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芸術「Media Ambition Tokyo 2020」:テクノロジーで未来を考えるアートの祭典

こんにちは!
お元気ですか?

 さて、久々に展覧会の感想です!
 2月末に訪問。なんか、もうコロナ自粛前に何を思っていたか、何を考えながら観ていたかを忘れはじめていて怖いです。でも、私には「行動記録メモ」があります。ここに来て真価を発揮してくれました!

 というわけで、「Media Ambition Tokyo(MAT)2020」の展示を観た感想と作品紹介です。毎年楽しみにしているので、今年も無事に見られて良かった……。


2020年2月28日訪問

Media Ambition Tokyo 2020

MediaAmbitionTokyo2020_MAT

展覧会と記事の概要
一言コメント

テクノロジーアートの祭典《MAT》。
AI監視から逃れる”現代版透明マント”、一瞬の風を形にした彫刻、アイヌ文化をデジタル技術で構築した演劇、レシートから物語を作ったり、AIがツイートから詩を作ったりする作品。
多彩なジャンルから出展されたテクノロジーアートが本当に面白い!

展覧会のあらまし

Media Ambition Tokyo [MAT]は、最先端のテクノロジーカルチャーを実験的なアプローチで都市実装するリアルショーケースです。渋⾕、六本⽊、上野を中⼼に、恵⽐寿、飯⽥橋、台場、御茶ノ⽔など、都内各所を舞台に最先端のアートや映像、⾳楽、パフォーマンス、トークショー等が集結。[…]2020年、そしてその先の未来を⾒据えて移動や通信、情報を含んだ都市システムのありかたが⼤きく変化している今、都市の未来を創造するテクノロジーの可能性を東京から世界へ提⽰し、ジャンルやカテゴリーの枠を超えたボーダーのない⾃由な実証実験により、未来を変⾰するムーブメントを実体化するようなテクノロジーアートの祭典を⽬指します。
Media Ambition Tokyo

MEDIA AMBITION TOKYO 2020 teaser

会場:渋谷キューズ(メイン会場)
会期:2020年2月28日~3月8日
公式HP:こちら
作品リスト:こちら

展覧会の感想

 メディアアートの祭典「MAT2020」です!

 毎年、本当に楽しみにしています。
 今年は、ちょうどコロナが流行り始めて、社会的に自粛の雰囲気が高まっていた頃なので、観に行くことができて良かったです。

 「祭典」ということで、本当は都内各地で展示やイベントが行なわれているのですが、私はそこまで回れないのでメイン会場だけです。
 今回のメイン会場は【渋谷キューズ】でした。

MediaAmbitionTokyo2020 (1)




 「渋谷キューズ」
 2019年11月に開業した渋谷スクランブルスクエアに入るスペースです。100年に1度と言われる大規模再開発で誕生した新しい場所に行けるのは、それだけで楽しいですね!

 このスペースのコンセプト。

渋谷から世界へ問いかける可能性の交差点ありふれた日常から立ち上がる雑多な問い。それらが一つの場所に集積したら、どうなるのだろう。そしてそれらが、多様な個性や領域を越えた深い知性と出会いスクランブルされたら、一体どんな化学変化が生まれるのだろう。
SHIBUYA QWS


 こういう場所で、様々なテクノロジーやアートが融合する「MAT」が開催されたというのは、それだけで素晴らしいと思います。
(けど、QWSのHPを見てもよく分からない……笑)

渋谷キューズとは | SHIBUYA QWS
SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)は、「問うだけじゃなく、​ 出会うだけじゃなく、​ 生み出すだけじゃなく、​ 世界…
MediaAmbitionTokyo2020 (1)
こんな感じでした!




