなレガシー(遺産)を残しました。例えば、駅構内などいろいろな場面で目にするピクトグラム(絵文字)は、世界からの訪日客が言語を問わず目的地に移動できるようにするため、この時に本格的に導入され、普及に至ったものです。このように、オリンピックの影響はスポーツ界のみならず、社会全体にまで広く及んでいきます。特に1964年東京オリンピックでは、総計約1兆円(関連経費を含む)といわれる経費のうち、実にその8割以上が交通インフラの整備に費やされました。そこで本展では、1964年東京オリンピックと、その実施に合わせて整備され現在まで都市の生活を支えている交通インフラに関する資料を紹介し、1964年東京オリンピックがその後の東京や港区に与えた影響について考えます。
展覧会サイト

展覧会:1964年東京オリンピックと都市の交通 -今にいきるオリンピック・レガシー-
会 場:港区立郷土歴史館
会 期:7月18日~9月22日
展覧会チラシ:こちら*PDF

展覧会の感想

 1964年、東京オリンピック。
 2020年、東京オリンピック。

 主に前者をメインにしながら、オリンピック開催までの過程と、五輪関連事業として進められた鉄道や道路など都市交通の歴史や記録を展示する展覧会です。

 「オリンピックで東京が変わった」というのは周知の事実で、TV番組が放送されるし、ネットを漁れば情報が山ほどヒットするし、図書館に行けば書籍がたくさん閲覧できます。
 でも、ストーリーとテキストとして編集されたものも良いですが、実際の資料を展示して説明されるのも面白いですね。

 特にこの展示では、港区が所蔵する五輪関連資料や市民所有の品、さらに都公文書館や都交通局の資料、また東京モノレール(株)や首都高速道路(株)など企業からの資料もあって、とても貴重な展示でした!

「1964年東京オリンピックと都市の交通」展の写真




 港区ってすごいですよね。
 お台場など東京湾に面していて、東京タワーや迎賓館などランドマークも多く、新橋・赤坂・六本木みたいな大きな街もたくさんあるし、大使館が多いから五輪時も重要だっただろうし、品川駅には新幹線が通るし、ホテルオークラとかプリンスホテルみたいなホテルも充実しているし。

 今回の展示資料の所蔵を見ると、かなりのものを港区が持っていました。こういう背景があるんだろうな~とぼんやり思いました。



 展示の中では、「オリンピック」そのものに関する資料や物品はあまり興味がなかったというか。メダルとか記念硬貨とかは色々なところで見ているし、ユニフォームとかもそうですし。
 それよりも、オリンピック招致に関わる資料とか、オリンピック関連事業についての資料など「行政資料」的なものがとても面白かったです。

 都営地下鉄の建設計画書とか、オリンピック関連街路の図とか、そういう普段はあまり見ない資料が興味深かったです。(そもそも自分が金メダルより資料を楽しむ人なのかもですけど 笑)



 特に、地図系が面白かったです。
 鉄道敷設や道路建設などの計画書や地図は、今でこそ有名な交通インフラが当時つくられたのだとわかったり、名称があの頃に決まったのだと知ったり……。今と比べるのが面白かったです。

 あと、「敗戦から奇跡の復興」とか言われますけど、焼け野原の東京から数十年でよくこれだけ街を立て直したと驚くし、五輪開催決定してから数年で今に残るあれだけの都市を造り上げたことも凄いし、当時の人の本気度というか真剣度をひしと感じました。



 なんか、改めて考えてみると、私にとっては「オリンピック競技大会」そのものよりも、それに関連する社会の動きとか都市とかい興味あるな~って思います。
 スポーツ選手達が格好良く競技する姿も好きですけど、比べると…….。

 オリンピック大会のプログラムで一番楽しみにしているのは「開会式」だし、新国立競技場がどうとか、エンブレムがなんだとか、マスコットが誰だとか、ボランティアがやばいとか、人の輸送キャパが壊滅的とか、混雑さけたテレワーク推奨とか、新駅開業や新道路開通とか、築地市場と豊洲市場がバトルしたり、経費が数倍にかさむとか、猛暑対策とか、結果的にマラソンが去ったりとか……。

 いいですね、「東京2020オリンピック」楽しみですね!!!!!

