こんにちは!
お元気ですか?
大好きなアニメ『ARIA』の新作映画《蒼のカーテンコール》第2章を観てきました!
小春日和な3月14日の日曜日。友達と遊ぶ約束をしていたので、その前に映画館へ。ただ観終わった後は「帰宅して余韻に浸るのも良いかもしれない」と思うくらい良い映画でした!(もちろん友達とも会ったけど)
2021年3月15日鑑賞
ARIA The CREPUSCOLO
4.7 / 5.0
- 60分と短い中に『ARIA』の素敵なところがいっぱい詰まったとても良い映画!
- 自分に厳しくて不器用な「オレンジぷらねっと」のメンバーの素直で純粋な気持ちで悩む様子は、見ていて心がもたなくて、感涙……。
- 青色と秋色のヴェネツィアの街並みがスクリーンに広がり、アテナ先輩の舟謳<カンツォーネ>を良質な音響で聴けて、とにかく幸せ!
ネオ・ヴェネツィアの街が、落ち葉の絨毯で彩られる秋。
オレンジぷらねっとで修業の日々を送るアーニャには、気がかりなことがありました。
お互いに多忙なこともあり、長い間会えていない先輩のアリスとアテナ。
そのせいで元気がないアテナに対し、アリスはなぜか会うのを避けている様子なのです。
友達のアイとあずさにも協力してもらい、先輩たちが絶対に会える方法を探す中、アーニャは今の自分だからこそ見える“景色”があることに気づかされるのでした……。
映画公式サイト
『ARIA The CREPUSCOLO』本予告映像(60秒VER)
監督:名取孝浩
脚本:佐藤順一
制作:J.C.STAFF
音楽:Choro Club feat. Senoo
キャスト:広橋涼, 佐藤利奈, 茅野愛衣 and more.
上映時間:61分
日本公開:2021年3月5日
配給:松竹
大好きな漫画とアニメ『ARIA』の新作映画!
映画館で観ようか迷っていたり時間が合わなかったりで公開日から経ってしまいましたが、やはり我慢できずに劇場へ。
いや、本当に良い映画でした!
60分と短い時間ですけど、それで十分なくらい感動が詰まっていて、後半は泣きましたね…。本当に良い映画でした!
完全オリジナルのクオリティ高すぎ!
本作『ARIA The CREPUSCOLO』は、「オレンジぷらねっと」が物語の中心になる《蒼のカーテンコール》の第2章です。
「オレンジぷらねっと」のメンバー(アテナさん、アリスちゃん、アーニャちゃん)って皆んな不器用というか自分に厳しいというか。だからか原作漫画でもTVアニメでも泣かせる名エピソードが多すぎる…..。
今回も、完全新作でありながら、原作を交えつつ、本当に良い物語が描かれていて、当然の感涙でした…。
このアニメ、映画館で観て良かった!
まず、ヴェネツィアの街並みですよ。
青い海とオレンジ色の屋根と白い壁が織りなす美しい風景がスクリーンいっぱいに広がります。このワクワクと雰囲気はテレビでは味わえないですね。
それから、舟謳《カンツォーネ》。
「天上の謳声<セイレーン>」の通り名を持つウンディーネ=アテナさんが主人公なわけで、彼女の歌声を聴くことは必至。その美しい声を映画館の大きな音で聴くことができました!
不器用なキャラたちの物語
本作は「オレンジプラネット」のお話。
個人的に、「オレンジぷらねっと」の話は苦手なんですよね。
というのも、あまりにも泣けちゃうから….。
アテナさんやアリスちゃんは不器用で自分にも厳しくて、でもものすごく純粋で優しくて素直で…。見ていて心が辛くなるくらい人付き合いが下手なのに、めちゃくちゃ泣けてくるの……。ちょっともう、心がもたないから、そういう意味で「苦手」なのです。
だから、今回の映画も「映画館で60分も見たらどうなるの…?」と不安しかなかったんですけど、案の定、泣きましたわ。いや~心が苦しいけどめっちゃいい話。観てよかったです…。
アテナさん、アリスちゃん、アーニャちゃん。
本当に不器用で人付き合いが苦手で自分に厳しくて内向きでドジっ子で危なっかしいキャラクターたち。
けど、皆んなとても純粋で素直で人一倍に頑張り屋さんで他人をよく見て街を愛しているキャラクターたち。
「ARIAカンパニー」の灯里は幸せパワー全開で、「姫屋」の藍華は負けず嫌いで、2人も積極的に動くし外交的だし明るくて騒がしいくらいで、もちろんそこが好き。
けど、アテナさんやアリスちゃんは、静かでおっとりしているけど、自分の内面を見つめているから、自身が悪いと思っていた部分が良い方向へと変わる瞬間がなんとも幸せな気持ちになって好きなんです。
そういう、「オレンジぷらねっと」のエピソードがたくさん見られて、とても満たされました……。最初から最後まで彼女たちの内側も外側もいっぱいに詰まった素敵な60分でした!
