※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。
2018年9月19日鑑賞
イコライザー2
(英題:The Equalizer 2)
【評価:3.2/5.0】
【一言】
とにかくアクションまでが長くて飽きる!
そのアクションも、「無駄」を徹底的に排した冷淡な戦闘だから、テクは素晴らしくても映画としての面白さに欠ける。
でも、スクリーンに視線を釘付けにさせる音楽や演出が素晴らしかったし、ラストの見せ場バトルも凄かった!
【Twitter140文字感想】
【 #イコライザー2 】
R.マッコールは元CIA暗殺工作員《イコライザー》。引退生活中に上司殺害の一報を受け、犯人を追うことに。
恐怖を醸し、緊張煽る音楽が見事。
でも物語の本格的展開が開幕45分後はさすがに長い。無駄を排し、痛覚を刺激する冷徹無慈悲な「洗練された暴力」の“殺し”は一級品! pic.twitter.com/U2wUvEK6Mm
— ArA-1 (@1_ARA_1) 2018年9月20日
感想
感想外観
デンゼル・ワシントンを最高に格好良く魅せる映画『イコライザー』の続編。
試写会に当選したので観てきました!
第1作目は終盤のホームセンター戦が最高の見せ場でしたが、本作もラストの戦いがすごい!
映画を観た第一印象は「長い!」です。
第1作目でもそうでしたが、アクションまでが長い!
素人の単純な感想ですけど、本編になんら関係無さそうなシーンや話がグダグダ語られ描かれるので飽きてしまう……。
でも、いざ「殺し屋《イコライザー》」としての本領を発揮すれば、映画の表情もD.ワシントンの態度も一変。
淡々と仕事をこなすように、徹底的に無駄を排し、有無を言わさず敵を追い詰め、悲鳴も反撃も構うことなく殺す様子は、痛々しくゾッとするハードボイルド映画に!
本編映像<19秒でチャラリーマンをボコる>編
映画の演出や音楽が非常に印象的です。
普通のアクション映画の音楽の使い方は「場を盛り上げる」ため。
でも、本作は「緊張感」を煽りまくり、「恐怖心」を醸し出しまくります。どちらかと言うとホラー映画ですかね。
「総評」的な形になりますが、映画の展開や物語はハッキリ言ってつまらないです。
D.ワシントン演じる主人公マッコールの生活を追うドキュメンタリーともとれる内容で、別にそこを求めてる訳ではないなぁ〜と。
一方で、音楽に煽られて緊張感がMAXに達した状況で描かれる、対峙した敵とのバトルは、ガチガチに硬められた冷徹無慈悲な「暴力の鉄槌」が容赦なく降り注ぐ素晴らしいバイオレンス映画になります!
アクション映画…か?
上で散々「アクションまでが長い」と書きました。
しかし、そもそも認識の違いかもしれません。私は「アクション映画」として本作『イコライザー2』を鑑賞してましたが、D.ワシントンを描く「疑似ドキュメンタリー」として見れば意外と面白いかも(笑)
これを書いて良いのか分かりませんが、物語が大きく動き出すまでに掛かる時間は、大体「45分」。
普通のアクション映画であれば、見せ場の1つも2つも描き終わってる時間ですよ。
もちろん、その45分の間にも小さな見せ場・アクションはありますが、本当に“小さい”んですよね……。
『007』とか『ミッション・インポッシブル』って映画開幕の数分からブチかましてくるじゃないですか。
その部分が薄くて、「アクション映画」としてはつまらなかったなぁ〜と。
『レディ・プレイヤー1』の冒頭3分映像
物語がほぼ、密着ドキュメンタリー
書いたように、物語に関してはほぼ、D.ワシントンを格好良く映した「疑似ドキュメンタリー」みたいなものです(笑)
タクシードライバーに転向した彼の仕事ぶりや、アパートでの生活、隣人とのやり取りがメイン。
正直、観ながら「このシーン必要か!?」と何度も疑問に思ったりした会話・場面・登場人物がいました。
少なくとも私は、「アクション」を期待していたので、これらの部分があまりにも多く「余計」だと感じました。
単純で簡潔明快なストーリーではあるものの、その周りについてる色々な要素が、ある意味“無駄”というか。
殺しのシーンは一級品
キャッチコピーは「19秒で世の不正を完全抹消する[仕事]請負人」。
一部のスキも無く、無駄を徹底的に排し、磨き抜かれた身体の動きと滑らかな手首の動きが可能にする「殺しのテク」。
決め台詞を吐くわけでもなく、自ら格好をつけるわけでもなく。相手に反撃も反論の隙も与えず「正義の鉄槌」を下す彼。
スタイリッシュでありながら、痛覚を刺激され、恐怖を呼び起こさせる「洗練された暴力」が凄まじい!