展示作品の紹介と感想

 展覧会の内容の紹介です。
 
 ただ、「写真撮影禁止」ということだったので、簡単な私のメモと同時に、ネット上に公開されているもので関連する内容を掲載しようと思います。

第1章:1964年東京オリンピック・パラリンピック

 まずは、1964年のオリパラについての展示です。
 最初の説明は、以下の通りです。

1964年東京オリンピックは、直接・間接に今日へつながるさまざまなレガシーを残しました。直接的なものでは、国民のスポーツへの関心が高まってスポーツ振興につながり、より充実した競技施設も整備されました。また、大会エンブレム等のデザイン設計は高く評価され、ピクトグラム(絵文字)などはその後の社会に定着しました。間接的なものとして、街には訪日客に対応し得る国際基準を満たしたホテルが開業し、一方で美化運動が展開されるなど、東京が国際都市として発展していく基礎が築かれました。…[後略]
港区立郷土歴史博物館


 関連資料ということで、東京都が公開している記録映像を載せておきます。当時の全体的な社会の空気がわかってなかなか面白いです!

都政記録「東京ルネッサンス1964」

第1節:1964年東京オリンピックの招致

 1964年の東京オリンピック招致にあたり、まずは開催されずに終わった幻の1940年の東京五輪についても解説がありました。

戦前に嘉納治五郎らの尽力で1940年のオリンピックを東京で開催することが決定しました。しかし、戦争のため実施反対の声が強まり、1938年7月に政府は開催返上を決定し、1940年オリンピックは幻のものとなりました。
港区立郷土歴史館


 ここの話は、NHK大河ドラマの『いだてん』で見たのでよく記憶しています!! 展示内でも嘉納治五郎とか金栗四三とかの名前が登場して、なんだか親近感を覚えたりも(笑)



 以下は展示資料の一部です。

資料名昭和/年
運動競技資料とオリムピック事情S11/1936
オリムピック東京大会主競技場鳥瞰図S29/1954
第18回オリンピック大会立候補ファイル(英語版)の付図S34/1959
IOC総会での東京オリンピック招致演説の草稿S34/1959

第2節:1964年東京オリンピックの準備

 展示資料の一部です。

資料名昭和/年
オリンピック東京大会の競技場S38/1963
オリンピック読本(高等学校・青年学級向け)S38/1963
ホテル大倉許可申請書S35/1960
東京オリンピック協力ホテル推薦名簿S37/1962
東京プリンスホテルリーフレット(日本語版・英語版)S40’s

第3節:1964年東京オリンピック大会

そして、1964年東京オリンピックの姿を後世に残すため、さまざまな視点から記録が試みられました
港区立郷土歴史館


 展示されていたのは記念品とか報告書とか大会関係品とかでした。

 けど、今でも様々なアーカイブ動画や写真にアクセスできることを思えば、記録という点は大きいのでしょうね。もちろん、行政資料や大会組織委員会の資料なんかもたくさんあるのでしょう。

資料名昭和/年
東京オリンピック公式ポスターS39/1964
東京オリンピック身分証明書(選手用)S39/1964
東京オリンピック識章バッジ・リボン(選手用)S39/1964
日本代表選手公式ユニホーム(一部)S39/1964
東京オリンピック入場券(陸上競技)S39/1964
東京オリンピック大会日程表S39/1964
オリンピック東京大会記念乗車券(東京都交通局)S39/1964
東京オリンピック記念貨幣S39/1964
公式記録映画「東京オリンピック」パンフレットS40/1965