 展示されていた作品について。
 今回は「自然」に関わる作品が印象的でした。

 過去に観に行ったMATはテクノロジーそのものを見せる展示や体験が多かったように思います。ARやAI、映像技術、3Dプリンターなどの工作機械とか。
 新しいテクノロジーはワクワクして面白いので、今までのMATはかなり好きでした。未来を垣間見る感じがして、楽しかったです。

 一方で、MAT2020は「自然」をテーマにした作品か、もしくは”あり方”や”やり方”を考えさせるような展示が多数だったような気がします。
 でも決してつまらないわけではなく、そこにちゃんとテクノロジーが噛んでいるからやっぱり面白いし、大好物でした!

イメージソース《KAXEL “春夏秋冬”》@MAT2020
「四季」をテーマにした作品
イメージソース《KAXEL “春夏秋冬”》




 MATは毎年、私が新しいテクノロジーの情報を仕入れたり、触れたり試したりできる重要な場所なので、今後も続いてくれることを願います。

 今年、2020年に開催予定だった東京オリンピックに合わせて文化庁を筆頭に企画された日本カルチャーの祭典【日本博】があります。(あまり話題になってないけど)
 その中で、アイヌ舞踊から能や歌舞伎、刀剣乱舞2.5Dミュージカルまで様々な演目を披露した特別公演「日本の音と声と舞」の演出をMATが手掛けているのだそうです!!!!!

日本博特別公演「日本の音と声と舞」

展示作品の紹介と感想

 作品の順番ですが、特に順序とかはなかったので適当に書きます。あと、全部は難しいので、個人的に好きなやつとか、書いておきたいやつだけです。

Media Ambition Tokyo 2020

The Essence of Serendipity
Qosmo×Sansan DSOC《The Essence of Serendipity》@MAT2020

作家:Qosmo×Sansan DSOC
作品名:The Essence of Serendipity
制作年:2019-2020

 オンライン名刺交換サービスのデータを元に、AIが予測しなかった接触を視覚化した作品。
 人間関係を視覚化する上で、名刺交換データを活用したのが日本っぽくて好き。その上で、AIが予測出来なかった≒一般的にはありえない接触だけが表示されるという点が肝で、でもそれって皆んなが真似できるものではないよなーと。だからオリジナルな発想が生まれるのだと思う。
 あと、松重豊さんと野間口徹さんが出演しているSansanの「してやられた」CMがめっちゃ好き(笑)


[…] 日常生活や仕事に必要なコミュニケーション、未知なるものとの出会いをオンライン上で完結することは、もはや絵空事ではない。
イノベーションの創出を導く「幸運な偶然」になり得る名刺交換のネットワークは、ビジネスシーンにおけるFace to Faceによる出会いの縮図。その中に存在する、AIが予測できなかった出会い。そこに、出会いの当事者だけに影響した「何か」が被覆されている。
本作品では、時折、広大なネットワーク内からAIが予測できなかった出会いが切り出される。それは、知覚できない「何か」を想像させ、これまでに無数のイノベーションを生み出してきた出会いの妙が浮かび上がる。
MAT2020

UNLABELED
慶應義塾大学SFC 徳井研究室 × Dentsu Lab Tokyo《UNLABELED — Camouflage against the machines》@MAT2020

作家:慶應義塾大学SFC 徳井研究室 × Dentsu Lab Tokyo
作品名:UNLABELED — Camouflage against the machines

 AI技術を利用した監視社会を前に、AIが識別できない特殊な模様を印刷した衣服を着ることで、監視から逃れられるという作品。
 中国を筆頭にAI監視はどんどん進んでいます。そんな中で「現代版の透明マント」や「光学迷彩」を実装したような衣服はとても面白いです!!
 実際に着て試すと、たしかに「人間」というラベル付けが消えました。ただ一方で顔が映ると認識されちゃうので、マスクとか仮面が必要ですね。

深層学習を用いたAI技術の発展により、AIによる監視社会が到来している。現代を生きる人間にとって脅威となる行き過ぎた監視、脅かされるプライバシー。そこでAIが誤認識を引き起こしやすい特定の柄を学習、生成された画像を元に、迷彩服を提案する。[…] 21世紀のカモフラージュを思索した。
MAT2020

質量に保存する,制約を与える,有限の存在にする.
落合陽一《質量に保存する,制約を与える,有限の存在にする.》@MAT2020

作家:落合陽一
作品名:質量に保存する,制約を与える,有限の存在にする.

