※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。
2018年7月18日鑑賞
劇場版ポケットモンスター みんなの物語
【評価:3.2/5.0】
【一言】
“伝説のポケモン”や“バトル”に注力するのでなく、「人とポケモンの関係」が描かれているのは、良いなぁ〜と。
題名通り、“皆んなの物語”がしっかりと、焦点当てて描かれていたのは良かったし、少年少女だけでなく、“大人”の成長が描かれていた点も良かったです!
【Twitter140文字感想】
風の街フウラシティの「風祭り」に訪れたサトシは、新しい人々と出会う。
ポケモンの数だけ冒険があり、人の数だけある“成長の物語”は、誰でも何歳でも紡げる。
従来の「サトシ主軸」でなく、人と相棒のポケモンの皆が“主人公”で良かった!
❝ポケモンと一緒なら❞ pic.twitter.com/OjMeNUN219
— ArA-1 (@1_ARA_1) 2018年7月19日
ストーリー
人々が風と共に暮す街・フウラシティでは、1年に1度だけ開催される“風祭り”が行われていた。
ポケモン初心者の女子高生、リサ。
嘘がやめられなくなってしまったホラ吹き、カガチ。
自分に自信が持てない気弱な研究者、トリト。
ポケモンを毛嫌いする変わり者のお婆さん、ヒスイ。
森の中で一人佇む謎の少女、ラルゴ。それぞれが悩みを抱え、パートナーのポケモンと一歩を踏み出せない中、みんなが出会うことで、運命の歯車が動きだす…….。
予告動画
感想
感想外観
久しぶりすぎるポケモン、楽しかったです!
予告見て、面白そうだと思ったので観てきました!
あと、制作が「WIT STUDIO」という事で派手なアクションを期待してたんですが……そちらは外れました(笑)
ポルノグラフィティ「ブレス」ver. PV
「人とポケモンの関係」が描かれてて良かったです。
個人的なイメージですが、従来の『劇場版ポケモン』って超レア級伝説ポケモンと、派手なバトルやアクションがメインという印象でした。
でも今回は、バトルよりも、「人とポケモンの関係」が沢山語られて好きでした。
「ポケモンの数だけ、夢が、物語が、冒険がある」
劇場版のどの作品でもナレーションで聞く内容です。本作は、それがそのまま描かれてるように感じました。
人の数、ポケモンの数だけ、物語がある。
改めて思ったのは、「ポケモンと人間は互いにパートナー」という事。
一人では出来なくても、ポケモンがいれば。
寂しくなったら寄り添ってくれるし、涙を零したら慰めてくれるし、バトルでは一緒に戦ってくれる。
ポケモンが頑張ってる姿をみてトレーナーが頑張ったり、もしかしたら逆も然り。
本作の物語、個人的に大好きです!
『ポケモン』って成長の物語でもあると思います。
これまでは少年少女の成長が描かれてたけど、本作では大人の“成長”も描かれてて、「こういう物語もあるよな〜」と思ったし、何歳になってもポケモンはバディなんだなぁ〜と。
バトルより、物語を。
これは勝手な個人的イメージです。
『ポケモン』の劇場版作品って、やはりメインは伝説のポケモンの活躍・派手なバトル・決死の活躍………などだと感じます。
もちろん、それ以外の部分もありますが、やっぱり劇場版のクオリティに見合うような派手さ・壮大さが売りな気がします。
2015ポケモン映画『光輪(リング)の超魔神 フーパ』予告
でも本作は、そんな事全然なくて。
