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【アニメ・映画】『劇場版 響け!ユーフォニアム〜北宇治高校吹奏楽部へようこそ〜』───“音”を、“観る”

響く音、輝く楽器、光る汗・・・。 良い総集編だった! 吹奏楽アニメなだけあって劇場で聴く音は迫力と臨場感あり!
※ネタバレあり。(TVアニメの総集編)

2018年2月1日鑑賞

劇場版 響け!ユーフォニアム〜北宇治高校吹奏楽部へようこそ〜

 

 

【評価:3.1/5.0】

 


【一言】

響く音、輝く楽器、光る汗・・・。

良い総集編だった!

吹奏楽アニメなだけあって劇場で聴く音は迫力と臨場感あり!


 

概要を表示

 

【目次】

 

 


 

 

ストーリー

 高校に入学した黄前久美子は、友達となった緑輝、葉月らと共に入部する。そしてそこには同じ中学だった高坂麗奈の姿もあった。

 吹奏楽部の顧問の滝先生の下でぶつかり合い、支え合いながら 全国大会を目指す彼女たちの青春が幕を開ける!


予告動画

 

 


 

 

作品データメモ

監督:石原立也
制作:京都アニメーション
原作:武田綾乃『響け!ユーフォニアム』
主題歌:TRUE「DREAM SOLISTER」
キャスト:黒沢ともよ, 安済知佳 and more.
上映時間:103分
日本公開:2016年4月23日
配給:松竹
公式サイト

 

 


 

 

 

感想

感想外観

※以前(2016.4.25)の感想記事を基に、大幅に加筆・添削修正したものになります。

 『響け!ユーフォニアム』はTV放送でもちろん視聴して、映画も以前に観に行きました。
 今回、音響で有名な映画館「立川シネマシティ」さんで《極上音響上映》をするという事で、観に行ってきました!

 まずは語るべきは『音』でしょうね。吹奏楽アニメなので、、やっぱり音が命ですよ。
 練習シーン、演奏シーン等々。これが映画館の大サウンドで訊けたので迫力も臨場感もあったし、TV放送では聴き取れない音なども聴けてよかったです!

 総集編と言う事ですが、まとめ方が本当に上手でした!
 TVアニメ13話を見事に100分でまとめています。要らないシーンや不要なキャラは全てカットする一方で、重要なシーンや転換点にはたっぷりと時間を割いていたので、全体としてスッキリと濃厚な100分に仕上がっていました。

 初めての合奏と練習後の合奏、オーディションなどは音楽ド素人の自分でもその違い(下手・上手)が分かるように演奏の音をとってくれたのが良かったです!

 とは言っても細かい部分は分かりませんが、吹奏楽部員や音楽関係の方ならもっと楽しめたんだと思います。

 そして、最後のコンクールでの演奏を書かないわけにはいきませんね!
 本当に凄かった! まず音楽は先にも述べたように迫力満点。それに加えて真剣な眼差しと、光る楽器。いや〜本当良かった、素晴らしかった!

 そして、私達の曲は続くのです!

 

 

 

 

 

立川シネマシティ

 このアニメは本当にお気に入りの1作です。
 2015年に放送されたアニメの中でも5本の指に入るくらい。その総集編ということでもちろん2016年の劇場公開に観に行きました。

 そして今回、「立川シネマシティ」さんで観る機会が取れたので、観てきました!
 立川シネマシティといえば、音響に拘った映画館で全国に名前を知られていますよね。洋画『マッド・マックス/怒りのデスロード』でその名を轟かせると、次はアニメ『ガールズ&パンツァー』の劇場版で聖地と呼ばれました。

 スピーカーに何千万円もの投資をし、各作品それぞれで音響調整をするという細かさは、もちろん本作でも素晴らしい効果を生み出していました!

(詳しくは下の感想で)

 

 

 

 

 

最高の音響

 まずは何と言っても『音響』!
 吹奏楽アニメなんだから音が命!

 楽器をいくつも合わせる合奏などが描かれるアニメ中で、主人公たちがクラッシック等の音の重厚感がある音楽を演奏するわけです。となると、TVの音質だと物足りないんですねぇ〜。

 そこで映画館。映画用のちゃんとしたスピーカーで聴くと全然違いました!正直、もし万が一仮に内容が嫌いでもこの音は聴くべきだと思いました。

 練習シーンや山の上でトランペットを吹くシーン、全楽器パート合わせての合奏シーン、県大会と行進演奏のシーンなどなどとにかく音が重要! そしてこのシーン達は音響が綺麗なほどより良いシーンになってました。

 でこの映画館の高性能音響のおかげて何が一番良かったかというと「スゥ〜」という『演奏前に吸い込む息の音』です!