淡々と贖うべき罪を読み上げ、鋭い目で観察し、鍛えた身体の滑らかなモーションで敵を倒す、否、殺す。
その表情が読めない視線は本当に冷たくて、背筋が凍るほどの、最高なハードボイルド・アクションに仕上がってます!
演出、その音楽
演出、その中でも特に「音楽」が印象的でした!
最初にも書きましたが、普通のアクション映画って音楽を盛り上げる為に使うと思います。
『ジュラシック・パーク』でも、『インディ・ジョーンズ』でも、『アベンジャーズ』でも。特にヒーロー系とかそうかもしれないです。
ここぞというシーンでテーマ曲を高らかに流して、観客の心を鷲掴みする訳ですよ。
He’s a Pirate (From “Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales”)
でも、本作『イコライザー2』では少し違くて。
どちらかというと、『ジョーズ』とかが一番イメージしやすい例かもしれません。
テーマ曲じゃないので記憶に残る事はないのですが、「音楽が凄い」と印象には残ります。
敵がそっと侵入してきたり、隠れ場所で息を潜めてる状況で流れる音楽は、観客の「緊張感」を最大限に高めるし、「恐怖感」をこれでもかと煽り立てます。
本当に、ホラー映画のような感じ、むしろホラー映画以上に見事な音楽の使い方でした!
個人的に「音楽が上手い / 特徴的」な映画だと『メッセージ』を思い出します。この映画も音楽を使った「煽り方」とか「ムードの作り方」が非常に見事で印象的でした! ほとんどこじつけですけど、サントラから一曲。
Jóhann Jóhannsson – Heptapod B
演出という点で映像も。
映像で印象的だったのは、まず「アップ」。主演D.ワシントンの顔とか瞳、表情や手などがアップで映されて、色々と感じるところありました。
あとは、「暗闇」を上手く利用してました。明るい場所と暗い場所の使い分け、影を使った潜伏などは印象的でした。
総合的に、どうだったか?
一言で片付ければ「つまらない」です。
何度も書いてますが、この感想の前提に「アクション映画を求めてた」という私個人の望みがありますけど。
確かに観終わって、感想を書きながら思い返してみると、D.ワシントンは最高に渋く格好良かったし、戦闘シーンは妖艶なまでに過激でした。
でも、実際に観ている時を思い出すと「長いな〜。アクションまだか?」と物語の部分で飽きていた部分が大きいです。
タクシードライバーに転職したからか、様々な客との触れ合い(?)や、彼の台詞にユーモアも混じっていたのは楽しかったです。
一人の人間として、「正義」を考えるよう市民として、常に「死」に触れる彼の言葉は心に響く怖さがありました。
もちろん、アクションはここまでで沢山褒めちぎったように、素晴らしい完成度を誇っていました。
ただやはり、映画を観ている最中に感じた「飽き」はとても意味ある、個人的な映画の評価に直結するだけの感想だと思います。
ラストが最強!