これまでに比べたら派手なシーンはとても少なく感じました。街を巻き込む大騒動とはいえ、とても小スケールで、中身を大切にしているように感じました。
「ポケモンを描く」ではなく、「人間をポケモンで描く」というように思えました。
人の物語が、ポケモンの物語も、そして両者の関係の物語が描かれていました。
…………ま、まぁ、個人的には制作が「WIT STUDIO」という事でアクションに期待してたんですがね……(笑)
WIT STUDIO『進撃の巨人 Season2』PV
WIT STUDIO『甲鉄城のカバネリ』PV
“みんなの物語”
作品の副題通り、“みんなの物語”でした。
再び、勝手な個人的イメージです。
従来の映画って、①サトシ、②副主人公、③伝説のポケモンという3者の物語という印象でした。
しかも、中心はサトシ。
でも本作は、徹底的に②です。
本作で新しく登場するトレーナーやキャラクターが中心で、彼らのそれぞれの“物語”を描いていたのが本当に良かったです。
そして、登場人物たちは少年少女だけでなく。大人や老人といった人物もいました。“成長”と“物語”って子供だけが紡げるものではないし、誰もが何歳でも続けられるものだと感じました。
また、ポケモンに関しても物語が。
まぁ、これに関しては従来の劇場版でも当てはまる部分あるので………というか、むしろ従来通りでした。
ポケモンの数だけ物語がある
ポケモンの数だけの物語があり
ポケモンの数だけの冒険が待っている
再び、ナレーションの一部です。
TVアニメでも、これまでの劇場版でも描かれてきた事だと思います。でも、本作はこの点がより感じられました。
理由の1つには、主人公の喪失という部分があるかと。
「サトシと仲間たち」という物語を主導する存在が消え、登場人物一人ひとりが主人公的に立ち回り、描かれていると感じた本作。
だからこそ、それぞれの物語がとても前面に出てきていたように感じたのだと思います。
ポケモンの数だけ物語があるけど、
同じように、人間の数だけ、やっぱり物語があるんです!
ポケモンと人間と
ポケモンとトレーナー。
ポケモンと人間。
この関係、やっぱりいいな〜と思いました。
お互いに支え合ってるし、お互いに必要として、一緒に冒険して、一緒に成長して。
ポケモンに励まされたり、勇気づけられたり。
もしかしたらその逆で、人の優しさがポケモンの心を溶かすかも。
それぞれが素直な心で接し合って、コミュニケーションを取りながら成長する物語が描けるから、『ポケモン』って凄いと改めて思いました。
あとは単純に、可愛いですよね(笑)
本作でも「可愛さ」や「強さ」を活かした登場の描き方がされてて、良かったです!
特に、小さいポケモン──トゲピーとかヒメグマとかは最高に可愛いですね!!
内容、そして台詞
『ポケモン』の映画って緩急の付け方が本当に上手です!
楽しいお祭りや、新しい出会いを描く前半。
不穏な空気が漂い始める中盤。
そして後半の事件と、サトシらの解決編。
楽しめるし、ストーリーにどんどんとのめり込むようです!
そして、台詞が最高!
『ポケモン』に登場するキャラの台詞が本当に良くて、シーンによってはウルッと来るものも。
予告とかCMで流れてたのは、サトシの台詞。
「ポケモンが一緒なら頑張れる」
この他にも、色々と胸熱くなるような台詞が発せられて良かったです!
ネタバレあり感想
以降、映画本編のネタバレあり
ネタバレあらすじ&感想
序盤
「風まつり」が開幕!
