※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。
2018年9月14日鑑賞
ザ・プレデター
(英題:The Predator)
【評価:2.2/5.0】
【一言】
捕食者《プレデター》の最新作。 殺戮や銃撃戦は迫力あったけど、物語は残念。
映画の作りも、物語も個人的には大いに残念!
でも、プレデターの行動理由が少し暴かれた部分はシリーズ系列作品としてやはり面白いけど、如何なものだろう?
【Twitter140文字感想】
【ザ・ #プレデター 】
政府研究機関から拘束してた[プレデター]が脱走。さらに宇宙からより強大に進化した[プレデター]が地球に飛来。
弾薬惜しまぬ銃撃や残虐性は依然高いも、“殺人”ではなく“殺戮”に変わり、「SFホラー」は何処へやら。
これ見よがしに進化や新設定を付与するのは如何なものか。 pic.twitter.com/EWpXSkIBly
— ArA-1 (@1_ARA_1) 2018年9月15日
感想
感想外観
プレデターに関しては『プレデター』『プレデター2』と『エイリアンvsプレデター』しか観てないです。
シリーズ作の内容も結構うろ覚えな状態での新作でしたが、“楽しめ”はしました。
殺戮行為・弾薬を気にしない総火力での銃撃戦・少々グロテスクな残虐描写。
頭を空っぽにして、映像だけを追って楽しめるのが、従来通りに嬉しかったし、楽しかったです!
物語は正直残念でした。
「捕食者《プレデター》から逃げるように戦う」というSFホラー的な部分、単純な戦闘ではなく知略戦を人間側が繰り広げる部分が好きでした。
でも、本作は「逃げるor撃つ」の2択で、求めていた内容と違ってガッカリ。
個人的に、新作が作られる度に「最強進化」していく流れが嫌いです。
前作を超えなくてはならないので仕方ないのでしょうが、あまりにもひねりがなく、面白味に欠けると。
しかも、進化が続く事に、原型が崩れていったり、「実は○○でした」という無駄な設定や物語が加わるのが大嫌いです。
超絶進化が止まらない!プレデター徹底解説
とは言いつつも、本作で描かれ明らかになった「プレデター」の新しい生態や行動理由、目的や進化、種族としての秘密などは面白かったです。
とは言いつつも、理解できない点や矛盾した描写があったように感じましたが。
こちらの動画が面白かった!
プレデターVS ???? 最強は誰だ対決!?
銃撃!銃撃!銃撃!
圧倒的な強さを誇る「プレデター」の殺戮行為。
銃を持ち、弾薬を撃ち尽くして応戦する人間。
殺された人間の無残な姿。
プレデターに挑め! ワケあり集団“ルーニーズ”
「プレデター」はビーム・キャノンのように飛び道具が使えるのに、刃物や爪を使ったり、場合によっては腕だけを利用したりして戦います。
だから必然的に、血が飛び散ったり、死体が無残な姿になったりします。
「プレデター」自身が殺戮を楽しんでいるからか、観ている観客としても(不謹慎だけど)非常に面白く迫力のある映像になっていると思います!
また、姿が見えない“敵”に対して、人間が銃を乱射し、銃弾を雨あられと降らせるのも見どころの一つです。
第1作目には若干劣るものの、本作でも圧倒的な火力で撃ちまくります!
グロテスクさという意味では、本作は「R15+」指定。
腹を裂かれて腸が出たり、腕や脚を切り落とされたり。
こういうのは、ただのアクション映画では観られないから楽しいです!
求めていた「プレデター」ではない
『プレデター』の何が面白いって、普通のSFエイリアン侵略作品のように無差別殺戮したり、単純に殺のではない所だと思います。
一人ずつ「狩り」を楽しんだり、知略的に追い詰めたり。姿を消して忍び寄ったり、強力な暴力で殺したり。
どこかホラー映画チックだったり、潜入ゲームみたいな部分があったり。
でも、本作はそれとは随分と離れていました。
「プレデター」は「狩り」というより「殺戮」に偏っているというか、殺す価値を軽んじているような。
一方の人間も、「敵を倒そう」という気概は薄く、大勢で撃ちまくるか、車で逃げるかのどちらか。
これじゃただの『モンスター映画』ですよ!