以降、映画本編のネタバレあり
ネタバレあらすじ&感想
序盤
山岳地帯を走るトルコ鉄道。
とある婦人から娘を誘拐した元夫を追いかけてトルコまでやってきたマッコール。
列車のバーで犯人を見つけたマッコールは、取り巻きの男らを軽々と倒すと、犯人に制裁を加えた。
本編映像<19秒でマフィアをボコる>編
タイトルバック。
救出された娘はマッコール自身の手により無事に米国へと戻り、元の夫人に届けられた。
前半
ベルギーのブリュッセルではとある裕福な夫妻の家に男たちが押し入り、妻を射殺。その後、銃を夫に握らせると自殺に見せかけて射殺した。
前職ホームセンター店員から、個人タクシーの運転手へと転職したマッコールは、日々様々な客の送り届けていた。
ある夜、依頼を受け載せた女性客の異変に気が付き、レイプされたと直感したマッコールは、現場に戻る。
そして、暴行を加えた犯人の男たちを痛めつけるのだった。
本編映像<19秒でチャラリーマンをボコる>編
夜、知人の女性が家を訪ねてきた。
彼女、スーザンはマッコールの元上司であり、CIAで働く現役のエージェントだった。
そんな彼女は、ベルギーの件を調査すべく、ブリュッセルへ向かった。
一方、マッコールの住むアパートの庭で家庭菜園を行う隣人の畑が何者かに荒らされ、さらに壁に落書きまでされていた。
だれも落書きを消そうとしない中、マッコールは一人静かに落書きを落としていた。
そこに芸術家を目指す黒人少年マイルズがやって来て、手伝う事に。
中盤
ブリュッセルで事件の調査を終え、ホテルに戻ろうとしたスーザンは、何者かに襲われ、抵抗を試みるも、2人の男たちによって殺されてしまう。
彼女の夫から、スーザン殺害を聞いたマッコールは、昔の仲間であり同じ「イコライザー」として働いていたデイブと再会。
Film Clip – “I Went To Your Funeral”
そして彼女のスマホや、ブリュッセル警察当局へのハッキングなど独自に調査を進めることに。
その結果、スーザンは何者かプロの手によって殺害された事や、夫妻殺害もプロの犯行だと突き止めた。
自宅で調査をしていたマッコールは、マイルズが黒人仲間に連れられていく様子を目撃。
しばらくして彼らの隠れ家に乗り込んだマッコールは、人殺しの計画に加担しようとしていたマイルズを無理矢理連れ出すと、「人殺しになりたいか?」と説教をするのだった。
Film Clip – “Let’s Go Miles”
ベルギーの事件の調査を始めて数日、タクシーにとある男性客が乗ってきた。男はおもむろにナイフを取り出すとマッコールに襲いかかる。
マッコールも負けじと応戦し、男を殺害。スマートフォンを奪い解析に掛けるも、軍レベルのセキュリティに守られていた。
本編映像<神ドラテク!運転しながら暗殺者をボコる>編
後半
デイブの家を訪れたマッコールは、男による襲撃を報告。そこでマッコールは、デイブが事件の裏にいることを見抜いたと伝える。
デイブは半ば待っていたかのように、「マッコールが消え、俺達は裏家業をやらざるをえなかった」と話すのだった。
家の外で待っていた、マッコールの元チーム仲間「イコライザー」達と再開したが、彼ら全員が汚れ仕事を行う者たちになっていた。
ここで、お互いに宣戦布告を告げた。
スーザンの夫を保護したマッコールは、昔住んでた海辺の家に向かう。
しかし、アパートのマッコールの部屋に「イコライザー」達が忍び込み、しかもそこに運悪くマイルズが居合わせた。
マッコールは仕掛けた監視カメラと電話でマイルズに隠れるよう指示。
難を逃れたように思われたが、最終的にマイルズは「イコライザー」達に捕まってしまった。
嵐が近づく中、マッコールは退避命令の発令された、以前に住んでいた海辺の街へとやってきて、ここで敵を迎え撃つと決意。
「イコライザー」達も、マッコールの行き先を予想して向かうのだった。
終盤
ゴーストタウンと化した海辺の街で、マッコールとデイブ率いる「イコライザー」たちが戦う。
地の利を活かし、鍛えた戦闘スキルでマッコールは一人ずつ「イコライザー」を倒していく。
銛やナイフ、小麦粉爆弾などを利用して敵を倒し、最後にデイブとの一騎討ちになる。
灯台のような高台に陣を敷くデイブは、さらに「“おとり”として捕らえたマイルズを殺す」と脅す。
マッコールはそれに屈する事なくデイブの元へ辿り着くと、彼を殺害。
脚に銃弾を食らったマイルズを介抱しながら嵐が過ぎるのを待った。
そして、アパートに戻ったマイルズは壁の塗り直しを完成させ、学校にもしっかり通うようになっていた。
エンドロール。
最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!
>キミ、面白いこと言うね! さん
コメントありがとうございます!
辟易されたのに読んでくださった上に、わざわざ哀れんで、しかもコメントまでいただきまして、本当にありがとうございます。
本当に薄っぺらいコメントですねw
まぁ話題性のある商業映画しか観ていないようですから、「本編になんら関係無さそうなシーン」としか捉えるしかできないんでしょうね。可哀そうに…
アクションシーンまでが長い、とのことですが、あなたのこの不毛なコメントの長さの方がずっと辟易します。小学生の読書感想文みたいで、もちろんほとんど読むに値しませんが。