 落合陽一さん作品は本当に難しい……。
 言わんとしていることはなんとなく分かるし、たぶんそこに共感しているから作品を観に行く機会が多いのだと思います。カタチのない自然や風景を物質化したり、記憶を残すため写真を撮ったり。有限と無限、アナログとデータとか、その関係を探るところとか。でもあと一歩のところが難しい…。

質量に保存する,制約を与える,有限の存在にする.
物理的制約のないデータの世界と制約ある質量の世界の越境を繰り返した末に,
存在が物化を繰り返せる可能性を意図的に喪失させる.
質量のある装置はやがて壊れ,質量のない装置はやがて忘れられる.
物質の制約から自由になったデータに有限の身体を与え直す作業に集中する.
デジタルの世界とアナログの世界から切り取った有限性のあるメディア装置の箱庭を作る.
別離への可能性を孕む存在になったデータは愛おしい.
この有限性を与えることへの偏愛を味わうために,
やがて壊れゆく形にデータを記録するメディア装置を蒐集家の目線で眺めていたい.
MAT2020

KAXEL “春夏秋冬”
イメージソース《KAXEL “春夏秋冬”》@MAT2020

作家:IMG SRC(イメージソース)
作品名:KAXEL “春夏秋冬”

 光を遮って背景を隠すことで機能するディスプレイ「KAXEL」を使って日本の四季を表現した作品。
 パッと全体を見渡した時、KAXELの格子が障子や格子戸と重なって、その背後にある四季の草花と合わせるととても和っぽいイメージでした。日本美術で描かれる「四方四季の庭」とか「四季草花図」とか大好きなので、この作品もいい感じでした!
 あと、手前のKAXELディスプレイに表示されたアニメーションが動くので、本来は動かない造花の背景もそよいでいるような感じを受けました。

本作は日本の四季を「KAXEL(カクセル)」を通して表現します。8枚のKAXELと背後の植物で構成され、これら二つには「無機/有機」「デジタル/アナログ」といったコントラストがあり、その調和によって季節のうつろいを表現しています。KAXELには四季を連想させるアニメーションが流れ、1枚を通して見ると、掛軸のように季節の一瞬を切り抜き、8枚を通して見ると、屏風のように季節の変化を物語ります。KAXELはイメージソースがご提案する空間演出のためのプロトタイプです。「隠す」というふるまいで、テキストやシンボルといったアニメーションを描画しながら、同時に背後の対象物の存在を際立たせることができます。
MAT2020

Moment (horizontal version)
脇田玲《Moment (horizontal version)》@MAT2020

作家:脇田玲
作品名:Moment (horizontal version)

 「一瞬」を彫刻にするために、風をコンピューターに取り込んで出力した作品。
 風を固定化する作品って時々見かけます。風が吹いた結果を絵や写真で表現したり、空気の流れをCGで描いたり。
 この《Moment》という作品は風なのに金属で出来ていて面白いなーと。存在感が凄い。あと「一瞬と一瞬はどのように接続しうるのでしょうか」というコンセプトの一文に惹かれました!!
 壁のディスプレイには、三島由紀夫の『金閣寺』から、「世界を理解した時、物事が普遍であると同時に、常に変化していると気づく」という旨の文章が引用されていました。

