こんにちは!
お元気ですか?
劇場版『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。
ずっと待っていて、ようやくこの映画を劇場で観られたことがとても嬉しいし、感謝しかありません。彼女たちの姿をしかと見届けました。
とにかく感動して、泣きました。声を我慢してむせび泣いたし、タオルで涙と鼻水を拭うくらいには号泣でした……。
ちょっと、感想も何を書いて良いのか分からないのですが、思うところを書いていきます。
2020年9月18日鑑賞
劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
5.0 / 5.0
- 「あいしてる」を伝えるヴァイオレット・エヴァーガーデン。
- 彼女が出会い知った気持ち、感情、言葉の意味。それが積み重なった”彼女の物語”に感涙。
- 「会いたい」という願いが叶うよう祈る彼女の心は、時代が流れても変わらない。その美しさに感動。
- 「伝える」ということがこんなにも大切で愛おしいとは!
戦時中に兵士として育てられ、愛を知らずにいた少女ヴァイオレット・エヴァーガーデンが、「自動手記人形」と呼ばれる手紙の代筆業を通じて、さまざまな愛のかたちを知っていく姿を描く。人々に深い傷を残した戦争が終結して数年、世界は少しずつ平穏を取り戻していた。新しい技術の開発によって生活も変わり、人々は前を向いて歩み始めた。ヴァイオレットも大切な人への思いを抱え、その人がいない世界を生きていこうとしいてた。しかし、そんなある日、一通の手紙が届く。
映画.com
『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』本予告
監督:石立太一
脚本:吉田玲子
制作:京都アニメーション
音楽:Evan Call
キャスト: 石川由依, 浪川大輔and more.
上映時間:140分
日本公開:2020年9月17日
配給:松竹
何をどんなふうに書けばいいのか……。
素晴らしい映画で、
完成されたアニメで、
美しい登場人物と言葉で、
涙がでるほど感動的な物語でした。
ヴァイオレットの美しい所作に見惚れたし、
綺麗な背景美術に息を呑んだし、
重厚な劇伴を聴いて、映画って良いと思いました。
“彼女”が”彼”を思う気持ちに心を打たれたし、
会いたいと願う気持ちが叶うよう祈りたいと思いました。
宝石のように輝く瞳に飲み込まれそうになったし、
溢れ出す感情が映った表情は何物にも形容し難いです。
「気持ちを伝える」ことがこんなにも愛おしくて、
大切で、大変で、でも止められないし、止めたくない。
難しいけど、今しかできなくて、伝えたい相手がいる。
ちゃんと言葉にしなくちゃダメなんだな、と。
文字にして手紙に綴って封をして届けるのでも良いし、
世の中が変わって、電信や電話が登場したとしても、
想いや気持ちを伝えることに変わりはないのかな、と。
「手紙」という想いを伝えるカタチの話で、
それを書き、届けようとする人たちの話で、
恋の話で、戦争の話で、家族の話で、人生の話。
過去を振り返って、未来を思う、今のお話。
そして、
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの物語。
小説、TVアニメ、外伝、劇場版と描かれてきたヴァイオレットの物語と、彼女が繋いできた人々の想いが、ひとつの時間に結実するような、素晴らしい映画でした。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』新作劇場版告知PV
“あいしてる”を伝える物語
「”あいしてる”を知りたいのです」
ヴァイオレットのその言葉から、全ての物語が広がった『VE』という作品。
その描き方も、物語の展開も、そして劇場版での内容も、全てが完璧だったと思います。
「愛してる」
私だってまだ分かりません。
劇中の登場人物だって、誰もヴァイオレットに直接との言葉の意味を伝えた人はいません。だから、彼女は自分で探したのです。
兄と妹の関係を、王女と王子の関係を、母と娘の関係を、兵士の家族や劇作家や天文台の写本係の気持ちを、代筆を通じて知っていきます。
一義的でない「愛してる」の意味を、このように様々な人を通して描くことでその意味を確かめながら積み重ねていくような物語が大好きです。単純なラブストーリーを提示するのではなくて、愛情や友情、親子の絆や願いなど色々な思いを綴ったのが素晴らしいと思います。
「私は、今、”あいしてる”も……少しは分かるのです」
劇場版。
「あいしてる」の意味を知ったヴァイオレット。
今までは彼女が依頼者と宛先の人物を繋げる役目を果たし、彼女が物語を導いて動かしてきました。今度は、この映画は彼女自身が動く番。
