こんにちは!
お元気ですか?
いよいよ東京オリンピックが開幕しました。緊急事態宣言下での国際的な大会、まずは開催されたことの意義と価値があると思います。コロナと不祥事の中でスタッフは大変だったことでしょう。とはいえ、開会式の演出は期待していたものとは違いました、少なくとも私にとっては。
さて、『ブラック・ウィドウ』を観てきました!
いや~本当に久々のMARVEL映画でした。『エンド・ゲーム』を終えて『スパイダーマンFFH』以来ですかね。かれこれ2年ぶりです。こうして映画館で観られて良かった…!!!(ディズニー+配信とかにならなくて本当に良かった…)
2021年7月18日鑑賞
ブラック・ウィドウ
Black Widow
3.8 / 5.0
- 「なぜヒーローになったのか」が描かれる過去編。これまでナターシャが下した決断・選択・台詞の裏側にある信条が理解できて良かった。
- しなやかな格闘バトルと冷静沈着な状況判断が格好いい! アクションが映える展開や舞台設定はさすがMARVEL!
- スパイ映画っぽい + ドラマシリーズっぽい、そんな映画。
ブラック・ウィドウの前に突如現れた“妹”エレーナ。
姉妹は、自分たちを暗殺者に育てたスパイ組織レッドルームの秘密を知ったことで命を狙われる。
唯一の味方は、かつて組織が生み出した“偽りの家族”だけ。
だが、この家族の再会によって、レッドルームの恐るべき陰謀が動きだす!
ブラック・ウィドウの作られた過去との戦いが、世界の命運を握る。
映画公式サイト
「ブラック・ウィドウ」予告
監督:ケイト・ショートランド
脚本:エリック・ピアソン
制作:マーベル・スタジオ
音楽:ローン・バルフ
キャスト:スカーレット・ヨハンソン, フローレンス・ピュー, デヴィッド・ハーバー and more.
上映時間:133分
日本公開:2021年7月8日
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
ナターシャの過去編、ドラマシリーズっぽい
本作はナターシャの過去編が明かされる作品です。
今まで、他のヒーローたちは「どんな人間がなぜヒーローになったか」という背景や過去などは単作映画の中でそれぞれ描かれてきました。他方、ナターシャはキャラ同士をつなげる役目として各作品に出演しているにも関わらず、過去は匂わせ程度にしか触れられてきませんでした。
今回、彼女のコードネーム「ブラック・ウィドウ」が付された映画でそれが明かされるわけです。
めちゃくちゃよく出来た舞台設定だったと思いました!
元々、MCUでの彼女の活躍はチームのまとめ役という立場。なので彼女が主役のストーリーを描くのは難しかったのかもしれません。しかし、本作では彼女が主役! 『シビル・ウォー』後という設定なので「ピンチの時にアベンジャーズを呼ぶ」ということが出来ない状況になっており、ナターシャ自身の物語と活躍をばっちり堪能できました!
過去編については、納得した部分と意外に思った部分がそれぞれ。
納得した点は、彼女の行動原理というか行動理由というか、行動の背景にどんな信条があるのかが明確に描かれました。彼女のこれまでの役回りとか発言、決断の裏側をしっかりと回収していて、本当に凄いなぁと思いました。(ネタバレなのでこのくらいに)
意外に思った点は、過去の内容そのもの。「かなり辛い過去だった」という旨の説明がこれまで何度もあったので壮絶な人生だったのだろうと身構えていたのですが、(少なくとも映画で描かれた部分については)そこまで酷くなかったというか。そりゃ子供時代から過酷な訓練をするのは大変ですが、もっと酷い内容を想像していたので、どこか呆気なさも感じてしまいました。
観終わって思ったのは「ドラマっぽい」ということ。
私自身はMARVELやMCUのドラマシリーズはほぼ観たことがないのでイメージですが、地球規模の危機や街を破壊しまくるバトルという感じではなかったです。ナターシャの過去についてスポットライトを当てた内容なので、ヒューマンドラマというかセンチメンタルになりそうな感じの物語でした。
「仲間が大切」とか「過去の真実」とかはまさにドラマシリーズっぽいなと思いました。キャラクターの背景をより深く掘り下げていくという点と、『シビル・ウォー』と『インフィニティ・ウォー』の間の物語という点がドラマっぽさを感じさせたのかもしれません。
加えて本作は「家族が大切」というメッセージ色が強くて、そこらへんもディズニーっぽさを感じたのかもしれません。
格闘アクションが凄かった!
超人血清を打たず、億万長者でもなく、怪物に変身しないし、宇宙から来た神様でもない、そんなナターシャの戦いはこれまでのMCUで披露されてきたように、しなやかな身のこなしで戦う格闘アクションです。
単に銃を撃つだけではなくて、敵の武器を奪って戦ったり長い足で見事な回し蹴りを決めたり、ボディアクションの幅が本当に広くて凄いと思います。中でも、相手に絡みつくように身体全体を使った攻撃を繰り出す戦い方がめちゃくちゃ好き!