怪我をした弟に頼まれ、サングラスのプレゼントに気を良くしたリサは、ポケモンをゲットすべくフウラシティへ向かう。
その頃、フウラシティ市長の娘ラルゴも、「風まつり」を楽しみにしている一人だった。
タイトルバック。
最強のポケモンマスターになるべく旅を続けるサトシとピカチュウも、「風まつり」に参加するためにフウラシティを訪れていた。
前半
ポケモン情報チャンネルで、フウラシティと「風まつり」の関係を紹介。
風も共にある街フウラシティは、ルギアとの約束から始まった。
やせた土地を人とポケモンが協力して開墾し、それを見たルギアは「風」を送ってくれるように。
そして年に一度、「風まつり」の最終日に、山の上に灯された聖火を目印にして、ルギアが現れるという。
姪のリリィと共に「風まつり」に来たのは、見栄を張るあまり嘘ばかりついてしまうホラ吹きのカガチ。
彼はリリィを笑顔にし、また自分の見栄を守る為にも、大ボラを堂々と街なかで演説してしまう。
一方、街に住むおばあさんヒスイ。
彼女はポケモンが大の嫌いで、避けて生きるようにしていた。
そして、ポケモンの研究するトリト。
人前で話すのが苦手な彼だったが、「風まつり」の期間中に研究発表が控えていた。
市長の娘ラルゴは、とある場所へ向かって急いでた。その最中、レモネードを売る少年たちにぶつかってしまい、喧嘩に。
そこに仲介に入ったのは、サトシとピカチュウだった。
フウラシティに到着したリサ。
彼女はまつりを楽しみつつ、頼まれてたポケモンを探すがなかなか見つからず。
そんな時、彼女は大声で「ポケモンのプロ」と豪語するカガチを見つけ、、情報も求める。カガチは、リリィの前で良い顔をしたいがために、嘘のテキトーな情報を教えてしまう。
そして始まったのは、「風まつり」のイベント「ポケモン・ゲットレース」。
リリィと1位をとる約束をしてしまったカガチだが、彼は本当はまったくポケモンの知識が無い。 そこで考えたのは、研究者のトリトと手を組む事だった。イヤホンを通して指示を貰う代わりに、研究発表をカガチが手伝うということで2人は協力。
一方、サトシはピカチュウと共に順調にゲットする中、暴れるバンギラスを見つけたサトシは、首に電気コードが絡まっていることに気がつく。
サトシは、ピカチュウと協力してバンギラスを助ける事に成功した。
最終的に、ゲットレースはサトシが2位、カガチが1位に輝いた!
1日目の帰り道、夜。
カガチがホテルへ向かおうとすると、ウソッキーがついて来た。ゲットレース中にウソッキーに出会ったカガチは、「あまり自分に嘘をつくなよ」と声をかけており、好かれてしまったようだった。
ポケモン嫌いなヒスイの後には何匹ものポケモンが。部屋の中まで入ってきて、ヒスイは迷惑を被る。
一方、リサはカガチに教えられた通りポケモンを探しに山の中に入る。
しかしポケモンは見つからず、さらに警備員から「ゼラオラ」の呪いがあるから入山禁止」と注意を受けてしまう。
中盤
「風まつり」2日目。
リサはサトシの元を訪れ、ポケモン探しを手伝って貰う。彼女が探してたのはイーブイ。 サトシとピカチュウの助けを借りながら、リサは遂にイーブイをゲットする事に成功する!
そしてリサは、自身が陸士選手だった事、怪我で引退した事をサトシに話す。
すると、「ポケモンがいれば、また走れるようになるかも」とサトシが言うのだった。
その頃、「風まつり」の会場では何者かによるイタズラが。
線路に石が詰められ、洗剤が大量に巻かれたりと酷いイタズラに、まつりは一時休止を余儀なくされた。
そんな状況を見たサトシやリサ、居合わせたカガチらは、会場復旧の手伝いをする事に。
しかし、手伝いをした結果、カガチはトリトと約束していた発表会に間に合う事が出来なかった。 トリトは仕方なく発表台へ登るが、人前で緊張し、ほとんど言葉が出てこない。
映像データを見せようとスクリーンに映すと、そこには昨日のゲットレースで2人か不正をした映像が映っていた。
嘘がバレてしまったカガチ。
リリィからは「大嫌い!」と言われてしまう。
そんな中、ロケット団が研究室に侵入し、試作段階の薬品を盗んで逃走!