映画を観る前はどんな結末でも受け入れたいし、彼女の姿を見届けたいと思いました。映画を観ながら、彼女の願いが叶うようにと一緒に祈りたいと思いました。映画を観終わって─────。
変わらない、伝えたい気持ち
時代は変わる。
ガス燈は電気に、手紙は電話へと代わり、その役割を終えようとしていた。
でも、変わらないものもある。
彼女の感情だ。
彼を思う彼女の感情。
それは───愛してる。
その彼女の名は、ヴァイオレット・エヴァーガーデン。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』特報
劇場版の特報のナレーション。
とても気に入っています。
時代は変わっていきます。
電信や電話が一般に普及しはじめたライデンシャフトリヒの街。そこに手紙や郵便、そして自動手記人形の居場所はあるのか、ないのか。彼女たちはどうなるのか。オールドメディアに対してどんな答えを出すのか。
そんなことを考えながら映画を楽しみにしていました。
『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』特報
そして、劇場版の物語。
なんかもう、感動しました。
「伝えたいという気持ちは変わらない」ということをそっと静かに伝えているようで、泣きました。
手紙が廃れるとか、電話のほうが優れているとか、そういう技術の優劣や進化ではなく、あくまでも「人の心」を大切にした物語で、泣けました。
正直、心の奥底では「『VE』には人に寄り添ってほしい」と思っていたので、変化が怖かった部分もあったので、こういうメッセージで救われた気持ちです。
今だって、そう。
黒電話は携帯電話になり、手紙はメールに置き換わって、さらにはSNSやチャットという簡単で便利な道具がたくさん溢れています。
だけど、誰かに何かを伝えたいという気持ちは変わらないんだな、と思ったし、今更ながらそれを教えられた感じです。
なんだか、私も手紙を書きたくなったし、「あいしてる」の意味を探してみたくなりました。
彼女は言っていました。
「伝えたいあの人は、いま、この時にしかいないから」
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
声に出して呼びたくなるような、文字としてタイプするときに一文字を大切にしたくなるような、そんな愛おしい名前のキャラクターってそうなかなかいないです。
それって、アルファベットの並びとかもあると思うけど、今まで彼女を描いてきた物語が積み重ねて作り上げてきた人物像がとても大きくて大事なものだからだと思います。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 Violet Evergarden CM
日本の映画・アニメ・小説で、登場人物の名前を題名にすることって稀だと思うんです。
外国映画では『ハリー・ポッター』とか『ラプンツェル』とか『インディ・ジョーンズ』や『ジェイソン・ボーン』とか。主人公の名前をそのまま題名にすることが多いです。私は、こういうの大好き。
でも日本のってそれが少ない。
『鉄腕アトム』や『ドラえもん』のように昔の漫画やヒーローものはキャラ名を書くこともありますけど、それはアメコミも一緒だし。でもドラマは多少ありますかね、『半沢直樹』とか。
だから、この作品が『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という題名で、それが主人公の名前だと分かったときは嬉しかったし、その名に恥じぬ物語でした。
そう、これは彼女───ヴァイオレット・エヴァーガーデンの物語なのです。
そして本作劇場版『VE』では、まさにその物語でした。
だから、嬉しかったし、素晴らしかったです。
結城アイラ / Violet Snow (Full Ver.)
TVアニメーションでもヴァイオレットは主役だし、物語も描かれていました。
でも、TVアニメでは彼女が依頼人の間を手紙で結ぶことで、その人たちの関係を大きく描き出していました。家族、恋人、幼馴染、色々な職業や立場の人達、戦争と軍人……etc.
もちろんそれも最高でした。聞き上手なヴァイオレットが相手と関係を深めながら寄り添い、美しい言葉にして手紙を代筆するというのには何度も感動しました。でも、どこに感動したかといえば依頼人たちが紡いだ絆や愛情のエピソードだったと思うのです。
だから、本作でようやく「ヴァイオレットの物語」が描かれた、というか結末はどうであれ、彼女が今まで胸に溜めて、考えて、書いて、歩いてきたことを繋げてくれたのは本当に感無量でした。
あと、彼女はめっちゃ成長しましたね。
TVアニメの最初は「人形」だったのが「少女」になり、もう「女性」という感じ。
そんな変化を追いながら、これまで積み重ねてきた人々との邂逅を果たすような素敵な物語。脚本の吉田玲子さん、素晴らしいです!