ナターシャの場合は、銃撃戦に格闘戦だけでなく、乗り物を操作する姿も格好いいし、ただ全力疾走するだけでも映えるから素晴らしいですね。そしてもちろん、冷静沈着な状況判断や相手を出し抜く巧妙な作戦立案など、インテリジェンスな部分も惜しみなく発揮されていました!
アメコミ映画は描き方が本当に上手いと思いました。
キャラクターに合わせて敵やシチュエーションを準備しているのがさすがです。
ハルクにはアボミネーション、アイアンマンにはアイアンモンガー、キャプテン・アメリカにはバッキー、アントマンにはイエロージャケット…というように立場や力関係が対等な敵やライバルをきちんと用意しています。そして、本作でナターシャが戦うのは、他のブラック・ウィドウたちなど。
戦闘能力やスキル、戦闘手法などが鏡写しのように似た相手とのバトルとなると、キャラクターの能力も100%以上に発揮したバトルが楽しめるのでとても良いと思います! 実際、今回も彼女の能力を存分に楽しめる展開ばかりでした!
(この前に観た『ゴジラvsコング』が微妙で、破壊ビーム放つゴジラに、拳で殴るしかできない猿が挑んでいる構図で微妙だったのでなおさら本作が響きました。)
MCU版スパイ映画、ツッコミどころ少々
観た素直な感想は「スパイ映画っぽかったなぁ」というところ。
ナターシャがビームを放ったり変身したりするわけでないことはMCU映画で描かれてきた通り。これまで彼女は「SHIELDのスパイ」として働いていたわけですから、そんな彼女が主役の映画となればスパイ映画っぽくなるのは当然かもですね。
今までは「ヒーロー+ナターシャ」という形だったので派手さが折り紙付きでした。一方、今回は彼女が主役。ともするとショボくなってしまいそうなところを、しっかり〝世界の危機〟と〝MCU〟に関連付けて派手さを担保できるところは脚本が上手だからでしょうし、今までのMCUやMARVELの積み重ねが為せる技なのでしょうね!
映画は面白かったです。
ただ一方で、ツッコミどころというか気になった部分は少々ありました。
まずは「ナターシャ頑丈すぎ」というところ。
多少の訓練を受けたとはいえ、彼女はまだ生身の人間。それなのに爆発に耐え、殴られても傷つかず、上空から落下しても生存している……という超人顔負けのバイタリティの持ち主。ヒーロー映画なのでそのへんはご愛嬌なんでしょうけど、そこをもうちょっと配慮してくれたら見ている時に入り込めたと思いました。
それから、映画に登場するアイテム類。ネタバレになるので詳細は避けますが、非現実的なものだったと思いました。「アメコミなのでそもそも非現実」という点ではなく、MCU世界観の中でも人間が開発したアイテムにしては見た目も効果も突出しすぎているような気がしました。
ただまぁ、この点は原作コミック等々での描写もあるのでしょうから、未読の私がとやかく言うことでもないです。
↑
以降、映画本編のネタバレあり
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〝人間離れ〟したアクションが凄かった!
アメコミ映画で楽しみにしているのがヒーローの活躍で、今回もアクションが内容もシチュエーションもどちらも凄かったです!
まぁ「人間の彼女にそんなことができる?」と思ったこともありますが、面白かったです!
まずはノルウェーでの「タスクマスター」との戦い。
急に車が攻撃されて橋から落ちる寸前。状況が掴めない中、素早く頭を切り替えて骸骨アーマーの敵と一進一退の攻防を繰り広げ、戦いながら敵の目的を見抜く冷静さを見せ、撤退をするという、素晴らしいバトル!
タスクアーマーの方も、キャプテン・アメリカなみに盾を使った戦闘をしていて凄かったです!
この戦闘後、ブダペストの隠れ家に逃げた彼女を襲った妹エレーナ。狭い部屋の中で銃を向けあったかと思えば、互いに相手の武器を奪取しあい、包丁にカーテンにガラスに…と何でもかんでも使って我武者羅に戦う姿がスリルありました。
和解後もウィドウの追跡を逃れるために走ってカーチェイスして…と、息つく展開がないとはこのこと。カーチェイスで追手を倒していく鮮やかな手さばきが凄かったです!
で、諸々あって「レッド・ガーディアン」の救出作戦!
いや~ここは本当に面白かった!
収容所からの脱出なのにアレクセイの言動が荒々しくてもう楽しい。救出作戦と言いながらヘリ一台というのはさすがに無理ある気がするけど、超人並のアレクセイのパワーで何とかなるかたち。他の囚人たちと看守の両方に阻まれる様子も見ものでした。
真っ白いスーツに身を包んで援護するナターシャも格好良かった!