一瞬とは我々の身体が知覚しうる最小の時間感覚なのでしょうか。一瞬とは離散的なものなのでしょうか。一瞬と一瞬はどのように接続しうるのでしょうか。一瞬を連続的なものとして捉えたり、その重ね合わせを検討することは可能でしょうか。[…] 本作はそのようなことを考えながら作った彫刻作品です。 […] ある瞬間の風の様子を計測し、コンピュータに取り込み、彫刻としてアウトプットしたものです。一瞬というインタンジブルな概念を有形物として目の前に物質化することで、鑑賞者にその時間のもつ意味に改めて向き合ってもらうことを目的としました。[…]
MAT2020

組換えでない/組換えである
三浦亜美 × 板坂諭《組換えでない/組換えである》@MAT2020

作家:三浦亜美 × 板坂諭
作品名:組換えでない/組換えである

 「遺伝子組換え作物」を代表に取り上げて、人類が進める地球規模の開発や科学技術の発達とその先を考える作品。
 こういうのは大好き。「伝子操作が日常となった世界をビジュアル化した作品」という部分はよく分からなかったけど、コンセプト文をそのまま以下に引用しました。
 個人的には、もはや人類をその他動植物と同じ「生物」の枠組みで考えること自体が難しいように思います。だって、もはや自然環境の連鎖の外側にいるし、種の保存なんて誰も考えていないでしょ?(笑)

人類は神の領域とも言える遺伝子操作が日常的に行われる時代に到達した。 現在、国内市場に出回っている大豆の約9割は遺伝子組換え作物である。 人類は遺伝子のみならず、すでに地球の多くを変えてしまった。 19世紀の産業革命から発展した現代の科学文明社会は、結局のところ温暖化や戦争によって破滅に向かっているだけなのか。 我々は何のために生きているのか。 そのことを、遺伝子操作が日常となった世界をビジュアル化した作品を通じて考えてみたい。 生物は「より良質な種の保存」のために生きている。言い換えれば、より良い世界を目指して生きているとも言える。 さて、我々は世界がより良くなる方向を目指して動けているだろうか。
参照

ロストカムイ
WoW《ロストカムイ》@MAT2020

作家:WoW
作品名:ロストカムイ

 アイヌ文化普及啓発と観光を目的とした阿寒湖の劇場で上演されたプログラム。
 最近は漫画『ゴールデンカムイ』や民族博物館「ウポポイ」、五輪開会式など、アイヌ文化が積極的に表舞台に登場する機会が増えていると思います。今回の演目も、テクノロジーとの融合がポイントな訳で、もちろん賛否はあるでしょうけど、凄いなぁと思います。舞台としても観てみたい!

本プログラムは、阿寒湖温泉のアイヌの人々が継承してきた歌や踊りなどの伝統文化を、国内外から同地を訪れる多くの人々に知ってもらうために企画された。[…] 写真やデジタルアート、サウンドデザインなどの分野で注目を集めるクリエイターが阿寒湖に集結。アイヌ古式舞踊、現代舞踊、3DCG、7.1chサラウンドを組み合わせ、5台のプロジェクターで舞台を立体化した新演目「ロストカムイ」を制作した。 同作では、「アイヌとエゾオオカミとの共生」をテーマとした物語がデジタル技術と舞踊で立体的に再現され、自然を尊び共存してきたアイヌの人々の暮らしの中から生まれた歌や踊りなど、アイヌの世界観を存分に体感することができる。
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3月11日にしゃぼん玉を吹きながら、歩いて家に帰る
三木麻郁《3月11日にしゃぼん玉を吹きながら、歩いて家に帰る》@MAT2020

作家:三木麻郁
作品名:3月11日にしゃぼん玉を吹きながら、歩いて家に帰る

 「歩いて家に帰る」というのにとても好感を持ちました。あと、ただ歩くだけじゃなくて「しゃぼん玉を吹きながら」というのが良いですね。
 奇しくも、今度は新型コロナの影響で「自粛」が叫ばれるようになって、でもむしろ外を歩くことは奨励されているような状況で、色々と考えるところがありました。今年2020年3月11日に企画されていた第9弾は中止になってしまったそうです。
 映像がとても良かったので、ぜひ見て下さい!