秀美なアニメーションが描く感情
アニメーションって凄いな、と思います。
アニメを見る度に言っているし、その度に思いを新たにしていますが、やっぱりアニメって凄い。本当に複合芸術だと思うし、これだけのメディアって他にないと思います。
人の動きも背景も全部手描き。劇伴や効果音はひとつひとつ生み出すし、アニメーターが描いたキャラに、今度は声優が声を入れて作り上げられている。画面構成や風景は意図したものだし、音響や効果や色彩とか、すべて人の手で組み上げられて一つの作品になっていると思うと、とにかく凄いとしか言えません。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という作品は、それをしみじみとお思わせるし、京都アニメーションって素晴らしいな、と。
本当に、全部がとても綺麗。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンは特に。
彼女ほど「美しい」という言葉が似合う人はいないのではないか、と思うくらい。つま先から髪の毛の先まで、ひとつひとつの所作全てがとても丁寧で洗練されていて、眺めているだけで溜息をつきたくなります。
TVアニメの時も、2019年の外伝の時も凄いと思いましたが、本作劇場版はそれを何倍も上回るくらい綺麗で、丁寧で、美しかったです。
例えば、歩くだけで。
真っ直ぐに背筋を伸ばした立ち姿。踵の高いブーツで前をしっかり見ながら一歩一歩を間違えないよう着実に進める歩み。後ろ姿は綺麗に編み込んだ髪の毛が整った印象を与えながらも、ドレスのような制服がはためく様子が可憐でお洒落。立ち止まる時には、足をピタッと揃えて、鞄を脇に置いて、「お初にお目にかかります」というお決まりの挨拶をする。
タイプライターを打ってる時も、食事をしている時も、電車に乗っている時も、ギルベルト少佐の事を考えている時も。
無駄な動作がひとつも無い上に、どれもバレリーナのように礼儀正しく、しなやかな身のこなしで、本当に「美しい」という言葉しか出てこないです。
これはアニメーションにしか出来ないんだろうな、と思います。実写ではどうしても至らない部分や余計な部分が入りますから(本物のバレリーナを起用する場合を除いて)。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』制作風景 第1弾「総作画監督」
そして本作は「ヴァイオレットの物語」というだけあって、彼女に焦点が当たる時間が長く、これまで見ることのなかったような感情や表情を見せてくれました。
人形のような無表情な顔が、微笑んだり、泣いたり、怒ったり、笑ったり、心配したり、不安になったり、真剣になったり、不思議そうに首をかしげたり。
今まで以上にずっと色々な感情や表情が詰め込まれていて、それを見ることが出来たのがとても嬉しかったです。
そのアニメーションがまた凄い!
どんな光も反射するあの透き通った青色の瞳。それが微笑む時に目を細めたり、大粒の涙を流したり、絶妙な気持ちで揺らいだり。相手(観客)に対して切実に訴えるような、打算も画策もなにもない、ただ自分の気持ちを伝えたいだけの純粋な瞳の変化を中心にした、ヴァイオレットの表情はこの映画の見どころのひとつだと思います。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』制作風景 第3弾「ペイント」
そんなヴァイオレットを取り巻く色々な要素も完璧でした。
ライデンの街並みや自然豊かな島など、豊かなロケーションを綺麗に描き出した背景美術。まるで映画のようで、そこに佇むヴァイオレットがとても映えていました。
その風景に、ランタンや街灯、日光、月明かり、花火や電車のライトなど様々な種類の《光》を当てる演出効果。この光だけで画面の雰囲気がガラッと変わるし、心情がより鮮やかに伝わりました。
そんな場面の空気を作る映画音楽。オーケストラ調の劇伴はその重厚感が石造りの街並みに似合うし、作品のテーマメロディを聴くと「この世界にいるんだな」と安心します。また、タイプ音や義手の駆動音、雨や嵐などの効果音がまたひとつひとつ綺麗でした。
脚本、絵コンテ、原画、動画、色彩設計、着色、背景美術、演出、音響、撮影、CG、考証……アニメ制作に携わる工程や要素は詳しく分かりませんが、この140分を全て人の手で作り上げられていると思うと感無量で言葉が出てきません。
しかも、それをこのクオリティで仕上げて公開する。本当に京都アニメーションさんは凄いです。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』制作風景 第4弾「美術」
涙を流した映画の物語
泣きました。
誇張とか無しで、もう号泣。
声を我慢してむせび泣きました。
涙でマスクが濡れて、涙と鼻水を拭くためにタオルが手放せなかったくらい、すごく泣きました。
「泣いた」というより、自然と「涙溢れてきた」という表現の方が正しいです。
新型コロナの影響で、映画館はひと席空けの市松模様状態。この日ほど隣の席に人が居なくてよかったと思ったことはないかも。多分、家でひとりで観ていたらきっとヤバかったです。
【TRUE】「WILL」MV Short Ver.