それから、危なっかしい「オレンジぷらねっと」の面々を支えるのが、灯里や藍華、そして新しい後輩アイ, あずさ, アーニャたち。
こうやって「誰かのことを心から大切に思って心配したり笑ったりする」という『ARIA』の素敵なところが、この新作映画にもたくさん散りばめられていて、観終わった後の多幸感ったらないですね!
しかし、『ARIA』って、凄い。
オリジナルエピソードも名作なんですよね。
きちんと原作者・天野こずえ先生がきちんと同意して監修して原作を描き下ろしている。そしてTVシリーズから付き合って作品の全てを理解する佐藤順一監督が脚本を書く。本当に素晴らしい作品に仕上がっています。
原作漫画やTVアニメで「これ以上ないくらいの最終幕」を迎えて完結した名作ですよ。普通、そこから数年後の様子を付け足しで描くって難しいじゃないですか。
それをこの『ARIA』は見事にやってのけ、成長したキャラクターの心情までをも機敏に描きとって物語に落とし込むし、過去を思い出として振り返る構成も見事だし、さらりと未アニメ化の原作エピソードを織り込むし、完璧です。凄すぎる!
映画館で観るに相応しい絵と音
映画館で観るに相応しいアニメってたくさんあります。
特にアクション系の『Fate』とか『エヴァ』とか、あるいはロボット系とかは迫力があるので劇場がぴったりですよね。
対して、『ARIA』は迫力ゼロ。
爆発とか戦闘とかゼロですから、決してけなしているわけではないです。ゆっくり流れる時間が心地いいアニメですからね。
けど、この作品こそ映画館で観て良かったです!
『ARIA The CREPUSCOLO』スペシャルPV
まずは、映像が綺麗だった!
ヴェネツィアの風景が綺麗!
青い空と蒼い海が揺れて輝いて、見渡す限りオレンジ色の煉瓦の屋根が続いて、生活感のある白い壁の街並みと、運河を往くゴンドラを繰るウンディーネ。観光地の賑わいとか、路地裏の静寂さとか、お祭りの色鮮やかな時間とか。
灯里たちが”素敵な宝物”をたくさん目にしながら四季の変化を感じて過ごしたヴェネツィアの風景を、こうしてまた見られるのは本当に嬉しいです。
そして、それが目の前のスクリーンに投影されます。
やはり自宅のTV画面やスマホで見るのとは全然印象が違くて、「視界いっぱいに広がるベネツィアの光景」というのはとても尊いです。なんか、天野こずえさんの漫画の見開きページをずっと開いている感じでした。
それから、音楽ですよ。
Choro Club feat. Senooが手掛ける劇中音楽は本当に良い空気感で優しくて穏やかで落ち着ける温かさで大好きです。それを体いっぱいに浴びられるなんて、最高ですよ!
そして、極めつけ。
それは、舟謳《カンツォーネ》です。
今回はアテナさんが主役のひとりなわけで、彼女は「天上の謳声<セイレーン>」という通り名を持つほどに美しい舟謳を歌うキャラクターです。
実際には河井英里さんが歌っているわけですが、その伸びやかで透明な歌声がシアター内に響き渡るのを聴けるというのは本当に素晴らしいです。
アテナさんはウンディーネの他、オペラ歌手として劇場公演もしていて、本作でもそのシーンが出てきます。映画館の座席に座りながら聴いていると、擬似的にアテナさんの公演を見ているようで、とても嬉しかったです!
アテナ役への想い
本作の主役のひとりである、アテナ・グローリィ。
TVシリーズでその声を演じられた声優の川上とも子さんは、既に亡くなられています。また、アテナの歌唱パートの声を当てられていた河井英里さんも亡くなられています。
だから、こうしてアニメーションの中で動いているアテナさんを見られて本当に嬉しかったです。
前作、『ARIA the AVVENIRE』では録音済みの川上とも子さんの音声を用いて作品が構成されました。
今回からは新しく佐藤利奈さんが声を担当されています。
本当に大役でプレッシャーっもあったことでしょうに、凄かったです。御坂美琴役などを演じられていて、アテナの性格に合うのかドキドキしていたら、もう映画館でその声を聞いた時の「凄い!」という感覚が忘れられないです。
また、歌声は今まで同様に河井英里さんの音声が使用されたようです。
前作『AVVENIRE』では短かったですけど、今回はとても長く、そしてオペラ劇場での反響なども相まって、素晴らしかったです。
↑
以降、映画本編のネタバレあり
↓
台詞は全部を覚えているわけではないで、間違っていると思います。せめて、雰囲気だけでも。
アーニャ・ドストエフスカヤ
「オレンジぷらねっと」のお話。
アーニャちゃんが「アリス先輩が元気ない」と気が付き、そのアリスは悩み事を抱えているようで、さらにアテナ先輩も心配事を抱えている様子。
なかなかアリスとアテナが顔を合わせる時間がない。
そこでアーニャたち後輩組がレデントーレの企画を考えたり、「記念日探し」をしたりと奮闘する前半。
こうやって、「誰かのため」に一生懸命になれるってとても素敵だと思います。本当に良い後輩ちゃんたちですね……。
(あと、記念日探しの時のアリア社長とあずさちゃんが面白かった 笑)
自分の力を悩むアーニャ。
歌姫のアテナ、天才のアリス。
果たして、何も持っていない自分がココに居て良いのか?と悩み考えていた彼女を、空へと連れ出したシルフ見習いの幼馴染アレッタ。
ヴェネツィアの上空に上ったアーニャが
「屋根の色と秋の色、落ち葉色のハーモニー」
と形容した表現が素敵すぎて大好き!