2011年3月11日から一年後の2012年3月11日が迫るにつれて、私はいてもたってもいられなくなった。「不謹慎」や「自粛」という言葉が飛び交う日々、その暗澹たる雰囲気を打ち破りたいという衝動から始まったように、今にしては思う。「しゃぼん玉を吹きながら、歩いて家に帰る」は、2012年3月11日から始まった。ーー8年も継続することには勇気も必要だった。時代によって政治は移り、現状は変化する。歩いている場合なのだろうかと自問した。しかし結局9年目を迎えているのは、周囲の人たちがこのプロジェクトを求めてくれたからだった。きたる3月11日に向けて今回の展示では […] 過去8回のプロジェクトの軌跡を振り返る。
MAT2020

モノカタリ
中山祐之介+長堀弘毅+早稲田大学橋田研究室《モノカタリ》@MAT2020

作家:中山祐之介+長堀弘毅+早稲田大学橋田研究室
作品名:モノカタリ
学生CGコンテスト MAT賞

 レシートを読み取って、そこから購入品, 場所, 時間などの情報を取り出し、新しい物語として構成し、出力する作品。
 私も不要なレシートで試してみました! 自宅周辺で買ったレシートは嫌なので、2月に静岡県に旅行した時のを利用。めっちゃ最高に好きな物語が出力されました! なんかもう良すぎて気に入りました。天才!文豪!(以下画像の下に全文を貼りました)
 レシートは不要物だけど憎めないやつですね。私は「レシートを受け取る」のが好きなのでつい貰って、財布に入れっぱなしです。最近は「レシート1枚10円で買い取る」サービスの登場などで、個人情報だと再認識された気がします。

「モノカタリ」は忘れ去られた処理としての生活の記憶から、実体験と少しだけリンクするフィクションを作り出す […] 装置です。[…] 私達を取り巻く環境の爆発的な情報増加に伴って、日常の些細なことを覚えている余裕はなくなってきています。とりわけレシートを受け取るときのような、何気ない生活の経験は「体験」というよりも「処理」のようなもので、代わり映えのなく面白みがないかもしれません。しかしそのレシートにはパーソナルなログデータが詰まっています。「モノカタリ」は、この情報を元に、面白みが無かったとされていた瞬間を振り返って想像を掻き立てる、あなた自身のアナザーストーリーを描き出します。
MAT2020

12月9日、「都」に到着した。私はふうと大きく息を吐いた。「蝟ォ闌ヵ蟒」の前を通り過ぎて、いつもの三叉路をじっと見つめた。澄み渡る青空のおかげで少し気分がよくなった私は意気揚々と進んでいった。あの日以降、複雑化する「帰り道」と格闘するのは私の生活の一部となっていた。あの日からしばらくたった。私は長い放浪の末、熱海にいた。そばにあった電柱に「繝輔A繝ッ繧キ繝ァ繝 この先」と書かれた看板が貼られていた。一瞬、記憶の抽斗が開きそうな音がしたが、すぐにどこかに消えていった。電柱に従い先に進んだが、前にあったのは「闃ァ螻」だった。この都市は今も消滅と増殖を繰り返しているのだろうか。この街に、私のような「迷子」はどれほどいるのだろうか。思索する私の前にまた三叉路が現れた。見覚えがあるような気がした。道は均等に放射状に伸びて、奥まで見渡すことができた。あのよく晴れた日の三叉路か、大雨の日の三叉路か、記憶は朧げだった。奥まではっきり見える果てなき道は、不安を掻き立てる絵画のようだった。あの日の選択を思い起こしつつ、私は前へと進んだ。

WIRED CREATIVE HACK AWARD 2019


 MATの会場内に、「WIRED CREATIVE HACK AWARD 2019」の受賞作品が展示されていました。もちろん出展作品としてです。

 雑誌『WIRED』日本版が主催をし、求めるコンセプトは「あなたは、なにをハックするのか? なぜそれをハックするのか? いかにそれをハックするのか?」に応えること。
 いい作品が揃っています!