 オリンピック公式チャンネルにて、1964年の東京オリンピックの2時間に及ぶ記録映画があったので貼っておきます。

The Complete Tokyo 1964 Olympics Film

第2章:1964年東京オリンピックと港区

 港区でのオリンピック記録です。
 展示品が少ないのと、私自身があまり興味なかったこともあって、ここはスルーでした。

第1節:聖火リレー
第2節:港区内での競技

 展示されていた資料の一部です。

資料名昭和/年
聖火リレー正走者任命書・感謝状・記念盾S39/1964
東京オリンピック聖火リレー正走者ユニホームS39/1964
聖火リレー港区走者名簿S39/1964

第3章:1964年東京オリンピックと鉄道網の整備

1964年東京オリンピックのレガシーとして、鉄道では東海道新幹線、地下鉄浅草線、地下鉄日比谷線、東京モノレールが挙げられます。
港区立郷土歴史館

東京モノレールは世界初の実用的都市交通機関としてのモノレールとなりました。
港区立郷土歴史館


 鉄道の章です。

 面白い資料がたくさんでした! 特に建設計画書とかは現在の地図や地名などと重ね合わせると面白いし、ポスターとかは当時の状況がわかって面白かったです!

第1節:東海道新幹線

 展示されていた資料の一部。

資料名昭和/年
新製長距離高速電車特急つばめ・こだまS35/1960
東海道広軌新幹線着工S34/1959
東海道新幹線(リーフレット)S39/1964
JREA 新幹線開通記念特別号S39/1964
国鉄監修交通公社の時刻表(1964年10月号)S39/1964
東海道新幹線開通記念切手S39/1964




 関連するオマケは、インタビュー動画を。なかなかぶっ飛んでました(笑)

東海道新幹線開業50周年 一番列車の運転士が語る秘話

 また、「日立評論」のバックナンバーが公開されていました。1964年5月号で、東海道新幹線の特集が組まれています。技術的な部分は分からないけど、概要部分は面白いです!

第2節:都営地下鉄浅草線

 展示されていた資料の一部。

資料名昭和/年
地下鉄建設についての東京都議会決議並意見書S28/1953
都営高速電車建設計画書S31/1956
東京都における地下鉄建設計画についてS31/1956
押上~浅草橋間都営地下鉄開通ポスターS37/1962
新橋~東銀座間都営地下鉄開通記念優待乗車券S38/1963
都営地下鉄1号線全通記念乗車券S43/1968
都営地下鉄建設概要S46/1971
都営地下鉄5000形電車模型昭和戦後期




 オマケ動画。短いけど、いちおう載せておきます。

都営浅草線開業60周年

第3節:東京メトロ日比谷線

 展示されていた資料の一部。

資料名昭和/年
世界最新の日比谷線ステンレス・カーS36/1961
地下鉄日比谷線人形町~東銀座間開通記念S38/1963
地下鉄日比谷線全通記念乗車券S39/1964

 「日比谷線」に関しては「メトロ アーカイブ アルバム」というサイトで写真と歴史の解説がなされていたので、リンクを貼っておきます。

日比谷線の歴史 | メトロアーカイブアルバム
目次 1.時代背景 2.日比谷線開通年表 3.掘削技術 4.日比谷線の車両 5.日比谷線の直通運転の推移 1.時代背景 …

第4節:東京モノレール

 展示されていた資料の一部。

資料名昭和/年
モノレール完成記念S32/1957
懸垂電車開通記念乗車券S32/1957
横浜~羽田空港間免許申請書S37/1962
日本高架電鉄パンフレット
(new landmark fo「1964 Olympic year)
S38/1963
日立ーアルウェーグ羽田線モノレールバンフレットS40/1965頃
東京モノレール開通御乗車記念往復乗車証(関係者用)S39/1964
行先標昭和戦後期
運転で使用されたハンドル昭和戦後期




 東京モノレール株式会社が工事の様子などの記録映像をアップしていたので、掲載しておきます。

東京モノレールの建設から開業まで

世界を結ぶ東京モノレール

第4章:1964年東京オリンピックと道路網の整備

「オリンピック関連街路」とされた計22路線、総延長56.4kmの一般道路と、首都高速道路のうちの「オリンピック関連街路」とされた約33kmが1964年東京オリンピック開催前に完成
港区立郷土歴史館

青山通りなど都内主要道路に通称名が設定されたのも、1964年東京オリンピック開催がきっかけとなっています
港区立郷土歴史館


 鉄道と並んで、オリンピック関連のインフラ整備事業の中で面白いのが道路です。特にこの展示では、当時の工事計画図や交通網図、提案書などがあり、そういう資料を今と比べるのが非常に面白かったです!