そして、アレッタが
「空の上に上れば、自分がいるのが見える。今いる場所がどんなに素敵かは、そこにいると分からない。今のアーニャはいまのアーニャだ」
と言う内容がイケメンすぎてホロリと涙がでちゃいます。
アリス・キャロル
アリスの悩み事。
「先輩としてダメダメではないか?」
悩むのも分かる。でも、それをアーニャに打ち明けられるって、凄くないですか!? 十分に成長していると思うんです。
そして、アテナ先輩が何を教えてくれて、どう導いてくれたのかを思い出すアリス。
笑顔を向ければ、返してくれること。
歌はまず自分が好かないとダメなこと。
そして、クリスマスの夜を思い出す。
「最近、ワクワクドキドキしない。大人になるってつまらない」
クリスマスの夜にプレゼントをくれる魔女ベファーナを信じられない。アテナ先輩にも冷たく当たってしまう。
もし願い事をするなら…そんなIFをアテナ先輩に問われたアリスが答えたのは「シャボンの国のお姫様」という願い事。
そして当日の晩、魔女ベファーナの格好をしたアテナ先輩に連れられて、夜の街を追いかけた先に待っていた”シャボンの国”の景色。
アテナ先輩の
「ねえ、アリスちゃん。もしかして大人になるのはつまらないって思ってる? それって、とってももったいないわよ。確かに子供の頃は楽しいことが向こうからどんどんやってくるわ。でもねいつもいっぱいいっぱい。
でも、大人になればそれまで見えなかった素敵な世界に気付くことができる。いつも、いつでも、いつまでも。どこでも、どんなことでも、どこまでも。自分の心ひとつで自由自在の変幻自在で楽しめるのよ。
……素敵な大人になれば いつもただ待っているだけじゃない。魔法をかけて魔女のベファーナ自身にだってなれるのよ」(漫画『ARIA』10巻)
という台詞が超心に響きました!
それに対して、アリスも「魔法みたい」と返すんだから、もうっ…!!!
アテナ・グローリィ
アテナも思うところがある。
天才と囃されたアリスの辛さに気がついて、優しく声を掛けたペアの時代。
「人よりスタートが早いなら、なおさら急ぐ必要はない。一歩一歩が大切」
歌が上手いだけ、操舵が上手いだけ、そんな歪な2人だからこそ、お互いの気持ちを分かることができて、こうして支えあえたのかもしれないと思うと、とても大事な関係だなって。
終盤、オペラ劇場での対面。
アテナ先輩がずっと謝りたかったこと。
アリスの飛び級昇進の話。
「落ちても良いと思っていた」
そう告白する。
「飛び級昇進が嫌なのは、私がのろまだから? ゆっくり、歪な私たちの歩く速度で進みたい。今の時間を大切にしてほしい」
「落ちてもいいと思った」
こんなことを言えるなんて、この『ARIA』という作品は本当に凄い。伝説的な名作のアリス・キャロル昇進試験のエピソードの裏で、それを導いてきた先輩が「落ちてもいい」と考えていたと告白するなんて、普通はあり得ないですよ。
けど、それをやってのけた。
その理由をしっかり重ねて、2人の性格や時間や思い出や練習風景を考慮しての結論だからか説得力があったし、気持ちも壊れませんでした。(少し違和感は残るけど……)
こういうことを、しかも”後付け”で出来るって凄いです、凄すぎます!
その・・・
最後の台詞。
「きっと明日は、今日より素敵な自分に出会える」
「振り返らないと気付けない素敵もある」
あぁ、もう泣きました。
本当に素晴らしい……。
そして、サブタイトル。
その 素敵なあなたの笑顔に…
ということで、『ARIA The CREPUSCOLO』の感想でした。
本当に良い作品で、観に行ってよかったです…(感涙)
来場者特典をいただきました!
姫屋の藍華ちゃんとあずさちゃん!!
唯一、残念だったこと。
それは、作中の季節が秋だったので、映画も秋に観たかったな~ということ。もちろん、新型コロナウイルスの影響は当然あるでしょうから、こればかりは仕方ないです。
そして、《蒼のカーテンコール》3部作の最終章『ARIA The BENEDIZIONE』の制作が決定しましたね!!
いまから楽しみ過ぎます!!!!!!
読んでくださり、
ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!