「なにを、なぜ、いかにハックしたのか?」WIRED主催 CREATIVE HACK AWARD 2023
「なにを、なぜ、いかにハックしたのか?」【CREATIVE HACK AWARD 2023】
WIRED CREATIVE HACK AWARD 2019

バズの囁き
GengoRaw (石橋友也、新倉健人、吉田竜二、二口航平、吉田智哉)《バズの囁き》@MAT2020

作家:GengoRaw (石橋友也、新倉健人、吉田竜二、二口航平、吉田智哉)
作品名:バズの囁き
WIRED CREATIVE HACK AWARD 2019 –GRAND PRIX–

 Twitter上のトレンドと関連TweetをAIが解析し、「詩」を生み出すという作品。
 AIの詩もなかなか捨てたもんじゃない、というか良い言葉の並びだと思います! 展示されている作品だけだと分かりにくいけど、vimeoの動画が分かりやすくて良かったです!

現代人はスマートフォンを通して、日々大量のコトバをSNS上に投稿するようになりました。[…] 本作はTwitter 上で日々生み出される「トレンドワード」を素材に、AIが発想し詩を綴り続けるインスタレーションです。SNS 上で生まれては消えていくデジタルデータとしてのコトバを、AIという人間以外の知性が観察して、淡々と詩として紡ぎ出す光景を作り出します。膨大な量のコトバを発信するようになったSNS時代の我々人類と、それらを統計的に処理する新しい知性。両者の衝突によって、我々を取り巻くメディアとコトバの現在を映し出します。
MAT2020

photobomber_tomotosi
トモトシ《photobomber_tomotosi》@MAT2020

作家:トモトシ
作品名:photobomber_tomotosi
WIRED CREATIVE HACK AWARD 2019 –QUASI GRAND PRIX–

 渋谷駅ハチ公像の前で他人の写真に映り込むのを待ち、それをインスタグラムで探してまとめた作品。
 今回のMAT2020の中で一番好きな作品です!
 真っ赤な服を着ている準備段階から好きだし、写り込んだ姿がまたイイ感じです(笑) 動画を見ていて単純に面白いです!
 大量に投稿される写真の中から探すのも面白いし、こうして繋いでいくことが出来るというのも面白いです! あとは、普段自分が写真を撮る時にも後ろの人をより気にするようになったかもしれません(笑)

[…] 待ち合わせスポットとして有名なこの像は同時に、東京でも有数のフォトスポットでもある。今回僕はハチ公像の側で待ち続けた──他者の写真に映り込むのを。Instagramの投稿からハッシュタグや位置情報 […] で検索する。そして僕が写り込んだ写真を集めたのがこのアカウントである。
https://www.instagram.com/photobomber_tomotosi/
もちろんだが、これらの写真の被写体は僕以外の誰かである。いつ撮られたかも不明だから、僕の顔は腑抜けている。 画像の加工も、その人好みのものだ。あなたのInstagramのフィードと比べてみてほしい。自分がコントロールできない状態の写真も、なかなか魅力的ではないだろうか。
MAT2020


 そんな感じで、MAT2020の感想でした!

 都内各地で開催されていて、他にも話題になった作品があったりします。そして、公式サイトやインスタグラムで作品情報や解説動画がUPされているので、ぜひご覧ください!

Media Ambition Tokyo 2021
MAT 2021年開催。Media Ambition Tokyo [ MAT ] は、最先端のテクノロジーカルチャーを実…




 それから、渋谷キューズ。
 多分、こういう機会でもないと行かない気がします。薄いノートPCやタブレットPCを持った仕事が出来そうなお兄さん・お姉さんが沢山いるオープンなワークスペースという感じでした(笑)

 あと、外の眺めがとても良かったです!!

読んでくださり、
ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!

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