 TV版でも若干聞こえてたような気がするんですが、劇場版になってより大きくはっきりと聴こえたし、「息が震えている」というのが音から伝わってきたんです!
 もう、これには感動しました。

 立川シネマシティならではという部分では、やはり迫力がさらに増しているという点ですね。特に低音がドーンと身体に響く感じで前方から飛んでくるので、聴いてて「おぉ〜」となりました。

 

 

 

 

まとめ方の上手さ

 今回はすっごく上手にまとめてくれてました!
 確かに13話のアニメをたった100分にまとめるというのは簡単ではないでしょうけれども、今回はそれを見事にやってのけました! 時間の使い方が本当に上手かったです!

 「大切なシーンはしっかりと、それ以外はサラッと、要らないシーンはカット」これを徹底していたように思います。
 また、たくさんの素晴らしいセリフを漏らさず拾っていたのもまた、映画の密度を上げていたように感じました。

 前半1時間はかなりのハイテンポで進んで行きます。バァーっとアニメの内容をおさらいするような感じです。軸となる部分だけを切り出して、それ以外はほぼカット。登場人物もかなり端折ってましたね。でもこれだけ思い切ってカットしたおかげで物語がスッキリとしました。

 で問題は「大切なシーン」。この作品で言ったら『演奏シーン』と『青春』でしょう。

 テンポよく進めて時間をたっぷりと貯金した前半1時間。そのおかげで後半1時間はかなり贅沢な時間の使い方をしていました。

 まず演奏シーンはほぼ全てノーカット。また新規カットも挿入してました。まぁ一番の見どころでもあるわけですからね。
 それからTVを見ていて「おぉ」と思った主人公達が青春しているシーンもキッチリと。夏祭りの日の山での会話がすっごく良かったです!

 前半で作品の概要や設定、後半に向けてのストーリー展開などを素早く収め、後半でじっくりと時間をかけて見どころをタップリと描く。濃密な100分間でした!

 

 

 

 

 

表現の上手さ

 これは劇場版ならではというより、作品自体の評価ですね。

 (TV放送時もでしたが、)一番凄いなって驚いたのはここです。
 音楽ド素人の自分でも上手い・下手が分かるくらいに丁寧に演奏してくれているんです。

 合奏シーン。
 1回目は、合わせてはみるものの音はバラバラで顧問にも怒られる。でも本気で練習した後の演奏ではどのパートもピッタリと音が合わさって合奏をしている。この違いが聴いていて分かるんです。

 トランペットのソロパートのオーディション。
 最初の一人が吹き終わり、静寂の後に二人目の演奏。全く違う。口では表現が難しいのですが音の伸び、強弱、豊かさみたいなのが比べ物にならないくらい違いました。

 こういうふうに違いがわかると俄然面白くなりますもんね。

 

 

 

 

 

やはり素晴らしきは

 ラストはやっぱりあのコンサートですよね!

 約5,6分間ずっと演奏シーンが描かれていました!これ、本当に凄かったです!

 強いスポットライトに照らされたステージ上に北宇治吹部が立ち、滝先生が腕を上げ、息を吸って、腕が振り下ろされて演奏がスタート。

 真剣な眼差し、細かく動く指、震える唇、流れる汗、スコアボードに書き込まれたメッセージ、隣との目配せ、揺れる髪、輝く楽器・・・。

 名シーンでした!キラキラと輝くこの演奏シーンを映画館で見ることか出来て本当に嬉しいです!!

 

 

 


 

 

 

以降、映画本編のネタバレあり

 

 

 

 


 

 

 

ネタバレあらすじ&感想

 

あらすじを表示

 

前半

 「京都府吹奏楽コンテスト」からスタート。
 中学生の久美子らは金賞をとるも、関西大会には進めず、《ダメ金》だった。それでも、喜ぶ皆んなと、ひとり涙を流す麗奈。

「……悔しい。悔しくて死にそう……」
「本気で……全国行けると思ってたの?」

http://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/d/0/d0b16ce2.jpg

 そして久美子は北宇治高校へ。
 入学式の校門前にいたのは、吹奏楽部。歓迎の演奏を披露してくれるも、経験者からすればそれはダメダメで。

 それでも、友達の緑輝、葉月と一緒に吹奏楽部へ見学に行くことに。そこに現れたのは高坂麗奈だった……。

 結局、入部する事に。
 久美子と緑輝はそれぞれ中学生の時も吹いていたユーフォニアム、コントラバスに。葉月はチューバを担当することになり、高坂麗奈はトランペットを堂々と吹き上げて奏者を勝ち取る。

