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中谷健一個展 「虚歪民藝」:木彫りの熊も、信楽焼の狸も――伝統工芸を“魔改造”した奇天烈作品!

 こんにちは!
 お元気ですか?

 『シン・ウルトラマン』を見てきました!!
 めちゃくちゃ良映画でした。ウルトラマン未履修でメタ要素とか理解追いつかなかったけど面白かったです! 主人公だけでなく政権幹部や脇役の官僚など配役と演技が最高で超一級品の邦画。戦闘よりも科学と哲学が魅力的に写るのが凄いし大満足でした!(感想ツイート


 さて、話は変わって展覧会の感想です。
 今回は、中谷健一さんの個展を拝見しました!
 とても好きな作家さん。めちゃくちゃ刺さりました!


2022年4月29日鑑賞

中谷健一個展
「虚歪民藝 kyowai-mingei」

展覧会と記事の概要

一言コメント

「民藝×デジタルノイズ」という奇天烈な組み合わせで伝統工芸を“魔改造”し、サイケデリックな彫刻作品を作る作家の個展。SF感もあって大好き! 立体作品の現物をリアルで見れてとても良かった!!

展覧会のあらまし

「作品は実に建築的」と語る作家は、修復リペア職人、内装アーティストとしての顔を持つ稀有な存在です。
信楽焼きの狸や、木彫りの熊などの民芸品に注目、建築資材を駆使し、“グリッチ”と言われるデジタルノイズをまとう事で過去の遺物たちを現在にリバイバルさせます。
デジタル表現をアナログな手法で制作、過去と現在を曖昧に行き来する中谷健一ワールドをお楽しみください。
展覧会サイト

展覧会:中谷健一個展 「虚歪民藝 kyowai-mingei」
会 場:ギャラリーマルヒ
会 期:2022年4月29日~5月13日

Gallery MARUHI
ギャラリー・マルヒは根津の路地にある元質屋をリノベーションしたギャラリ―です。大正6年(1917年)に建造。和室六畳間に…

展覧会の感想

 日本の伝統工芸を“魔改造”する中谷さんの個展です。

 モチーフになっているのは木彫りの熊、信楽焼の狸、兎の根付、博多人形の童女などなど。民芸品というか工芸品というか、日本人なら誰もが知るお土産たち。
 彼らにグリッチ(デジタルノイズ)をまとわせて物理的にデジタライズしたり。異物と組み合わせたり、材料を木材から陶器やブロックに変えたり、サイケデリックな着色に変身させたり。

 すごく不思議だけど可愛らしくて面白い、そんな作品です!





 今回、展示を見れて良かったです!

 やっぱり立体作品は実物を見てこそですね。
 正面からの写真だけでも十分に面白さは伝わるけど、横とか裏とかがどうなっているか知りたいじゃないですか。特に中谷さんの作品はなんか不思議な構造をしている(熊にブロックが刺さってたり狸が輪切りになっていたり)ので、色々な方向から見れるのはとても良かったです!





 作品がとても好きで、前から気になっていました。
 ずっとTwitterで作品を見ていて、何年か前に別の展覧会でようやく実物を見れて嬉しかったなぁ~なんて思っていたところでした。

 そして、今回の個展。
 そりゃ、行くっきゃ無い!!
 場所は、根津のギャラリーマルヒ。座敷蔵を使ったギャラリーで、畳や床の間や土蔵などがあり、狸とか熊とかを展示するのにはベストな雰囲気たっぷりで素晴らし!!

 し!か!も!
 作家の中谷さんとたっぷりお話できました。
 民藝×デジタルという奇妙で奇天烈な組み合わせをするワケを聞いてみると「違和感を持たせたい。日本人なら誰でも知ってる土産物だけど、細部を観察している人は少ない。グリッチをまとわせることで逆に視点を集められる」といった旨のことをおっしゃってました。

 違和感、確かに。違和感の塊以外の何物でもないです(笑)
 しかも、これら3Dプリンターとかではなく手作業で作っていると聞いて驚きました。あとは、私が個人的に作品として見てみたい民芸品の話や、今後作ってみたい作品のお話などを聞けてめちゃくちゃ有り難い時間でした……。本当にどうもありがとうございました!!





 「違和感」とありましたが、意外とそうでもなかったり。むしろ、私としては親近感というか見慣れた感がありました。

 というのも「サイバーパンク」というものがありまして……(笑)
 みんな大好きサイバーパンクです。民芸品など和風のアナログな物品がデジタルチックな様相で登場することが多いので、グリッチ狸とかもむしろ見知ったものをリアルで見れた感があって良かったです!