第1節 オリンピック関連街路

 展示されていた資料の一部。

資料名昭和/年
放射4号線(青山通り)拡幅計画図S32/1957
都道東京沼津線廃止に関する決裁文書S32/1957
オリンピック関連街路完成記念S39/1964
オリンピック関連街路網図S38/1963
都内道路に通称名を設定する具体的方策ーこついての答申S37/1962
都電6000形電車模型(縮尺1/10)昭和戦後期




 関連する資料として、東京都の動画アーカイブから。

東京カメラある記「No 160 新しい道路づくり-放射4号線」

第2節 首都高速道路

 展示されていた資料の一部。

資料名昭和/年
首都高速道路1号線羽田トンネル銘板S39/1964
首都高速道路公団事業のあらましS34/1959
首都高速道路1号線京橋~芝浦区間開通記念S37/1962
TOKYO EXPRESSWAY Opening Aug. 2nd 1964
HANEDA/NIHONBASHI/SHINJUKU
S39/1964
首都高速道路公団創立10周年記念メダルS44/1969

第5章 東京2020大会のレガシー

道路では、選手村と競技会場を結ぶ重要な経路である環状2号線の一部の新虎通りが2014年に開通しました。鉄道では、2020年のJR山手線・京浜東北線の高輪ゲートウェイ駅と東京メトロ日比谷線の虎ノ門ヒルズ駅です。[…] 虎ノ門ヒルズ駅は、1964年に日比谷線が全線開業して以来初めてできる新駅で、2つの東京オリンピックが日比谷線にとって大きな画期となりました
港区立郷土歴史館


 展示されていた資料の一部。

資料名昭和/年
東京都市計画道路環状第2号線事業概要H25/2013
品川新駅(仮称)駅名募集チラシと高輪ゲートウェイ駅駅名決定記念品H30/2018
高輪ゲートウェイ駅木鋼ハイプリッド(部材)R2/2020
高輪ゲートウェイ駅開業記念品「森香炉」R2/2020




 関連資料で良さげなのがなかったので、2020年7月に「高輪ゲートウェイ駅」に行った時の写真を貼っておきます。


 ということで、「1964年東京オリンピックと都市の交通」でした。

 今回の展覧会は港区立郷土歴史館で開催でした。
 旧公衆衛生院で、内田祥三が設計した建物はとても綺麗でした! また誰もいなかったこともあって写真撮り放題。何枚か貼っておきます。

読んでくださり、
ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!

【関連記事】
 「都市と社会」に関わる記事です。
 似たような内容や、色々と考えることができるので、ぜひ!

21_21 DESIGN SIGHT「トランスレーションズ展」写真画像トランスレーションズ展:翻訳=他者との意思疎通プロセスの多様なあり方を知る展示!エキソニモ個展「UN-DEAD-LINK」写真画像エキソニモ個展「UN-DEAD-LINK」:ネット黎明期から社会/技術発展の歴史を映す回顧展。「TOKYO2020」の看板「2020年」を書き残す。企画展「危機の中の都市 COVID-19と東京2050(β)」画像企画展「危機の中の都市 COVID-19と東京2050(β)」:東大工学部社会基盤学科の学生が考える”都市とコロナの未来”。Chim↑Pom個展「May, 2020, Tokyo / A Drunk Pandemic」画像Chim↑Pom個展「May, 2020, Tokyo / A Drunk Pandemic」:感染症が蔓延する都市の姿を題材にしたアート。

0

コメントを残す