しかも、雪崩まで。
さすがに盛り過ぎではあるけどタイムリミットが発生したこのの緊張感は確かにありました。スケールがでかすぎる……
MUC版〝オーシャンズ4〟
映画ももう終盤。
いや~展開に驚きました。
母役だったメリーナの拠点で再会した元家族。
団らんも束の間、ドレイコフ将軍の差し向けた追手に捉えられる3人、そして明らかになるメリーナの裏切り。拘束されたエレーナとアレクセイ、ドレイコフの前でほくそ笑むメリーナ。絶体絶命の彼女たち───
「あぁ作戦終わったのか」と思ったところでプレイバック!!
実は全て策略だったと!
ナターシャとメリーナが入れ替わっていていた!
上手く空中要塞内に潜り込んでレッドルームを壊滅させる、SHIELDに引き渡すのが目的だったとは。このへんも「スパイ映画っぽい!」と思った所以かもです。顔を写せるマスクとか凄かった、『M:I』みたい!
そういう展開だったとは思わず。「してやられた!」という感じで、これこそまさに『オーシャンズ』のよう。
しかも、イヤーピースが1組しかないからと、アレクセイにはマイクがないという笑いどころをしっかり残しておいてくれるところもさすがだと思いました!
そんでもって、オーシャンズ的展開で最終決着をつけるのではなく、さらにドレイコフ将軍が奥の手を繰り出し、ウィドウたちが一挙になだれ込んできてタスクマスターが登場してナターシャが戦い、エレーナが基地破壊のために工作し……とラストバトルも息つく暇がないのが凄い!
しかも、基地が落下するとなってからも凄い!
爆発して崩壊する基地内を走り抜けて脱出を試みるナターシャやエレーナがとにかく格好いい! 「そんなん死ぬやろ」と思うくらいギリギリのところで危険を交わす彼女たちさすがです。滑走路目指して走ったり滑り降りたりするアクションは、やっぱり彼女たちにしか出来ないですね!
ドレイコフを容赦なく始末できるのは、よっぽど彼女たちがひどい目にあってきたことの証明なんでしょうね。
基地が破壊された後もアクションがあるんだから凄い!
落下するエレーナを救うために落ちていたパラシュートを掴んで空に飛び出し、滑空する途中でもう一つパラシュートを手にするなんて芸当は誰も出来ないですよ……。落下する部品を避けながら落ちる中で、タスクマスターとも戦いながら地上へ。「部品に当たって死ぬやろ」という思いに目をつぶりながら、アクションを楽しみました!
彼女が大切にするもの、行動の信条
「家族」を大切にしていたんですね。
これまで『インフィニティ・ウォー』でバラバラになった仲間をもう一度一つにし、その前には『アベンジャーズ』でもロキと戦うのに仲間割れを止めてチームで団結することの大切さを説いていました。
これまでは単なるまとめ役というか調整役だから、長官の代わりにヒーローたちの間を取り持つ役目を担っているからだと思っていましたが、彼女自身がそもそも「家族」や「仲間」を大切にする心を持っていたんですね。
正直、「冷静で冷酷で冷徹な女スパイ」という第一印象がどうしても拭いきれないので、本作で背景や過去の話が描かれて初めて共感できたというか理解できた気がしました。
「偽りの家族」として過ごしてきた3年間。そしてレッドルームで他の子供達とともに辛い訓練に耐えてきた経験が仲間意識を生んだのかもしれません。
意外だったのは、アレクセイとメリーナのこと。
確かにナターシャとエレーナは家族を演じていたときは子供だったから「家族愛」を大切にしたかったと理解できます。けど大人のスパイとして成熟していたアレクセイとメリーナも同じく家族愛を抱いていたんですね。仕事としてやっているだけかと思ったので、数十年後に再会しても家族の仲をしっかり取り戻せるのはすごいことだと思いました。
正直なところ「家族を大切にしよう!」というメッセージが入ったディズニー系の物語とかって苦手なんですよね。でもこの『ブラック・ウィドウ』ではその苦手さをあまり感じることがなかったのが不思議だったし有り難かったです。
多分、今までのMCUシリーズでの積み重ねや人間性、キャラクターが描かれていたからこそ、今回「家族の話」を出されてもすんなり受け入れられたんだと思います。
ということで、『ブラック・ウィドウ』の感想でした。
なんだかんだ、映画を見てからかれこれ1週間。もうちょっと早くブログを出したいものですね。とはいえ面白い映画というのは記憶も鮮明に残っているので助かります!
ナターシャの活躍のおかげで、また世界が救われました。
当面の間は、東京オリンピックを楽しむことにしましょう!!!
読んでくださり、
ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!