新作の度の「進化」が嫌い
こういうモンスター映画とか、ホラー映画とかゾンビ映画とかもそうですね。
およそ「敵」という名の存在が登場する作品は、シリーズを追う毎にその敵が強くなっていきます。まぁこれは当たり前。
でも、『プレデター』とか『エイリアン』、『バイオハザード』みたいな生物系の映画の場合は、「進化」という形で強化されていきます。
個人的にはこれが大嫌いです。
観客を納得させるため、前作で倒さたれ敵を超える為に仕方ないとはいえ、あまりにも稚拙な気がします。
ニュー・モデル“プレデター”発表
加えて、嫌いな理由の大きな部分は「余計な設定が加わる」という部分です。
進化させた結果が何故か「人間に近い形になる」とかはもはやお決まり。
加えて、「実は人間の祖先だった〜」とか「人間のDNAを混ぜた〜」みたいな事は日常茶飯事。
原型を留めない外見になるだけでなく、そのキャラクターの内面すらよく分からない形にイジられるから大嫌いなのです。
長くなりましたけど、本作はまさにコレ。
「プレデターの最終進化系」とか謳っておきながら、大して変化が分からないというか、もはや別の生き物というか……。
“らしさ”が薄くて…
設定は現代でありながらその利点を全く活かせてないし、そもそも雰囲気も台無しです。
それに、「プレデターが強いと認めた相手とタイマン」が見どころで、2人の戦士の対決が凄かったのに、本作ではほぼなし。
この部分が重要なのでは……?
上で「大嫌い」とか言っているので、どちらかというと弁護的な、弁明みたいな形に聞こえてしまいますけど……(笑)
本作で描かれた「プレデター」の秘密や、明かされた真実のような部分は面白かったです。
ネタバレになるので多くは語れませんが、彼らの目的とか、行動原理とか、そういう部分のことですね。
ジェイコブ君!
今回の映画で一番良かったのは「ジェイコブ君」かもしれません(笑)
子役のジェイコブ・トレンブレイ。
『ルーム』で生まれてからずっと監禁されて成長した少年を演じ、『ワンダー』では顔に障害のある男の子を演じました。
どちらの作品も見ていて、そのどちらの演技も素晴らしくて感動しました。
そんな彼が、本作『ザ・プレデター』で演じるのは、自閉症の精神疾患をもつ少年。
やっぱり、演技がすごくて、凄かったです!
ラストに唖然
以降、映画本編のネタバレあり
ネタバレあらすじ&感想
序盤
※一応「プレデター」と仮称するということで。
宇宙船に乗り追ってから逃げるプレデターは、ワープをして地球に辿り着き、そのまま大気圏に突入、宇宙船からポッドで脱出した。
タイトルバック。
メキシコで人質交換を監視していたスナイパーのクイン・マッケナ率いるチーム。
そこに脱出ポッドが墜落し、現れたプレデターにより仲間は皆殺しに。クインはプレデターからヘルメットと腕輪を「証拠品」として盗むと現場を立ち去った。
クインは奪った証拠品を郵送し、そこで政府機関の男らに捕まってしまう。
取り調べを受けるクインは、そこでプレデターが1987年や97年にも地球に来ていることを知らされた。
前半
中学校に通うクインの息子、ローリーは自閉症、精神疾患を抱えており、周囲とコミュニケーションを取ることが苦手。
そんなローリーの家に、クインが送った荷物が届いた。
中にはプレデターから奪ったヘルメットや腕輪などが収められており、ローリーはそれをいじる。
すぐに彼は使い方を理解し始め、ゲーム感覚で触るのだった。
すると装置が起動し、その信号を頼りにもう一つの宇宙船を地球に導いてしまう。
一方、とあるダムの内部。
プレデターを捕らえた研究者たちの研究所があり、そこでは「スターゲイザー計画」が進められていた。
そこに招かれた、進化生物学の博士ケイシーの調査によりプレデターのDNAに人間のものが含まれていると判明。
ところが、突如目を冷ましたプレデターが拘束具を破って施設から脱出すべく暴走し、研究員や警備員らを次々と殺し始めた。
同じ頃、クインは「精神異常」と診断され、数人の退役軍人らと一緒に移送バスに乗っていた。同乗する軍人らはみな少し狂った者たちばかり。
クインは「異星人を見た」と話すが誰も相手にしてくれない。