しかも、その混乱に巻き込まれたリサのイーブイが怪我を負ってしまう。イーブイを助ける為に走り出せなかった事を、リサは悔やむ。
その夜。
研究発表が失敗したトリト、
嘘がバレてリリィに嫌われたカガチ、
ロケット団を捕まえられなかったサトシ、
イーブイを救えなかったリサ。
それぞれが、後悔を残しながら、自室へと帰って行った。
後半
「風まつり」の3日目、最終日。
朝、起床した誰もが異常を感じ取る──街に常に吹いていた風が弱まり、そして風車が止まり始めていたのだ。
そこに舞い込んだのは、ルギアが風を送る目印にしていた「聖火」が何者かに盗まれてしまった。
聖火台に駆け付けたサトシとリサ。
調べてみると、ピカチュウの嗅覚が何かに反応。臭いを辿っていくと、トリトの研究室に辿り着いた。
臭いの原因が、開発していた「ドーベルのインク」であると判明し、インクの跡を追ってサトシらは山に入っていく。
一方、山の廃墟にいたラルゴ。
彼女は食べ物をあげていた。それは、以前にラルゴの命を救ってくれたポケモンで、しかし人々からは恐れられる伝説のポケモン「ゼラオラ」だった。
そこに、ゼラオラ捕獲を目論んで山に入った密猟者が現れ、ラルゴとゼラオラを攻撃しようとする。
攻撃が当たると思った瞬間……助けに来たのは、インクを追っていたサトシ達だった。
なんと、聖火を盗んだ犯人はラルゴ。理由は、「風まつり」が中止になる事でゼラオラを守ろうとしたのだった。 その事を聞いた市長は、ゼラオラの本当の真実を話す。
事件が解決したかに見えたその時、突如として山から謎の煙が発生。どんどんと広がり、斜面を下って街を襲うその煙は毒性で、触れた生き物は麻痺状態に陥ってしまった。
原因は、ロケット団が研究室から盗んだ開発段階の薬品が漏れ出した事だった。
傷つき弱ったゼラオラが山に住むポケモン達を救おうとする中、サトシも「ポケモンと一緒なら何でも出来る、ポケモンパワーだ!」と皆んなを鼓舞して解決へと動き出す。
トリトは毒ガスを中和する薬を精製。
ヒスイは、廃棄された風力発電設備を動かす。
サトシは森のポケモンの救助に、
ラルゴはゼラオラの介抱、
そして、リサは聖火を戻す。
市長は街に呼びかける。
それぞれが役割を分担し、何とか人とポケモンを守ろうと動き出す。
研究室に戻ったトリト。しかし、研究仲間は彼を相手にしない。するとトリトは、これまでとは別人のように、大きな声で「今だけは助けてくれ」と叫ぶ。
それを聞いた研究仲間は、彼を手伝うことに。
聖火を戻す事を託されたリサ。
しかしリサは、未だに走る事に抵抗を感じていた。躊躇するリサの前で、イーブイはその小さな身体で聖火を運ぼうと力を振り絞る。
それを見たリサは、「何でそんなに頑張れるの?」と涙ながらに叫ぶ。
それでも、イーブイの姿に勇気を貰い、遂にリサは走り出す。
終盤
毒ガスの広まりと共に、変電所がショートした影響で、山火事が発生。どんどん拡大していく事態に。
市長は無線で市民にゼラオラの真相を話し、そして人間が助ける番だと消火の手伝いを頼む。
事態を知ったカガチは、これまでの自分を悔い、そしてリリィを助けるため、ヒスイを手伝う事に。
そして、無事に発電所を回すことが出来た。
トリトの方も、仲間の協力があって薬品が完成。
発電所の風車が起こす風に乗せて、毒ガスを中和する事に成功。
そのころ、ゼラオラは山火事からポケモン達を救うため、一人頑張る。そこにサトシとリリィが到着するが、人間を敵視するゼラオラ。
そんな彼に、リリィは「人間はポケモンがいれば頑張れる。ポケモンも、人がいると力が出せると思ってくれると嬉しい」と声を掛ける。
街の人々も到着し、人とポケモンが協力して消火活動が始まった。
そして、リサは何とか聖火台に辿り着くことが出来、聖火を台に戻すことが出来た。
そこに現れたのは、伝説のポケモン「ルギア」。リサは、雨を降らせてくれるよう頼み、ルギアは雨を呼んだ。
事件が収拾し、市長は「ポケモンと、ゼラオラと共に生きていく」ことを宣言。
エンドロール。
2019年の映画が発表。
──彼が帰ってくる。
『ミューツーの逆襲』
最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!