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』はいい意味で王道だと思います。
「手紙」というツールが結ぶ人々の関係やシチュエーション、そこで生まれる色々な感情はとても王道というか、観客が描いて欲しいものだと思います(例えばTV第10話とか本作とか)。
それって観客にとっても身近な話だったり、想像しやすい環境なのかなーと。フィクションだけれども、誰もが持っている環境───親子、恋人、友達、職場の仲間が舞台で、しかし架空だからこそ普段は言えないことを素直に言ってくれる登場人物たち。
”お涙頂戴”ではなくて、登場人物たちが本気で自らの気持ちを伝えようとしたり、誰かとの関係を望むものにしたいと願って、それを言葉にして伝えようとする。
それは、「あいしてる」の一言に集約されるのかもしれないけど、上でも書いたようにその意味は色々とあるわけで。愛情、友情、家族の絆、別離、すれ違い、遠方の人、相手を思っての行動とか。
そういうのを丁寧にひとつひとつ積み重ねるのは『VE』の魅力だと思います。
そして、本作『劇場版VE』は、その全部が詰まっていました。
今まで、TVアニメで積み重ねたヴァイオレットの日々が思い出されたし、彼女が過ごしてきた時間とその中で触れた感情や考えたこと全部が一本の映画として140分の中に描ききっていました。
ヴァイオレット本人の物語であり、同時にギルベルト少佐の物語であり、CH郵便社の皆んなの、そして新しい依頼人の物語でした。
それらが綺麗に折り重なって織り上げられた140分は、それはそれは素晴らしいという形容の言葉しか浮かんでこないくらい、最高の傑作映画でした!!!!!
以降、映画本編のネタバレあり
5分で分かるアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』第1回
5分で分かるアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』第2回
5分で分かるアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』第3回
自動手記人形と少佐
この作品の主人公ヴァイオレット。
彼女がギルベルト少佐から貰った「あいしてる」。
その意味を探し、彼に会うことを願い続けた彼女。
TVシリーズで描かれた内容が素晴らしく、あれで完結でもまったく問題なく、むしろ素晴らしいと思った『VE』。それが、こうして劇場版という形で続きが描かれました。最高でしたね。
正直、心配もしていたんです。
TVアニメ最終話のラスト、丘を登るヴァイオレットが開けた扉の先にいた人物が少佐だったらどうしようって。それは幸せなことだけど、あれだけ悩んで探していた人にあんなサラッと会えたら、それは物語的に嫌だなって。
だから、本作劇場版はとても良い展開と物語でした。
「戦争」という重たく暗い影が今だに残る中で、ヴァイオレットを兵器として育てたことを後悔する少佐と、それを責めることなく少佐にただ会いたいとだけ願った彼女。
2人には再会して欲しいけど、そんな簡単に今までのことを水に流すようにヘラヘラした恋人になってほしくもない。そんな複雑な思いを勝手に抱いていました。
だから、探し求めてきた相手が生きていると分かった時のヴァイオレットの表情や、彼女に会うことを拒絶して懺悔をする少佐の姿などが描かれたことは、私はとても良かったと思います。というか、これが大切なことだと思いました。
ギルベルト少佐が生きているかもしれない。
「違うかもしれない」と言われた時にはもう、ヴァイオレットの頭の中には少佐のことでいっぱいだったのだろうと思います。彼女が「少佐ですか!?」と聞いた時の、期待と不安が入り混じった切なげな表情が忘れられません……。
会えるのか。
会ってもいいのか。
会った時、何を話せばいいのか。
これまでのこと、今の気持ち。
そんな事を考えながら戸惑い悩むヴァイオレットを見るのは初めて。しかも「気持ち悪くないでしょうか?」という言葉が出てきたのに驚きました。今までは彼女自身の気持ちを言葉にするって少なかったから、成長と心の揺れを同時に感じました。
ギルベルトの住む島と、彼が勤める学校。
外で待っていろとホッジンズ社長に言われた時の、彼女の何とも言えない悲しみの表情が苦しくて、見ているだけで辛かったです……。
だから、校門で待っている時に生徒たちが来て、先生の話をした時に目を輝かせて「もっと聞かせて」というヴァイオレットの明るく希望に満ちた表情が活き活きしていて印象的でした!
でも、ギルベルトは会ってくれない。
「推察するに、会いたくないということでしょうか?」とう問うヴァイオレットの表情は、悲しみというか絶望というか、信じられないという驚きというか、叫びたいくらい辛かった……。
走り回って、ギルベルト宅の玄関で「帰ってくれ」と言われた時の、雨の中、泣いている姿も、やっぱり見たくなかった。すごく辛い。
少佐は彼なりに後悔の念があって、ヴァイオレットのためを思ってしていることだろうけど、彼女をずっと見てきてしまっている以上、どうにか再会して欲しいと願うばかりでした。
だから、最後は本当に嬉しかった。
というか、号泣。
手紙を読んで、兄に背中を押されながら駆け出す少佐。船に乗って遠ざかる相手に向かって「ヴァイオレット」と大声で叫び、その声が彼女に届く。王道の中の王道。だけど、すごく嬉しかった!