 ほら映画『ブレードランナー』で巨大な芸者が映るデジタルサイネージがあったり、『攻殻機動隊』で芸者ロボが登場したり。『スターウォーズ』に和風の小物がてんこ盛りだったり、以外と『BLAME!』や『シドニアの騎士』なんかも似た雰囲気ある気がします。そもそもハリウッド映画には“なんちゃって日本”がたくさん登場しますし。

 そんな感じで、好きな和風SFの要素が立体化してあって素晴らしいなぁと!

展示作品の紹介と感想

ブリックタヌキ

作品名:ブリックタヌキ
制作年:2022
GL・LEGO

 床の間に置かれた、個展タイトルが書かれた掛け軸とブリックタヌキ。和室で一番大事な場所に鎮座しているの面白すぎです(笑) 何が埋め込まれているのかと思いきや、なんとLEGOを使ってるらしく、とても良い!!

グリッチ博多人形

作品名:グリッチ博多人形
制作年:2022
アクリル板・発泡ウレタン

 これ、めちゃくちゃ好き。先ほどSFの話をしましたが、これはまさに。『攻殻機動隊』の主人公・草薙素子の面影があってすごく気に入ったんです!! 「人形」らしいところ、背景の原色じみた縦線、真っ白な顔などなど。展示の仕方も雰囲気あって、土蔵の奥の暗いところに一体、ライトを浴びて佇んでいる感が素晴らしきでした…!!!(ハリウッド版GITSとか能楽版とかのイメージも入ってる気がする)

シュレーディンガー

作品名:シュレーディンガー
制作年:2022
レジン

 これもめちゃくちゃ好き!
 見た目が抜群。有機物的なタヌキと、無機物的な要素が混ざり合っていて最高! 題名の「シュレーディンガー」の意味はよく分からず。有名な「シュレーディンガーの猫」とはまた違うし……。むしろ音感が似た「ドッペルゲンガー」的な?(笑)

グリッチタヌキ USA

作品名:グリッチタヌキ USA
制作年:2022
レジン

 なぜか作品名に「USA」が付いているこちら。
 なぜアメリカ?と思ったのもつかの間、もしかしたら「ハンバーガー」をイメージしているのかな~と。チーズの感じとかがそんな気がする!

アクアリウムベアー

作品名:アクアリウムベアー
制作年:2022
レジン・LEGO

 あ~これも良き……。熊に透明なブロックが融合しているとかそれだけでグッド。こういうピクセル感があるやつ大好き…。特に顔の部分が歪んで見える感じが控えめにいって最高。

タイムリープ

作品名:タイムリープ
制作年:2021
レジン

 素晴らしきかな!!
 双頭の熊。タイムワープする途中のような、身体が分裂するような感じがとても好き! 体表のテキスト模様もそれっぽくて良い!

ヒグマのショーン


作品名:ヒグマのショーン
制作年:2022
レジン・フェルト

 これはタイトルにやられましたwww 発想が天才すぎる…。見た目もまんまショーンだし、熊にフェルトが意外と合っているという……好き。

グリッチうさぎ

作品名:グリッチうさぎ
制作年:2022
木・UV

 これ写真だとサイズ感分からないかもですが、めちゃくちゃ小さかったんですよね。iPhoneのUSB電源アダプタくらいのサイズ感。とにかく大きさが印象的でした。

照らされクマ

作品名:照らされクマ
制作年:2022

キグミーベアコバルトブルー

作品名:キグミーベアコバルトブルー
制作年:2022

フレームクマ

作品名:
制作年:2022

マイセン

作品名:マイセン
制作年:2020
レジン

※名前分からなかったです


作品名:※名前分からなかったです

キグミーベアシトラス

作品名:キグミーベアシトラス
制作年:2022

ダダックマ

作品名:ダダックマ
制作年:2015
木彫・ウレタン塗装

おわりに

 ということで、中谷さんの個展を見てきました!
 作品をリアルで見られたのが何よりだし、実際にお話できたのもとても貴重でした!!!

 なんて思ってTwitterに写真と感想ツイート載せたら、中谷さんからリアクションいただきました。写真をピックアップして載せていただけて嬉しすぎる!! 見ていただけただけでも有り難いのに……。個人的にも好きな「グリッチ博多人形」を選んでいただけたのがまた嬉しい!!

 どうもありがとうございました~!!!

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