 しばらく活動して、やってきたのは新任顧問の滝先生。最初に先生が突きつけたのは、部の目標をどうするか。

 去年と同じく全国出場を目指すのか、楽しい思い出を作るだけでいいのか───多数決の結果、今年も全国を目指して活動することに。

 まずは一度合わせてみることに。しかし合奏を聴いた滝先生は一言。
「何ですか、コレ?」
「私言いましたよね、合奏出来るクオリティになったら集まってくださいって。この演奏では指導以前の問題です。私の時間を無駄にしないで頂きたい。」

 1週間後にまた合奏をし、そこでOKが出なければ全国大会はおろか、サンフェスにすら出られないかもしれない。
「来週まともなレベルになっていなかったら、参加しなくていいと思っています。」

 突然の宣告に反発する声が出る中で、部活内で話し合った結果、きちんと全国を目指すことに。
 滝先生の指導を仰ぎ、そこからは猛練習が始まった。キツい練習に反対の声が出る中で、その反抗心は部の団結心へと変わっていった。

 徹底した練習を終えて1週間後、再び合奏。
 演奏を終えて、滝先生からの評価が下る。
「良いでしょう。細かいとこは気になるとこがありますが、なにより皆さん、合奏をしていましたよ。」

 

 

 

 

 

後半

 そしてサンフェスへ向けて練習は進む。
 当日、強豪校に挟まれながらも、無名の北宇治高校が観客達にあっと言わせるような演技と演奏を披露できた。
「ここにいる多くの他校の生徒や観客は、北宇治の力を知りません。さぁ、北宇治の実力、見せ付けて来なさい。」

http://livedoor.4.blogimg.jp/anico_bin/imgs/8/b/8b25be6f.jpg

 このサンフェスで私が大好きなのが、久美子が自分の思いを伝えるシーン。
「特に意味ないんだけどね、私が北宇治を選んだ理由。スタートしたかったの。知ってる人があまりいない高校に行って、新しく最初から。」

 サンフェスを終え、夏のコンクールが迫る中、あがた祭が近づいてきた。
 秀一は久美子に、葉月は秀一への恋心を抱きながらそれぞれお祭りへ誘うも久美子は断る。

 お祭り当日、久美子は麗奈と山を登っていた。街の明かりを背景に、山頂で麗奈が口にしたのは「愛の告白」。
「私、本当は前から思ってたの。久美子って性格悪いでしょ。」
「それ、悪口?」
「これは、愛の告白」
「私、特別になりたいの。他の奴らと、同じになりたくない。」

 夏のコンクールで滝先生はオーディションをすることを宣言した。誰もが出場したいと練習し、合格、不合格が発表されていく。
<皆吹きたいんだ。コンクールに出たいんだ。そんな当たり前のことを、私はやっと理解した。>

 そしてトランペットのソロパート担当が1年の高坂麗奈だと告げられる。

 しかし、部内では高坂麗奈と滝昇が以前から知り合いで、贔屓したのではないかと疑惑が持ち上がっていた。
 大好きな3年の先輩に最後のソロを吹かせたい2年の吉川優子と、不正を否定し自分が相応しいと考える麗奈。
「何だっていうの? 先生を侮辱するのはやめてください。ケチつけるなら、私より上手くなってからにしてください。」

 滝先生はホールで再オーデションを行うと発表した。
 香織先輩と麗奈がそれぞれステージに立って演奏をする。静寂と拍手、微妙な雰囲気が流れる中で、決着がつく。
「麗奈は他の人とは違う。誰にも流されちゃダメ。ソロは麗奈が吹くべきだって言う!言ってやる!」

この滝先生の言葉がすごく好きです。
「高坂さん、アナタがソロです。中瀬古さんではなく、アナタがソロを吹く。良いですか?」

 コンクールの練習も気合が入り、合奏では少しのミスも許されない緊張感が漂う。
 そんな中で滝先生から指摘を受けた久美子。
「そこ、難しいですか?本番までに出来るようになりますか?」
「出来ます」

 落ち込むけれど、練習を続ける。そして夜、忘れた携帯を学校に取りに戻り、そこで滝先生と言葉を交わす。
「吹けなかった所、練習しておいてください。あなたの『出来ます』という言葉を、私は忘れていませんよ」

 いよいよ本番、コンクール。
「ここで何か話そうと思って、いろいろ考えてきたのですが………あまり私から話すことはありません。
 春、アナタたちは全国大会を目指すと決めました。
 向上心を持ち、努力し、奏でてきたのは全て皆さんです。
 誇ってください、私たちは北宇治高等学校吹奏楽部です。
 そろそろ本番です。皆さん、会場をあっと言わせる準備はできましたか?」

「では皆さん、行きましょう。全国に。」

 そして、私達の曲は続くのです!

http://livedoor.4.blogimg.jp/anico_bin/imgs/5/a/5a16d7b8.jpg

 

 

 

 

 


 

 

 関連作品感想リンク

 

 最後まで読んでくださり、
 本当にありがとうございました!!

 

 


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