ギルベルトが崖を走り下り、ヴァイオレットは船から飛び降りて、抱き合う2人。
時間は夕方だったのに、いつの間にか夜になっていて月まで昇っている状況。そんなありえない風景だけど、その演出がまた王道で最高でした!!!!!!
自動手記人形と少年
余命わずかのユリス。
手術をして入院。毎日見舞いに来る家族に嫌気が差して、心にもない事を言ってしまう。そんな彼がこの世を去る前に家族に手紙を渡したいと、願う。
病院の床に伏す息子が、両親と弟に手紙を書く。
こんなの泣けるに決まっているじゃん!
号泣でした。
郵便局に依頼の電話を掛けたユリス。
電話にでたヴァイオレットが、赴く。
「手紙を書きたい」
面と向かってだと言えない本心を、手紙にして渡したい。ヴァイオレットが手助けをしながら、「ごめんなさい」や「ありがとう」の気持ちを伝えたり、弟に未来のことを書いたり。
これだけでもとても感動的なのに、さらに親友のエピソードを持ってくるのが凄いなーと思います。そんな盛りだくさんで、泣けないわけない…….。
ヴァイオレットが丁寧に向き合っているのがとても良かった! ”お子様割引”を特別許可したり、グッジョブ👍をしたり、指切りしたり。優しかったな~。
そして、ユリスが危篤だという連絡。
嵐の灯台に電信が来て、その事実を知る。
この時点で、もうドキドキ。
「指切りで約束したから行かなきゃ!」と駆け出そうとするヴァイオレットのどうしようもない表情が本当に……。何とか手助けできればと切に思いました。
ヴァイオレットが行けないから、配達員のブルーと自動手記人形のアイリスが向かいました。もうここだけで涙ボロボロ。
もう、手紙を代筆する力もない。
ここで2人がとった行動に号泣。
街中を駆け回る様子。
短い間ですが必死さが伝わる映像。線を引いて、支配人の襟元を掴んで、子供を探して連れてきて。
ユリスの病室に、電話を繋ぐ。
伝えたい言葉を電話で話せてこちらまで胸がいっぱいです。アイリスの「やるじゃん」という台詞が全てを表しています。
薄々思ってはいたけど、やっぱり。
もう、号泣の中の号泣。嗚咽を漏らしていました。
こういうのは王道だけど、大好きだし、泣けます。
少女と自動手記人形
大好きな祖母が亡くなった少女デイジー。
彼女が見つけたのは、祖母が大切に残していた手紙。
それは、祖母の母親が毎年。祖母の誕生日に送っていた手紙。
そう、TVアニメ第10話。
病気の母クラークと、その娘アンのこと。
この『劇場版VE』が物語に入っていくとき、最初に観て驚いて、同時に嬉しくなったのは、このエピソードがあったからです。あの泣き虫な女の子アンが成長する様子を知ることができて、さらにそれが未来へと繋がっていたことを見ることが出来たのにもう感無量で泣きました。
あと、予告編で心配していたのが「時代」の問題。ホッジンズ社長が「時代は変わった」とナレーションをして、映像に電話や街灯が映った特報。ヴァイオレットが生きていた時代とは何年も離れているので物語がどう繋がるか気になっていたのですが、そういう形ですね!!!!
彼女は、ライデンに行く。
手紙のこと、祖母のこと、ヴァイオレットのことを知るために。
辿り着いた、元C.H.郵便社の博物館で見つけた切手。
その発行元の島へ向かう。
そして、島の郵便局で話したこと。
昔、島民に慕われた自動手記人形がいたこと。この島は年間の手紙を書く量が最多なこと。そして、特別発行の切手があること。そこにヴァイオレットの姿があったこと。
もう、最初から最後まで感動しっぱなしでした!
素晴らしすぎますよ!!!!
劇場版『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の感想でした。
本当に素晴らしかったし、観ないと後悔していたし、これを作り上げてくださった京都アニメーションをはじめスタッフさん方に感謝だし、大泣きしました。
140分という長丁場があっという間で、またゆっくりひとりで観たいと思いました!
読んでくださり、
ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!
あかざと煉獄が戦っていた時ヒバナとかがちっていてかっこよかったから選びました。