そんな中、クインに呼び出しがあり、バスはダムへ向かう事に。そこで脱走したプレデターと遭遇する。
クインは自身の正しさを証明し、「奴に仲間が殺された。復讐し、殺さないともっと大勢がヤラれる」と言い、打倒プレデターを決意。
同乗する軍人らも興奮の勢いで協力を申し出ると、バスを乗っ取って走り逃げるプレデターを追うのだった。
ケイシー博士もまた、研究所から脱走したプレデターを追っていたが、不注意から麻酔針が自身に刺さってしまう。
現場に居合わせたクインらが彼女をバスに運び込むと、一旦モーテルに避難することに。
中盤
ローリーが起動した装置からの信号を辿って地球に辿り着いたもう一つの宇宙船。
中から降り立ったプレデターは、2匹の猟犬のようなクリーチャーを連れいてた。
ケイシーとクインら軍人は、モーテルで事情を確認し合い、お互いの立場と状況を話し合った上で協力する事に。
プレデターが、ローリーの持つ装置を狙うと考えた一行は、ローリーのいるクインの家へと向かう。
その日、ちょうどハロウィンだったため、ローリーはプレデターのヘルメットを被って街を歩いていた。
しかし、自閉症を馬鹿にされ、2階から物を投げられてしまう。するとヘルメットが反応し、キャノンが発射され、家を爆破してしまった。
クインの家に着いた一行は、街でローリーを探すことに。
そしてフットボール場でローリーを見つけるが、そこには新しいプレデターの放った2匹の猟犬型クリーチャーが。
何とか力を合わせて1匹を倒し、もう1匹の感覚器官を排除して大人しくさせたクインら。
しかし安心もつかの間、今度は研究所から脱走したプレデターが追ってきて、中学校の校舎内に逃げ込むもプレデターの強さになす術ないクインら。
そこに現れたのは、猟犬を連れていたプレデター。これまでの2倍以上の巨体の「究極プレデター」は、研究所から脱走したプレデターと戦うと、安安と殺してしまう。
“Hunting Each Other” Clip
後半
混乱に乗じて一旦退避したクインら。
ケイシーは「プレデターの中に見えた脊髄。彼らは他の種族のDNAを奪い進化してる」と推測する。
そこに現れたのは「スターゲイザー計画」を進める組織のチーム。クインらを縛り上げると、プレデターの装置を起動したローリーをヘリで連れ去ってしまう。
クインらもヘリを盗み飛び乗ると、「スターゲイザー計画」を行う面々がいる場所へ。
それは最初のプレデターが地球にやってきた際に乗っていた宇宙船が墜落した場所だった。
ローリーは命令されるがままに、宇宙船のハッチを開け、「スターゲイザー計画」の隊員らと中へ入っていく。
その様子を見ていたクインは、プレデターから盗んだ光学迷彩機能を使って船内に侵入し、隊員らを倒すとローリーを連れ戻そうとする。
しかし、そこに「究極プレデター」が現れる。
彼は宇宙船を破壊し、さらに「真の戦士マッケナは戦利品に持ち帰る」と告げた。
クインは自身が犠牲になってでもプレデターを倒そうとするが、そもそも認識が違っていた。
プレデターが求めていたのは息子「ローリー・マッケナ」であり、その理由は彼の天才的な能力を進化に組み込むためだった。
終盤
ローリーを連れた究極プレデターは、宇宙船に乗って地球から去ろうとする。
しかし退役軍人チームはなんとしても阻止すべく、自身の身を犠牲にしてまで宇宙船による脱出を止めるのだった。
そして遂に、究極プレデターとクインが対決する。
最終的にケイシーの手助けもあり、無事に究極プレデターを倒したクインは、死んだ仲間らを埋葬してやるのだった。
その後、ローリーは天才的な頭脳を買われて「スターゲイザー計画」に携わる研究員に。またクインも大尉へと昇格していた。
そして、追われていたプレデターが残した物が判明する。究極プレデターの手により宇宙船が爆破される前に、その物は保護プログラムが働いたらしかった。
そこに納められていたのは、「プレデター・キラー」。スーツ型の武器は、人類がプレデターに立ち向かう為の道具のようだった。
エンドロール。
最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!